
8月15日付読売朝刊は、特集記事の他にも、「アフリカの未来 技術革新が後押しする」、とのタイトルの社説も一本掲載しており、
同様に、米シリコンバレーのスタートアップである、ジップライン社(Zipline International Inc.)のことについて触れています。
元々、同社によるアフリカでのドローン配送は、2016年にルワンダでスタート。
ここで、いつものように少し脱線して、豆知識。
スタートアップ、って知ってますか。
最近よく耳にするコトバです。
スタートアップ(startup、若しくはstart-up)とは、一語だけで、(企業、会社の意味まで含む)コトバで、
日本で言うところの、新興企業(定義:今までになかった、新技術やビジネスモデルで事業を行う企業、会社)を指す、"ベンチャー(= Venture)企業"のよーなものを指す、
正真正銘の「英語」のコトバです。
日本では、今や、スタートアップが、ベンチャーというコトバを駆逐し始め、これに取って代わるようになってきています。
新聞等のジャーナリズムは、何か特別に宣言するでもなく、コッソリと、スタートアップ、にシフトを始めてます。(コヤツらのいつものようにズルいやり方)
ナゼか。
懸命な皆さんなら判るかもしれませんネ。
"ベンチャー(= Venture)企業"、コレ、英語として通じません。
よくある、日本だけで通じる、和製英語です。
下に挙げた一例の仲間です。
ペンション(pension、日本語ではコッテージみたいなもんの意で使う。 英語で"pension"は、"年金"の意で、全く日本以外では別のコトと捉えられます)、
アクセル(accel、日本独自の省略語、英語では、正しく、"accelerator"と言わないと通じません)、
サラリーマン(salary man、日本以外では意味不明、また昨今では、性差を指す、man/womanは避ける傾向にあります。英語では、"business person"や、"engineer"等、などの職種で表現)、
などなど。
今、海外で、もしあなたが、「当社は、新興企業(上記定義に倣った)です。」と、英語で言う場合、
どう、表現しますか。
さしずめ、"We are a venture company." でしょうか。
実は、コレでは、何言ってんだこのヒトと、
理解してもらえないこと、請け合いです。
よしんば、相手が気を利かせて理解してくれたとしても、Venture capital(= ベンチャーキャピタル、ハイリターン狙いのアグレッシブ投資ファンド)から、
投資を受けてる会社だと、誤解されてしまうのがオチでしょう。
正解はもーわかりますね。
"We are a startup (company)." ですネ。
ということで、ココ日本でも、ちゃんとした、米国はシリコンバレー由来の英語である、"スタートアップ(startup)"が、知らん間に、徐々に浸透してきているのです。
ただ、この"スタートアップ"には、明確な特徴/要件があるとされてます。
単に、新しく創業開始した企業というだけでは、スタートアップとは呼ばれません。
その最たる特徴/要件ですが、
スタートアップは、明確な出口戦略(Exit = 出口)を持って、ゴールを見据えて、設立、運営されてるということです。
じゃ、Exit(= 出口)や、ゴールって、ナンゾということですが、
ざっくり、スーパーカンタンに言ってしまうと、
スタートアップのExit(= 出口)とは、創業者が、株を売却(要は、会社を売却)し、利確(= 利益確定)するということです。
これが、スタートアップのゴールです。
(さすが、米国発です。 根本からして日本人と思考回路が違う)
余談の豆知識はココまで。
いよいよ、本題に戻ります。
「ドローン革命」です。
本エントリで登場させた、ジップライン(Zipline International Inc.)、この会社、米シリコンバレーが本拠の、もともとロボット技術会社です。
この会社、ガーナで、ドローン救急医療品配送を始める前の、2016年に、同じアフリカはルワンダにおいて、
ガーナに先立つこと、1年前の2016年から、
米UPS(Fedexなんかと並び称される、世界規模の巨大ロジスティックス会社ですね)が運営する、UPS基金より80万ドルの支援金拠出を受け、
また、ワクチンアライアンスの、GAVI(ガーヴィ、The Global Alliance for Vaccines and Immunization、ワクチンと予防接種のための世界同盟)、
この2者とパートナーシップを締結し、ルワンダ政府とも連携して、
ルワンダ国内各地への血液やワクチンなどの救命医薬品配送に、世界初の試みとして、ドローン活用を開始してます。
今や、ルワンダでは、首都キガリ以外で必要とされる血液製剤の65%以上をカバーしているとのこと。
昨日触れたガーナは、その2国目です。
このジップライン、日本の豊通(豊田通商株式会社)も、ドローン物流領域における協業推進を目的として、出資し、業務提携を締結したことを、本年5月に発表しています。

なお、ジップラインが事業会社の出資を受け入れたのは、豊通が初めて(UPSは同社基金からの支援金の受け入れ)とのこと。
他にも、日本では、2017年、あるプレスリリースがあり、世間に衝撃が走りましした。
日本のドローンソフトウェア開発会社、株式会社CLUEが、日本企業初で、これまたアフリカはガーナの政府機関と協定を締結。
大部分の国内インフラが未整備な中、
道路点検や金の違法採掘撲滅(金採掘ドロボー、って、いかにもガーナ)に、ドローンを活用する、と発表しています。
同社の海外担当の、CCO(= Chief Customer Officer、最高顧客責任者)の、あるインタビュー記事のタイトルが、本ブログ タイトルの、
『「ドローン革命」で、アフリカが先進国へと変わる未来』
です。
インタビュー記事は、こうも言ってます。
『そもそも道路はいらない。ドローンがアフリカを先進国へ導く』
果たして、小生、生きてる内に、どこまでの未来社会を、自分の目で見ることができるのでしょうか。
楽しみでもあり、
一抹の不安を感じないでもありません。