
7月のとある平日休みの日、ふと人里離れた廃墟へ行きたい衝動に駆られ、ひっそり一人で伊勢方面へドライブに行ってきました。
目的地は、津市と伊賀市にまたがる青山高原の山中にあるといわれる「旧東青山駅」です。かつて近鉄大阪線が通っていた駅で、複線化により新しいトンネルが開通したことで現在の場所に新駅として移転された後、旧駅は廃止されました。廃止されて50年近く経った現在もプラットホームの遺構だけは残されており、廃墟マニアの間では有名な場所らしいです。
私がこの廃駅の存在を知ったのはK氏の著書を読んだのがきっかけです。K氏というのは、私がリスペクトする岐阜県在住の道マニアの方です。著書の中でK氏はこの駅を「本当の意味での秘境駅」と評していて、一体どんな秘境なのか自分の足で行ってみてその雰囲気を感じ取ってみたいと思ったのです。K氏いわく、「本当の意味での秘境駅」の条件として下記ポイントが重要らしいです。
・列車が絶対に来ることのない廃線の駅である
・廃線にもかかわらず一目で駅だと分かる状態が保たれている
・人里離れた到達困難な場所にある
妻に行先と帰宅予定時間を伝えて朝4:30出発。通勤ラッシュを避けるためとはいえ、ちょっと早すぎでした。桑名東インターから東名阪道に入り、伊勢道の久居インターで降ります。高速を降りた後はR165を西へ直進し、伊賀への峠越えが始まる辺りの交差点を右折して林道っぽい道へ入って行きます。ストリートビューで事前に調べていた場所にインプレッサを駐車します。
ここは青山高原へ通じるハイキングコースの入口の一つとなっているらしく、その駐車スペースと思われます。
山歩き用の身支度を整え、林道の奥へ徒歩で進んでいきます。駐車地点から「旧東青山駅」まで1km程なので距離的には大したことありませんが、事前情報によると目的地すぐ近くの道が崩落しているようで、現在は獣道をぐるりと迂回しないと辿り着けないそうです。問題の崩落箇所まで来ると、左手の木々にピンクテープが巻かれているのを見つけました。ここを通る冒険者のために先人が残してくれた道標のようです。GPSとにらめっこしながら迂回ルートである急斜面を登り降りして行くと、やがて開けた空間に辿り着きました。ここが目的地である「旧東青山駅」です。
生い茂る草木の中にそびえ立つ2面のコンクリート遺構。ここは間違いなく駅のプラットホームです。真夏なのでもっと草木に浸食された状態を想像していましたが、思いのほか草木の背丈は低くプラットホームの形状がハッキリと分かりますね。ホームに上がるための階段もしっかり残っていますが、産業遺産ともいえるこのコンクリート遺構を自分の体重で崩落させてはマズいので、ホームの上に乗るのは止めておきました。コンクリート下に見える木材はすでに朽ち果てています。
線路跡をちょっと歩いてみましたが、駅の両側がトンネルになっていて一応バリケートされているため、すぐに行き止まりとなってしまいます。
↑の写真は奈良方面を見たトンネル。「旧青山トンネル」と呼ばれているそうです。
トンネルは山の中を走る鉄道や道路には不可欠な構造物ですが、前後をトンネルに囲まれアクセスが極めて困難な場所にあるこの駅は間違いなく秘境駅なのでしょう。よくもまあこんな場所に駅を造ったものです。周囲は不気味に静まり返っていますが、すぐ近くを流れる滝の音にちょっぴり癒されました。
帰り道も急斜面の登り降りを強いられることになり、インプレッサの駐車地点まで戻って来る頃には滝汗状態でした。早朝とはいえ真夏の炎天下の散策はそれなりの覚悟が必要です。
今回歩いたルートです。
※地理院地図を加工して掲載
散策の後、近くの青山高原道路をドライブして風車を観に行きました。今回は秘境駅探索がメインだったので、ついでの寄り道といった感じで。高原といっても標高は800mほどで、期待以上の涼しさを感じることはできませんでしたが、風はちょっと気持ちよかったかも。展望台の駐車場でNinjaにトナラーされてしまい、思わず苦笑い。
帰りに亀山PAで休憩しちょっと早めの昼食を。散策で疲れたのでカレーライスを無性に食べたくなり、松坂牛カレーをいただきました。おいしゅうございました。朝からカロリーメイトしか食べてなかったもので。。。
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Posted at
2024/08/03 18:12:51