~~~ 少し前置きが長いです。 ~~~
秋が始まったばかりの某日。
台風が通り過ぎた直後のクリアスカイ。満天の星が約束されている、行けば撮れる。しかしこの日はどうしてもリアルタイムで観戦したい生配信番組(格闘技)が夜にあって、すでにPPVチケットも購入してしまっている。
星空と観戦、どっちが大事なの。観戦です。
さて観終えてすでに夜遅くになってるが、やはりこの絶好の条件の夜を逃すわけにはいかない。自称ホシトリストのサガが疼く。
急いで仕度を整え、急いで積み込み、急いで出発する。そして家を出て30分くらい経った頃、突然ふと疑問が・・・。
あれっ!? カメラ積んだっけ??
一番大事な装備だから一番最後に積み込もうと思って、一旦ガレージの床に置いたんだよね・・・。そこまでは覚えてる。しかしそれからトランクフードを閉める前に積んだだろうか・・・? それは記憶にない。つまり・・・。
・・・。
・・・。
だははははは!
・・・。
いや、まさかそんなことが・・・(冷や汗)。
・・・。
路肩にクルマを停めて確認する。
ないっ!どこにもないぞぉ!
これは受験票を持たずに受験会場に向かうようなもんだぞ?
ぱしゅーん!(気力、大気解放だ!)
・・・。
なにこの絶望感。なにこの徒労感。
今夜の活動終了。
ではまた。
いや、ちょっと待って。まだ終わらなーい。
ただの夜ドラに切り替えようか。それとも撮影なしで肉眼だけで星空を眺めて過ごすか。うーむ、どれも筆舌しがたい敗北感に襲われることになるな。
往復で1時間もの痛恨のロスになるが家に取りに戻ろう。ただでさえすでに遅い時刻だが諦めない。
さぁ今度こそカメラは積んだ。最寄りのICから乗って一気に距離を稼ぐ。もう1分たりともロスしたくない。
ハイウェイを降りてからがまた長い。山間部の真っ暗なワインディングを覚醒モードでひた走る。シルビア時代より確実に速いよMy86。
目的地に近づいてきた。台風の雨で路面がところどころまだ濡れていて余計に暗く感じる。
駄菓子菓子!目的地まで推定あと数百メートルのところまできたらなんと道がゲートで閉ざされていた!なんてこった。
おいおいおい・・・、今夜はツキがないな。目的地を変更するか、しかしそれでは移動時間からして撮影できる時間が残されない。
路肩から草木がボウボウに生えているので初見では気づかなかったが、ゲートの脇に少し隙間がある。クルマでは通れないが徒歩では行けるかもしれないということだな。ツキはあった。
ただしこの真っ暗闇をだ・・・。山奥の深い森の中で街灯すらない、自分の足元すらも見えない、そんな漆黒の世界をだ。しかも荷物は一回では運びきれない・・・、何回か往復しないと。
ごくり。行くの?どうするの?
行くでしょ、だってオレですもん。
~~~ 前置きがすごく長くて、さーせん。ここからようやく本編です。 ~~~
某所 in the 漆黒。
どうにかこうにか撮影地に着き、設営を済ませた。頭上には人生過去最高レベルのド迫力の星空が広がっている。さすが台風一過。自分がいる場所も真っ暗だからまるで宇宙に放り出されているかのような気分になる。引力に感謝。
試写開始がAM2時。本撮影が2:30~4:30。
湖面を吹き抜けてくる微風がススキを揺らしている。
フェイバリットショット。
ときおり対岸を行く真夜中のトラフィック。
天の川が色濃く鮮やかに見える時期はもう終わりだ。もう秋ともなると薄くなってしまう。
本日のベストショット。
駆けていくクルマの運転手はヘッドライトで明るく照らされた前方だけを凝視しているだろうから、その頭上に立ち上った天の川にはきっと気づかないだろう。
振り返ったらオリオン。
風が納まっている間に枝の隙間を活かした構図で撮る。
流れ星。
2枚目の左上の明るい楕円状のものはアンドロメダ星雲。
いつものお約束、グルグルショット。
北極星の見える近くを東から西へ通過していく航空機の光跡。
調べたらアンカレッジからホンコンへ向かうキャセイパシフィックの貨物便だった。以前、若かりしときの俺がイスラエルの旅から帰ってきたときはアンカレッジ経由の便だったのを思い出した。そのときシベリアの上空で機内から見たオーロラの壮大かつ幻想的な光景には心が震えた。地球すげぇ、太陽風すげぇ、宇宙ってやばい。
今宵のド迫力の満天の星の元、遠く過ぎ去った日々のいろんな思い出がつい先日のごとく鮮明に溢れかえってくるのだった。
来てよかった。来れてよかった。星果あった。撮影中はステキな時間を過ごせた。これぞ秋の奇跡(いろんな意味で、笑)。
7 seconds in Heaven while the Earth sleeps...
ではまた。
Posted at 2021/10/22 21:46:03 | |
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