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2022年12月20日 イイね!

【秋のミステリアス街道】 吹きぬく風のように 【中央構造線・大鹿村・R152・酷道】 (前編)

【秋のミステリアス街道】 吹きぬく風のように 【中央構造線・大鹿村・R152・酷道】 (前編)














年内ラストの長距離ツーリング、秋の激走エピソードです。長年先送りにし続けていたコースで私がみんカラを始めて以来もっとも過酷な行程となりました。ついに決行です。


諏訪湖の辺りから静岡にかけて裂け目のような直線的で不自然な地形があります。ここは一体何なのか・・・。

(画像の右上の黒いのが諏訪湖、左端は静岡県と太平洋です。画像はWikipediaから)



10月末、某日。

スタートは長野県の佐久南から。深夜の上信越を走ってやってきました。気温は0℃。ここからただただひたすら行けるところまで南下します。

ここは車山高原にある白樺湖。標高1,416m。気温マイナス4℃。耳が冷たくて痛いです(笑) 湖畔の柵に氷の結晶が堆積している。


女神湖(標高1,540m)、雨境峠(標高1,580m)を経由してやってきましたが、あからさまにタイヤグリップが低くヘアピンではリヤが簡単に空転してしまう状況でした。この先の下り区間はさらに慎重に進んでいきます。

このあたりはスキーの拠点として何度も来たことがあり、深夜で景色はよく見えないけど道路沿いには当時の面影が濃く残っていて懐かしさを感じるひとときとなりました。

麓である茅野へ降りてきました。麓と言っても標高が800m前後ありちょっとした高地です。俺は30代で商社マンを辞め諏訪か茅野へ移住する計画を持っていました。紆余曲折あって人生設計に大変更が生じたのでその計画は叶わなかったけれど、俺にとっては非常に所縁のある土地です。いまは違う形で夢を叶えることができたのでようやく心の整理も付き、こうやって平穏な心境で訪れることができました。



この先はいよいよ初めて踏み入る区間となり、日の出とともに進んでいくことにします。食料の買い出しや休息をしつつ時間調整します。

日の出時刻になりました、高遠スケッチ街道(R152)へGO。夜明け時の冷えた空気の中、快適なワインディングでどんどん標高を上げます。

その途中からの景色。画像中央の一番高い山は八ヶ岳の一つである蓼科山(標高2,531m)。その左の辺りが車山高原。傾いてるのはカメラではなくて市街地のほうです。


さらに登っていくと展望台を兼ね備えた食事処がありました。早朝のためまだ開店してません。


建物の隙間から撮ってみました。山の稜線に朝陽が当たって赤く染まってます。雲海も発生してます。美ヶ原高原(標高2,034m)や鉢伏山(標高1,929m)なども見えます。←この2つは今後狙おうと思ってます。


杖突峠に来ました。標高1,247m。展望なっしんぐ。


快適、順調。


高遠ダムと高遠湖。たぶんうっすら凍ってます。一番遠くに見える一番高い山が南アルプスの仙丈ケ岳(標高3,033m)。


美和ダム。


美和湖。AM7時です。さっむい!手前の草むらにも霜が降りてます。ここで車内で朝食タイムにします。その間に対岸の山に朝陽が当たりだし景色が明るくなってきました。自分もテンション上がって来ました。


すぐ近くに道の駅「南アルプスむら長谷」があり、ここのクロワッサンがとてもおいしいとのこと。予約しないと買えないこともあるとか。えー、クロワッサンだろ?(笑)

美和湖にかかる神田橋。


渡ってみます。


渡った先は険道です。こいつはやべぇ。


深追いせず折り返しました(実際は逃げ帰ってきた感じですけど)。


橋の上から両側の眺め。こちらもうっすら凍ってるようでした。次に向かう先の峠がここから見えています。下段の画像の中央の一番高い山は二児山(標高2,242m)。


対岸に橋状の道路があるので行ってみます。


朝陽が当たってご機嫌です。


道脇から沢の音がしてきたので行ってみようとしましたがやめておきます。無理だろこれ。


本来の道へ戻ってきました、信州伊那アルプス街道(R152)だそうです。

三峰川橋と旧橋の主塔です。三峰川は「みぶがわ」と読みます。渡った先をすぐ曲がれば憧れの南アルプススーパー林道(旧称)が始まります。いつか行きたいと思っているのですがマイカー規制されていて監視員付きのゲートがあります。というわけでずっと無理そうです。


快適な区間が終わり道幅が狭くなってきました。


中沢峠、標高たぶん1,317m、展望なし。


国道だけど酷道です。


そしてすぐに分杭峠(ぶんぐいとうげ)、標高1,424mに到着。ここは日本屈指のパワースポットとして知られていて、俺もTVで見た覚えがあります。中央構造線という巨大な断層の上にあり、双方の地盤が互いに押し合っているのでゼロ磁場がなんたらかんたら。あ、けしてオカ○トとか疑似科学とか言っちゃいけません。


峠からの展望、先ほど通ってきた美和湖の方面です。手前の木で隠れてるけど。「うおぉぉぉ!俺も何か漲ってきたぞ!」(きっと気のせいです)


◆マメ知識◆
今朝から走ってきている国道152号線ですが、ここは「中央構造線」という断層の上にあります。日本列島がまだアジア大陸の一部であったころに出来た巨大な断層で、約一億年前のことだと推定されています。図の赤い線がその断層です。点線部は推定だそうです。

(引用元:大鹿村中央構造線博物館HP)

偶然か意図したことかはともかく、その断層の上に著名な神社や聖域とされるものが多く存在するのも事実で、地質学と歴史と神話が複雑に絡み合ったミステリーがまた面白いところです。真実は如何に。



峠から先は秘境・大鹿村に入ります。AM8:30ころです。木洩れ日が心地よいです。


落ち葉すごい。


酷道。


対向車も後続車もまったく来ません。



ここR152はかつての秋葉古道です。太平洋(静岡県)から諏訪まで塩を運ぶための最短ルートであり、縄文時代には既に存在したというのだから驚きです。製塩技術もまた縄文時代からあったということです。


近くに遊歩道がありましたがあまり人が入ってる様子ではなかったです。


対向車も人の姿もまったくなく、携帯の電波も届かない。寂しすぎて不安になるほどです。


ここは北川露頭がある場所です。近くに社がありました。1961年に集中豪雨で大水害が起きるまでは小さな集落があり、その名残のようです。露頭というのは断層が地表に剥き出しになってる場所で、地質学において貴重な資料となります。
川まで降りて行かないとなのでスルーします。


忘れ去られた道路という雰囲気ですけど国道です。


気温が低くても陽が当たれば暖かいです。


タバコ屋跡。以前は郵便ポストもあったとのこと。かつてここで投函する人がいたのか・・・。民家は近隣にぽつりぽつりと数軒あるだけです。水害で住人が離村して廃れたのかも。



ここから真東4km先の地点(車道で22km先)に天空の池という絶景ポイントがあり、心惹かれましたがどうやら行ったら大変なことになったようです。2輪駆動車ではちょっと・・・な道だそうです。

写真だと部分部分しか撮れないので伝えにくいですが、川の両岸で地形が異なるんです。それに留意し観察しながら行くとわかります。実際、地質も異なり、それが見えるのが露頭です。



どこまで走ってもずっと割れ目の中ですので展望が開ける場所がほとんどないです。相変わらずクルマはほとんど通りません。いても地元の軽トラくらいなもんです。


大鹿村の中心地にやってきました。なにか荒々しい光景が見えてきました。距離感が麻痺します。


ここは大西山大崩壊地。1961年に起きた山体崩壊の現場です。崩壊した部分は高さ450m・幅500m・厚さ15m。山が裂けて倒れるように崩れ、川を突き抜けて対岸にまで到達し集落を飲み込んでしまいました。また一時的に川が堰き止められ、それが決壊しさらなる被害が出ました。その影響で川の形が大きく変わってしまっています。

積み重なった土砂で高台になっていて、いまは公園として整備され慰霊碑が置かれています。現在も小規模の崩落が続いているとのことで、ここで寛ぐ気にはなれないです。


対岸から。


大鹿村にある謎。ここは標高700m以上ある山間なのですが、海水と同じくらいの濃度の塩泉が湧き出ています。いまのところそのメカニズムは解明されていません。その塩泉から抽出された稀少な「山塩」は海水から作られた塩に比べサラサラしていて甘みがあるとのこと。かつて塩が運ばれた秋葉古道の途中からも塩が採れるとは。

旧・小渋橋。


南アルプスから流れてくる小渋川。遠くに見えるのは赤石岳(標高3,120m)。


ここからR152でさらに南下すれば地蔵峠(標高1,314m)があります。国道が通じているのは地蔵峠までで、国道はそこで一旦途切れますが車道そのものはその先へ通じています。峠の先は蛇洞林道(名前すごい)になり麓で再度R152につながるようになってます。

しかし現在通行止めなので迂回するしかありません。40kmくらい遠回りになり1時間くらいのロスです。非常に手痛い・・・。

大鹿の道の駅の前にあるスタンドで給油していきます。ローカルな感じのスタンドの雰囲気が好きです。

桶谷橋。渡った先はダートだったのですぐ引き返しました。


四徳大橋。小渋湖に架かる橋です。以前は赤い塗装でした。吊り材にワイヤーが巻かれてますね。これはトリップワイヤーというもので風の流れを意図的に乱すことでカルマン渦を抑え、橋の揺れを抑える効果があるそうです。なんと橋にも空力特性が(笑)


わき道に入ってみたけど撮れ高なし。


小渋ダム。


井戸入沢の滝。見えている部分の落差は約70m、総落差は約100m。とても立派な滝なのですがダンプカーの往来がとても多くてゆっくりできません。一瞬で撮ってすぐ通過。


この区間のダンプカーの皆さん、驚くほど行儀が良く運転も丁寧なのが印象的でした。俺の知る限り、関東はオラオラ系が多いもんで。 向こうに中央アルプスが見えてきました。


この日、大好きなグリムスパンキーの曲をヘビロテで聴いています。とくに『吹きぬく風のように』はこの日の行程にサイコーに合う曲です。おかげでノリノリドライブです。今回のブログタイトルに引用しちゃいました(笑)



迂回するため中央構造線とR152から一旦逸れて麓へやってきました、松川町・豊丘村・飯田市を経由していきます。松川町で昼食ついでに長めの休憩をします。そういえばグリムスパンキーの出身とか経歴とかどうなんだろうと検索。ななななんと、結成の場はこの松川町の高校じゃないの(笑) 偶然にも聖地に来ていたなんてすごい嬉しい。このまま出身校まで見に行っちゃおうかと悩んだけどまだまだ残りの行程が長いので諦めました。

中央アルプスの南駒ケ岳(標高2,841m)。おそらく宝剣岳(標高2,931m)も見えている。ということなら千畳敷カールも見えているはず。


再び中央構造線を目指し、喬木村(たかぎむら)へ向かいます。

喬木IC。山間にミスマッチなループ橋が突然現れます。ずいぶん高いところを通ってますね。当然見下ろしても高さがあります。



矢筈(やはず)トンネル。


ずいぶんな遠回りをしました。蛇洞林道を経由してどんどん標高を稼ぎます。



紅葉が進んできていました。


曇り空ではありますが見晴らし良好です。






しらびそ峠(標高1,833m)。工事関係者のクルマに占拠されてました、ぐぬぬ。


でも目当てはもうちょっと先にあります。


さぁ着きました、ついに来ました、「しらびそ高原」です。標高1,918m。本ツーリング最高地点です。


ヨーロピアンテイストの立派なロッジがあります。


ここは「天の川の聖地」「星空の聖地」なんて言われています。ホシトリストの端くれのつもりでいる俺としては心打たれる響きです。標高が高く、空気が澄んでいて、とくに南方には市街地がありません。こんなにも好条件が揃えばド迫力な星景が撮れることでしょう。

見晴らし抜群。南アルプス山脈の南側半分を一望できます。遠近感が麻痺する眺めです。

山の名前と標高。画像左側から順に。
丸山(2,373m)、荒川岳(3,141m)、小赤石岳(3,081m)、大沢岳(2,820m)、中盛丸山(2,807m)、兎岳(2,818m)、聖岳(3,013m)、上河内岳(2,803m)、茶臼岳(2,604m)




・・・もう凄すぎ。溜息出ちゃいました。



13時過ぎ。予定よりだいぶ遅れてます。中央構造線を行くミステリアス街道編の前半はここまでです。車山高原、八ヶ岳、中央アルプス、南アルプスといった名峰が印象的なツーリング前半でした。自分が登ったことのある山が次々と見えてくるので、当時の様子がつい先日のように思い起こされ感情が昂ってばかりでした。

これでもだいぶ画像を間引いたのですがそれでもこのボリュームです。見所はまだまだ続きます。

後半に続く。




Posted at 2022/12/20 21:50:05 | コメント(1) | トラックバック(0) | ドライブ | 日記

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