2013年11月20日
東京電力株式会社福島第一原子力発電所4号機の使用済み燃料プールから核燃料を取り出す作業が、2013年11月18日(月)に始まった。
福島第一原発4号機の燃料プールには、強い放射線を出す使用済み燃料が1331体。
未使用の新燃料が202体。
福島第一原子力発電所で最も多い、合わせて1533体が保管されている。
この燃料棒の中に、損傷して取り扱いが大変困難な燃料棒が3体あるという。
東京電力によると、損傷した燃料の1体は「く」の字に折れ曲がっている状態。
25年ほど前に燃料を取り扱う際に失敗し曲がった。
ほかの2体は10年ほど前に破損が分かり、異物などの混入で外側に小さな穴が開いた状態という。
燃料損傷について当時公表したかどうかは東京電力が調査中という。
さらに、福島第一原子力発電所1号機では、使用済み燃料プール内にある燃料棒70体が、東日本大震災前から損傷していたことが15日、分かった。
プール内に保管されている使用済み燃料292体の4分の1に相当する。
損傷した燃料棒を取り出す技術は確立しておらず、2017年にも始まる1号機の燃料取り出し計画や廃炉作業への影響が懸念されるという。
東京電力は、15日まで事実関係を公表してこなかった。
同社は「国への報告は随時してきた」と説明している。
東京電力によると70体の燃料棒は、小さな穴が空いて放射性物質が漏れ出すなどトラブルが相次いだため、原子炉から取り出してプール内に別に保管していたという。
損傷した燃料棒は1、4号機プールのほかにも2号機プールに3体、3号機プールに4体の計80体ある。東電は専用の輸送容器を新たに製造するなど対応策を検討するという。
損傷燃料が1号機に集中している理由について、東電は「1号機は当社で最も古い原発で、燃料棒の製造時、品質管理に問題があり粗悪品が多かったと聞いている。2号機以降は燃料棒の改良が進み、品質は改善した」と説明した。
1号機は東京電力初の原発で、1971年3月に商業運転を開始した。
この報道から伺えるのは、原子力発電事業がスタートして40年。損傷した燃料棒の取り扱いの解決策を見いだすことなく、今日まで事の解決できずにきたという事である。
使用済み核燃料の貯蔵量としては、東京電力柏崎刈羽原発が2,380トンと最も多く、東京電力福島第一原発が1,960トンでこれに続いている。
第3位は関西電力大飯発電所の1,430トンとなっている。
最小の東北電力東通発電所の100トンまで使用済み核燃料を貯蔵していない原発はない。
原子力発電の安全性は、原子炉とその外側の格納容器によって保たれているが、使用済み核燃料を貯蔵しているプールは、その又外側の建屋の中の高いところにあり、今回福島第一原発事故のように建屋が壊れれば、野ざらしになって極めて危険な状態となる。
今回事故で米国がもっとも心配したのも4号機の使用済み核燃料プールが干上がり、大量の放射性物質が放出されることだったという。
六ヶ所村再処理工場を含む貯蔵量は、17,315トンであり、貯蔵容量23,630トンの「73%が埋まり、原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯になる計算だ。」(東京新聞2013.9.24)という。
内閣や財界など、力ある組織では原子力発電所の早期再稼働を主張しているが、経済性という”力”を除いた視点で考えると、原子力発電とはどの様な意味があるのだろうかと考える。
この原子力発電の全ては、経済という”力”の頂点に立つ、象徴でもあるのだろう。
戦争は、国という形の”全ての力の頂点に立つ為の手段”だが、実力行使の次ぎにくる力としてもしかすると”原子力発電”がこの国には位置しているのかもしれない。
Posted at 2013/11/20 06:51:32 |
JOURNAL | 日記