【最終話】 秋のミステリアス街道編のエクストラステージです。
10月末、某日。
目覚ましのアラームでちゃんと目が覚めた。たぶん気づかないと思って寝たのに。しかし目は覚めたがカラダが疲労で重くて覚醒を拒絶している。そのまま二度寝したらたぶんチェックアウト時刻になっても爆睡してそう(間違いない、笑)。
肩や首の周辺の筋肉がパンパンなので入念にストレッチして二度寝、ではなく着替えて再出発します。歯磨きしてる途中でもウトウトするくらいだったけど頑張ります。
朝4:30、まだ夜明け前です。部屋のキーとお礼を書いたメモを予め指定された場所に残し、DAY2スタートです。寝静まってる宿をあとにしてマジアックアワーを狙って走ります。
予定よりスタートが遅れたけど夜明け前の道路はガラ空きだったので大幅に巻き返すことができました。マジックアワー開始にちゃんと間に合いました。
御前崎です。関東に台風が接近してくると決まってここからTV中継がありますよね。
振り返ると御前崎灯台があります。地名は「おまえざき」ですけど灯台は「おまえさき」です、濁点なし。
この岬に灯台が置かれたのは1635年で、今ある灯台は1874年完成だそうです。
戦時中には砲撃を受けたりもしました。光達距離は36km。
陸の割れ目をずっと走ってきて、日は跨いだけど海に到達して日の出を愉しむ。
狙い通りの演出が叶って満足です。
とても風が強かったです。気温が低くて寒いには寒いんだけど思っていたほどではなく、風はむしろ生暖かく感じました。波の音が大きいです、ザザザー。でもって防波堤にぶち当たって波しぶきが盛大に舞ってきます。
ごっ、ぱ~ん!(一瞬溜めがあるやつね)
今この瞬間、寒さや風よりも波しぶきのほうが問題です。結構切実な状況です。
先ほどの画像だと逆光で碑の文字が読みづらかったのでもう一枚。
静岡県最南端の岬、東経138°13' 36" 北緯34° 35' 42" と刻まれてました。
海面が荒れ気味です。
日の出時刻は過ぎてますが雲のせいで太陽はまだ見えてません。
しばらくしてから太陽が見えてきました。太陽「待たせたな」。
雲があって水平線からではなかったですが、雲を赤く焼いていく様子が美しかったです。
ごっ、ぱ~ん!のあとは飛沫が強風に乗って飛んでくるのでもう避けようがないです。
御前岩灯標も見えました。こちらは海上の灯台で三脚のような形状をしています。その辺りには暗礁があり船が頻繁に座礁事故を起こすので、その対策で建てられました。1958年設置。
(※陸地にあるのが「御前崎灯台」、海上にあるのが「御前岩灯標」)
夜明けとともに漁船が次々と出港していきます。不審船じゃないよ。
入港してくる貨物船も見えました。拡大したら井本商運でした。
BURRRRN!
朝焼けで輝きながら揺らぐ海原を観てるだけで小一時間なんてあっという間です。焚火を眺めるのと似てるかも。
でも波しぶきがね~、雨みたいに降り注ぐんだよね~、おかげで服がビシャビシャです~。
My86、白線無視して停まってる。よっぽど疲れてたんだろうね~、うん。
他にも日の出目当ての人が数人来てました。みんな撮影に夢中になってました。
駐車場でアスファルトと一体化してるプルトップを見つけた。懐かしいと思った人はきっと昭和生まれ。舗装工事の際に同時に押し固められたのでしょう。「ロードローラーだッ!! Uryyy」なんだぜきっと。俺こういうのすっごく気になるんだよね(笑) 何枚も撮ってしまった。他の人から「あいつなんで地面撮ってんだ?」と思われたに違いない。
このあとは朝焼けの中の海岸線ドライブと洒落込んでみます。
御前崎サンロード。御前崎の海岸沿いを走る路線です。防波堤が低いので眺めが良いですが道路が波しぶきで濡れてます。陽が出て乾き始めてますけど夜明け前はもっと濡れてました。クルマにも波しぶきがかかってきます・・・マジやめれ。
灯台と朝陽。
うぇーい。おや、高台に何か見えてきました。レドームですね。
航空自衛隊のレーダーです。入間基地の分屯基地ですって。形状ゆえに地元では巨大メロンで通じるとか。
レドームと朝陽。
この辺りの砂浜はウミガメの産卵地でもあります。さらに数キロ進めば浜岡原子力発電所があります。
朝焼け時のサンロード、ステキな景観です。ついテンション上がってご機嫌モードで往復しちゃいました。
波しぶきがかかるのが気に入らないけど風のない穏やかな日ならもっといいルートでしょう。画像にはないけど周辺には風力発電の風車も見えました。
切り通しの先に海岸線と灯台が見えてくるこのシーンには感動しました。サンロードでここが一番好き。
お気に入りショット①
太陽がもうあんなに高く。そりゃ24時間なんてあっという間なわけですよ。
お気に入りショット②
これで本ツーリングの主要な目的は完遂しました。R152、白樺湖、八ヶ岳、中央構造線、分杭峠、大鹿村、松川町、中央アルプス、しらびそ高原、南アルプス、隕石クレーター、兵越峠、未完成高速道路、赤石構造線、天竜川、吊り橋、御前崎。いやー、すべてが見所で贅沢なコースでした。長年先送りしてた分、決行できてすっきりしました。感無量です。
あとは帰るだけです。でもせっかくなのでできるだけ下道で行きます。
大井川。橋の上は渋滞。太平洋側の雲の映り具合がすごい。
藤枝市~静岡市は国道1号線を走りました。この辺りは自動車専用道路なんですよね。それを知らなかったもんだから、えっ!?いつの間にか高速走ってる!?って戸惑ってしまいました、てへ。交通量は多かったけど流れがとても速いので順調に距離稼げました。早く家に帰りたいからそれはそれでラッキーということで。
静岡市清水からはR52で北上し山梨県へ向かいます。ここからしばらく山越え区間になり道路もしっかりしてるのですが大型トラックが多く、しかもみな猛烈にかっ飛ばしてるもんだから殺伐としてます。
富士川へやってきました。すでに山梨県に入ってます。今度はダンプカーが多く、これまた殺伐としてます。小渋湖周辺の紳士を見習ってほしい。この辺りは対岸道路のほうが空いていて快適だというアドバイスを貰っていたのでそうします。
富栄橋で富士川を渡ります。一つ手前の万栄橋で渡っておけばもっとよかったかもしれない。
わーお。渡った先の県道10号~9号の区間はガラガラの快走路で眺めもよかったです。
内船の町。電車通って行った。2両編成。身延線です。
富士川を渡る中部横断自動車道。南部ICのすぐ近くです。
井戸尻の踏切。電車来たらいい写真撮れるかなと。あ、もう来ちゃった。
本当はここで撮りたかった。あと1分あったら構図も定まったのに。
高速ができてこういう景色になっている。
レンガ造りのトンネル出口。ちょうど電車来たらエモいじゃん? 来なかったけど。
身延ICの入り口です。なぜか標識しか撮ってなかった。
「南部IC~見延IC~下部IC」までの13.2kmの区間は2021年夏に開通したばかりです。これによって山梨~静岡間が全線開通となりました。できたての区間です。この辺りは高速道路に関連する工事中の場所が何ヶ所かあり、この日も作業が行われてました。まず先に開通を急いだのでしょうね。
一昨日の深夜に佐久南を通ってきたのですが、いずれそこからここまで高速が繋がるでしょう。それによって八ヶ岳や金峰山の山麓、清里の辺りも様変わりしてしまうと思うんですよね。でも俺が諏訪・茅野に移住してたらその開通を心待ちにしてたかもしれない。秘境や辺境がアクセス困難で喜んでるのはそこへ訪れる余所者であって、そこに居住してる方々からすれば交通インフラの拡充は悲願なんですよね。
収穫。ゴールデンハーベスト。
身延駅の駅前周辺は栄えていて観光地の様相でした。近くに一大観光地の身延山がありますし。個人的には身延山というとノ○ピー逃走潜伏先というイメージでしかないんですけど(笑)
さてさてここにやってきました、聖地巡礼です。昨日行ったしらびそ高原から南アルプスを挟んで真東に約40kmの地点です。
ここどこだよ~って感じです。古い商店街で活気はなかったです。
『ゆるキャン△』の本栖高校です。
(実際は下部小学校・中学校跡です、2016年廃校)
作品内で登場するラッキードリンクショップはすぐ近くのお寺に実在します。
ファンというほどではないのですがヒット作品だし何話かは観たことあるのでちょっと親近感あります。
本栖高校の坂の下に出店がありました。聖地イベントのときには他にもキッチンカーが来ることあるそうです。これで簡単に昼食にしよう。クルマから降りるのもしんどいほど疲れ切っているのでMy86を横付けしてドライブスルーみたいに購入させていただいた。出店でそんな買い方するの俺くらいなもんだろう。たこ焼きがとくにおいしかった。空腹と疲労もあったからなおさら。
他にも聖地巡礼に来ている人の姿がチラホラと。
最寄り駅の甲斐常葉駅。
案内板まで本栖高校という表記(笑) これも地域おこし活動の一環ですよね。こういうの大好きです。
狭い場所を見つけるとなぜ行ってみたくなるのか(笑)
踏切の脇で朽ちてるのはおそらく2代目デリカ。
もう疲労と寝不足とで限界突破。好奇心も湧いてこなくなりました。完全燃焼して果てました。周辺には富士山麓・富士五湖などありますが過去に何度か行ってるのでモチベ維持できないです。今回は景色も走りも十二分に堪能できたのでこれで撤収していいでしょう。ここからは高速に乗ってRTB。
増穂IC~双葉JCTの区間は甲府盆地や八ヶ岳や金峰山の辺りの山塊が視界いっぱいに広がり、解き放たれるようなドライブを楽しめました。ツーリングの締めくくりとしては上出来でしょう。
中央道に合流し双葉SAで給油。ハイオク高ぇーよ。びっくりしてほんとに缶コーヒー噴きそうになった。
帰りがけにいつもの洗車場でピカピカにしてもらいました。予約取る際に海水浴びたと伝えてあったので足回りやボディ下まで念入りにケアしてもらえました。あざす。
帰宅後は今度こそ時間制限なしのフリー睡眠タイムです。まさしく泥のように眠ったのでした(笑)
中央構造線からの朝焼け海岸編 ~ 完 ~
追記。
今年とくに後半は自分にしては珍しくたくさん更新しました。画像満載のツーレポもなんとか年内に完走できました。コメント・イイね・メッセージしていただいた方々、そのほか読んでいただいたであろう方々、ありがとうございました。