
ゆく川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。
今も昔も川は生活になじみ深い存在であり、時と場合により様々な姿を見せつけてくれます。穏やかな流れと太陽の反射によって癒しの空間を作り上げることもあれば、大雨で洪水を引き起こして大規模な損害をもたらすこともあります。変化に富んだ川は、自然の美しさと怖さを思い知らせてくれる最も身近な存在といえるでしょう。
数ある川の中で私にとって最も親しみのある川といえば「長良川」です。普段から見慣れた川であり、長良川沿いをドライブすることは私にとって日常の光景です。しかしながら、上流と下流の端っこまで行くことはほぼありません。長良川沿いの普段なかなか行く機会のなかったスポットを半年かけて巡ってみたので、その一部をブログに書いてみました。
「長良川の源流は大日ヶ岳にあり」
岐阜の小学生なら誰でも知っている合言葉だそうです。源流を目指し、ひるがの高原にやって来ました。リゾート地帯なので国道はそれなりに車が通っているのですが、一本細い道へ入るだけで途端に人の気配が無くなります。舗装された林道を奥へ進んで行くと、長良川の源流を示す石碑のあるところに辿り着きます。草むらに紛れて目立たない石碑です。
↑の写真は10月に訪れた時のものです。ここから長良川の流れが始まるようです。渓流をさらに登って行った先が本当の始まりなのでしょうが、澄んだ水であることには変わりありません。源流の水を使えば、カップラーメンやインスタントコーヒーもより美味しくなるのでしょう。3月にもスノートレッキングがてら訪れてみましたが、源流の石碑は雪に埋もれていました。
てんこ盛りの雪が川に溶け込んで下流の貴重な水源となっていると思うと感慨深いですね。物好きしか足を踏み入れない静かな場所ですが、すぐ近くはスキー場となっているので、楽しそうなBGMが聴こえてきます。
大日ヶ岳から流れ出た長良川はR156に沿って南下して行きます。長良川鉄道と並行するR156の区間はお気に入りのドライブコースです。郡上市内を走るR156沿いには道の駅がたくさんあって、地元の名産品や温泉を手軽に楽しむことができます。新鮮な天然鮎を食べられる道の駅もあります。
美濃市に入ると、国道から外れた県道沿いに重厚感のある建造物が現れます。
ここは長良川水力発電所。一般人は敷地内に入れませんが、道路から赤レンガの外観を見るだけで満足してしまいます。明治から運転を続けているそこそこ歴史のある水力発電所のようです。発電形式は水路式で、発電所まで水路橋を通して水を運んでいます。アーチ状の水路橋もレンガ造りとなっていて一見の価値あります。そこまで山奥という立地ではありませんが、山の緑に映える赤レンガも趣深い光景です。周辺には民家や温泉宿があり、地元の電力供給に貢献しているのは間違いないようです。
濃尾平野に入ると長良川沿いのドライブルートは堤防道路が多くなります。見通しよくて信号が少ないので、慣れたドライバーにとっては絶好の快走路といえるでしょう。東海環状道がまだ全線繋がっていないので、この堤防道路が岐阜と三重を結ぶ事実上の高速道路みたいになっています。
堤防道路をひたすら走り、下流の終点が近づいてくると、キノコ状のゲートが見えてきます。
ここは長良川河口堰。とあるグルメ漫画でも取り上げられ、建設当時はかなり話題になったそうで。当時の漫画も読んでみましたが、予備知識なしで訪れた方が楽しめる所だと思います。4階建ての展示資料館があり、じっくり自由に観察することができます。ダムのような高さを感じることはできませんが、対岸まで歩いて往復するとちょっとした運動になります。
私は生まれ育ちは関東なので、河口堰ができる前の長良川の姿を知りません。昔は天然鮎が当たり前のように捕れていたのかもしれませんが、川の流れも時の流れも同じで、時代とともに環境が変わるのは避けられない部分もあります。今を生きる人たちが最大限の努力をして「清流」という環境が保たれていれば、それでよいのではないかと私は思います。
長良川沿いをドライブ巡りしていたら、新たな撮影スポットの発見もありました。ノーマル車高の我がインプレッサなら河川敷の駐車場でも安心して突入できます。
Posted at 2025/03/15 18:10:15 | |
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