
10月14日
長野県はこれから紅葉の季節を迎えます。
その長野県の高原を走りたいという方がいます。
しかも「企画せよ」という課題まで頂きました。
有難いことです。
そこでパソコン上でコースを想定し、走行距離と時間を組み立ててみました。
むむっ、これは・・・。
時間にしても距離にしても相当にハードです。
このコース、スケジュールは本当に成り立つのか?
あまり通ったことない道もあり、不安がよぎります。
そこで実際に走行してみることにしました。
中央道諏訪南ICから白樺湖~ビーナスラインで美ヶ原へ。
ほぼ想定通りの走行時間で美ヶ原までやって来ました。
少し雲が多めではあるものの絶好の行楽日和なので、ライダー、オープンカー、一般観光客など、たくさん走っているのに、ここまでセブンを一台も見かけることがありませんでした。ちょっと違和感が...。
「そうか、明日10月15日は近くの八ヶ岳高原(正しくは蓼科高原の某所)でSMP全国オフ会があるんだわ。みんなそっちに行っちゃってるんだな。」と変に納得してみました。
ところが標高2000mの美ヶ原道の駅にセブンを入れると、広大な駐車場の奥の方になんとセブンの一群が!(30台くらいか)
吸い寄せられるようにその群れの中にMyセブンを入れました。果たして・・・。
おおっ、あの白い160は! そしてその傍らにしゃがみ込む方は!
そう、つい先日まで東京からフェリーで九州に上陸され、ラブホテルを寝グラとし、阿蘇山に翻弄されたというMeCar3さんではあるまじろ!
そう、先月Myセブンの車検のために上京した際、regnさんとともにコンビニで待ち伏せ、いやお出迎え頂き神宮外苑までご一緒した方なのです!
(で、なんでここにいるの? )
なんと明日のオフ会に参加されるという。あきれた、いや見上げた方です。
ヨロコビのあまり夢中でお話していると、なんと"しげちば"さんがいらっしゃるという。早速とんで行ってご挨拶。
縁あって、以前ヘッドレスト穴塞ぎパーツをお譲り頂きました。
更に”Piro”さんもいらっしゃると!
いろいろカスタマイズのお手本にさせて頂いております。
セブンを買ってから始めたみんカラのオンライン上でお世話になっているお二人にお会いできて感激ぃ!!!
そこへTG Craftさんが颯爽と登場!
もう何がなんだか...。
TGさんには、強化クラッチケーブルとウインドプロテクターを購入させて頂いております。
まさか思い付きで来てみた美ヶ原高原で、こんなにグレイトな方たちにお会いできるなんて、なんというめぐり合わせ。
夢中になっていろいろお話しさせていだきましたが、実はMyセブンで気になることが...。
クラッチケーブルのことですが、
9月3日に車検の為上京した際には何も異常は感じませんでした。
9月17日に引き取りに行った際に、「クラッチの調整がうまくできない。(ペダルを踏んでも完全に切り切れていない)」と担当の方から忠告を受けました。
と言われても、これまで何の不具合もなかったので調整の問題だろうと思い、「気を付けます。」とだけ言ってディーラーを後にしました。
しかし、走り出してすぐに異変に気が付きました。
「ギアが入らん!」
低いギヤほど入りが悪く、発進時には2速に入れるのがやっと。
このままじゃミッションが壊れそうなので、なんとか安全な場所に車を止めて
クラッチワイヤーの引っ張り調整をしました。
具体的には、クラッチ側で5回転程引っ張る方向に調整しました。
すると見違えるように正常に戻り、そのまま中央道をひた走り自宅まで問題なく帰りました。
「たぶん車検整備で調整が狂ったんだろう。」と勝手に思い込み、その後も100kmくらい走行しましたが異常なし。
ところが、今日ここまで来る途中の白樺湖の駐車場で一度止まり、再スタートする際に再びギアが入らなくなる状態に。
原因は「???」ですが、再び引っ張り調整をしたら元に戻ったので走り出しましたが、こう言う現象が出るということは
「ワイヤーが伸びている」あるいは
「ワイヤーのカシメ部がズレている」
可能性が高いので、非常に心配になりました。
とは言っても、その後ビーナスラインを(自分なりに)ガンガン攻めても異常なく、普通にここ美ヶ原まで来れたのですが...。
せっかくなので、皆さんにこれまでのクラッチの状態について相談してみました。
しげちばさんは、乗って動かしてみてクラッチワイヤーの張りを調整してくれました。
TGさんは、「強化クラッチケーブルを持ってきているから、明日オフ会に来れば替えてあげるよ。」ともおっしゃってくれました。
有難いことです。
そうしているうちに日が傾いてきました。
高原の気温はどんどん下がります。
皆さんは今日の宿泊先に向けて高原を下りなければなりません。
私は、白樺湖から茅野市を抜けて自宅に帰ります。
30数台のセブンが一斉に動き出し、美ヶ原を後にします。
セブンを連ねてワインディングを走ることは、これまた爽快です。
急こう配のヘアピン区間を駆け下り、霧ヶ峰に向かって調子よく下っていく途中、変速した瞬間に、なんと突然「ブチッ!」とクラッチワイヤーが切れました。
「あわわわわっ! やっちまった!」
幸い交差点などない高原のワインディングなので、走ってさえいればクラッチが使えなくても回転を合わせれば4速と5速を使って走ることは出来ます。
そのまま数kmは走ったでしょうか。
頭の中はパニック気味にフル回転。
「落ち着け!今の自分には強力なセブン仲間がいる。」
冷静さを失わないように走り続けましたが、扉峠の三叉路で流れが悪くなってスピードが落ちたところで抜いたギアを入れることが出来なくなり、左によってやむなく緊急停止。
しばし呆然。
しかし気を取り直して、上り坂に差し掛かっていたのを利用してバックで惰性走行(約30m)し、扉峠三叉路の駐車スペースにセブンを入れることに成功しました。
退避場所もない道の途中ではなく、何とか安全な場所を確保できたことはラッキーでした。
今私の手元には、つい先ほど頂いたTGさんの名刺があります。
深呼吸してからTGさんの携帯に電話すると...、出ない。
走行中なんだから当たり前です。
少し時間をおいて何度か電話するしかないと思っていたら、知らない番号にも関わらず、なんとTGさんから折り返し電話を頂きました。
「TGさん、karaです。」
「どうしました?」
「クラッチワイヤーが切れました。」
「わかった、すぐ行く。」
何という心強いお言葉でしょう。
夕暮れ迫る人里離れた高原の途中で不動になった私を強化クラッチワイヤー製作者のTGさん自らが助けに来てくれる!
今の私にこれほど強力な正義の味方は他にいません。
これがもしいつものように一人走行だったら、レッカー呼んでも来るまでに2時間以上、夜は雨の予報、真っ暗な高原の森の中で一人...。
想像しただけで心が砕けそうです。
しかし今は、心穏やかにTGさんの到着を待つことが出来ます。
実は、前述の通りでクラッチワイヤーに心配があり、ノーマルのクラッチケーブルは積んで来たのですが、工具がない、何にもない、ペダルBOXを開けることも出来ない。おらこんな村いやだぁ~♪じゃなくて、この時ばかりは自分のおバカ加減を呪いました。
やがて快音を轟かせてTGさんの到着です。
もうこれは、地獄に仏、いや神様の降臨です。
状況を手短にお話しすると、手際よく交換作業に作業に取り掛かってくれました。
本当は私がするべき作業をみんなお任せでやって頂いちゃって済みません。
ケーブルはペダルBOX側の先端の金具内でほつれて断裂している状態。
想像するに、車検整備時にほつれながらズルッとズレて、今日白樺湖でまたズルッとズレて、そして美ヶ原からの下り途中でついに断裂となったようです。
交換後、最新Verのケーブルの調整方法を教えて頂きました。
今度のはペダルボックス側で調整するとのこと。
暗くなる前に作業が完了し、動かしてみるとバッチリOKです。
本当なら今頃ホテルで温泉にでも入って一杯やっているはずのTGさんのお時間を
奪ってしまいました。
本当に感謝しかありません。
今度はTGさんの後に続いて夕暮れ迫るビーナスラインを下ります。
前走車がいなくなった時のTGさんの速いことといったら...。
必死に追いかけても追いつけません。
これが普通車セブンの実力か。(あっ、テクニックの差ですよね。)
白樺湖でTGさんとお別れし、私は茅野市に下ります。
きちんとご挨拶も出来ず、手を振ってのお別れ。
どうか今夜はゆっくりとお休みされ、明日のオフ会を存分にお楽しみ下さいますように...。
私は夕方の渋滞を何とか抜けて、中央道に乗って自宅に帰りました。
セブンを車庫に入れて、今日の出来事を振り返りました。
思い付きで行った美ヶ原高原にオフ会に参加されるセブン乗りの皆さんが集結されていた奇跡。
みん友の皆さんとお会い出来た奇跡。
TGさんも登場され、ご挨拶し名刺を頂けた奇跡。
トラブルの予兆はあったものの、TGさんも含め一斉に下り始めたまさにその途中でケーブルが断裂した奇跡。
安全に停車し、すぐわきの駐車スペースに入れられた奇跡。
私のSOS電話にすぐに反応して頂き、TGさんに駆け付けて頂けた奇跡。
新しいケーブルも工具も技量も備えたTGさん自らに交換して頂けた奇跡。
数々の奇跡とめぐり合わせにより、無事修理ができ、何事も無かったかのように
帰ってこられたことが信じられないような思いです。
TGさん、本当に有難う御座いました。
また、本日お会いしたすべての皆さんが今年のオフ会を存分に楽しまれ、素敵な思い出を胸にお家まで無事に帰られることを願っております。
私はこのトラブルを教訓に、必要最低限の工具をそろえ携帯し、整備の技量を上げるとともに、困っている人がいたら進んでお助けすることをお約束します。
ではまた。
ところで、信州ツーリングはどうなる?