GRヤリス・RZ high performanceのマイチェン前車両に試乗してみた。
僕はこれを他人に勧めようとは思わない。
15分程度の街乗りの試乗だったので評価は当てにはできないが、しかし僕はまったく面白いとは思えなかった。
「速い」=「車の面白さ」と思うならお勧めできる。
だが、重いクラッチ、打てば響くアクセルレスポンス、剛性感のあるステアフィール、鉄の塊のようなシフトフィールは、「車の運転って楽しいな!」と思わせてはくれなかった。
わかりにくい例えかもしれないが、「美酒」とは何か?で話をしよう。
プロ野球やF1の後にはビールかけやシャンパンファイトがある。
そこで使われるお酒は必ずしも「銘酒」とは言い難いお酒だ。高級でも高額でもないこともある。
だが、勝者からしてみれば「人生で最も美味い酒」になりうる。
一方、世の中には美味しいお酒を探求する層もいる。
そのような人たちからすると、香りや味わいが複雑で、保管状態にも左右され、栓を開けてからも相応の処置をして初めて本来のポテンシャルを発揮する、そうやってようやく味わえる至高の一杯を「美味しい酒」と評価することもある。
GRヤリスは前者だ。この車を運転して楽しいわけではない。栄光を勝ち取るためのクルマであり、栄光そのものに至福を感じる人向けだと思う。
僕は真に美味い酒を探求したい派なので、マツダでありロードスターが性に合っている。
どっちのクルマが優れているかではなく、価値観の相違の極致なのだと思う。
やはり、モータースポーツを追求しているクルマは覚悟が違う。
GRヤリス。僕は欲しいとは思わないし、周りに勧めることもないが、限界に挑戦することに敬意を表するし、応援もする。素晴らしいマシンであることは事実である。
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試乗 | 日記
Posted at
2024/01/22 19:48:34