
写真はフォーク試験真っ只中の18時頃です。撮影禁止ではないはずですが「教習日程中にスマホ出したら合格はやらん」と脅されたのですがもう時効として。
ここからフォーク試験のコツやポイントとか心構えを忘れない内に書きますので、
興味なければ2番のページ内リンクまで飛んでください。1番では特におもしろいことは書いていません。忘れない内に。これからフォーク取る若者やシニアのために遺します。すげー長いです。
どうでもいいかもですが、私はみんカラで車に関係ないことは書かないことにしているのですが、フォークも車の1つなのでってことで。ナンバーつけたら公道も走れますが速度は出てもせいぜい30km/hらしいです。
1.フォークリフト合格のコツ
普通免許ある前提ですと全部で31(学科7+技能24)時間で、私の行った教習場は初日学科7+技能3日x8時間+学科試験と技能試験でした。
学科
180ページぐらいのテキストが当日配布されて講義スタート。
フォークリフトって何なのか?種類や構造に関してがその1。次に力学ですが物理嫌いな私には「このFって何なの?」「Wって言われてもわからん」「このm1とm2ってどこから出て来たの?」の連続で力学後半は全然わかりませんでしたのがその2。最後は法令で労働衛生管理という昭和47年にできた法律を学ぶのがその3。
これら1~3まで各5問の全15問を60分以内に回答するのが試験で1問につき4択の択一式。正直力学が不安でしたが(まじめに講義を聞いて)掛け算できるなら不安になって損したってぐらいのものです。
教習場によるのでしょうけど、フォーク合格率90%ぐらいが本当ならば、教習場の講師が「ここは重要」と言ったところが試験に出る可能性高いので私みたいな文系オジサンでも何とかなったんだと思います。
ちなみに当日の学科合格率は18人中18人が合格だったそうで合格率100%とか。とにかく(居眠りせず)最初から最後までまじめに覚えましょう。私は自腹100%ですが会社が出してくれているパターンならフォークの試験は3万円弱かかっています。寝るなよ絶対寝るなよ。
技能
2日目からの3日間は毎日8時間の合計24時間という規定があって教習場もそれを守らなければならなくてガッツリ運転させ・・・られはしません実は。
1チーム8~10人のローテーションなので自分の番は1/8~1/10となり、1回10分の作業なら8人で80分(1時間20分)かけて10分ほどしか運転できません。単純計算で24時間枠の内の3時間しか運転できません。実際には講師の話や交代する時に時間少しかかるので3時間も乗れないです。
初日はコーン(パイロン)を20m先に置いて一周。この時に妙な指導と感じたのは講師が「できるだけコーンの近くを通れ、10cm以内を目指せ」と。
フォークリフトはドアとか無いので身を乗り出せば車体と地面の距離わかるので不可能ではないんですが、自動車でそんなことしませんから意味わかんなかったです。
でも、
ここすごく重要でフォーク試験はクランクの嵐なので10cmはマジ、ガチ。近すぎるとコーン踏む(脱輪、一番やばい原点)で、遠いとテールぶつける脱輪(同じくやばい減点)になります。
周回が終わると今度はスラロームでした。5つのコーンをジグザグに奥まで行って帰ります。多分ここで
多くの人が普通の自動車とは何か違うと気づくはず。
フォークって車とは逆で前輪ではなく後輪で進行方向を決めているのです。要は車の運転席が逆になってて常にバックしている構造。しかもその後輪は垂直に近い170度ほどまで曲がるので、ハンドルをフルに切るとほぼその場でぐるぐる回転するような仕組なんです。これ理解するのに3日かかった。
次はそのスラロームを後退でやります。いや無理だろと思っていたのですが、ずっと後ろ向いてやるので自動車の前進のようなものなので逆に後退の方が運転しやすかったです。
技能2日目は試験コースを往復します。前進でクランクが3箇所と後退でクランクが3箇所しかないのですが、道幅が車体幅の2倍しかなく、クランクの角にはコーンや柵とか1t超えのコンクリブロックでガードされていますのではみ出し禁止。
技能初日をいかにまじめにやったかで個人差が出ます。あと、講師の話をどれほど真剣に聞いていたかでもすごく差が出ます。2~3割の生徒がガンガンとコーンを踏んで柵にぶつかったり尻をコンクリブロックにぶつけます。
どうするべきかは
講師の言う内容が試験合格のための運転方法と割り切って野生の勘や運転センスには頼らないべき。フォークの動作は自動車とは反対なので
普通免許慣れしている人には逆にハードルなんです。
技能3日目は荷役(にやく、荷物を運び積み下ろしする作業)をしました。それまで運転意外と難しいと思っていましたが実はこの3日目がキモで、フォーク水平にして位置合わせて前進して持ち上げて下ろすまでが想像を超える難しさでした。
多くの人が水平と思っているフォークの角度は上を向いています。少しでも上を向いたフォークは持ち上げられても降ろして後退する時に先端が引っかかるので抜けなくなり、下向きにしすぎてもパレット(荷物が乗ってるアレ)をバキバキこすります。この水平は実地で感覚覚えるしかないです。とにかく早く水平を覚えてください。私が一番苦労したのがこれ。
フォークをナメているなら落選できます
フォーク試験は減点方式で30点マイナスになった時点でジ・エンド。脱輪すると(コーンや柵にぶつけたら)-7点、確認抜けたら-2点、他にも細かく何十個も減点ポイントあります。
私が一番ビビった(これ、講師の脅しがすばらしかったと思う)のが最初の車体の確認を忘れたらその時点で終るっていう、普通自動車免許の一発試験並な厳しさを教えられたこと。
私「作業開始します」
講師「お願いします」
からスタートして、乗車する時に指差し確認で「前方よし、後方よし」と言って乗車する。のですが、その前に車体の四方を確認する決まりがあります。
車体の前方で「マストよし、チェーンよし、リフトシリンダーよし……」など5箇所、右側で「ヘッドガードよし……」など4箇所。後ろ3箇所、左側4箇所、計16箇所で指差しで「ヨシ!」しないといけません。これをすっ飛ばしていきなり乗ろうとしたら16x-2点で-32点ですから始まる前に終わります。
発進した後に多いのは、移動して停車したら駐車ブレーキかけてニュートラルに入れて「駐車ブレーキよし」「シフトレバー中立よし」をアホほどやることになりますが1個抜けると-2点ですからセットで忘れたら-4点。もうロボットのように「ヨシ!」だけは忘れないでください。特に駐車ブレーキとレバー中立。
合格率高いからとナメちゃだめです。私はブルーカラー系の知識全くなく「合格率9割で落ちるわけないやろ」ぐらいに思っていましたが、事務(ホワイトカラー)系の人間がナメてかかると高確率で落ちるぐらい危なかったのがフォークリフトです。厳しい講師のおかげで何とか修了証頂けました。ありがたいです。
2.老いを実感した4日間
私が参加したフォークリフト試験の18人の年代は多分こんな感じ。
・64歳……Kさん
・47歳……私(イノウエ)
・30代……5割
・20代……4割
学科試験は誰がどう答えたか知りませんし合格率100%なので年代による差は感じられないのは当然。問題は技能3日間の方。
初日でフォークの運転一番うまいと思ったのは最年長64歳のKさんでフォークなどの運転経験は無いそうで。次にうまいと自負するのが47歳の私。そりゃ私ら車の運転歴長いし、それ以外にも色んな経験の幅や奥行きもあるでしょうから若い人よりもできて当然でしょう。
しかし2日目から風向きが変わったかのように20~30代の人が私よりもうまくなってると気付きました。認めたくなかったから、何が起こっているのかわからなくて、ありのままその時に見てことを書いています。
そして3日目。情けないことに私(47)は元々事務職(22歳女子)とブービー(下から2番め)どっちかな?レベルでした。ランク落ちたのではなくて若い人たちが上手くなったから。
この3日目は特に熱かったです。
私の運転についてきてくれて「確認4回忘れてたよ」「フォークこんぐらい上向いてた!もっと下!こんぐらいです」「待って!マストもっと下げないと」みたいなダメ出しを浴びせられて。これが老いなのかと実感しました。彼ら20~30代、私は47歳。
経験値積んでいる自分が若い人たちをフォローしなければと思っていたのですが逆。新しいことをしようとしている私(47)を助けようと若い人たちが真剣になってくれる。心配させて申し訳ないと思ったと同時に自分の認識が今の時代とずれているのかと反省しきりです。
試験は緊張しまくっていた20代はパーフェクト、30代もほぼノーミス。最年長のKさんもノーミスと思っていたらゴール直前でフォーク仕舞い忘れる凡ミス、私は割とアホみたいな凡ミス(荷降ろしのマスト水平忘れ)してフィニッシュ。
「こいつ大丈夫か?」と思っていた最年少ヤンキー女子が最終的には正確かつ最速でした。当初エリート最高齢Kさんも47歳の私も最後は凡ミスしちゃうっていう。
以上です。
今の20~30代の若者が90年代カーを運転したらどう感じるんだろう?私よりうまく走らせるのか?と思いましたが、もうそういう時代じゃないんですよね。
寂しい