
名車比べ
似ているか、いやそもそも我らのNAデザインの原点は何かとあらためて研究してみた。研究手法は単純な側面比較。読み取れるのは骨格、プロポーション。カーデザインの全てではないが全てを縛るものとしてクルマを見ることは基本的に間違ってはいない。比べて考えることでNAデザインの意味がわかることもあるだろう。明らかなのはまず、アルファロメオとは全然骨格が違うこと。比較対象がロータスだと…車軸間中心にヒトが座る骨格が同じなのは否定しようがない事実。Aピラーの傾きを除けば衣装(=見かけ)が違うだけと断言してもいい。ロードスターは過去の名作のリメイク。前にも書いたが日産Be-1、PAOと同じ回顧趣味路線。デザインとしてそれが良いかどうかはロードスターを見る上で各々考えるべきポイント。模倣に頼り新しい造形に挑戦していないという批判はあってもあの時代にこの回顧趣味なNAのデザインでなければロードスターがここまで支持されたとは思えない。と捉えるか、結局、安易と捉えるか。ファンとすれば痛し痒しか。アルファロメオ~イタリアンは個性的。というか官能的。この色気は我々島国が苦手とするところ。後ろ下がりのサイドビューは普通のクルマでやったら間違いなく失敗するテーマ。深く考えたら絶対に挑めない造形。後ろ下がりでカッコいいのは後にも先にもこのクルマくらい?イタリアンデザインの凄さは新しいカタチの衝撃はそのままに説得力も併せ持つところだ。日本車が同じように斬新さで造形的に切り込むと違和感だけが残る。我々はどれだけそういうクルマを目にしてきただろうか。NAデザインは模倣なのでそうした違和感は回避され懐かしさという心情的な武器を手にした。日産のパイクカーと同じくカタチに時間を超える価値を与えることに成功した。でもなぁ昔、あったあれと同じだよなぁという小さなトゲとともに。NAのスタイルに関して今まで当事者達が様々なことを述べており単純なパクリでないことはまた確かなことだ。それでも理屈はそれとして側面比較で見る限り当事者達が言う差異はほとんど機能していないことが素人でもわかるだろう。骨格は機能なので優れたスポーツカーの解答としてロータスとマツダが同じということはあって良いと思う。ただ骨格が同じであればデザインは同じなのでデザイナーが腕を奮っても結果は芳しくないようだ。こうしたNAデザインの反省はNDの特異な骨格構成に活かされているとみた。それならば模倣デザインも意味がある。個性は骨格。ロータスもアルファロメオも教えてくれた。今度はマツダが教える番なのだろう。
Posted at 2017/01/12 23:16:51 | |
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