
先のお盆休暇に、京都にある小生の生家というか実家へ行った際の話です。
この家には、小生の母親が一人で暮らしてるんですが、アタマもカラダもピンピンしてます。(記憶力なんか、ひょっとすると小生より良いくらい)
家の方も、まだ存命だった父親が10数年前に建て直して(父親がローンも払いきってから亡くなっている)おり、母親の手入れもよく、未だにぴっかぴかです。
以下、嫁さんと京都の街中へ繰り出してた時の、車中での夫婦の会話です。
嫁さん
おかーさん、まだまだ元気ねー。
でも、階段上がるのもうシンドイから、ほぼ1階だけで過ごしてるんだって。
ちょっと、心配するよね。
小生
そーだなー。
まー、2階から転げ落ちちゃったりしたら大変だもんなー。
嫁さん
ところで、あなた、将来、おかーさんのことや、家のことどーするつもり、
三重からコッチ(京都)に戻ってくるつもりなの?
確かに、もう近い内には真剣に、少なくとも方向性だけでも考えとかなきゃなんないことは判ってはいるんですが、正直言って、まだぼんやりとしか考えてません。
このような、未だジャストアイディアの時点で、もし軽々しく嫁さんに話そうものなら、言質を取られ、アトアトまで尾を引き、ヤヤこしくなるのは火を見るより明らかです。
そこで、論点ズラシ作戦(命名、小生)を試みます。
小生
何時とは言えんが、いずれはコッチ(京都)に戻ってこなきゃならんのだろーな。
それより、今日行くホテルのランチ(これまた、京都で独り暮らしの娘が今回アレンジ)、スタート何時だっけ。
それに今日のアナタのファッションもバッチリ決まってるじゃん。
嫁さん
もー、11時半って、何回も言ってるでしょ。
そーおー、黄色のワンピにするか、グリーンにするか迷ったんだけど、この深い色のグリーンの方が、シックで、いいでしょ。
小生
おー、おー、そだね。どこぞのイイ氏(まぁ、関西でいうお金持ちくらいの意)の奥様みたいにバッチリと思うよ。
小生心の声
(よしよし、うまいこと誘導できそうだナ。)
嫁さん
話は戻るけど、家のことなんだけだど。
小生心の声
(ダメだ、作戦失敗。
もーヤケクソです。
こーなりゃ、次の現実逃避"妄想ジャブ様子見"作戦(同じく命名、小生)に移行です。)
小生
それなんだけどさー、ずーと、ムカシに住んでたイギリスの家って覚えてる?

【英国のセミデタッチドハウス。 左右対称の一つの家を、ド真ん中で仕切り、左右の各戸を独立した各一軒とする住宅形態、赤ワクが一軒で、家からダイレクトで出入りできるガレージ(青ワク)が付いてる。さらに家の向こう側には、建屋底面積とほぼ同じ広さの芝生の庭が広がってる】
嫁さん
覚えてるけど、それがどーしたの。
小生
あの家って、ガレージ付きだったでしょ。(英国の郊外では、上記写真のようなガレージ付のセミデタッチドハウスと呼ばれるものがほとんど)
(予ての妄想を、悪くても冗談ぐらいに受け止めてくれるだろうとの、甘い読みで切り出します)
コッチのウチ、一回、更地にして、シャッター付ガレージハウスに建て直して、
一階のガレージには、ガラス張りでクルマやバイクを愛でながらコーヒーが飲める小生の書斎、兼クルマ/バイクいじりの作業部屋なんかもつくっ、・・・
嫁さん
(小生がまだ話し中なのを遮って)
なに、バカなこと言ってんの。
ホント、バッカじゃないの。
ユメでも見てんの。
マジメに考えてる?
冗談でもそんなこと言ってほしくないわ。
そんなお金ドコにあんの?
アナタは70歳になっても、いくつになっても働かなきゃなんないのよ。
わかってる?
(小生、もう、というか、まだというか56歳です。若い頃より欧州暮らしを経験したもんで、アーリーリタイヤメントも小生憧れの一つ。 70歳までアト14年もあります)
続けて嫁さん
生涯、アナタもアタシも現役ってコト!(キリッ)
それに、おかーさん、どーするつもりなのよ。
小生の心を打ち砕く攻(口)撃が、まるで、バルカン砲のごとく次々に発射されます。
何がトリガーになったのか、未だ理解できてません。 彼女の逆鱗に触れてしまいました。
論点ズラシ作戦も、次手の現実逃避"妄想ジャブ様子見"作戦も、露ほどの戦果をもたらすどころか、却って総攻撃を喰らうハメになりました。
仙台ずんだ帝国人の嫁さんは、特に関東コトバの「バカ」を平気で多用します。
関西人なら誰しもが笑って済ませられる「あほ」への耐性は十分すぎるほど備えている京都はんなり王国人の小生にとって、「バカ」への耐性はありません。
これを連発されると、もーいけません。
たちまち小生は、コッパミ共和国住人の、こっぱみ人となり、心も木端微塵です。
小生
うん。マジメに考えて、整理してから、今度、話すから...、ゴメン。
(言葉遣いは弱々しくなり、声はまるでフェードアウトするように小っちゃくなってきます)
嫁さん
ほんとにもー。
ちゃんと考えといてよね!
会戦時の鉄則、ダメ押しまで喰らいました。
自ら招いたこととはいえ、妄想は一瞬で跡形もなく吹き飛ばされ、敢え無くノックアウトです。
敗残兵の小生の夢(妄想)は、今後、口にすることすら叶わなくなってしまいました。
(なお、敗戦処理として、このブログエントリだけは、嫁さんに発見されることのないよう、厳重に秘匿されなければなりません)
Posted at 2019/08/21 18:31:33 | |
トラックバック(0) | 日記