以前ネットで偶然見かけたトンネルがあり、「ラピュタトンネル」とか「神殿回廊」なんて言われていた。気になって調べてみたら新潟だったのだけど新潟もデカいからね、新潟のどのあたりだろうか。実際にはトンネルではなくスノーシェッドであることもわかった。名称も場所も特定できたがこれは遠い・・・。はい、却下。
そのときはそのまま諦めて忘れ去っていたのだけど友人がサイクリングで行ったとのことで画像が送られてきた。なななんだってー!俺も行きたくなってきた!ここで再燃である。
しかし回廊のためだけに出向くのは気が乗らないので周辺をよく調べてツーリングコースを練ることにした。土地勘がほとんどないエリアだし今後何度も行くとは思えないので、一期一会の精神で入念に。
気持ちが奮い立つコースが完成したので、夏のうちに決行することにした。
8月下旬、某日。
俺の夏はまだ終わらない(キリッ
ひさしぶりの24時間耐久ツーリング、しかもひとりだ。なぜかやたらとヤル気が漲っている(笑)
深夜スタート。高速に乗ってひたすら北上する。
最初の1時間目。
まだ多い交通量の中、この先の行程を思い描き、わくわくしながら走る。
2時間目。
交通量もだいぶ減って深夜の走行にカラダも目も馴染み、楽しい高速クルージング。
ただただ真っ暗な道を走るだけなのにうきうきハイテンション。俺はまだ若いと錯覚して調子乗る。
3時間目。
交通量がほとんどないガラ空きの暗闇を黙々と走るだけの孤独な時間帯。突然来る疲労感と倦怠感。俺はもう若くないと気づきうなだれる。
うっすらと明るくなっていく空、徐々に浮き上がってくる山脈の輪郭と田園風景。さぁ、どんな一日になるでしょう。
高速での最終給油ポイントで満タンにしていく。Myカーライフ史上最悪の大量の虫汚れでフロントガラスがたいへんなことになってしまったので、給油ついでに水拭きしてもらおうと頼む。スタンドのおじさん「うーむ・・・これは洗剤使ってシャワーで洗い流そうか」。ぴかぴかにしてくれてチョー嬉しい。だいぶ手間かけてくれたけどサービスだとのこと、あざす!
まずはここから。
ざざざ~、ざっぱぁーん!という音はしませんが海です。日本海です。
日の出時刻だけど太陽は背後にあります。雲と湿度でどんよりした空模様です。
巨大な煙突・・・東新潟火力発電所です。来るときその脇を通ってきました。
このあたりの道路はアスファルトが赤茶けている。地元の人に訊いたら、冬季は融雪のためにスプリンクラーから地下水を撒いていて、その地下水に鉄分が多いからなんだそうです。クルマのボディにも色がつくそうです。
新発田城。昔ニッパツダって読んでました、正しくはシバタです。早朝です。散歩やジョギングや体操をしてる人がチラホラ。期待以上の撮れ高でニッコリ。
これより山間部へ向かいます。曇り空だけどすでに蒸し暑く、まだまだ夏の様相です。
広大な水田地帯。農道に入って撮影していきます。寄り道楽しい(ときもある)。
稲穂が風で揺れて海原のように波が移動していく・・・とても感動的な光景。動画じゃないと伝わらないかも。
だんだん山っぽくなってきました。
路地に入ってみたけどUターンできる場所がなくてひたすら進まされたりします。
でもそんなところにこそ良い景色があるもんです。路地裏探索はとても楽しい(ことばかりじゃないけど、笑)。
ダムのあるところにはだいたいトンネルもあるよね。
トンネルを抜けて湖畔についたら工事による通行止めの表示板がありました。朝8:00からとのこと。
現在の時刻は、っと・・・8:03。
俺「このクルマの時計はいま7:58(嘘だけど)です。通してくれるよね?」
無慈悲な警備員「ダメだ(即答)」
実際は他にも通行止め区間があるのでこの現場を通過しても湖畔を一周することはできず、またここへ戻ってくることになると。なので逆回りで通れる区間だけ行ってくることにします。
内の倉湖、いいとこだー。
ガードレールの代わりに縁石・・・雪国なのにこれでいいのか。
内の倉ダム。
なぬっ!ヘ、ヘビ?まだ距離はあるがヘビらしきものを発見。けっこう太い。
自分はクルマに乗ってるくせに近づくのは嫌なので、離れた位置からカメラのズームでその姿を確認する。
なんだよ落ち葉かー、思わずキョドっちまったじゃねーか。てへ。
気を取り直して次の目的地へ向かいます。
白波が美しい。
山間になるにつれ田園も減ってきました。これで一旦見納めです。
路面もガードレールも雪国クオリティです。豪雪地帯ですし。
ダムが近くにある証拠。
本日のメインの目的地に近づいてきました。なにかの遺構でしょうか。あとで調べたら長い地下通路の出入り口なんだそうです。
さぁ、到着です。東赤谷連続洞門。
なるほどなるほど、その雰囲気はまるで神殿回廊です。
大自然の中を通っているので柱の合間からはその荒々しい光景が見えます。
潜り抜けたらまた次の洞門があります。洞門は長短合わせて4つありました。
ここは戦時中に通っていた鉱山鉄道の名残です。この中を蒸気機関車が走っていました。
内部は狭くて擦れ違いができないので信号機切り替えによる交互一通方式になってます。でも一台も来なかったです、自分だけです。
コンクリート製ですが古いですからね、見るからにだいぶ傷んでるようでした。至るところが補修されています。
少し露出を絞って妖しい雰囲気UPを狙ってみました。
柱の合間から滝が見えたりして。
先ほどから天井が黒く煤けていますがそれは蒸気機関車の煙によるものだそうです。
この4枚は帰りの際に撮りました。やや逆光気味になったのと、先ほど行きの際の反省を活かしてみました。自画自賛ショット「86で行く神殿回廊」。
なお、先述の地下通路はこの洞門をバイパスするための人道通路で、人ひとりやっとこ通れる程度の幅だそうです。閉鎖されずに放置されてるのがすごい(笑)
回廊を抜け、その先のダムへ向かいます。
鉄道橋跡です。廃橋。名称は袖ノ澤鉄橋、完成は1921年(大正10年)。廃線になったあとは一般道として利用されていた時期もあるそうです。
下を覗いてみる。けっこう高い場所に架かってます。よく見たら鉄材が朽ちてぶら下がってます(画像の左のほう)。
橋の上面に残ってる木材は一般道時代のものでしょうか。グズグズになってます。
そういえば、ここへ来る途中、廃駅になった木造駅舎が現存しているのですが気づかずその前を通り過ぎてしまいました。(赤谷駅跡)
加治川治水ダム。このあたり一帯が鉱山だったと思われます。遺構もたくさんあるようですが森が繁ってその姿のほとんどは見えなくなってます。
堤体の上に向かいます。
深い谷です。奥底に流れも見えました。
振り返ったら眼下に先ほど通ってきた道が見えました。結構登ってきました。道はなかなかの急勾配です。
湖面は流木が多く、荒んだ景観でした。
堤体より上流側へ道が続いているので行ってみます。
ちょっと待って、これは聞いてない; 進んだけど。
その先にはちょっとした駐車場と展望広場のようなものがあったけど草木の背が高くて展望は利かなかったです。
ボタンを押せと書いてあるけど肝心のボタンが紛失してるようだが?
というか、さっきからデカいアブの大群が飛び交っているし、こんな表示板を見たなおさらクルマから降りる気にはなれないです。
車内に入ってしまったアブがなかなか出て行ってくれない。窓を開け放って出ていくのを待とうとすると次々と入ってきてしまう。もう嫌。
その先はゲートがあって通行止めになってた。行けずに済んでホッとした。ここで折り返します。
岩肌が滝になってました。
堤体に戻ったら肌着用ランニングシャツと短パンとサンダルといった出で立ちの謎のオジサンがいた。アブがいっぱい飛んでる中でいくらなんでもそれは無防備すぎやしませんか。しかもオジサン、ランニングシャツの裾を帯状に畳んでミゾオチの上まで捲り上げてブラジャーみたいにしてるんだよね。街中だったら確実にツーホー案件。他人に見られることはないと油断したのか。
イジワルモード発動した俺は容赦なくオジサンに挨拶してみた。いっときの解放感を楽しんでたのであろう謎のオジサンは焦って大困惑してた。気づかないふりして放っておいてほしかったのだろう(笑)
以上どうでもいい話。
車内に入り込んだアブもようやく追い出すことができてやっと車内に平穏が訪れました。
一旦ふもとに降り、次の目的地を目指します。
途中の景色良いところで停車して撮影してたらクルマが後方からやってきて挨拶のクラクションを鳴らしながら抜いていった。さっきのブラジャーのオジサンだった。どうでもいい話なのに頭から離れん・・・。
よく見ると切り立った断崖です。戦時中はこの谷を蒸気機関車が走ってたのですね。
この先は軽く山を越え、水の郷へ向かいます。
まだまだ美しい場所が続きます。
続編 is coming soon...
ではまた。