
旧国鉄士幌線」探索の続きです。「士幌線」のコンクリートアーチ橋のひとつ、幻の橋といわれる「タウシュベツ川橋梁」を見ることが今回「士幌線」を訪れた一番の目的でした。「タウシュベツ川橋梁」についての説明はこちら(展望台にある案内板より)。
近年、湖底に沈んではまた姿を現すという繰り返しのため(水分がコンクリートの間に入り込みその水の膨張と収縮の繰り返し)、他のコンクリートアーチに比べ早いスピードで崩壊が進み、あと数年でこの繋がっている状態の姿が見ることが出来なくなるのではないかといわれています。そのため今の繋がった状態を一目みたいと思って今回訪れた次第です。
以前は橋梁の間近までクルマなどの車両で行けることが出来たようですが、現在は国道から林道に入ったところにゲートあり、そこで通行止めとなっているため簡単に見ることが出来なくなっています。
そこで他の方のブログ等でいろいろ調べた結果、「タウシュベツ川橋梁」を見る方法は4つ。
<方法①>
以前から知ってはいましたが、展望台から見る。
(メリット)費用がかからず、安全でお手軽に見ることが出来る。
(デメリット)対岸から見るため、遠方の方に小さく見え今ひとつ迫力に欠け、スケールの大きさを体感出来ない。
<方法②>
ツアーに参加して見る。
(メリット)安全で確実に橋梁を近くで見ることが出来る。いろいろな橋梁の情報が聞ける。
(デメリット)費用がかかる(大人4500円)。時間の融通が利かない。団体行動となるためある程度制約がある。
<方法③>
入林許可を取得してゲートの鍵を借りて見る。
(メリット)ゲートの鍵を借りさえすれば、自由に行動が出来る。
(デメリット)費用がかかる(協力金1000円)、鍵は「道の駅 上士幌」で借りなければならず、借りることも返すことも手間になる。またその時間が決まっているため時間の制約がある。ちなみに鍵は10本しかない。
<方法④>
自力で行く。
(メリット) 時間の制約がない。当然費用がかからずタダ。
(デメリット)林道入口のゲートから橋梁まで4kmほどあり、徒歩だと50分ほどかかるため時間に余裕が必要。クマ出没地帯のため万が一の危険が伴う(熊対策必須)。方法③もそうですがあくまで自己責任となる。上士幌町観光協会のHPでは「大雪山国立公園はヒグマ等の野生動物が生息しています。お客様の安全を確保するため、林道内での徒歩または自転車による通行はお控えください」と記載があります。
方法①で展望台からみたところ(撮影はその当日)。
タウシュベツ川橋梁展望台。
スマホで橋梁撮影。
望遠レンズでの撮影。あまり望遠だと橋全体が入りきりません。
やはり間近で見たい。ここは③の方法でと思い4月に入り、林道のゲートの鍵保管先である「上士幌町観光協会」のHPを確認したところ、受付開始はしばらくお待ち下さいとのこと。そんなことでほっといていたら4月のGW前に。その時にはゲートの鍵の受付は開始されていてすでに5月はほぼ予約で一杯に。空きがあるのは中旬からの週中の曜日のみで残念ですが断念。それならば②のツアーに申し込もうと思い「東大雪自然ガイドセンター」のHPを確認したところ、予約状況は③と同じような状況になっていました。毎日HPにまめに確認すべきだったと今更後悔です。こうなるとますます見たくなります。残りは④の方法のみです。悩んだ末にリスクを冒しても④の方法で決行するしかなくなりました。山の中の林道を歩くこと自体は釣りでよくやっているので抵抗はないのですが、一人で往復2時間近く歩かなければならないことにはさすがに心細いです。が、もう気持ちが抑えられず決行です。
決行するにあたり、自分なりの熊対策として
①熊の活動が盛んな早朝と夕方以降の時間は避ける。
②ツアーが始まるのが9時からと道の駅で鍵を借りられる時間が9時から。それからすると9時半以降くらいが林道のクルマ通りが多くなる(と予測)。この時間がチャンスか。
③忘れずに熊鈴とホイッスル所持。
とういうことで当日🌞
国道を糠平温泉から十勝三股方面に向かい、糠平湖の音更川のインレット辺りにある「丸山橋」を越えます。
橋を越えると右手に林道に入る道あり、その林道を入ってすぐのところにゲートがあります。
そのゲート前に我がライズを駐車。他に千葉の習志野ナンバーのクルマが1台駐車していました。
時間はほぼ予定通り9時半近くです。熊鈴3コをぶら下げ、ホイッスルを首からさげ出発。
林道を入るとすぐに士幌線のトンネル跡がありました。
5分くらい歩くとしっかりした路盤が残されていました。

山の森の中なので開発されずそのまま残されています。
さらに進むとガーダーを見つけました。このあたりは徒歩ならではであります。クルマで通り抜けていたら気が付かないですね。
そんなことで単調な林道を進みます。林道は多少のアップダウンはあるものの登山のような急な勾配ありません。途中2組(どちらも1人)の徒歩の方とすれ違いました。少なからず徒歩で向かう人はいるようで少し安心しました。
途中の池。水が透けて見えます。
左の切り株、遠くから見たら子熊かと思い少し焦りました。
30分以上進むと林道が直線になりその先が開けて見えます。少し湖も。
途中の大雪山山系が美しいです。
開けている方向に進むと左側にツアーのクルマが駐車しているスペースがありました。これはもう近いか。
林道には流木が点在するようなってきました。もう目の前かと思うと緊張と興奮が。
目の前が開けて湖が見えた瞬間、正面に橋梁は現れました。自宅から車で4時間半、林道を歩くこと50分近く、会いたかった恋人にやっと会った感じ(大袈裟か)です。来たかいがあります。
ローマ遺跡のような美しい姿です。
大雪山系をバックに。
お気に入りの2枚。
少しアップで撮ります。崩壊の状況がよくわかります。
糠平湖もまた美しいです。
対岸中央に展望台があると思われます。
この時期は渇水時期のため、崩壊の恐れがある橋梁近くは行けませんが、橋梁の周りは自由に歩け回れます。ただタウシュベツ川が流れているため川を渡るには長靴が必要になります。クルマに積んであったので少し後悔。ツアーでは長靴は借りられます。
水のないこの時期にいろいろな角度から橋梁を撮影するのもいいでが、あまり動き回れませんが新緑の時期に水が溜まって水面に映る橋梁を撮影するのもいいですね。機会があれが次は水面に映る姿を撮りたいです。
帰りは帯広といえば豚丼・・・それと、先日みん友さんもご紹介されていた地元に愛されている「インデアンカレー」です。初めてで、十勝に来た時のもう一つの楽しみでした。
娘のために辛くない普通味を注文です。噂通り自前の鍋を持ってきてのお持ち帰りの方が結構います。次の時は鍋持参か。
次の日、ツアーのガイドさんのツィッターです。
怖っ!!!
こちら、十勝に向かった時の景色のよかった映像です。
4回にわたり「旧国鉄士幌線」の探索ブログ、ほとんどが自己満足のところがありますが、見て頂きありがとうございました。
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Posted at
2023/06/03 00:37:46