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イイね!
2021年08月10日

スターターモーター分解

夏休み自由分解シリーズ! 第一弾

プラネタリ式スターターモーター分解編

いきます!

注意
基本的にここで紹介する内容は、より詳しい解説がなされている
サイトが多数あります。
内容的にもかぶることばかり書いてありますが、引用ではありません。
自分が学習した記憶とノートを頼りに思い出しながら書いています。
回路図は自分が当時学習した記憶を頼りにペイントソフトで
作成しております。ただ、様々な解説画像で用いられている回路図と
基本的に内容は一緒です。(昔からそれしかないのかも)
また、個人の記憶を頼りにしているので間違いもあると思います。
あくまでも個人的な振り返り記事です。
もし問題があるようでしたらご一報ください。削除させていただきます。

今回は分解しながら構造と仕組みを見ていこうと思います。
ドナーは僕のDC5Rに使用されているスターターモーターです。

そもそもスターターモーターってのはあれです。
イグニッションひねるときゅるるるるって音がして
エンジンかかりますよね?
あの、きゅるるるるって音の出どころです。正確には
これはスターターモーターがフライホイールを回転させようと
頑張ってる音なのですが、イメージつくようにあの音のことと
表現します。





僕が整備士の勉強しているときに教えてもらったのは
画像のようなタイプのスターターモーターです。

プラネタリ式スターターモーター
(もしくはリダクション式)

と言って、

フライホイールのリングギアを回転させるモーター部分

モーターの歯車の位置を移動させるマグネット部分

大きく分けてこの2つに分かれます。

一枚目の画像で
手前の大きな黒い部分がモーター部分です。
そして、その上の長いボルトのさらに奥に黄銅色した物体が
少し映っていると思いますが、それがマグネット部分です。

現在のガソリン車は形や大きさは違えどほとんどがこの方式
なんじゃないのかなぁ?と思います。最近の見てないから
わかりませんけど・・・



回路はこんな感じです。頑張ってペイントソフトで書きました。
ただ学生の時にも思いましたが、これ鵜呑みにすると
実物見たとき疑問が出ると思うんです。後ほど解説しますが・・・

ではとりあえず分解していきましょうかね・・・



回路図でいうB端子/C端子/M端子それぞれです。



とりあえずマグネット部分をつなぐM端子を外します。



画像のマグネット部分のナット2つ外します。



マグネット部分が分離しました。
真ん中の白いプラスチックが回路図でいうプランジャです。
ここが内部のマグネットによって引っ込んだり押し出されたりします。
見た目のわりに押すとぷにぷにしています。
柔軟なリターンスプリングが入っています。



こういう風にくっついてて、プランジャが引っ込むとモーターの
歯車が押し出され、プランジャが飛び出ると、歯車は引っ込む

そういう仕組みです。



画像は、皆さんがエンジンをかけようとイグニッションスイッチを
ひねるもしくは最近の車ならイグニッションボタンを押した瞬間です。

大事なのはこの画像は「瞬間」であることです。

電流の流れ

①IGスイッチ側からマグネット部の「プルインコイル」
「ホールディングコイル」に電流が流れます。

②フレミング右手の法則により、各々の電流の流れる方向から
 プランジャは引っ張られる方向に動きます。
 この時、プルインコイルを流れた微量な電流はM端子を経由して
 モーターをゆっくりと回転させます。

③引っ張られたプランジャはメイン接点に接触し、ここから
 フライホイールを回転させるだけの動力を得る大電流を
 モーター部に供給します。同時にモーターの歯車を
 フライホイールのリングギアにかみこませるように
 歯車を飛び出させます。



つづいてイグニッションを続けているときの電流の流れです。
大事なのはあの、きゅるるるっていう音がしているときの流れである
というところです。

電流の流れ

①メイン接点を流れた電流はモーターを強力に回転させ、プランジャに
 よってフライホイールのリングギアとかみ合った同軸上の歯車を
 勢いよく回転させます。これによりエンジンが回されます。

②この時、メイン接点を12Vが流れているので、もともとイグニッション
 スイッチ側から流れている12Vとは「同電位」となるため、
 イグニッションスイッチ側からの電流は流れなくなります。
※「同電位」とは水槽に例えて、高いところの水槽から低いところにある水槽
 へ配管をつなげば、高いところから、低いところへ圧力で水は流れます。
 しかし、水槽の「高さ」を同じにすれば、圧力に変化がないので水は
 流れません。電気も同じです。

③②より、プルインコイルは電流が流れなくなるので、磁力を失います。
 しかし、ホールディングコイル側は回路が成立しているので、そのまま
 プランジャを引き付けたまま保持しています。



最後にエンジンがかかったので、イグニッションスイッチをオフにした時の
回路図です。これもまた大事なのは「瞬間」ということです。

電流の流れ

①画像ではすでにプランジャがメイン接点から離れてしまっていますが、
 実際にはイグニッションスイッチをオフした瞬間、
 「まだメイン接点にくっついている」状態です。
 この状態で、イグニッションスイッチをオフにすると、先ほど同電位
 だったプルインコイル側は一気に0Vになるので、メイン接点からの
 電圧が勝り、電流がホールディングコイルめがけて流れます。

②フレミングの右手法則より、今度はプルインコイルとホールディングコイル
 各々の形成する磁界が互いに逆になるので、プランジャを引き寄せようとする
 力は2つのコイルの磁界の向きの違いにより相殺されます。

③②によって、プランジャはリターンスプリングによって押し戻され、
 フライホイールのリングギアと噛み合うモーター歯車は引っ込みます。

これにて動作終了です。
ここで、冒頭でお話しました、
「この回路図を鵜呑みにすると実物でわけわかんなくなる」
という話を・・・

プランジャの動きですが、今回分解しているのは
「プランジャが引っ込むことで、てこの原理でモーター歯車が押し出される」
モーターです。でもこの回路図では
「プランジャが押し出される」動作に思えます。
僕もマグネット部を分解できればよかったのですが、
疲れ果てたので止めました。
考察ですが、メイン接点が回路図ではプランジャの頭の大きい部分の下側
(コイル側)になっていますが、それが逆で頭の上側についており、
プルインコイルとホールディングコイルの位置関係も逆になっている
のではないかなぁと思います。

理由としては、モーターに大電流が流れるので、接点はなるべく銅線
など使わず確実な銅板の接点もしくは編み込みの太いより線にする
必要があります。M端子の配線なんかもそうなってます。
銅線にするにしてもかなり線径の太いものでないと溶損すると思います。
それをマグネット内で構築するのはスペース的にも無理があると思うから
です。

では分解を進めます。
続いて、モーターを分解しましょう。



モーターの頭側の長いボルトを2本外して



回転部本体(右)と減速ギア部(トルク増大部)(左) に分けます。



この黒い筒の内側にあるのがフィールドコイル、中心にあるのが
アーマチュアコイルです。
さらにモーター部を分解進めます。



2本の+ねじを外します。(なめるかとおもった。)



分解すると、モーターブラシ4か所とコンミュテーターが見えます。
さっき外した2本の+ねじ。これがブラシマイナス側と共締めされ
アースになっています。スターターモーター自体はエンジン本体
に固定されているのでボディーアースになります。



回転部本体側はこんな感じ。
では減速ギア部(トルク増大部)側はというと



先ほど分割した左側です。蓋になっています。



蓋を開けると遊星ギアになっています。ここでモーターの回転速度を
減速させ、トルクを増大させます。
これが遊星歯車というギアボックスになっているので
プラネタリ式と呼んでますが、純粋に減速ギアが
設けられてるものをリダクション式といいます。
今もあるかわかりませんが、ピニオン摺動式という
減速をしないダイレクトドライブなスターターもあります。



そしてフライホイールのリングギアと噛み合う歯車を回転させます。



歯車が押し出された状態です。
歯車が前後する部分はスプラインになっており、ひねりながら押し出される
事によって、フライホイールのリングギアと噛み合わないという事態を
極力さける工夫がなされています。



歯車の下についている首輪みたいな部品。
これをオーバーランニングクラッチといいます。
要は、フライホイールに歯車がかみ合うときって、

フライホイールは回転数 0 ですよね?
そのときの歯車にかかる力はフライホイールを回そうとする方向とは
逆方向に力がかかります。自転車の漕ぎだしもそうですよね?
自分が踏ん張るつまり、押し下げなくてはならない抵抗があるわけです。
その時は、このオーバーランニングクラッチはロック状態で
空回りしません。

ではエンジンが始動したらどうなるか?

今度はエンジン回転数がスターターモーターの歯車の回転数を
うわまわります。正確にはアイドリング状態のエンジンは
クランク軸でおおよそ一般的なエンジンで1500-2000回転
それが外径のさらに大きなフライホイールも同じ回転数なわけです。
必然的にフライホイールのリングギア回転数はめちゃ速いんですよね。

そこで、今度はスターターモーターの歯車にかかる力の方向は
先ほどのエンジン停止状態とは逆で、回転方向に力がかかります。
スターターがフライホイールを回すよりもフライホイールがスターターの
歯車を回してしまうわけです。

すると、もしスターターモーターにこのクラッチ機能がなかったら、
スターターモーターは過回転となり、逆に歯車に回転方向の
力がかかって、マグネットが歯車を引っ込めることが
できなくなってしまいます。
そこでこのオーバーランニングクラッチあることにより
歯車は空回りできるので、余計な力を逃がしてくれます。

そうして、すんなりスターターの歯車は引っ込むことができるのです。

というわけで分解全貌


いや、疲れました。

ちなみにトラブルシューティング

①イグニッションをひねってもカチカチカチって音が鳴るだけで
 エンジンが回る気配がない。

→可能性としてプルインコイルもしくはホールディングコイルに問題がある
 場合があります。マグネットがプランジャを保持できず、歯車がバタバタ
 してモーターも回せていない。

②カチッと音はするがエンジンが回る気配がない。

→可能性としてモーターのブラシが摩耗しているもしくはメイン接点ほか
 モーター駆動に関係する部分にトラブルが生じているため、
 モーターが回転しない

③カチッと音がして、ぶいーんって音がするがエンジンが回る気配がない

→可能性としてオーバーランニングクラッチの破損。
 始動時の逆方向への力をロックできていない

上記は一例です。そもそもスターターの問題ではないこともあります。

分解後の部品はわたくしが思いっきり鉄くずゴミ箱にぶっこみました。
気持ちよかったです。

おわり


ブログ一覧 | 日記
Posted at 2021/08/10 23:13:09

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この記事へのコメント

2021年8月11日 16:38
いきなり最初から長文での『ネット講習』お疲れ様でした。
途中から……いや最初の方からついていけませんでした。(+_+)
回路図に至っては、もう魔法陣にしか見え……(笑)
結局、理解できたのは
①『あの音』はスターターモーターがフライホイールを回転させようと頑張ってる音であること。
➁A×1sさんが元気でやっていること!\(^o^)/
次回も受講しますからね!
コメントへの返答
2021年8月12日 7:57
お世話になっております!忘備録ですし間違いもあると思いますが、僕は元気です!

プロフィール

「忘備録

JG1 F:13段戻し R:11段戻し

DC5R:F:12段戻し R:10段戻し」
何シテル?   04/23 10:19
Ax1s.といいます。20までは健常者でしたが、今は事故で障害者です。でもそん時の愛車は今でも直して保管してある物好きです。
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