
みなさんゴキゲンよう!
モータージャーナリストの山田弘樹(やまだ・こうき)です。
千里の道も、一歩から。初心者でもクルマを目一杯楽しんで、最後の最後は「ニュルブルクリンクへ走りに行こう!」というこのコラム。
今回はTAKASHI君が
「マツ耐」こと
「マツダファン・エンデュランス」に参加してきたので、そのレポートです。マツ耐、初めてのレースにもとってもオススメです。
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編集部TAKASHI(以下・TAKASHI):
マツ耐に参加してきましたッ!
山田弘樹(以下・山田):あー!! 一緒に参加しようって、言ってたのにぃ!!
TAKASHI:えーと、その……まだ自分のロードスターで参加するの、ちょっと怖かったんですよ(汗。
山田:うそうそ(笑)。ロードスターは大事な愛車だもんね。
TAKASHI:はい。これを壊すと奥さんのカミナリが怖くて……(震)
※あくまでイメージです。
そうこうしてたら、
以前カートを一緒に走った『CAR and DRIVER』統括編集長の山本善隆さんが
「だったらうちのエイト(RX-8)で一緒にマツ耐に出ない?」って誘ってくださったんです。
山田:それでチーム名が
「メディア連合RX-8」なんだ。
TAKASHI:はい。今回は『CAR and DRIVER』の山本さんと『carview!/みんから』のワタクシ、あと『WEB CARTOP』の井上さんと『UOMO』の西坂さんの4名で出場しました。
紙とウェブだけでなく、ジャンルも新車情報からカーカルチャー、ファッション誌まで多様なので面白いチームになりましたね。
右から山本さん、西坂さん、井上さん(TAKASHIは6点式シートベルトに拘束され身動きができず……苦笑)
井上さんは、私や山本さんと一緒にK-TAIに出たり、西坂さんは普段からダートラをやっていたりとみんなそこそこ走れるんですが、山本さんも
「もともとサーキットの練習用に買ったクルマだから、気にしないで乗って大丈夫だよ」っておっしゃってくださって。
ちなみに山本さん、最近NDロードスター(しかもNR-A)を別で買ってしまったので、
エイトは絶賛里親を募集中だそうです。
欲しい方はコメント欄に一言お声がけを!(笑。
山田:でも、確かにサーキットで遊ぶ用のクルマが、仲間内で一台あるといいよね。
ただそうした場合も、事前にメンテナンス代とか、クラッシュしたときはどうするか? という話はシッカリしておくこと。
TAKASHI:はい! きちんとエントリーフィーと経費は4分割して、だいたい2.5万円/人ぐらいで出れました。今回は大丈夫でしたが、ぶつけた際は、
完全にドライバーに非があるなら自腹、故障とかドライバーのせいではないものはケースバイケースで判断、みたいなルールにしました。
そういう意味でいうと、本当は万が一クラッシュしてもいい
「自分のクルマ」があると一番いいんですかね?
ロータリーエンジンのモーターみたいにヒュンヒュン回る感じとか、ちゃんと4人乗れてトランクも広いのに、ワインディング走るとしっかりスポーツカーだし、20年前のクルマですが味わい深くて、山本さんからちょっと借りていたらエイト欲しくなっちゃいました(笑。
サーキット走ると、燃料とオイルもめっちゃ消費しますけど……(震。
山田:まぁクルマ好きとしては、やっぱり好きなクルマに乗りたいよね。でもサーキットを走るなら、ランニングコストやクラッシュ時のコストが安いクルマの方がいい。
なかなか両方持つことはできないから、これは永遠のテーマだよね。私の場合は、もちろんクラッシュのリスクを負って自分のクルマを走らせてます。
TAKASHI:自分なら歴史的にも貴重な「ハチロク」や「ポルシェ(993)」をサーキットで走らせちゃうなんて、とても無理です(大汗
山田:
それができるくらいになるまでに、何台潰したことか……(泣。
もちろん、ある程度のマージンを持って走らせてますよ。サーキット専用車でない限り、
愛車で走るときは、速さよりも楽しさが重要。
ところで肝心なマツ耐は、どうだったの?
TAKASHI:
めちゃくちゃ楽しくて、次があるならすぐにでも出たい! って思いました。
実はワタクシ4輪のレースは4耐(メディア対抗ロードスター4時間耐久レース)以外では、初めてだったんです。
山田:4耐とは、どこが違った?
TAKASHI:4耐は、やっぱりJAF戦じゃないですか。実際やってることはあまり違わないんですけど、ちょっと
ピリピリとした雰囲気がある。同業者どうしだから逆に負けられない……みたいな(笑。
でもマツ耐は、もうちょっと穏やかな感じ。目を三角にしていないけど、ルールはしっかりしていて、本当に
バランスが良いレースだと思いました。
山田:なるほどねー。その気持ち、わかるな。自分も初めて4耐に出たときは、とっても嬉しかった。そして、緊張もしたものね。
TAKASHI:プロのレーシングドライバーとか、速いジャーナリストの方たちが沢山いますしね!
山田:で、レースの方はどうだったの?
TAKASHI:予選はクラス1位! といっても私のクラス1台しかいなかったんですけどね(笑)。総合で7番手でした。
山田:ノーマルクラスでしょ? エイトだったらロードスターには勝って欲しかったな。
TAKASHI:いやぁ実際NDロードスターって速いんですよね。私と山本さんが筑波で一緒に追いかけっこするとだいたい同タイム。コーナーで速いロードスターにエイトがストレートで追いつく感じで。
ちなみに予選はオーナーで走行経験が多い山本さんで、本当に僅差の争いでした。
山田:決勝は?
TAKASHI:私がスタートドライバーを務めました。最初は燃費を探り探り走っていたのですが、予想より燃費計の数値がよかったので、
「もうちょっとアクセル踏んでいいよ!」とか、ピットとやり取りして楽しかったですね。
そしてセカンドドライバーの井上さんまでは、とっても順調だったんですが……。
第3ドライバーの西坂さんのスティントで、燃料が半分まできたとき、だんだんエンジンが吹けなくなりだして。
山田:エイトはガスが偏るんだね。
TAKASHI:そうみたいですね。ただ、山本さんが前戦のもてぎラウンドを走らせたときは、終盤にガス欠症状が出たということだったようで。これを防ぐために今回は燃費計も2つ付けたし、当初
「このペースなら2時間半を走りきれるね!」って言っていたんですが……。
アンカーの山本さんのときは、もうストレートでアクセルを踏んでもほとんど加速しなくて、クルージング状態になってしまいました。コーナーだけ頑張る! みたいな(苦笑)。
山田:フツーはコーナーで燃料が偏るんだけどね。まっ、先へ進もう。
TAKASHI:最終的にはゴールできたんですが、チェッカー受けて1コーナー曲がったらガス欠でストップ。順位は総合16番手でしたけど、劇的な幕切れだったので逆にピットは大盛り上がりでした。記事のネタ的にはオッケーみたいな(笑。
山田:でも完走したから、クラス優勝じゃん!
TAKASHI:えへへ(笑)。表彰台に登ってシャンパンファイトまでしちゃいました(笑。
※表彰式は「そのほか」でまとめられたので2位の位置でした。
山田:いやいや、完走することは大事ですよ。
TAKASHI:ですね!やっぱり耐久レースは最後本当にドキドキするので楽しいです!
この状態でパルクフェルメ保管となりました(苦笑。
山田:あと、こうやってデータを増やして行くのも、クルマを走らせる楽しさのひとつだよ。
TAKASHI:
「何が起こるのかわからない」ってことも含めてレースですよね。
次は
「鉄人クラス」に出てみようかな〜
山田:なにそれ?
TAKASHI:ひとりで2時間半走れるクラスがあるんですよ!
山田:なるほど、夏場はきつそうだけど、それはかなり練習になるよね!
TAKASHI:もちろんぶっ通しではなくて、3スティントで各1分間のピットストップが必要です。マツ耐は色々な楽しみ方ができて、初心者にも優しいしベテランも楽しめる奥深さもありました!
山田:でも次は、4耐だね。
TAKASHI:
なんと今年は、carview!みんからチームもついに〇〇とか△△とか××とかあってですね……(笑。
※詳細は後日お知らせ!
山田:それは楽しみだね! 次回は4耐のドキドキレポートをしましょう。
TAKASHI:あー、今からキンチョーしてきましたー!!
写真:井上悠大
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山田弘樹(やまだ こうき)モータージャーナリスト
自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。編集部在籍時代に参戦した「VW GTi CUP」からレース活動も始め、各種ワンメイクレースやスーパー耐久に参戦。
こうした経験を活かし、現在はモータージャーナリストとして執筆活動中。愛車は86年式のAE86(通称ハチロク)と、95年式の911カレラ(Type993)。
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。