もうホントどうしようもないタイトルでさーせん。
ちなみに『ミッショントゥマーズ』より『レッドプラネット』のほうが好きです。『レッドプラネット』より『トータルリコール』のほうがもっと好きです。リメイク版は認めません。リアリティさでいうなら『オデッセイ』も好きです。
しかし火星に関係する映画なら『マーズアタック!』が俺史上最高です。豪華な俳優陣を揃えながら全員無駄遣いというとんでもない大作です。もっと評価されてもいいと思うんだ。
では本編スタートです。
火星に行くと言いつつ実は福島であるとタイトルでいきなりネタバレしてます。
9月中旬、某日。
今回も単独24時間耐久ツーリングです。
深夜スタート。高速に乗ってひたすら北上する。目的地は福島です。東北はきっともう秋付き始めているでしょう。
時速90kmで走る大型トラックを同じく時速90kmで走る大型トラックが追い抜こうとして、熱く激しいデットヒートが繰り広げられている深夜の高速です。交通量は少ないのにときどき2車線並走ブロックのせいで後ろはちょっとした渋滞なのであーる。
それでも途中休憩が少なかったこともあり予定よりだいぶ早めに福島に着きました。高速を降りてからすぐに山登り区間だけど展望スポットで日の出を迎えられるように麓で時間調整していく。
夜明け時の弾丸ヒルクライム。その途中から見えた福島市街の夜景がとても奇麗でした。
途中の温泉街のあたりは硫黄臭かったです。
路面は落ち葉が多く、窓から吹き込む風は冷たい。もう秋です。もちろん車内はヒーターONです。
不動沢橋。標高は1,200mくらい。車道橋としてはずいぶんな高地に架かっていることでも知られています。福島市街は標高70~100m付近ですので高低差1,100m以上あります。
その脇に展望台が整備されています。近くには旧橋の痕跡が遺っていてそこへつながる旧道を展望台として再利用しているようでした。ここで夜明けを愉しむことにします。
橋の向こうに見えるのは福島市街。橋の真下に写ってる三角屋根は先ほど通過してきた温泉街のホテルです。
振り返ったら月が出ていました。
通りがかったクルマ。比較すると橋の大きさがわかります。
橋の下はつばくろ谷といい、紅葉スポットとして人気あるらしい。
朝焼けバーニング。さぁ来い太陽。
あ、ども、太陽です。
橋の全貌。付近には活火山が点在しています。高地ゆえの気象条件や凍害に加え、高濃度の火山性ガスのせいでたいへんな難工事だったそうです。
福島の盆地に雲海が発生し始めていました。
My86、今年の夏はたくさん走りました。いきなり覚醒しちゃって一体どうしたのでしょう。どーです、この艶めかしさ。
日の出マジックアワー終了。不動沢橋を渡って先に進みます。ツーリングはまだ始まったばかりです。
橋の手すりの上を慌てて逃げる猿。進む方向が同じなだけで俺は追いかけてるわけじゃないんだよ。ときおり橋の下へ飛び降りようとする仕草を見せるんだ・・・やめとけこの高さだと痛いでは済まないぞ。
この道路は通称・磐梯吾妻スカイラインです。かつては有料道路でした。冬季には通行止めになります。見晴らし良好、でも眩しいです。
ときどき道幅が狭くなったり。
天狗の庭という展望スポットからの眺め。
この先はさっそく本ツーリング最大の目的地となります。
毒性の高い火山性ガスのために草木が育ちにくく、まるで火星のような荒涼とした岩肌剥き出しの景色が広がっています。そんな地帯です。
陽が出たばかりでまだ早朝ですがクルマやライダーがちらほら。みんな撮影に夢中になってました。
以前ネットで見た画像ではもっと植物が少なくてさらに赤い台地だったのですが、それよりは生えてますね。
道路わきのバリケードが腐食してます。ここの火山性ガスは硫化水素であり生物にとっては毒性が高く、金属やコンクリートには強い腐食性を持っています。よく言う硫黄臭いというのは実は間違いで硫黄は無臭です。俗にいう硫黄臭いというのは硫化水素のことです。硫化水素は水があると腐食性がさらに高まるとのことで、バリケードの腐食の進行具合は雨水の流れに合致してますね。
影。どうやって撮ってるのか一目瞭然です(笑)
夜明け直後の高地ドライブ、贅沢です。ただし火山性ガスに要注意。
スクランブルエッグか。
このあたりは硫化水素のキツい刺激臭が漂っていて、窓を開けているとすぐに頭痛がしてきます。危険です。エアコンが内気循環になっていることを確認して進みます。
ここが噂の火星道路だな。だいぶ荒涼としていて赤茶けています。ガスの噴出も見えます。
そういえば現代の科学技術だと実際に火星に行くまで片道250日くらいかかるそうです。ちなみに火星で一番標高が高い山はオリンポス山らしい、標高20,000m以上。ついでにいうと太陽系で一番は小惑星ベスタにある22,000m。山というより丘らしい。そもそもベスタってどれだよ。海がないので海抜という概念はないけどそれでも20,000m以上ってやべぇ、宇宙やべぇ。
斜面からガスが噴出しています。
駐車可能な路肩スペースはほぼなく、あってもガスの危険性を考慮してか岩が置かれて停められなくなってました。しかし道路はガラガラでほとんど貸切状態でしたのでゆっくり走って止まってを繰り返しながら撮影してきました。
吾妻小富士。標高1,707m。活火山。てっぺんは直径450mの噴火口になっています。道路脇では朝陽が当たってススキが輝いてました。
異世界と表現する人がいるのも頷けます。
火星道路定番のアングルから撮れました。
まだ登ります。
画像右側のほうから夜明けとともに走ってきました。
遠近感が麻痺する眺めです。たしかに荒涼としているけど緑色の部分が思ったより多く、言うほど火星じゃなかった。テラフォーミング進行中か。
定番のアングルをもう一段上の道路から。
一切経山(いっさいきょうざん)、標高1,948.8m。活火山。画像右側のほうの頂が本当の山頂です。手前中腹にも火口跡らしい大きな窪みがありますね。
道路わきのガードケーブルも凄まじく腐食しています。硫化水素マジパネェ。
繰り返すけど、言うほど火星じゃなかった。絶賛テラフォーミング進行中。でも非日常的な景色は一見の価値ありです。
浄土平。標高1,600mくらい。この道路の観光拠点と言える場所です。活火山に囲まれた平坦な場所にあり湿原となっています。700台分の大駐車場があり、夏休みには大混雑するのかも。まだ早朝なので料金所が開いておらず徴収はされませんでした。その脇には国内で一般公開されている天文台としては最も標高が高い浄土平天文台があります。レストハウスも同様まだ開いてませんでした。シャッターが腐食してますね。ここも風向きによっては非常に危ない気がします。近くにキャンプ場があるのが信じられません。
トレッキングや撮影をしに来たのであろうクルマがすでに何台もいました。撮影機材で重装備しているイケオジがいたので声をかけたら周辺のことをいろいろと教えてくれました。あざす。
湿原地帯と遊歩道。
ジェットエンジンのような轟音が響き渡っています。
改めて吾妻小富士と登山口。先ほどからしきりにデジャヴュな感覚がしている。え、いや、そんなバカな・・・。もしかして俺は過去にすでにここに来ていたのか? 後日調べた結果、俺は幼少期に両親に連れられトレッキングに来ていたと判明。お鉢巡りまでしていた。本当にトータルリコールになるとは!(笑)
浄土平を離れ、磐梯吾妻スカイラインの後半区間へ向かいます。
湿原地帯と一切経山。右下の銀色のドームが浄土平天文台です。
火星ゾーンを離れ、ここからは原生林の中を進んでいきます。
一切経山の大穴火口を南側から。この付近は航空写真で見ると噴火口だらけでボッコボコなのです。
対向車とすれ違うことはほとんどありませんでしたが、見通しの悪い場所も多かったです。
この道路の標高最高地点です、1,622m。
南方にも雲海が出ています。ボディに青空が写りこんでブルーイッシュシルバーになってます。太陽の位置がまだ低いので木の影が長いです。
この辺りでは火山性ガスのニオイはせず、窓を開けて高所の空気を味わいながら走れました。実に爽快です。
磐梯山が見えてきました。標高1,816m。こちらも活火山です。
見晴らし良好。磐梯山は福島県のシンボルです。
雲海の真下は猪苗代湖です・・・これから行くけど天気大丈夫?
道路脇に何ヶ所か展望スポットが整備されていてクルマを停めてその眺望をゆっくり愉しむことができるようになっていました。
ここはその一つ、国見台。井上靖による命名らしい。夕焼けを眺め「壮麗な幻想交響曲のフィナーレを奏でるようだ」と・・・。僅かな言葉を並べただけでこれほどの表現力を発揮してしまう文人はとても偉大です、うん。
俺氏が15か16歳のときに図書館で借りて読んだ本のひとつが『あすなろ物語』だった。当時は小遣い少なかったからね。
その第一部の結末に当時の俺氏は激しくショックを受けてしまい、そのまま第二部以降は読んでいない。
ここは磐梯だけど、この景色も冬になれば「深い深い雪の中に」包み隠されるのでしょう。
たぶん安達太良山の隣にある箕輪山。だとすれば標高1,728m。
スカイラインの名の通り、山の稜線を行く豪快な道路でした。走れば爽快そのもの。景観も走りもその印象は群馬長野の県境にある渋峠とかなり似てると思いました。
雲海も見納めです。
だいぶ降りてきて森の中に入りました。ここまで見晴らしのいい場所が多くて満足しました。上出来です。
廃ドライブイン。検索でなにかと出てくるのですがしっかり管理されているようで廃墟ではなかったです。他にも荒廃した廃ホテルや廃ペンションもありましたが本ツーリング記事のコンセプトに合わないので画像は割愛します。
このあたりにもかつて鉄道が通っていました。磐梯急行電鉄(通称・沼尻軽便鉄道)の終点、沼尻駅跡。駅舎は移築され現存していました。1913~1969年まで運行されていたようです。先日UPした「水の郷」編に登場した磐越西線へつながる路線でした。
バス停の時刻表・・・平日でも一日に7便か~。遅刻の言い訳に使えるな(笑)
金色に輝く水田地帯にて。稲穂の収穫はもうすぐでしょう。
TONBO。
夏から秋への過渡期です。
陽が当たるとまだまだ暑いけど風はヒンヤリしていてすこぶる心地よかったです。
まだAM8:30頃です。
誰もいない静かな水田地帯の真ん中で朝食タイムにします。
後半に続く~。
ではまた。