タイトルにはメンテと書いたけど、今回もチューニングといった内容の作業がほとんどです。
【ステアリングギヤ比 変更】
これは今回の2015仕様へ向けての作業の目玉メニューのひとつです。
他車種用のステアリングラックをまるごと移殖します。
純正がロックtoロック約3.1回転。
そして今回流用した他車種用が約2.4回転。
なんと約23%ものクイック化を実現!(笑)
もちろんホイール切れ角はノーマルと同じままです。
詳細は割愛しますが、これはとにかく大変な作業でした。
事前情報(ボク調べ)ではポンづけに近い状態でもっと簡単に流用できると思っていたのですが、実際はそうではなかったです。予想していた以上に本体の太さが違ったり、パイピングのジョイント部分の形状や向きが異なっていたり。どこまで流用するか、どこまで作り変えるか、どこまで新規特注するか(悩)。
しかしそこはさすがのプロフェッショナル。諦めずに完成させてくれました。ほんとすごい!

AT車なのでプレッシャースイッチもしっかり残しました。
そもそもなぜこうしたかったのか。
ボクは常時片手ステア操作で走っているのですが、とにかく操舵できる量があまりに少なくてとても困っています。
コーナリング中は横Gが強く発生するために腕が強烈に重くなってしまうのも原因の一つです。
左に回そうとすると自分の体が右に押し返されてしまうし、旋回中の横Gで体はさらに右へと。回そうとすればするほどステアリングではなく体のほうが動いてしまうという。
右へ回そうとするとスピナーを使っているためにヒジが胴体側にたたみこまれず外側へ開いてしまうのです。なのでヒジがドアにつっかえてしまったりするんです。
とにかく自分で使える操舵幅が狭すぎてまともに走れません。
現状を具体的に書くと・・・
ボクは左方向へはわずか約90度、右方向へはさらに少なくて約60度しか回せません。
どうしてもそれ以上回さないとならない場合はこれでもかっていうほどに減速してからになります。
もしくは気合い一発チカラ任せで回すのですが、不確実すぎて自分のコントロール下には置けません。
観察眼と分析力に長けた人を同乗させるとあまりにも舵角の少ない運転だとものすごく驚かれます。
逆に長けてない普通の人が同乗した場合だとただ単に消極的な運転をしていると勘違いされますが。
シルビア系の中級~上級者の車載映像と比べると、左は約半分以下、右は約三分の一以下程度までしか回してない(回せてない)です。それでもボクは人と対等かそれ以上に走ることを諦めていません。
車の動きは地味でも車内では人知れずものすごいアクロバチックなことをしてるのです。
純正ステアリングギヤレシオのままだと仮定して相対的に考えると、
流用後は、操舵可能域が 左:90度→117度、右:60度→78度 になります。
大まかなイメージとしては各方向へ拳一つ分くらい多く回せるようになった感じでしょう。
これってものすごいことです。
これでハンドリング特性が劇的に変化(ボクにとっては)するのは間違いないでしょう。
しかし満足できるかどうかはまだ不明、予想しうるデメリットも多々ありますので。
試走してからインプレ書きます。
でも長年望んでいたプランをついに実行!やりました~~!
この作業だけでものすごい達成感があります(笑)
【運転装置取付台座 補強】
たいていの運転装置は運転席のフロアパネルにボルト留めされているだけですので、スポーツ走行時には強度が不足しやすいです。走行中にほんのちょっとでもフロアがよれるとグリップ位置は左右に何十ミリもずれてしまいます。操作性やダイレクト感も下がるし、上半身の体重を支えるグリップとしても剛性不足になってきます。これはものすごく深刻な問題なのです。
Myシルビアではその対策として運転席足元(室内側)の広範囲にかけて補強材を仕込んであります。
ですが、肝心な運転装置本体の真下部分が未完成だったのです。その際は突貫作業だったのでミッションメンバーに補強材の一部を重ねることで強度を確保していたのですが、ミッションを脱着する際とても面倒です。この補強板がズレると運転装置もズレるのでセッティングが台無しになります。見た目もよくないですし。
フロアを補強してもそのフロアごと動いてしまうので困ったものです。もっと面に密着させて固定したいです。
何か策はないか。なにか穴が余ってますね。なんの穴だろう。MT車用なのかな。
この部分をうまく活用して台座を補強。
これなら強度も上がりそうですし、ミッションブラケットにも干渉しません。発想も仕上がり具合も素晴らしいです。
【運転装置アクセルワイヤー 交換】
この運転装置の構造上、どうしてもワイヤーが短寿命です。いつもは2年おきくらいに交換していたのですが、今回は4年以上も交換せず。その結果、大きなクセがついて綻びが出てきてしまいました。外してみたらもはや断線寸前。出先で立ち往生しなくてよかったです。
この装置のビルダーに問い合わせたら在庫なし。しかも、ずっと何かの純正品だと思っていたのですが、実際は100本単位での特注品でした。仕方ないので自分で小回りの利くワイヤー製作会社を見つけ出し、交渉。技量を見極めたいのでスペア用も含めとりあえず今回は2本依頼。それぞれ微妙に仕様を変えました。
専用設計。ワイヤーの両端がタイコで、それぞれ径が違うんです。ホース長とワイヤー長の差も重要。
まずまずの仕上がりです。ちょっと高かったけど仕方ない。
今回の経験を経て、次回はさらに良い仕様で製作できそうです。
交換作業は簡単でも調整作業が難しいのですが、根気よく作業してただき、ばっちりつめてもらいました。いいセンスです。
【ハイスロットルプーリー 取り付け】
もう、勢いで投入です。小径プーリーにすることでアクセル操作を約20%くらいショートストローク化できます。いくらなんでも20%はやりすぎな気もしましたが。
で、さっそく作業へ。そしたらバルブシャフトの部分の寸法が合わずに装着できません。要加工。
調べたらMyシルビアのスロットルボディはS14用がついていることが判明・・・なんでやねん!!!
しかしFASTで純正プーリーを調べたらS14もS15も部品番号一緒なので互換性あるはずなのですが・・・謎です。

S14用を買いなおそうとしたら往復送料負担のみで交換していただけました。メーカーさん、ありがとう。
【RCジョイント 取り付け】
ロールセンターアダプターとかアジャスターとか呼ばれているものです。
メリット、デメリット、それぞれ聞きますが一時期とても流行ったパーツなので自分も使ってみたいのです。気に入らなかったらノーマルに戻せばよし。
個人的にはロールセンター云々の謳い文句はあまりあてにしてないのですが、アーム角度を水平近くに戻すことで足の動きがしなやか&スムーズになるのを期待しています。ノーマルのままローダウンした際のあの妙な突っかかり感が解消されてほしいです。
事前に聞かされていたけれど、アームがブレーキローターに干渉。メーカー曰く、アームを削るか叩くかしろとのことなので、軽く叩いて装着。ついでに遮熱材も巻いておきました。
【タイロッドエンド 取り付け】
バンプアジャストタイロッドエンド。RCジョイントでアームが水平近くになっても、それだけだとタイロッドは万歳状態のままです。そうするとアームのストッパーの先端に当たってしまうので、併せて交換。
ラックを交換したので取り付け部分のサイズを調べ直す必要がありましたが、問題なく装着完了。
【アライメント 再調整】
RCジョイントをつけるとアライメントが大きくずれるので再調整が必要です。
プチ補強とクイックラックとRCジョイントでハンドリングも激変するはず。フロントがよく入るようになる分、リヤをもっと安定させたほうがいいと予想。
しかし、まずはどのような変化が起きたかを自分で確認したいのでこれまでと同じ数値に合わせました。
フロントはRCジョイントでナックルが起きる方向になるので、アッパーマウントのキャンバー調整幅を使い切ってしまいました。いま以上に角度付けるならアッパーマウントを少し削らないとです。
今回は技術系の店に持ち込み、さらにはシルビアに非常に詳しい方々に囲まれての作業だったので、さまざまなノウハウやデータをいただくことができました。自分の用途と仕様に合わせて取捨選択。いままでになく充実した作業になりました。
仕事でばりっと語れる人って素晴らしいですね。
残るはエンジン関連の記事のみとなりました。
復活までもうすぐ。