~~~ 世界の半分は闇でできている。夜を楽しもう。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
地球上に影をもたらすことができる天体は5つだけらしい。
それは「太陽」、「月」、「金星」、「流れ星(明るい火球)」、そして「天の川」だ。
天の川は銀河。天の川銀河ともいう。地球のある太陽系はその中に含まれている。
天の川銀河を俯瞰することができたとするならそれは円盤状の渦に見え、その渦の中にある地球からだと帯状に見える。それが天の川の正体だ。
そこに存在する恒星の数は約2,000億~4,000億個。惑星の数は1,000兆~2,000兆個。惑星である地球はその中のひとつ。気が遠くなりそう・・・。
天の川を捉えると明るい部分もあれば暗い部分もある。その暗い部分は星がないのではなく、暗黒星雲によって光が吸収されてしまって見えないからなのだそうだ。まさか自分のブログでこんな用語を使う日が来るとは(笑)
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本編スタート。
今年の春の某日。
朝のTVニュースがこの日の大気は非常に乾燥していると伝えていた。夕方、知人との会話の中でもその話が出た。俺氏「ほぉー、これで天候と天体の条件が揃ったならホシトリストにとってはミラクルナイトだな」
ええっと、天気予報は・・・っと。
関東広域で快晴。雲マップ、オールクリア。微風。山間部、気温2~4℃。
天の川の方角と高度、そして月の方角を確認・・・これはいける。
「ふはははは!来たぞ!ついにこの日が来た!俺はずっと備えて待っていたんだ!」 ← まだ撮ってないのにすでに大星果を確信。(大丈夫か?)
装備を整え、86に積み、ハイウェイを走り、ワインディングを駆け、山間部の撮影地を目指す。激しく昂るモチベーションとインスピレーション。こんなにワクワクするなんて。
某所・某時刻。
地形、天の川の方角と高度、月の方角、夜明け時刻。それらを考慮し練ってきた作戦を淡々と黙々と遂行する。見上げるとすでに人生過去最高レベルの満天の星が煌めいている。月が隠れればさらに圧巻だろう。
Synthwave Satellite 86.
決戦時間は2時間半に絞り込む。試写してセッティングや構図を決めるのに0.5時間。差し引いて正味2時間の真剣勝負だ。
駄菓子菓子、いざ試写をはじめたら街路灯のせいでフレアやゴーストが発生してしまう。・・・絶句。動揺を隠せない。先ほどまでのワクワク気分が一転して急速に冷え込む。
カメラの向きを変えたら構図が崩れてしまうし、三脚ごと移動するしかないが背の高い草木をかわさねばならないので、なかなか良い位置が見つからない。星景撮影は一枚あたりの撮影時間が長いのでバッテリー消費が早い。すでに1本終了。時間も押してきた。
・・・も、もしかして、これはまさかの急転敗北パターンか? 焦る。移動・設営・試写の繰り返しでこの寒い中にもかかわらず大汗をかいている。
そして月が沈むころ、どうにかこうにか位置決めに成功。フレアもゴーストも出ないし構図も不満なし。やった。
さぁ来い、SEVEN SECONDS in HEAVEN.
どーん!
湖の奥には吊り橋が見える。さらにその遠くに見える山頂の標高は2,000mを超える。かつて真冬の深い雪に覆われたあの山頂に俺は独りでいたんだ。そして単独で山頂からの雪上ダウンヒルを成功させた。この俺こそがその時代のKAMIKAZEだ。ここから見えるとは知らなかった。その山頂から天の川が立ち上っている。なんという感動、なんという高揚感。
月が完全に沈み、天の川がいっそう鮮やかに浮かび上がってきた。
グルグルショット、60分。
ほとばしってます。
刻々とその位置を変えていく星々。
クライマックス。
これまでの星撮り活動の集大成がこの一夜に。関東でもこれだけ撮れるなんて。天文雑誌に載ってそうなレベルで、自分で撮ったのか疑われそうな気がしてきた(笑)
自宅に戻ってPCモニターで確認しなくてもすでに十分な星果を確信。
「SEVEN SECONDS in HEAVEN while the Earth sleeps.」
このフレーズに恥じない星果を得たと思う。
人類の感覚からすれば無限に広がるとも思われる、そんな宇宙の闇の中でほとばしる銀河。これを超える被写体を俺は知らない。
熱いコーヒーで一服しながら感動の余韻に浸る。この先当分忘れることのないものすごい夜だったな、と。疲れたけどそれもまた心地よい。こんなに美味しいコーヒーは初めてです。
ああ、感無量。
ではまた。
Posted at 2021/06/23 21:26:22 | |
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