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2019年08月23日 イイね!

(よもやま話33)欧州でクルマを所有するということ 2/2 (本編)

(よもやま話33)欧州でクルマを所有するということ 2/2 (本編)【Mitsubishi Shogun 1994 model】

さて本題、本編の、「欧州でクルマを所有する」ことについての考察を述べます。

小生は、英国やイタリアに住んでいた時に、新車を(会社の金で)買って(もらって)、自家用車にしてました。

以前に紹介した、欧州FORDのMondeo Mk2や、Alfa Romeo147です。

【モンデオ】


【147】

今回、もっとも言っておきたいことを先に書いておきます。
それは、

良くも悪くも、
日本は、余程の生活困窮者でない限り、新車で自家用車を持つことができる、
世界からの視点で見れば、実は、かなり特異な国だということです。

若者であろう(たとえ学生でも)が、金持ちじゃなかろうが、平均年収レベルの所帯維持ができてる人なら、切り詰めたり、必死こいて働いたり(学生のアルバイト含む)すれば、ローンやリースも使って、新車を持ってしまえる、この日本の状況は、
海外に出ると判りますが、ゼンゼン当たり前なんかじゃありません。

良くも悪くも、の、

良い、の方は、誰もがフツーの努力をすれば、新車が持てる、超高額車でなければ外車ですら可能という、機会均等社会が実現してること、

悪い、の方は、交通社会に出してはいけない、不適格者まで、ピッカピカのクルマで湧き出してしまうことを許す、悪平等が同時に実現してしまってる、

と、小生は考えます。

小生の経験からの、欧州での状況を話したいと思います。

小生は、まず30歳台前半の頃、勤務先より、U.K.海外赴任を命ぜられ、英国で暮らしました。(出張や旅行ですら欧米に行ったこともない、英語もままならないところからの出発です)
次に、その10数年後には、転職した勤務先より、今度はイタリア海外赴任を命ぜられ、イタリアで暮らしてます。

最初の、U.K.では、勤務先のG.A. Dept.(=General Affairs Department、総務部)のマネージャに、予算上限値の提示を受け、自分でディーラへ足を運び、商談し、自分のクルマを決定してます。
まぁ、小生がしたのはココまでで、後の契約やなんかの必要な手続きは、会社に丸投げです。

これはイタリアでも、同じようなもんです。
(ただイタリアの場合はコトバの壁が厚すぎて、現地人スタッフに同行してもらってます)
因みに伊国人も、英語、そんなにしゃべれません。日本と同じくらいです。
英語が通じるのは、ビジネスで使うヒトや、外国からの訪問者相手の商売人、学生、見掛けではわからんが実は高学歴者といった人たちぐらい。 
一方の小生は、お食事処での注文ができるくらいの伊語しかしゃべれないという。

これら買ったクルマ、実は小生の当時の財産ではありません。
代金は、勤務先の会社が支払い、真の所有権者は会社であって、小生ではありません。

ナゼ、会社のカネで、小生個人のクルマ(新車)を買った(買うことが許される/た)のか。
小生が、日本の本社からやって来た占領軍の一員だからなのか、
それとも、とんでもない功績を上げたのでご褒美として与えられたのか、

いずれも違います。

U.K.やイタリアを始めとする欧州(ドイツなんかも小生が知る限りはそーなんで、欧州で一般化できると思う)では、個人で"新車"を買う(買える)のは、一握りのスーパーリッチで、一般庶民はまず買うことなんてできません。

そんなこと、まず思いつきもしないでしょう。

あまりにクルマが高額だからか、社会の仕組みがそーだからなのか、いずれが先か、ニワトリが先かタマゴが先か論になるので、
どっちが先にありき、なのかは知りませんが、

まず、価格面から見てみます。
たぶん、このサイトは見てる輸入車オーナーはだいたい知ってると思いますが、車両本体価格は、欧州も日本もそれほど変わりません。
(ただ、Audiであれ、M・Bであれ、BMWであれ、本国では、日本で売らないウルトラ簡素仕様の超低価格設定車もラインナップにはあります)

では何が違うのか。
V.A.T(= Vale Added Tax、付加価値税、日本の消費税相当)が日本に比すと、恐ろしいぐらい高率なんです。

当然、今、日本でも目前の増税に併せて導入予定の軽減税率制はありますが、クルマに軽減税率が適用されるワケありません、当然です。

じゃ、V.A.Tの税率って、どんくらいなのということですが、

U.K. - 20%(小生が住んでた頃は、17.5%、2011年に現税率に増税)
イタリア - 22%

ちょっと、信じられますか、奥さんっ!

邦貨換算:500万円のクルマが、V.A.T込みになると、U.K.ではナント、600万円、イタリアに至っては驚愕の610万円です。

そりゃー、常にノブレス・オブリージュ(仏語:noblesse oblige から。高貴さ、つまり財産、権力、社会的地位を持つ者は社会奉仕/還元の義務を負ってる)を意識して行動してる、スーパーリッチやエスタブリシュメント(上流階級)は、いくら高くても喜んで納税して、自分のクルマを手に入れるでしょう。

でも、庶民は誰も買いませんし、買えません。 買おーなどと大それたこと思いつきもしません。

長くなってきたので、"社会の仕組み"に行く前に、ちょっと休憩、
そー、つまり余談です。

さて軽減税率が適用される対象は、欧州では何があるでしょうか。
U.K. - スーパー等で買う食材/食品、子供服、水道等インフラ系、書籍/新聞、等 = ゼロパーセント、つまり無税
イタリア - スーパーや店で買う野菜等の生鮮食材/食品、パスタ = 4%(パスタだけ、トクベツあつかいー、さすがちゅーかなんちゅーか、やってくれますイタリア)、
スーパーや店で買うハム等の加工食材/食品 - 10%(イタリアのプロシュート=生ハムはメッサ旨い)

と、こーいう按配になっており、該当しない商品、サービス、ぜーんぶ2割上乗せで、その2割は本来価値とはカンケーない税金です。

だから、庶民は気軽に外食なんてできるハズもありません。
マクドのセットで、1,000円前後。
もーね、なんだかね、アホらしやのカネが鳴る、ちゅーもんですよ。
(U.K.やドイツなんかは、マクドよりバーガーキングの方が多かったような印象、イタリアはドッチもあんま見かけず、のかわりにピザ屋/バールはいたるところに)

因みに、U.K.では赴任後、当初約3か月の、家族を呼び寄せるための生活基盤立ち上げ準備(バンクアカウント開設したり、家探ししたり、契約したり)期間としての単身期間があったんですが、
休みの日も、遊びも含めやること多すぎで、自炊なんてしようとはあんま思いませんでした。

そーなると、勢い外食になるんですが、近所(ロンドンではなく、西へクルマを2時間くらい走らせたサリー州の郊外が自宅)の中華屋(日本人からすれば、小奇麗ではあるがフツーの中華屋)なんかで、
金曜や土曜の夜に、Gパン+Tシャツなんかのラフなカッコでメシ食いに行くと、

ちゃんとしたイッチョウラでオシャレした家族客から、もんのすごーくイヤな顔、場違いだという無言の抗議を込めた冷熱視線を浴びせられたものです。

彼ら、彼女らにとっては、これぐらいの中華屋でも、その出費に一大決意を持って臨む家族イベントなんです。
まー、そんなことは知りながら、その後も気にせず普段着でいってましたが。

と、いうことで本題に戻ります。
社会の仕組みの面です。

こんなアホみたいに高いV.A.Tでも、街にはクルマが一杯です。
買えない(買わない)ハズなのに、どーして、と思います。

でも、街を走るクルマを少し注意深く見てみると、日本のように大体がどれもが磨き上げられたピッカピカのクルマばっかと違い、
キレイな高級車/新車(らしきクルマ)と、ポンコツまでいかないまでも、洗車なんかしとらんやろ、という二つにグルーピングできることに気づきます。

キレイな高級車/新車(らしきクルマ)はどうして購入され、登録されたものか。

まずスーパーリッチやエスタブリシュメントが買うことは、先に述べたとおりです。
でも、一握りの選ばれし方々だけのものなので、数はタカが知れてます。

それ以外のものは、実は、数多の会社が買って所有するカンパニーカーです。
このカンパニーカー、最初に述べたように占領軍に供出されるものでも、ご褒美でもらえるものでもありません。

フリンジベネフィットとして、従業員へ提供されます。 つまりは、給料以外に与えられる利益(=benefit)で付加給付です。

その他、フリンジベネフィットには、無償/低額の住宅提供、飛行機利用(出張)の際のビジネスクラス利用、プライベートの健康保険(欧州での個人医療診療費は恐ろしく高い)、ペトロカード(ペトロール=英国でのガソリンの呼び方、BP= British Petroleumのペトロで、ペトロステーション専用の会社名義クレジットカード)、ペンション(年金掛金負担)等、いろいろあります。

フリンジベネフィットは、提供を受ける側の従業員は経済的利益を受け、かつそれは課税所得に含まれない、
一方会社側でも損金算入(税控除)できる、というウルトラC(ウルトラCも若人には通じんか)で、
日本企業の現地会社駐在員の小生、上記のベネフィット、ペンション以外は全て享受してました。

カンパニーカーは、従業員へ提供されるbenefitなので所有権こそありませんが、自家用車として、与えられた個人が自由に私用にも使用できます。

U.K.在住当時、国全体の登録車の8割方がカンパニーカーだと聞いたことがあります。(確認してないので、真偽は知りませんが、まぁ、中らずと雖も遠からじでしょう)

ただフリンジベネフィットである以上、従業員全員がもらえるわけではナイです。

役職により、業績評価査定により、まずもらえれるかもらえないか、もらえるとして予算や車種/はグレードはどのようなものか、それぞれの会社規定により決定されます。

だいたいにおいて、少なくとも、Manager(= 課長職)や、General Manager(= 部長職、G.M.)以上のタイトル(= 肩書、役職者)しかもらえません。

小生勤務のU.K.の会社では、現地会社社長(但し小生の直属のボスではない。小生のレポートツーのボスは、在独国の欧州統括会社社長)は、当時の現地での高級車、ミツビシ ショーグン(パジェロ)に乗ってましたし、人事の女性G.M.は、真っ赤なグランチェロキー乗ってました。

一方、100名弱の所帯の会社のほとんどの、タイトルを持たいない平民従業員はカンパニーカーはもらえませんので、30歳代前半まででクルマを所有してる人は皆無です。
なので、若くしてクルマに乗ってる勤め人は、よほど優秀でタイトル(= 肩書)を持ってるんだな、とそれだけで判断できました。

平民従業員が仕事(出張や客先訪問)でクルマを使う場合は、共同利用のプールカーか、都度のレンタカーです。

イタリアでも似たようなもんです。
毎年、年度末には査定評価のパフォーマンスレビューを行うんですが、本年度、昨年度よりも良い評価をしてやってるのに、ガッカリしたり、猛然と自己の業績アッピールをしてくる、現地人の部下達がいました。(因みに総員10人以下のこじんまりした在トリノ支店で、日本人は支店長の小生のみ、アトは全員現地人で、普段の会話はすべて英語)

給与面では何の文句もないが、タイトル(= 肩書)を付けて欲しい。

なぜか。
いつでも好きに使えるカンパニーカーが欲しい、自分より上位職級者の顧客との同行出張では、自分も一緒のビジネスクラスで行きたい、からです。

彼らを遺恨なく納得させるのは、本当に骨の折れる仕事で、時には声を荒げることもあります。しかもプライバシー保護要の最たるものなので、密室で1対1で対峙し、完全合理性のある話で勝負しなきゃなりません。

普通に、街中でフェラーリが路上駐車(欧州はだいたい、パーキングメーター制の路上駐車が多く違反ではない)してる一方、大卒10年目くらいのまだまだペーペーにカンパニーカーのベネフィットは与えられません。

パフォーマンスレビューを行う季節はいつも胃が痛くなり、憂鬱になってました。

過去のことのグチを言ってても始まりませんので、続けます。

ポンコツまでいかないまでも、洗車なんかしとらんやろグループです。

先に、30歳代前半でクルマは持てない/持たないと書きましたが、このグループのクルマ、結構走ってます。

都市中心部以外は、トラム(路面電車)もなきゃ地下鉄も鉄道もなく、日本以上にクルマ社会です。
(郊外ではめったに歩行者も見かけません。 ホースバックライディング、馬に乗ったヒトはたまに見かけますが)

これらのクルマ、おそらくは、元カンパニーカーだった、Used Car(つまりは中古車)です。

カンパニーカーは、大体5~6年サイクルで、Used Car Marketに流れてきてた、と思います。

元の使用者が昇格でカンパニーカーもステップアップした、転職や転勤でいなくなった、(さすがに降格で資格がなくなった、という話は聞きませんでしたが、これもナイわけでもないでしょう)、等の理由で、そのクルマを引き継ぐ者がいない場合や、
プールカーとして維持しとく必要もない場合は、会社としては所有し続ける理由はありませんから、当然、処分します。

こういった中古車なら、依然タッカイV.A.Tを払ってでも、必要に駆られれば、手が届かないでもありません。
ただ、あくまでアシ(足)グルマ(車)です。
多少、ボロでもなーんも気にしません。

たとえ中古でもピッカピカに磨き上げ、大事に大事に乗ろうなんて気なんかさらさらありません。

U.K.に初めて到着した当初、家族を呼び寄せ準備期間の内、約1ヶ月は英語特訓のため自ら志願してホームステイをしましたが、ホストファミリーのオヤジさんの職業は士業で、
自身こそはジャギュア(ジャガー)でしたが、奥さんはボロッちい、スズキ サムライ(ジムニー)、子供たちはさらにポンコツ寸前の、Opel カデットとコルサ(実際は、英国車で、オペルのバッジエンジニアリングのVauxhall、この英国ブランド、U.K.でしか売ってない)でした。

【Suzuki Samurai 1994 model】

自動車専用高速道のモーターウェイを走ってても、故障で路肩に停まるクルマを目にするなんてコト、別に日常の光景でした。

そりゃー、そんなトコに、故障知らずの日本車が乗り込んでいったんです。当時はあっという間に受け入れられました。


ということで、
「欧州でクルマを所有するということ」は、日本に比べるとなかなかにハードルが高いこと、持ってても自分のものとして所有してるヒトは、実は案外多くはない、
というのが判明しましたので報告しときます。

Posted at 2019/08/23 18:55:58 | コメント(2) | トラックバック(0) | 輸入車 | 日記
2019年08月23日 イイね!

なー、にゃー、よ

なー、にゃー、よ





くつろいでるトコ、

わるいケド



ん、なにー、

キミの揃えた前足、
かわいいー、って、
ほめられてるゾよ

そーなのー

じゃ、これでどーお。

Posted at 2019/08/23 06:49:53 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2019年08月22日 イイね!

セリカ(Celica)1600 GT & PRIUS GT(ホンモノ プリウスMISSILE、Super GT300参戦マシン)、とTOYOTA 2019 SUPER GT フェスティバル招待状

セリカ(Celica)1600 GT & PRIUS GT(ホンモノ プリウスMISSILE、Super GT300参戦マシン)、とTOYOTA 2019 SUPER GT フェスティバル招待状
小生宅の道路を挟んだ向かいがトヨタカローラ大型店で、セリカ(Celica)1600 GTの展示があること、
同店が夏季休暇の先週の、ショールーム外からのガラス越しのゲリラ撮影結果を、8月11日、12日の2日に亘るブログで、紹介しました。

https://minkara.carview.co.jp/userid/3152212/blog/43141055/

https://minkara.carview.co.jp/userid/3152212/blog/43145741/

本日、仕事帰りに郵便ポストを確認すると、同店より、当地で開催のTOYOTA 2019 SUPER GT フェスティバル招待状が郵送にて届いていました。

このレターを手に、





店舗へ取って返し、

店内で
セリカ(Celica)1600 GT、及び同時展示のPRIUS GT(ホンモノのプリウスミサイル、Super GT300参戦マシン)を撮影してきました。

ファンの方、ご笑覧ください。

セリカ(Celica)1600 GT















PRIUS GT(Super GT300参戦マシン)














(実は、これら数多あるスポンサーの一つが小生の勤務先と関係あったりするのはナイショです。 
おはよう、フェルプス君、なお、例によって、この一文は自動的に消滅する。成功を祈る。シュワシュワーと煙となって消える、ってなことでいつ消しちゃうか判りませんので。)

Posted at 2019/08/22 20:39:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | 国産車 | 日記
2019年08月22日 イイね!

(よもやま話32)欧州でクルマを所有するということ 1/2(U.K.とはどういう国か)

(よもやま話32)欧州でクルマを所有するということ 1/2(U.K.とはどういう国か)【U.K.=英国は、赤ワクの四つの国から成り立っている】

以前から何度も触れていますが、小生は2度の欧州での居住経験があります。
また、西欧という域内(要はEU=ヨーロビアン・ユニオン)での、国を跨ぐ移動は何ら特別なことではありませんでした。
ヒト、モノ、カネの域内自由化が進められ、特に小生のようなビジネスパーソンは、域内をダイナミックに出張ベースで移動していました

U.K.を除くと、ほぼ全域がユーラシア大陸にあってボーダー(国境)を接しているので、移動、国境越えは飛行機はもとより、列車、クルマ、果てはチャリ、徒歩なんでもありで、
レジデント(居住者、EU加盟国のどこかで住民登録済み)には入国審査も形式的なものだけ、パスポートの表紙だけを審査官に見せて素通りなんてことが普通でした。

このEU、EEC(欧州経済共同体)、ECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)、EURATOM(欧州原子力共同体)が、一本化して、EC(欧州共同体)となり(この辺りの歴史は中学時代の社会で習っているハズ)、
1993年には、さらに発展して現在のEU(欧州連合)になったことは、知っての通りです。
(今まさにブレグジットで、英国/アイルランドがゴタゴタしてますが)

いつものように、ちょっと余談
今回は、余談が長いので、2回に分けます。
(書き始めてるウチに、伝えたいU.K.についての情報が次々に湧き上がります)

今日の一回目は余談のみ。the U.K.(連合王国、つまり英国)についての豆知識しか書いてません。

ただ、長いですが、最後のパラグラフだけは、TT乗り必見であること、最初に断っときます。

二回目(たぶん明日か明後日)で、本編「欧州でクルマを所有する」ことについての考察を述べます。

その英国ですが、普通、我々日本人はイギリスと一括りで言うことが多いですよね。
実はコレ、厳密に言うとまったく正しくありません。

イギリスと一絡げで片づけられるほど、そんな簡単なものじゃ、ぜんぜんありません。
実際に現地で暮らすと、カンタンにイギリスやイングリッシュのヒトコトで軽々に済ますことができない場面が多いことを、身をもって知ることになります。


小生が、英国を表現するのに、よく"U.K."を使うのには理由があります。
U.K.、これは、the United Kingdom of Great Britain and Northern Irelandの略称です。
つまり、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国です。

グレートブリテン(略称、GB)とは、スグ思い描くあのイギリス型の島の名前、
北アイルランドは、グレートブリテン島の西に位置するアイルランド島にあって、アイルランド共和国とボーダーを接するアイルランド島北部地域を指します。

(もっかい、Top写真の地図で確認してみてください)

先に北アイルランドに触れておきます。
もともと、1801年に元のU.K.成立時は、はアイルランド全体が、U.K.(連合王国)の構成メンバの一員であり、
その後、1922年に、U.K.から離脱、独立したアイルランド自由国(実質は英連邦内の自治領で、その後、WWⅡ前後の完全独立運動を経て、共和国制に移行)が

できたものの、グレートブリテン島からの入植者の多かった北部の北アイルランドだけは、国土を分かち、連合王国の一員として留まることを選択し、現在に至ってます。

民主的手続きは取られたでしょうが、そこに暮らす、宗教的(GBからの多くの入植者はプロテスタント、元々のアイリッシュはカトリック)、政治的、経済的、心理的には本来GBサイド人たちの残留工作や、GB政府からの工作があり、
もう一方のアイリッシュとしてのアイデンティティ維持を目指す人たちとの対立の構図が、その時に生まれてます。

その歴史的背景から、かつては北アイルランドでは、連合王国から分離独立を目指す激烈な運動があり、当時のもっとも過激なテロ組織、IRAが活動してました。 
今でこそIRAのテロは沈静化し、テロはイスラム軍団や半島国家の専売みたくなってますが、
小生が英国に暮らしていた当時は、まだヒースロー空港なんかでIRAが仕掛けたと見られる爆弾発見なんかで、しょっちゅう機能マヒしてました。

フレデリック・フォーサイスのスパイ小説/映画なんかを読んだ/見た人は知っての通りです。

さて、U.K.に話を戻すと、
グレートブリテンの中でも、人々の感覚や一部行政システム(各地域で大幅な自治権あり)、人種、コトバも、ゼンゼン一つじゃありません。
(わが日本とは全く異なることを、まず理解しといてください)

サッカーやラグビー好きなら知っているでしょう。 彼らが国の代表として出てくるのはイギリス代表チームではなく、イングランド代表、ウェールズ代表といった案配であることを。

でもオリンピックなんかの、主権国家レベルとしてのナショナル代表は、チームGB(グレートブリテン)として出てきます。

そーなんです。それぞれの独立した国(4つ)が、同一の君主(現君主はエリザベス・ザ・セカンド=エリザベス2世女王)を戴いて、連合して主権国家を形成している、立憲君主制の(この部分は日本と同じ)、国家(王国)連合なんです。

その4つとは

まずグレートブリテン島の3国

「イングランド(元王国)」
アングロサクソン人の国で、イングリッシュ(イギリスの語源です。もちろん英語を話します)です。

首都は、言わずと知れたロンドン。でも厳密には、「実質上の」首都と呼ぶべきものなのかも知れません。
他の3国にもそれぞれ、文字通りの意味で、"首都"があるからです。

イングランドは、言語としての英語に、余裕の絶対的自信を見せる国です。
この点、世界に覇を唱えた大英帝国です。
米人の話す英語とは異なりますし、ハラの中では、小生が思うにタブン米国英語を見下してます。

日本の有識者を名乗る輩が、英語はまずは会話だとかなんだとか、知ったような口きいてますが、
何と言おうが、小生体験から、戦後日本の文法英語教育は間違ってないと確信してますし、実際、英国では恐ろしく役立ちました。
(実際に住んで、地域社会で生活し、いちビジネスパースンとして、会社勤めしてた小生が言うのですから、まちがいありません)

それに、英国では、チョッとでもエスタブリシュメント側に足を踏み入れたら、如何に正確な文法や時制、冠詞を使っているかで人物判断します。

よく聞くでしょう。
クイーンズイングリッシュやキングスイングリッシュといったコトバ。

上流階級の人たち、エスタブリシュメントは本当にキレイな、ブリティシュイングリシュを話します。
アメリカンイングリシュなんてハナクソぐらいに思ってるかもしれません。(言い過ぎました。 ソコまでハラ黒くないでしょう)

だから、今までの日本の学校英語がすごーく大事です。

文法の基礎があれば、シャベリは、何とでもなります。

小生の英語の大先生(通訳資格を持つ会社の先輩)は言ってました。
「英語は根性だ!」と。

要は、学校英語である程度の基礎があるハズの日本人なのだから、
恥ずかしがらず、まず話しをする勇気を持つことだと。

シャイな日本人は、周りに他の日本人がいる(ココ、ポイントと小生はにらんでます)と、それが見知らぬ日本人であっても、どー思われるかの方が気になり、
黙っているほうがハジをかかないという選択をしがちです。

これじゃーいつまで経っても、話せるようにはなりません。

一方、会話だけ先に覚えてしまったヒトのしゃべりを、英語を話せる人間が近くで見てると、ひじょーにウスッペらい、カッスカスの英語を話しているように聞こえます。
やはり、学校で習う、暗記部分を多く含む学習は、持っておかなきゃいけないベース(=基礎)を作るものです。

こと英国においては、逆に発音なんかは、ジェントルマンの国、かつ各地に植民地を持った国です。
英語を外国語としている国の人の英語には、何とかコミュニケーションをとろうと、ゆっくり、かつ平易なコトバでしゃべったり、何とかこちらの言いたいことをわかろうと努めてくれます。

米人なんかは、英語しゃべって当たり前みたいに、ベッラベラとスラング、短縮まじりの早口英語を話すんで、英国人からすると、だらしなく下品と映るみたいです。 
多くの英人知り合いから、直接に本音として聞きました。 一方の米人は英国人の英語をバカ丁寧でおかまみたいとやり返してましたが。

でも小生は実際この目で見、経験してきました。
口先だけでしゃべりは一見うまそうで、英人も合わせてるようには見えますが、中身・内容が薄ければ見透かされ、本人は満足げでも、実はうまくあしらわれ、テキトーに扱われてるだけかもしれません。
それよりも、たとえ魂の英語でもパッションが感じられる方には真剣に向き合います。
海外駐在者の要件として、英語はウォンツではあるがマストではない(望ましいが必須ではない)とよく言われます。小生の在籍してきた会社でも押しなべて、タマシイの英語をしゃべる人が選抜され、海外に出て行ってます。
想像出来るでしょ。
日本語も同じです。 内容ない話を日本語でべらべらしゃべる外国人より、拙くても一生懸命、何か伝えようとする外国人の方に真剣に向き合いますよね。

「スコットランド(元王国)」

【バグパイプはスコットランドの民族楽器】


【スコットランドのハイランド地方=北の端のほう】

人種的にはバイキングの末裔ケルト族のゲール人が北から下ってきて打建てた国で、スコティシュ(スコットランド人で、公用語のスコットランド・ゲール語や、スコットランド語を話す)です。
もちろん英語も話しますが、彼らの話す英語は、小生には大変聞き取りづらい。ノドの奥になんかつっかえたような話し方、発音をします。

首都はエディンバラ
(道府県庁所在地的な意味ではなく、文字通り首都です)

首相もいます。あの、最近よくTVで見かける、イングランド首相ボリス・ジョンソン氏と違う、別のスコットランド首相がいます。

法律、裁判、教育といった制度も、イングランドや他の2国と異なる独自のものです。

また、常識的に国の中央銀行にしか許されない、発券業務(日本の日本銀行券に相当)が、本家中央銀行であるイングランド銀行の他に、スコットランドにある銀行3行(私企業銀行)に認められています。

U.K.中で流通、通用するものの、我々が普通思い浮かべるポンド券面とデザインも異なり、イングランドでスコットランドポンドで支払おうとすると、イヤがられます。 
逆も同じで、スコットランドで英国銀行のポンドを出すと露骨にイヤな顔をされることもしばしば。

王様もいます、エディンバラ公フィリップ王。エリザベスⅡ世女王のダンナ。

スコットランド人としてのプライドが高く、未だU.K.からの独立を目指す人たちも多い。


「ウェールズ」

【ウェールズのコンウォール岬、GB最南西端のLand's End(実は地理上最南西端ではない)】

グレートブリテン島の最後は、南西にある国、

祖先をブリトン人とする末裔で、後からやってきたアングロサクソン支配に頑強に抵抗してきた、ウェリッシュ人の国。
英語とは言語体系が全く異なる、ウェリッシュ=ウェールズ語、またはコンウォール語を話します。

ロンドンからウィンザーを越え、バースを越え、首都カーディフを越え、スウォンジーまで通じる、モーターウェイ(=高速)のM4を走っていると、
ウェールズに入った途端、案内標識も2ケ国語併記になる。それぐらい、文字も英語と全く違います。

一番南西端の岬は、イングランド人をして、Land's End=地の果て、と言わしめたという。

スコティッシュ同様、もちろん英語も話しますが、ウェリッシュの話す英語は、聞き取りづらいを通り越して、壊滅的にワカラン。
もはや聞き取り不能。
まさに英語界(そんな界があれば)の、ずーずー弁です。

首都はカーディフ。

首相も、同様に、もちろんいます。

王様は、プリンス・オブ・ウェールズ、つまり、エリザベスⅡ世女王の長男、チャールズ皇太子。


「ノーザン(北)アイルランド」


アイルランド島の北部地域です。
スコットランド同様、人種的にはバイキングの末裔ケルト族のゲール人、アイリッシュ人の国です。

同様に、スコットランド語系の、アイリッシュ(アイルランド語)を話します。

首都はベルファスト。
モチロン、首相、います。

ただここだけは、他の3国に比べ、ちょっと格下です。

4国全てが"Country"と呼ばれてはいますが、他の3国は"Country"の他に、"Region"、と呼ばれることがあるのに対し、
北アイルランドだけは"Proviince"が使われたりします。

以上、ことほど左様に、イギリスは奥が深い、
ということが判っていただけたのではないでしょうか。


最後に、TTファンへのとっても大事な情報です。

"TT"が、"Tuourist Trophy"の略であること、
その"Tuourist Trophy"は、20世紀初頭から英国のマン島で行われている"Tuourist Trophy Race"に出場し、1960年代にあまた栄冠を得たスポーツカー「TT」に由来することは、
オーナーなら、ほぼ100パー、知っているものと推察します。


(余談の余談になりますが、世界のホンダは、このマン島TTバイクレースへのチャレンジから始まったといって過言ではない)


ではマン島は何なのか、答えられる人はいますか?

答えは、(今回はえちごせいかは止めときます)

場所は、グレートブリテン島とアイルランド島の狭間に位置する島ですが、実は、英国であって英国でないという特殊な存在です。


この島、the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland、つまりU.K.の一部ではありません。
ましてや、オーストラリアのように、エリザベス2世女王をTopに戴く、Commonwealth of Nations(=英国連邦)加盟国の一員ですらありません。

実はこの島、ずーっと昔っから、自治権を有す、英国王室の属領(= Crown dependency)なのです。
(平たく言えば、王室のプライペートの持ち物だが、自治権も持つという)

従って、この島のTopがエリザベス2世女王陛下であることは、他と変わりはないですが、
この島での女王陛下の肩書は、"Load on Man(マン領主)"です。

その下に総督や副総督がいて、自治政府を運営してます。

外交、軍事等は、領主であるエリザベス2世陛下が、君主(すなわち立憲君主ですね)である、U.K.が肩代わりするという、当然と言えば当然の地位にいます。

人種的なルーツもケルト系で、言語もマン島語を持ってます。


どーです。
ちょっとした知識が増えたんではないでしょうか。

Posted at 2019/08/22 19:31:31 | コメント(2) | トラックバック(0) | 輸入車 | 日記
2019年08月22日 イイね!

けさの、しりーず、だい5かいは、

けさの、しりーず、だい5かいは、


リカードさんの



ひかくゆうい


なになに、
「ぶどう酒はフランスとポルトガルで、
穀物は米国とポーランドで、
金物類その他は英国で作るべし」
だってー。

ヤッパよくわかんないし、
もっ、イイヤ


おとーさんが、ウルトラスーパーにざっくり、教えあげるんで、
チョット待って、

得意分野の生産に注力し、足りないものは海外から輸入すれば、
全体で見たら、生産コストは極小化できる、
ちゅー、200年くらい前の、経済の学者さんの説だよ。


Posted at 2019/08/22 07:42:51 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記

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