
先のブログで点火プラグについて書きましたがロータリーエンジンは1ローターあたり2本の点火プラグを使用しています。
今後の維持の上で参考になればと思い、L側とT側の点火をそれぞれカットしてエンジンの調子がどのように変化するかを実験してみました。
今の時期は走行させる事が出来ないのでエンジンの始動性やアイドリングの変化を私の赤コスモで観察してみました。
まずは通常のL側とT側の両方点火でエンジンを始動します。
気温はマイナス10℃以下・・低温時のエンジン始動テストにはうってつけです(笑)
さすがこれだけ寒いとチョークを全引きする必要があります、更にアクセルをあおって加速ポンプを作動させ燃料を送り込みます。
低温時は燃料の気化が悪く、燃料が冷たいインマニ内壁に付着してエンジンに入る燃料が少ないので始動させるためには非常に濃い空燃比を必要とします。
少し長めにスターターを回すとエンジンは始動しました、これは普通ですね。
次にT側点火コイルの1次線を抜いてT側を点火しないように細工?しました^^;
これは始動しないかな?と思いつつスターターを回すと・・何と!始動しました。
これだけ気温が低くてもL側だけの点火でエンジンは始動するんですね^^;
再びL側とT側両方の点火に戻してエンジンを始動し十分に暖気します。
エンジンが暖まってアイドリングも安定しました。
ここでアイドリング状態のまま再びT側の1次線を抜いてT側の点火を止めると・・アイドリングには全く変化はありません。
安定してアイドリングしています、回転を上げてもスムーズに回転が上がります。
T側の1次線を元に戻してT側を点火させ、アイドリング状態のまま次にL側の1次線を抜いてL側の点火を止めると・・アイドリングが少々ラフになりましたがエンストする事もなく回転も上がります(夜なので低回転しか回しませんでしたが)
この車の点火時期はT側がATDC(上死点後)15度なのでT側のみの点火だと点火時期が大幅に遅れた状態で回っているようなものですね。
更にこの時はローターが上死点を過ぎた位置での点火なので燃焼圧力がローターの回転を妨げるように作用してしまうのでアイドリングがラフになってしまうものと推測します。
この事からもロータリーエンジンではL側の点火が重要な事が分かりますね、L側で先に点火してローターに回転力を与え、T側が後に点火する事で細長い燃焼室内の混合気を出来るだけ有効に燃焼させて燃焼速度を早める事に貢献しているわけですね。
リープス5では低中速域でT側を失火させ、わざと燃焼速度を遅くする事で燃焼時間を長くし、それによって排気工程での排気ガスの温度を高くしてサーマルリアクターの反応性を向上させていました、これはレシプロエンジンでいえば点火時期を遅れさせてHCとNoxの低減を図る方法と同じような考え方ですね。
ところでT側のみの点火でエンジンが始動出来るのか・・今回はやりませんでしたが以前に青コスモのポイントのメンテをした時に実験してみた事があって、その結果は・・始動性が非常に悪く何度もセルを回して辛うじて始動しました(もちろんアイドリングはラフな状態)。
この時はエンジンが暖まっている状態だったので今回のような低温時ではT側のみの点火ではエンジンの始動は無理ではないかと思われます、一旦始動すればフライホイールの慣性力があるのでラフでもアイドリングしますが始動時は燃焼圧力がローターの回転方向に有効に作用しないと始動が難しいものと思います。
長々と書いてしまいましたが私にはロータリーエンジンは難しくて分からない事ばかりなので少しでも維持の参考になればという思いでの実験でした^^;
Posted at 2009/02/17 23:28:45 | |
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