プレリュード

スペックは今にして凡庸。ざっくりロードスターRF程度。(それも怪しい)
でも雰囲気~デザイン、時代で支持されたクルマ。
スポーツカーでなく実用車でもない雰囲気、空気だけのクルマ。
こういうクルマが好きだった自分はクルマのことを何一つも知らないガキだった。冷静な目で今、プレリュードを見ると自分が恥ずかしくなるような気がする。同時代のシビックやCR-Xのほうがクルマの機能という点で遥かにマトモ。カッコいいだけで中身が伴わないこのクルマに酔った自分は無知だった。でもスタイル優先で骨格を決めて意味ありげなバンパーの造形で大人なパーソナルクーペを仕立てたホンダのデザイナーは大したものだと思う。凡庸な前輪駆動でこんなに低いボンネットは他所のメーカーでは絶対にムリ。ホンダデザイン黄金期が産んだ傑作の一つ。機能的に意味がなくとも差別化をここまで徹底しないとデザインの価値が溢れ出てこないことを見せつけられたクルマ。その後にトヨタはセリカでカタチの奇抜さを装い日産が走りではなく雰囲気でシルビアを作ることになったのはこのクルマの影響が多し。デザインがクルマのカタチを変える。トールボーイシティやぶった切りリアの三代目シビック等、この時代のホンダデザインの凄さは今のホンダしか知らない方にはわからないかもしれない。ワクワクドキドキ。次は何を出すのだろう?何をするんだろう?あの時代、ホンダ好き、クルマ好きはホンダにいつも期待をしていたように思う。
あれから何十年も経ち時代も自分も変わってしまった。
それでもこういうムダグルマがホンダのラインナップにあってイイと思う。
走りではなく実用でもなく雰囲気だけのクルマ好きのためだけのパーソナルクーペ。
クルマの魅力は機能や走りだけではないんだよと。
ホンダこそ作るに相応しいように思う。
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Posted at
2017/01/01 15:19:12