買い替え候補・・・・では全くありませんが、いつもお世話になっているMercedesのディーラーにてEQSに試乗させてもらいました。「自由に乗ってきていいですよ〜」と言ってもらったので、20分ほど運転してみました。エクステリアのデザインは、今までのSクラスからすると圧倒的に高級感が物足りなくて、これがEVのフラッグシップと言われると、何とも悲しい気持ちになってしまいます。賛否両論と言われるくらいならまだしも、このデザインに積極的に賛同できる感性の人ってどのくらいいるのか疑問です。Mercedesというブランド自体は好きでしたが、昨今の新型車を見ていると、行く末が心配になってきてしまいます。ボディタイプはセダン・・・ではなく、いわゆる5ドアハッチバックになっています。後ろがトランクではなく、ガバッと開くので荷物の積み下ろしがしやすいのは利点ですが、全体のデザインも相まって、どうしてもカジュアルな感じに見えてしまいます。堂々たるボディサイズではありますが、これまでのSクラスとは全く概念が違う車ですね。インテリアの注目は、なんといってもハイパースクリーンです。数年前に発表された当時から、ずっと気になっていました。でも、実際に見た時に確かに迫力はありますし、インパクトも大きかったですが、めちゃくちゃ感動したかと言われると、そこまでテンションは上がりませんでした。こういうデザインは初めて見ますが、それでも大画面の液晶を搭載した車もだいぶ増えてきましたし、何より運転中にディスプレイばっかり見てるわけにもいかないので、これはさすがにやりすぎかな・・・とも思います。運転していて少し気になったのが、ドライバー正面のスピードメーターがやや高い位置に設定されているため、これに合わせてハンドルを調整すると、なんかすごくハンドル位置が高く感じました。しっくりくる高さにハンドルを下げたら、今度はメーターが半分くらい隠れてしまったので、実際に所有するとなったら悩ましい感じがします。新型プリウスもきっとそんな感じなんでしょうね。メーターとハンドルの位置関係って実はすごく大切だと思っていますが、どうして今頃になってこんな中途半端なことをしてくるのか、メーカーの考えを聞いてみたいところです。一方で走らせてみた感想は、、、、EVの実用性とか細かいことを抜きにしたら、「何も注文を付けるところがない未来の乗り物」っていう感じでした。自由自在に思った通りに加速できるだけの溢れるようなパワーと、静かに快適に移動できてリビングのような寛ぎ感のあるインテリアの仕立て、まるでレールが引いてあるかのように圧倒的な安定感で走ってくれる先進安全装備…もはやこれ以上は何も求めるものがない気がします。やっぱり電気で走る世界って、自分の感性にすごく合っている気がしました。アクセルを踏み込んで、エンジン音の高まりとともに加速していく感じが好き・・・・っていうわけじゃなく、エンジン音なんて小さければ小さいほどよくて、究極的にはエンジン音なんて不必要なんだなぁと思いました。「エンジン音もなくて、ギアの変速もないなんて、きっとつまらないに違いない」という思い込みで、電動化モデルの存在価値を認めないのは勿体無いと思います。自分もかつてはそういう考えでしたが、一度こういう世界を知ってしまうと、もはや自分の車のエンジン音が今までよりも大きく感じるようになってしまいました。実際には何も変わっていないはずですが、いくらトルクの充実したディーゼルエンジンとは言え、やはり踏み込めばエンジン音がそれなりに入ってきます。それを心地良いと思う感性があれば、別に不満に思うことはなかったでしょうが、自分は元々エンジン音がそんなに好きじゃなかったんだと思いました。でも、E220dを選んだこと自体は全く後悔していませんし、これはこれで本当によくできた完成度の高い車です。一時期はディーゼルハイブリッドが最強のパワートレインじゃないかと思っていましたが、やはりコスト的な問題もあるのか、メーカーも積極的に開発していなかったようで、自分の知る限りではMercedesの一部車種に設定されたことがあるのみです。充電環境に不安がないのであれば、EVも積極的に検討したいところですが、そうでない人にとってはPHEVやハイブリッドという選択肢が現状では最適解になるのかなと思います。