少し時間が空いてしまいましたが「秋のロングツーリング・後編」のスタートです。
[前編]はこちら。
前編同様に意味不明な文脈が多いかと思いますが、写真だけでも見ていってやってください。しかしこの日は被写体がことごとく逆光になってしまって白飛び気味な画像ばかりになってしまいました。
後編のBGMはこれ。まさにこの歌詞の通り。
某日・某所・某時刻。
ここからしばらく先は次の目的地までの移動区間です。大きな川沿いの快適な道路で、信号も交通量もほとんどありません。ここで一気に距離を稼ぎます。
ですが、思いのほか景色や雰囲気が素晴らしいところだったのでちょっと寄り道します。
真っ赤な鉄橋で川を渡ります。橋なんてどこにでもあるけどなぜかいつも撮影してしまう不思議。
目当ては対岸の旧道。こういうところは旧道散策をすると主要道からは見えない手つかずの景色があったりして面白い。
幅広い川だなー。悠久の流れ。流れつく先は日本海。
この辺りはただの移動区間というつもりで出掛けてきたけれど予想外に素晴らしい場所でした。
ここはまた来たいな。理想は夏期か。
ディーゼル。単線。辺りには川と緑だけ。時間を気にせず電車旅もいいかもね。夕暮れ時に来たらいい絵が撮れそう。
どんどん走ります。河川敷の緑地帯がいい雰囲気してます。遠くが靄がかって残念。
ここから先しばらくの区間は学生時代の真夏にオートバイで旅に来た場所です。テント泊しながらの旅で、夏期休暇中の課題のレポートを書き進めながらの計画だったけど暑くてレポートどころではなかったのを覚えてる。たしかこの緑地帯のもう少し上流域側でも一泊した。
側道があったので降りてみます。
いいとこだー。
と思ったけど距離進んだらそうでもなかった。目の高さよりも草の背のほうが高くなって見渡せなくなってしまった;
では離脱します。やっぱり舗装路は偉大だな(笑)
下調べしておいた昼食処は物凄く混雑していたので迷わず通過。
次の目的地周辺に到着です。
旧市街の商店街はかつての面影が残っていましたが、新道ができたからか交通量も少なく、シャッターが閉まってる店も多くて閑散とした印象でした。これも時代の流れですかね。
他社ブランドに変わってはいたけれど当時給油しに寄ったガススタがいまもあってちょっと嬉しかった。せっかくなので撮影。
そういえば以前はこの辺りの路面にはスプリンクラーがあったはずなんだけど・・・?
目当ての旧駅舎。以前来たときは現役だったけど。取り壊されずに保存されていたけど寺の一画に取り込まれていた(謎)。それにしてもこの辺りはすっかり雰囲気変わってしまったなー。記憶とは大違い。
ここで昼食を済ませ、この先の山を越えて進んでいきます。午前中とは変わって気温もだいぶ上がり、秋とは思えない暑さでした。
ここからまた長いヒルクライムです。
かつてオートバイで上ったときはとても長い坂に感じた。そして今日クルマできたらやっぱり長く感じた。景色はすっかり忘れてたけど。
この辺りは廃屋が目立つな。ずいぶんと廃れた印象。
一気に上りきって到着。高原リゾート。冬が一番有名だろうけど四季を通じて楽しめるようだ。
しかし懐かしい気がしないのは何故なのか。そりゃ来る前にストビューで確認しちゃったからね(笑)
周辺を軽く徘徊し、自分が歩いた道をトレース。そしたら当時のことがフラッシュバックしてきた。ここに来るまで思い出せずにいたことが次々と溢れてきてちょっと感慨に浸ってしまった。それにしてもまさかここにこのようなカラダで再訪することになるとはね・・・、皮肉なもんです。
なんという居心地の悪さ、ここにも長居は無用。ここについても深くは語るまい。写真も割愛。
もう二度とここに来ることはないだろう。
そしてここから先が今回のツーリングでもっとも楽しみにしていた区間になります。
山の北側斜面は紅葉が色鮮やかでした。ここから山あいの道を縫いながら麓へ降りていきます。
池。以前は通り過ぎてしまったけど。こういう山奥の人気のない池や沼に来ると火曜サスペンスを思い出す。同時に脳裏に竹内まりやの曲が(笑)
落ち葉を巻き上げ先に進みます。
ここらへんも豪雪地帯です。今頃は真っ白な雪景色に変わっていることでしょう。
この区間はかつて十数年前にクルマで来ました。真夏の早朝です。真夜中に高速を使わず延々と下道を走ってやってきました。そのとき疲労と睡魔に負け、この人気のない山奥の道中で仮眠するために駐車できる木陰を探したのです。偶然見つけたのが小さな廃校と思われる場所で、無秩序に鬱蒼と茂った深い緑に囲まれ、建物は苔と蔦に包まれていました。放置され深緑色の水が溜まった小さなプールもありました。もうそれは宮崎ワールドそのものでしたね。
車内にそよ風を通すために両側のドアを全開にし、爆睡です。で、ふと目が覚めてびっくり。でっかい蛇が車内を横断中でした!(笑) そのときはどれだけ驚いたことか。蛇が去るのを息を押し殺して耐えて待ちました;
そんな思い出のある廃校を今回もう一度訪れたかったのです。
ですがいくら探しても見当たりませんでした・・・。
もう取り壊されてしまったのでしょうね。いや・・・、もしかしたら最初からそんなものはなかったのかも。ぞっとしました。
あったであろう場所すらも見当たりません。自然に帰って山の緑と同化してしまったのでしょう。今日は歳月の経過というものを痛感させられてばかりです。
ときどき視界に入ってくる建物はこのように朽ち果てる寸前の廃屋ばかりです。
ここも廃屋。かつてここらにいた人々の暮らしはどんなものだったのでしょう。コンビニまで鬼ダッシュで往復2時間とかかな・・・。この辺り、夜中に来たらなかなかムーディーでしょうね~(怖)
この消防倉庫も機能してるんだかどうだか・・・。
廃屋、廃屋 & 廃屋・・・。
以前来たときは商店だったと思われ。廃業してしまったみたいでした。
まるでこの集落のシンボルのように思える一本の木。道のコーナーにポツンと。きっと何十年も前からある木でしょう。過疎化の流れを見届けてきたはず。
だいぶ麓の近くまで降りてきました。この辺になってようやく現役の集落が現れました。どれも豪雪地帯特有の造りの家ですね。
岩をくりぬいたトンネル。
異界と下界を切り替えるスイッチなように感じた。
麓の農村風景。やっと現実に戻ってきたような安堵感がありました(笑)
この界隈ではシンボリックな山。この山も2000m級なんだよな。スキーにも一度来たっけ。
でっかい湖。シーズンオフだからかとても閑散としてました。ここも以前来たときは大学生のときだった。遊覧船も停泊してた。当時は金がなくて乗れず、いまは興味がなくて乗らず。
きっと当時もあった木でしょう。2本の木が寄り添っているのか、付け根は同じ1本の木なのか。切り倒されなかったのには何か意味があるはず。
とりあえず当初予定していたこの日の目的地にはすべて行くことができた。目的は果たした。あとは帰宅してから感慨にふけることにしよう。
だけど日が暮れるまでまだ時間がある。ここまでの行程でずいぶん疲れているはずだけど満足感で高揚した気分。ここで急遽、次の目的地を追加、まだ行くのかと(笑)
今日の旅の目的とはまったく異なるから当初は予定していなかったけど、行こうと思えば行ける距離であることに気付いた。事前連絡もせずに来てしまった。ここはとある有名なコミックにも登場した場所でもあります。
そこの登場人物の誰よりも俺のほうがはるかに苛烈な人間であることは言うまでもないことだが。
連絡せずに来てしまったけど目当ての人とは会えた。これまた幸運であと数分遅かったら会えなかった。ときどき連絡取りあってはいたけれど実に10年以上ぶりの再会。突然の訪問ということもあり相手の驚きようったら。嬉しかった。
だけど相手から「太ったね」の一言。なんという再会の言葉。がーん。
そりゃアスリートがスポーツをしなくなって10数年、そりゃワイドボディになりますわ~;
今度はチェアスキーで世界を目指してくれと関係者に最初に打診されたのもここだった。即、断ったが。この10数年の俺はスピードや刺激とは全く無縁の世俗的な暮らしに埋もれてしまった。ここであったこと、機会があればまた後日に別記事で書こうかな。
今日は自分にとって禊の旅でもあったし、知人との再会もできた。景色や道路にこだわった普段のツーリングとは全く異なる目的で出かけてきたけれど、景色も道路もなかなかよかった。
もう上出来すぎです!
高速に向かう途中の橋で夕焼けに気付く。
旅の終わりを飾る綺麗な夕陽に見送られ、余韻に浸りながら帰路につくのでした。
なんという充実感。今日という一日をとても満足な形で使い切った感じ。
この数年間ではもっとも貴重な旅でした。
それにしても久しぶりにものすごい距離走った(笑)
そして俺は思うわけですよ。
俺はこの十数年いったい何をしてたんだ、と。
時間が止まってしまっていたのは俺だけのようだ。
許されたいといくら願い続けても許してくれる相手がもういないのなら永久に許されることはない。無知はときとして罪なことだと思っている。しかし忘却はもっと罪なことだと思っている。この地に答えはなかったけれど、答えがないというのが答えだということくらい最初からわかってる。わかっていても受け入れることができないでいただけだ。踏み違えて実現できなかった未来はいまとなっては幻想であり、そのくせ呪縛でもあるんだ。諦念と覚悟は違う。覚悟、それは決心でもある。決心とは心の中にある種のエナジーが湧き起こることだ。そして道標は心の拠り所になるだろう。俺は行けるところまで行く。それが俺にとっての「救済」だ。
今日は来て本当に良かった。来れてよかった。心の底から思う。
このツーリングの後日。会った知人に今日は清々しい表情してるねと言われた。
それね、自分でも感じたよ(笑)
ではまた。
追記。
明日以降のブログ記事は通常モードに戻りますのでご安心を(笑)