
"Coronavirus: overview of EU measures to support industry"
去る、3月25日付の、ACEAによるプレスリリースである。
※イキナリ、余談、豆知識から始める、
ACEA、
タブン、少なくとも欧州車乗りなら、"ACEA規格" と言う名、
聞いたことか、目にしたことはあるだろう。
正式名:Association des Constructeurs Europeens d'Automobiles(仏語である)、
つまりは、欧州自動車工業会。
エンジンオイルの規格なんかを決めてる、欧州の自動車業界団体
(本部、ブリュッセル/ベルギー、なもんで、仏語である)
我が日本が採用してるエンジンオイル規格には、3種あり、
●API規格:API(American Petroleum Institute = アメリカ石油協会)が決めてる規格で、
日本で売ってるオイルの缶なんかには、たいがい、
下に示したドーナッツマーク(これがAPI規格適合品証明)がプリントしてあるんで、
まぁ、知ってるヒトは多いと思う。
●ILSAC規格:ILSAC(International Lubricant Standardization and Approval Committee
= 国際潤滑油標準化承認委員会、AAM(米国自動車工業会)とJAMA(日本自動車工業会)
が手を組んで決めてる規格)で、
同様、スターバーストマークがプリントしてあるんで、まぁ、目にしたことはあるだろう。
●ACEA規格:"A3"とか"A5" とかいうグレード(ガソリンの場合)で、性能/特徴をカテゴラズしてる規格。
さらに欧州では、この規格をベースに、各カーメーカ毎に、例えばAudi(VWグループ)- VW504、
BMW - LL04、MB-Approval - 229.51なんかを定め、自社のクルマでの使用を指定してる。
以上、余談オワリ。
で、本題に戻る、
【ACEA発表 前文】
The financial impact of the COVID-19 crisis on the automotive industry
is severe.
Both production and sales of motor vehicles have come to a sudden halt
in most of Europe and other regions in the world.
- 超訳 -
(自動車産業界に与える、COVID-19クライシスの経済的インパクトはシビアである。
欧州大半と、世界の他の地域でも、クルマの製造と販売、
両方が、予想もしない急停止に追い込まれてる。)
【ACEA発表要旨】(超訳のみ)
●ECB、EIB、及びECは、自動車産業従事のワーカーや、自動車関連企業の支援のための
様々な対応策を、既にEUレベルで講じている。
●ECB(European Central Bank - 欧中銀)
・・・Pandemic Emergency Purchase Programme(パンデミック緊急購買プログラム)採択。
全EUメンバーから、フレキシブルな条件で、
ソブリン債(政府 発行/保証債権、よーは国債みたいなもん)に加え、
十分な信用力あるCP(小生注:Commercial Paper、無担保の約束手形)も購入できるようになる。
本プログラムの規模、7,500億ユーロで、本年末まで実施。
●ECB(同)
・・・Monetary policy package(金融政策パッケージ)も採択。
ECBは、additional longer-term refinancing operations(追加長期リファイナンスオペレーション、
つまり民間銀行へのECBからの資金供給)の実施により、
ユーロエリアの金融システムに対し、
immediate liquidity support(緊急流動性支援)を提供。
●EIB(European Investment Bank = 欧州投資銀行)
最大400億ユーロの資金を、mobilise up(戦時動員)する計画を提案。
ローン支払猶予と、他の対策の橋渡しで、中小企業の流動性と運転資金の制約を緩和。
●EC(European Commission)
・・・3月20日に、COVID-19 アウトブレイクに見舞われている経済への、
暫定対応フレームワーク策定。
骨子は以下、
既存規制の基本的緩和による、加盟国経済界の財政支援の機会増。
緊急流動性ニーズに対処するため、加盟国にあっては、
企業に対し、最高で80万ユーロを援助するスキーム設定を可能とする。
各国家政府(独、仏、伊、葡、デンマーク含む)による、ヴァイラス対応策承認はすでにスタート。
●EC(同)
・・・the Council of Ministers(閣僚委員会)に対し、
Stability and Growth Pact(SGP = 安定・成長協定)の、一般免責条項発動を提案。
一旦、承認されるや、各加盟国は、適切な危機対応措置施行が可能となり、
通常適用の "欧州財政フレームワーク" 制約下の予算要件から離脱できる。
その他、諸々。
【要旨、以上】
出典の、ACEAプレスリーリースは、コチラから全文、読める。
(ただし、モチ、すべて英語)
↓ ↓ ↓
https://www.acea.be/news/article/coronavirus-eu-measures-to-support-the-auto-industry
翻って、我が日本、
トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スズキ、スバル、三菱、ダイハツ、
そしてこれらカーメーカーへの、サプライヤ各社、
と軒並み、ラインストップにある中、
こういった欧州のような、経済圏レベル、国家レベル、工業会レベルでの、
戦力大量一時投入の対応策が、なかなか、聞こえてこない。
一体、どーなってんだ。
今や対岸の火事や、ヒトゴトではなかろーに!
ホンマ、エーんか?
いまだ一丸となって対応しないで、各社対応で??
いざヤローとした時は、手遅れか、もしくはすでに被害甚大、
ちゅーコトになっとらんだろーナ!
タイミングを逸した作戦発動と、戦力の逐次投入が愚策であることは、
歴史が証明してる。
ついこの前の大戦で、大日本帝国軍参謀本部が強行した作戦が、
ことごとく大敗を喫し、
大きな痛手を負ったことを知る世代は、まだ上の方で頑張ってるハズじゃないんか?
ACEAレポートは、前文に続けて言ってるぞ!
「自宅に居る労働者は、一時的非雇用によって、
フツーもらえるハズだったサラリーより、収入が減っていくの、座視してることしかできん、
しかもそれは、時としてとんでもない額だ、
でも、支出はいつもと変わらん。」
欧米では、"No work, No pay" 原則あたりまえ、
日本の大手(だけ)は、今はまだ、雇用/給料 保証/補償で持ち堪えてるようだが、
そんな長いこと体力持つまい。
自動車業界に限らず、
平和ニッポン、緩くて甘い現代ニッポン人、
平時はイイが、今は、ノンビリしてる場合じゃナイと、小生、思うんだがナ。
社会全体として、危機意識、マインドが低すぎるんぢゃないだろーか。