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猛 暑 到 来 。
ようこそ、森と廃墟のノスタルジックワールドへ。
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トンネルを抜けたらそこは霧に包まれた世界。
そんな幻想的な瞬間を経て、濃い緑に囲まれ湿度も高く苔だらけの険道を進みます。
先ほどの長いトンネルが本日の最標高地点なのでこの先はずっと下り基調のルートになります。
むむ!?
恐竜の卵が落ちてるぞ。
ケンタ先生の尽力も虚しく、頑固に居座り続ける岩。
結局周辺の小岩だけどかして、あとは道脇の土の上に片輪乗り上げて通過。スポ車にとっては一大イベントなんです(- -;)
そしてやってきました、本日のメインディスティネーション。鉱山集落の廃墟群。
ズームアップ。住居跡のようです。
大きく育った木々に埋もれて隠れるように存在する廃屋の数々。
見落としてしまいそうだけれども、こうやって至る所に廃屋が隠れ忍んでいます。
ところどころ、このような橋があり、その先にはさまざまな廃屋が立ち並んでいます。
・・・誰だよ、欄干の上にトロフィー置いた奴(笑)
街路灯。時代を感じさせるデザインです。なにか、もの悲しい雰囲気が漂ってますね。
ここは食料雑貨店跡。(建物の側面から)
この鉱山集落はいまから数十年前に最盛期を迎え、労働者とその家族や関係者たちの住居、小学校、中学校、病院(歯科・内科・外科)、体育館、銭湯(共同浴場)、売店などが揃い、2000人近い人口があったそうです。かの美空ひばりもはるばるここまで公演しにきたそうな。病院には血清もあり、ここが鉱夫たちの生死がかかった危険度の高い労働の場であったことが伺えますね。
かつて栄えたこの鉱山集落も時代の変遷とともに衰退し、そして数年前についに最後の住人が去ってからは完全に人口ゼロの集落となったとのこと。
かつてここに暮らした人々。ここで生まれ育った人々。その人々は今どこでどのようにされているんでしょうね。まだまだ存命中の方々も多くいらっしゃることでしょう。
ここがこの集落で一番シンボリックな廃屋です。後から緑に飲み込まれそうになってます。
手前の空き地は石灰置き場になっていました。

・・・窓に人影が・・・貞k(ry!!
ここは公衆浴場跡。奥には浴槽を確認できました。
住居跡。木が伸び放題で石垣がところどころ歪みだしてます。木の根は密かな力持ち。
途中数ヶ所でこのように、道路わきの崖斜面から沢水がほとばしり、冷たい風が吹き抜けてきます。ひんやりして気持ちいい。
この先にあるのはおそらく小学校の廃墟。木々で見えませんね・・・。
道に沿ってどんどん進むと何か大きな施設が見えてきました。
森の切れ目から姿を現わしたのは、山の急斜面に貼り付くように佇む鉱山施設。こちらはなんと現役稼動中。まるで要塞です。
銅や金が採れた後は、良質な石灰が採れる鉱山として発展しました。
坑道の奥行きは数kmにもなり、一部は高さ30mの吹き抜け構造になっているようです。
ここは国立公園内にあるために露天掘りが禁止されているのです。
集落の内外の至る所に坑道が掘られ、当時は作業用トロッコが忙しなく行き来していたそうで、いまでも森の中にその名残や痕跡があるそうです。
当時の隆盛具合を想像すると何とも言えない不思議な気分になります。
繁栄と衰退。いま残るのは森に飲み込まれてゆく廃墟群。まるでミヤザキハヤオワールド。
ここは日本でもっとも集配が困難な場所にあるといわれている、いわゆる秘境郵便局。
麓からここへやってきた場合、 鉱山集落の始まりになる辺り。
わざわざここから物を送るのはただの嫌がらせでしかないかもしれないね(笑)
ボクが初めて自分の運転でここへ来たのは大学生の時。
秋の夕陽で山も集落もすべてが真っ赤に染まり、本当に幻想的だった。
人が去った集落は次第に老朽化し、荒廃し、風化し、いずれは濃い緑の中に取り込まれていく。
この移り変わりの様子は実に趣が深く、時の流れを感じさせられる。
トンネルを抜け、、、
ダンジョンテイストな内壁。照明もないし、徒歩では通過したくないですね(笑)
ここは素掘りのトンネル。おそらく当時、麓から鉱山集落へ物資を運んだ索道かトロッコ線の跡だと思われます。
次々とトンネルを抜け、、、
廃墟群エリアはこれにて終了。
ここも現役で稼働中。舞い上がった石灰で周辺の木々まで白んでました。
またトンネル、、、
またまたトンネル、、、
どのトンネルも個性的。
頭上にせり出した断崖の下をすり抜け、、、
ひび割れたアスファルトの上を駆け、、、
狭く入り組んだ渓谷を抜け、、、
険しく切り立った断崖絶壁の下を走り、、、

物の怪や天狗とか居そう・・・いや絶対いる。鬼ならここにいるし。
秘境感いっぱいのエリアを抜け、いまどきの造りの道路になる辺りまでようやくやってきました。
といってもまだまだ山奥なんですけどね。
川沿いの駐車スペースで一休憩。
ここはかつて使われていた旧道を閉鎖してレストスポットととして再整備した場所です。
エンジンを切ると・・・とにかく静か。聞こえるのは鳥のさえずりと、谷間に響く沢の流れの音のみ。
周囲を軽く散策してみる。吊り橋を渡ったり、植物を観察したり、癒しのひと時。
もしも自分がその時代にあのような場所で生まれ育ったら、どんな人生になっていたのだろうか。
先ほどの山奥に隔絶された辺境地にある集落跡では、なんだか空想の世界に入り込んだような不思議な気分でした。
トンネルを振り返ればその先はタイムカプセル。そんな昭和のノスタルジーの余韻に浸りながら現代に帰還。
ループ橋の上にて。そしてダム。
そのループ橋の下から。
ダムが新設され、太く綺麗な道路が整備され、ここらへんはすっかり雰囲気が変わってしまった。
かつては、うねりにうねった旧道をひたすら走らないとたどり着けなかった秘境の地なのだが。
これもまた時代の変遷というやつなのだね・・・。
そして陽が暮れはじめる。
主要道から外れ、夕闇の中の長閑な農道をひたすら快走し、いつもの潜伏場所(レストラン)へ向かう。
これでも半日ちょっとの行程なのに、内容が濃くてとても長い一日に感じました。
食後は疲労と眠気で行動不能に陥る前に早めに解散&帰宅。
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猛暑の中の秘境ツーリング「初夏の陣」編
~完~
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追記。
さーて、次はどこに行こうかな~(笑)
Next mission is coming soon...