
路面凍結っ!
まぁ誰でも知ってると思います。
いつだったか、橋から車が落ちてしまい、そのニュースを伝えたヤフーコメントだったかを見たら「真っ直ぐな橋から落ちるとかどんだけ運転下手なんだ」とか「よそ見か」とか「スマホだろ」とか書いてあって、いやいや違うだろっ・・・と思ったので書いてみます。
ある初冬、都会の知人がうちの方(関東近郊の山の方)に車で遊びに来るというので、ちょっと危ないヨと伝えた事があります。
早朝や夜間は路面凍結するかもだから時間を考えてな!
「えっ、オマエんちの方ってもう雪降ったの?」
いや降ってないよ、でも路面凍るんだよ。
「えっ、最近、、、雨降って無いし氷点下??」
いや、道路に雪や水が無くても氷点下じゃなくても道路は凍るんだよ。
「へー、スケートリンク??」
なわけねーだろっ、霜が降りるんだよ。
「霜なら踏んじゃえば消えるんじゃね? 誰も走って無いの?交通量ゼロ??」
いやいや、霜を踏んで白くは見えなくなっても路面のザラザラした中に残ってて水分も表面にあるからまた霜が再生するんだよ、しかも踏まれて黒く見えるようになるけど、黒色の再生する霜みたいなものがやっかいなんだよ。凍結防止剤で黒く変色した路面と見分けられずに・・・。
「ブラックアイスバーン?」
んー、そーれーはー、んー、地元ではそんな路面をブラックアイスバーンと云うけど、北海道とか豪雪地帯では雪が踏み固められてその下の溶けないズバリ黒い氷をブラックアイスバーンと云うだろうからそれとは違うけど、、、、んーーとにかく朝や夜は滑るから危ないんだよっ。
JAFの云うブラックアイスバーン
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/snow/black-ice-burn
まぁそんな感じで冬の早朝って橋の上に霜が降りて滑り易い訳です。
●橋・高架などの道路下に風が通る箇所は路面が冷却されるので凍り易い
●霜の生成には水分が必要=川や湖などの上に架かる橋は絶好のポイント
●白い霜と埃っぽい白い路面は見分けがつかない(前者はキラキラ成分アリ)
●黒くなった霜と融雪剤で路面が黒くなっているのは見分けがつかない(混在だったり)
●路面が凍った様なスリップしやすくなる外気温度は3度位から(992はこの温度以下でポーンという音と共に雪の結晶マークで警告表示する親切さ(^^)
じゃぁなぜスリップした車が90度向きを変えて橋から落ちてしまうかというと(やっと本題w):
車が橋のドライ路面を進行中、凍ったり霜が降りた滑りやすい路面に差し掛かる。
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真っ直ぐ進行しているつもりでもフロントタイヤがグリップしないので進路が少しずつ脇へ逸れ始める(例:左へ逸れるとする)。
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気付いたドライバーは驚いて逸れた方向とは逆の右へステアリングを回す。
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路面のミューが低いので軽くステアリングを回せてしまう。
↓
ステアリングを切っても車の進路は変わらず、ドライバー焦る。
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軽い操舵感も相まってクルクルと一気にステアリングを右一杯まで回し切る。
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↓
凍結や霜が降りた路面が終わりドライ路面に車が載る←。
↓
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1振り目(右スピン):
まずフロントタイヤからドライ路面に載りタイヤが向いている方向へ車が向きを変え始める。目一杯ステアリングが右に切れているのだから経験した事がない速さで右へ向きが変わる。
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この時、まだリアタイヤはホイールベース分スリッピー路面の上に居るので、リアを外側へ振り出す方向に動き、車両は急激に回転スピン状態になる。(特別に訓練した人以外はステアリング操作だけでは立て直せないくらいに急激な筈。PECのキックプレート以上かも)
↓
2振り目(左スピン):
急に右回転し始めたのでドライバーは慌てて逆の左一杯までステアリングを戻す。この時上記右スピン中のタイヤ走行抵抗(ブレーキングドリフト的な)から車両スピードが落ちたことにより車両全体のエネルギーが減るのでタイヤがグリップを回復し、沈みきってた左サスが伸び始め、そのバネ反発力で車両は一気に右傾きへ。
↓
左から右へとバネ反発力の勢いを付けての右荷重となるので、右フロントタイヤは最も働ける状態となり、それに合わせて上述の左一杯ステアにより、今度は左スピン状態になる。リアも慣性でアウト側へ振り出してしまう。バネの反発力が加わった分1振り目よりも激しく左に回る。
得意?の絵で
上記を繰り返すのがこの動画:
https://youtu.be/EMhvD7aR0Ns?si=-PQK4KuKYOeDyf8i
PC全画面表示推奨、スマホでは小さくて見えないかも。中央の点の様な軽トラの動きです。
でも90度すっ飛んで行かないじゃん、ですが、まぁラッキーだったと思いましょう。
橋の上から落ちちゃうのは、予想ですが上述の2振り目の後が多いのではないかなぁと思います。2振り目の後、車の動きが左向きの時にステアリングの戻しが直進方向までしか間に合わないと、そのまま真っ直ぐ(左に)走って行っちゃう筈です。
ここは右右の複合コーナー。既に車の向きが変なんですよね。ドライですがスピンモードに入った一例として。

路面のブラックマークでわかるとおり急激に向きが変わってます。スピン状態からのカウンター当て遅れと戻し遅れによる車の急激な左右荷重移動変化がシンクロすると一気に90度逆方向にすっ飛んで行きます。この白い車はガードレールまで行ってました。誰も右コーナーで左へ行きたくはないけど、そうなっちゃうんですよ、有る有るなんです。
対処方法は、ブレーキを目一杯踏み続けるで良いと思います(唯一の正解とまでは断言しませんが)。今の車は姿勢制御ブレーキが備わってるので、ブレーキペダルを折るつもりの踏力MAXで踏み続けましょう。ステアリング操作だけではまず無理でしょう。
では、冬の橋や高架で気をつければイイ!・・・というのは事実なんですが、そこが橋なのかわからない道路も多いです。
災害時の画像で恐縮ですが、右車線は山側で左車線は橋という事もあり得る例えばの画像。
縦に道路接合部が見えてるのでココの左側は橋的な構造かと。最近の接合部は埋没処理をして表面は舗装面になるので、ココに通りかかっても橋とは気づかないかも。
オレンジ色は誰でも橋!とわかるけど、赤の方は道路を走ってたら橋とは気づかないかも。
トンネル抜けたらそこは橋!対面通行の一般国道なのに欄干部分が厳ついですね(--;)
あれ、なんだか冬は山の方に走りに来るな論調になってきた(^^;
いずれにしろ、スピンモードに入った時に、ステアの方向、車の左右荷重変化、車の進行方向(重い車が動いているって事はエネルギーを持ってるという事)、これらが悪い方向で合わさると、車はとんでも無い方向に勢いよく走って行ってしまいます。運転操作は車が動いている状態で行っているので、「うわぁ車がこんな姿勢になってしまったな・・・じゃぁこう操作して姿勢を直すか・・・」でそこから操作したのでは、多くの場合遅すぎる事になります。
という訳で、これから路面状況が大きく変わる時期ですので、気をつけて楽しいドライブをしましょう(^^)
―余談―
これはちょっと違いますが、コントロールを失った時はプロでもステアリング操作だけでは無理という一例。
直前の縁石を跨いで(底を擦ってるかな?)、タイヤが適切なグリップ力を発揮出来ない状態からの通常ドライ路面に着地での姿勢の乱れという意味で参考にさせてもらいます。
https://youtu.be/MuLo-RpqaLo?si=7o6TZbnnFJdbXpm1
手前のコーナー(SPin)でインに付けてないのでオーバースピードなのか、もしかするとセッション開始直後でタイヤ冷え冷えだったか。
底を擦ってリア左右が不規則に空転してると思うので、LSDが入っていても完全左右直結ではないので着地した時にリア左右がどっちが多く掻くか想定が??、LSDの特性、アクセルON/OFF、ワタシにはわからないのでなんとも言えません。着地した時にイン巻きする方向に挙動が乱れる事を予想してドライバーさんはすぐ右へカウンターを当てたタイミングでリア内輪がグリップしたのでしょう。着地した所で軽くブレーキ当てて車を落ち着かせてブレーキを離しステア操作で姿勢の乱れに対処しようとしてたら、想定外の勢いでアウト側に飛んでいったので再度ブレーキ踏むまでタイムラグが発生してしまった、感じでしょうか。違うかもしれないので詳しい方はご指摘くださいm(__)m
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一番上の画像は11月最初の連休に半袖でサイクリングするインバウンド観光客さん@河口湖大橋。