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真・土方歳三(零式)のブログ一覧

2009年08月20日 イイね!

当たってたΣ(゚ロ゚)!?

当たってたΣ(゚ロ゚)!?←っていっても、飛行機が激突したわけではありません(^^;)









今日サマージャンボの換金にいってきました。

ドキドキ感をギリギリ最後まで味わいたいワテは、換金一発勝負派です(ナンノコッチャ)









予定外に当たってました。まぁたかがしれてますが、一応『黒』と相成りました。もちろん物欲を叶えるほどではありませんので、給料の減ってる自分へのプチ褒美と捉えて、今日は贅沢に!



割引シールが貼ってなくても、『お造り盛り合わせ』買っちゃいます(爆)

(^^;)チッサー


明日から3連休なので、たらふく飲みます2
Posted at 2009/08/20 17:49:05 | コメント(4) | トラックバック(0) | ニュース
2009年08月20日 イイね!

(´∀`)<映画化はまだですか~?)`";`;・(゚ε゚)ブッ!

(´∀`)<映画化はまだですか~?)`";`;・(゚ε゚)ブッ!さて、本日連続みんカラ小説の第1章が終わりました。

続きが読みたい!という方も、

わかわからん!という方も、

親父酷い!と思う方も、

よっしゃんって暇なんじゃないの?!と思う方も、

どこの政党が政権握っても一緒!と思う方も、

皆さんからのご感想お待ちしております(爆)

ペースを少し落とせ!とか、文節の区切りがおかしい!など、ご意見も頂いております。

あくまでも『みんカラ欧米かっ!』…『みんカラ活性化』になればいいなぁと思ってますので、どしどしご意見・ご感想をお待ちしております。



さぁ、2章以降どうなるか、ご期待下さい!


ぼちぼち出版社から声がかからないかと自惚れてる『よっしゃん』でした。
Posted at 2009/08/20 12:43:23 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ
2009年08月20日 イイね!

連続みんカラ小説「TIGHTROPE(タイトロープ)」 第1章『覚醒』終わり

携帯電話で呼び出された単眼鏡の男は、研究所の最上階にある所長室へとやってきた。
コンコン。

「失礼します。」
いかにも重そうで、手の込んだ高級な木製のドアをノックした。

「入りたまえ。」
ドア越しに低く響かない声が訪問者を招き入れた。
冷房で冷たくヒンヤリとしたドアノブをひねり、ドアを開けて中に入り単眼鏡の男がドアを閉めると、ゆったりとした大きな椅子に腰掛けて葉巻を吹かしている男の姿があった。

「新井所長、お呼びでしょうか?」
ドアの前にちょんと立っている男に、

「まぁこっちに来て座りたまえ。」
と煙を吐き近くに来るよう催促する。

「斎藤君、また息子と会っていたのか?」

「えぇ、完全に御子息からは嫌われていますけれど。まぁ、無理もありませんかねぇ。」
斎藤と呼ばれた単眼鏡の男がソファに座り込んだ。
勢いよく腰を沈めたわけではないのに、体が深く沈み込む。

「ハハハ、君はまだ座り慣れていないなぁ。君はいずれ安物の腰掛けとは無縁になるのだから、座り慣れとかないといけないよ、斎藤君。」

「はぁすみません、何しろ根っからの貧乏性ですからねぇ。僕は研究室のパイプイスの方が落ち着きますね。」
そう言うと沈んだ体を起こし、座り直した。

「最近息子の様子が変だ。当初の予定とだいぶ違うみたいだが?」
短くなった葉巻を灰皿に押し付けて、新しい葉巻に火を付けた。

「えぇ、どうやら彼には新しい自我が目覚めてしまったようですねぇ。」

「自我の覚醒・・・か。」

「えぇ、本来ならば生まれる事のない新一君としての新たな思念が形成された、という所でしょう。」
単眼鏡を外し、ハンカチでほこりを拭った。

「まぁ、彼がどうあがこうとあの計画に支障はありません。」
確信と自信に満ちた発言が新井の心をいくらか楽にした。

「そうか、それならいいが。それともう一つ気になる事がある。」
立ち上がって、窓から景色を見渡しながら新井が口を開いた。

「何ですか?」
にやけて斎藤が窓に反射する新井の顔を覗く。

「嫌みな男だな君は。鈴木君の事だよ。」
新井は眉を歪め、葉巻を一吸いした。

「ご察しの通り、彼が内部事情を御子息に流しているようです。まだ詳しい事は話していないみたいですけれど。」

「そうか…。彼は優秀なのにな。まったく…、失望したよ。」
口に溜めていた煙を勢いよく吐きだし、肩を落とす。

「多分今日もどこかで密会でも開くんじゃないですかね?なにしろ御子息の時間が限られているのを彼もよく知っていますし、彼も馬鹿じゃないですから自分の死に際ぐらい悟ってるのでしょう。ここでは内部情報を漏らした者の罪は重いですからねぇ。それより御子息の方が心配ですか?」

「いいや、心配なんかしていないさ。実によく出来た息子だよ。私の言う事は何でもよく聞くしね。だが・・・」
息子の話になると一転してポジティブな雰囲気を醸し出す。

「だが・・・?」

「あいつは私の本当の子ではないからな。いずれ逆恨みして私を殺しに来るかもしれんと思ってな。」
景色を見終えた新井は、自分のデスクに腰掛けた。

「・・・(案外小心者だな・・・)」

「まぁ、こんな所で足踏みされても困るんだがね。」

「承知しております。既に若返りに関するのデータは取ってあります。後は不老不死のデータが取れ次第あの計画はすぐにでも実行出来ます。」

「準備は整いつつあるというわけか。フフフ・・・。私の夢ももう間近だ。」
不気味な笑みの意味を斎藤は知っていた。そして勿論鈴木も。

「ところで、あっちの方はどうなっている?」

「えぇ、順調ですよ。少々時間はかかりましたが、間もなくカプセルの中から出られると思います。なんせ、御子息とは微妙に性質が異なりますから。理論上は同じなんですけどねぇ。まぁ、楽しみに待っていてください。」
新井は更に不気味な笑みをこぼし、斎藤の仕事の優秀さを称えた。

「これから僕デートなんでそろそろいいですかねぇ?」
嘘も方便。
この場合使い方に語弊があるかもしれないが、こうでもしないと解放してくれなさそうな気配を感じた斎藤は、そう言ってソファから立ち上がった。

「わざわざ呼び出してすまなかったね。また今度飯でも食おう。」

「では。」
ドアを開けて退室しようとした斎藤に、新井が新しい葉巻に火を付けて声をかけた。ヘビースモーカーというか、何というかペースが以上に速い。

「君は確か鈴木君とは同期だったなぁ。」
突然かけられた言葉に斎藤は足を止めた。

「はぁ、それがどうかしましたか?」
言葉の真意を知っているが、わざと呆けた振りをした。

「もうすぐ彼は2階級特進だよ。抜かれたなぁ。」
裏切り許さない絶対的な忠誠心に釘を打つかのような鋭い口調で新井が告げる。

「僕はまだしばらく生きていたいですからねぇ。殺されてまで出世しようとは思いませんよ。殉職ってやつですか?そんなのは警官とかマッチョな人のためにある言葉ですからねぇ。では失礼します。」
今度こそ退室をするため、一礼をして部屋を後にした。

部屋を出た斎藤が胸ポケットからマルボロを取り出し、愛用のジッポで火を付けた。

「あの葉巻の匂いは好きになれませんねぇ。」
(馬鹿と煙は高い所が好きってか)
そう頭の中で呟くと、

「僕も人の事は言えませんねぇ。」
と、1人呟きながらエレベーターに乗った。



午後5時45分、新一は鈴木との約束のため行動し始めた。
結局、やる事のなかった新一はファーストフード店で軽い昼食をとった後、ウィンドショッピングを楽しんでパチンコで大負けをして、その腹いせとしてスロットでは特殊能力を発動させ動体視力を最大限まで高め、負けた額の軽く5倍を稼いで店を後にし喫茶店で最終的に時間を潰していた。

「今日はどうやって奴等をまいてやろうかな?」
ティーカップに残ったコーヒーを飲み干すと、代金を払って喫茶店を出た。
ここから約束の場所まで歩いて30分といったところか。
普通に歩いて行けば確実に遅刻である。

しかし、これは新一の計算通りの事であって別に急ぐ必要もない。

「ビルの屋上に1人。電柱に隠れているのが2人。いかにも怪しく歩き回ってるのが5人。店の中に1人。その他もろもろで計27人・・と。」
今日は比較的多い方だ。平日なら10人がいい所である。

しかし、彼が定期検診の日は人数が多くなる。
なぜなら・・・
なぜなら、定期検診の日は突然新一が失踪するからだ。
この日は新一と鈴木の情報収集の日でもあり、この日は決まって密会を開くようになっているからだ。つまり、研究や今回のクローン技術の裏に潜む「何か」を探る日なのだ。
当然、鈴木は研究所の人間なので情報漏えいはもってのほかなのだが、彼も彼なりに不信を抱いていた。それはクローン技術反対とか賛成と言うレベルを超えての事だ。
それを張本人である新一と密かに探り続けているのだ。別に誰に頼まれたのではなく、己の好奇心から彼をそうさせた。研究という根本的な概念から外れて、他に何か別の目的があると睨んでいた鈴木は研究がスタートしていた時点で気付いていた。

よからぬ事とは何となく気付いてはいたのだが、高倍率の難関を突破してやっと入れた研究所を離れるわけにはいかなかった。純粋に自分の研究がしたかったから。
そして今日、新一に全ての真実が知らされる事になる。

「そういえば、あのメモまだ見てなかったな・・・。」
鈴木の部屋で渡された、一切れの小さなメモ。その場で開くとどこで監視をされているかわからないので、ポケットに突っ込んだままにしていた。勿論部屋を出たらすぐに読むつもりだったのだが、生憎出くわしたくない斎藤と一瞬関わってしまい、すっかり忘れていたというわけだ。
ポケットの中からメモを取り出し、二つ折りになっている妙に果物の匂いがするメモ用紙を開いた。

(今夜、真実を全て君に解き明かす。)
とだけ、小さく書かれていた。
しかし、メモにどこか違和感を感じる新一は、メモをじっと眺めた。

「なるほど・・・。」
とりあえず、自分を狙っているストーカーに不信がられない様に適当に街の中を歩き回った。

そして、メモを両手で挟んで極めて小規模の「バースト(筋力増幅)」を行う。手の平に熱を集中。かなりの高温で、うっすら煙が出た。さすがにこうなると気温に対する「コントロール(神経操作)」では、手の熱さには耐えられないので、手の平の痛覚を遮断。この間5秒。
一連の作業を終わらせ、特殊能力を解除。そして、両手の手の平に挟んだメモを眺めた。

(港の5番倉庫)
と、焦げた文字が浮かんでいた。

「用心深いなぁ、あの人は・・・。」
現在午後5時58分。約束の時間まであと2分。仕方なしにと新一は諦めをつけた。

「あんまり使いたくないんだよなぁ・・・。疲れるし・・・。」
ブツブツと文句をたれ、肩を2・3度鳴らした。

「ブースト!(筋力増幅)」
別にいちいち言わなくてもいいのだが、ついなんとなく癖なのか特殊能力発動の時は言ってしまう。
両足の筋肉を一瞬にして増幅させ、勢いよく地面を蹴り始めた。
1秒もしないうちに、新一は常識に反するスピードで走り出した。
目にも止まらぬ速さというやつだ。一気に人ごみを駆け抜け、ストーカーからの拘束から抜け出す事に成功した。ブツブツと文句をたれたものの、この瞬間は気持ち良いものだ。動物が檻から逃げる時というのはこんな感じだろうか?脱獄に成功した死刑囚の気持ちもこんなものなのだろうか?とにかく気持ちの良いものである。

一気に目的地に着いた新一は、「ブースト(筋力増幅)」を解除した。距離にして2~3kmといったところか?新一は常識はずれのスピードで走ってきたのにも関わらず、全く息を切らしていなかった。これくらいは朝飯前といったところか。

「6時ピッタリ。ほんと、君の時間の正確さには敬意を表するよ。」
背後から鈴木の声がするのを待って、新一は鈴木の方へ振り向いた。

「わざとらしいなぁ。」

「いえ、本当にそう思っているんですよ。」

「それにしても鈴木さんは用心深いですね。」
新一はそう言うと、午前中に渡されたメモを彼の顔の前に差し出した。

「なかなか、ナイスアイデアでしょ?色々試行錯誤してみたんですが、これが一番面白かったもんで。今のご時世、焙り出しなんて年賀状にも使わないですよ。」
人差し指を立てて自慢げに鈴木が笑みをこぼした。

「と言うより、焙り出しを知っているかどうかも今のご時世怪しいと思うんですけど・・・。それにしても鈴木さんも暇人なんですねぇ。」

「まぁここでの雑談はここまでにして、中に入りましょう。見つかってしまっては大変ですからね。」
そう言って2人は使われていない倉庫の中に身を隠していった。
この日の密会は長時間に渡って開かれ、最後の密会となった。
最後の最期。
そこで新一は真実の全てを知る。
知りたかった真実を。
知りたくなかった真実を。
希望のない未来を。
足跡にない過去を。

事態は想像以上に深刻で、それ以上に残酷だった・・・。



  第1章 終わり
Posted at 2009/08/20 12:09:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | ニュース
2009年08月20日 イイね!

ハンチラですが

ハンチラですが釣りではなく、みんカラ小説の全貌を半分ちらっと紹介いたします。

本編は4章で構成されており、只今1章の半分といった所です。

前回に比べ、格段にスケールが大きくなっています。

読み手の皆さんも感じていると思いますが、結構重たい内容となっています。

自己満足の世界ですので、悪しからずご了承下さいm(__)m

第1章『覚醒』

第2章『真実』

第3章『困惑』

第4章『終幕~そして始まりへ』



以上でお送りいたします。

今後ともよろしくお願いしますm(__)m
Posted at 2009/08/20 07:41:40 | コメント(2) | トラックバック(0) | クルマ
2009年08月19日 イイね!

連続みんカラ小説「TIGHTROPE(タイトロープ)」 第1章『覚醒』6

夏の夜明けは早い。4時を過ぎれば辺りが明るくなって来る。
新一の起床は夏の夜明けほど早くはないが、比較的早い方だ。

「よし、体内時計は正常だな。」
ムクッとベットから起き上がると体が正常な事を確認した。
彼は目覚しを使うことなくいつも5時半丁度に起床をする。下手をすると電波時計より正確かもしれない。
しかしそれには理由がちゃんとある。
12時間ごとに薬を飲まなければならないからだ。
つまり、午前・午後の6時に薬を服用しなければならないというわけだ。
彼が定刻に起きられるのは特殊能力のおかげである。
薬を服用する為に定刻に起き、定刻に起きる為に薬を服用する。
持ちつ持たれつ、と言ったところか?

もちろん定刻に起きるだけが能力の全てではない事を再度付け足しておく。
彼にとっては皮肉な生活習慣なのである。
しかし、日課となってしまっては皮肉もへったくれもない。
決して投げやりではないのだが、なるようになれ!と言うのが今の新一のテーマだ。

「腹減ったな…。昨日は遅かったのに…。」
少しお腹が減っていたのだが今日は定期検診の日なので、生憎朝食は取る事が出来ない。
空腹感をつかさどる神経を遮断し、

「何もすることがない時は寝るのに限る…。」
とぼやき、
薬を飲み終えた新一は特に何もする事がなかったので、再びベットに倒れ込んだ。


「じゃあ行ってきます。今日は帰りが遅くなるかもしれないので晩ご飯はいりません。先に休んでいてください。」
そう新一が告げると、母に「薬は持ったの?」「あまり遅くなってはいけませんよ」と声をかけられ、彼は定期検診のため自宅を後にした。
時刻は午前9時過ぎ。真夏の太陽はもう既に高い所にあり、いつものように己の役目を果たしていた。
この日、彼は1週間に一度の定期検診と情報収集に向かうだけのはずだった。
しかし、この日彼の大きな転換期を迎える事になる。

ドアをくぐると、
「やぁ、1週間ぶりだね。元気にしてたかい?」
痩せ細った長身の白衣男が新一に笑顔で迎えいれた。

「ここに来るまでが面倒臭かったですよ。大体、僕の情報なんて筒抜けなんでしょ?わざとらしいなぁ、鈴木さんは。」
新一が嫌みを込めてそう言うと椅子に腰掛けた。
8月の炎天下の中、いくつもの電車を乗り継いで約1時間半。ようやく辿り着いたのは、定期検診の場である自分生き返った研究所だった。
別に気温が高くて暑いといった整理現象の不快感とは無縁なのだが、いちいちここに来る事が彼にとって精神的によほど不快感らしい。

「調子もいいみたいだし、今日は薬だけでいいよ。検診は次回にしよう。」
そう告げられた新一は、顔には出さなかったが内心ホッとした。
それもそうだ。本来いつもの定期検診ならば、これからMRIや血液検査、身体検査にレントゲン、その他もろもろと丸1日かかって新一専用メニューの人間ドックを受けなければならないのに、今日はそれがない。いくら検査とは言え、他人に自分の体をジロジロ見られるのは気持ちの良いものではない。露出狂ではない限り…。
嫌々1時間半かけてここに来た事など、一気に吹っ飛んでしまった。

「助かります。」
本音で新一がそうもらす。

「最近は特に調子がいいみたいだしね。…よし大丈夫だ。」
白衣男がテーブルの上に用意されたコーヒーに特殊な金属を付けて、変化がない事を確認し一口すすって、新一にもう片方の用意されたコーヒーを進めた。

「頂きます。」
白衣男のOKが出て初めて置いてあるコーヒーに手をつけた。
というのも、以前研究所にスパイが紛れ込んでいて危うく致死量の毒入りコーヒーを飲みそうになったからである。もちろん給仕係りも厳重にチェックしているのだが、最終的に彼が確認をするようにしていた。

無論、新一からすればこのやつれた白衣男も胡散臭いのだが、彼には絶対的な信頼を寄せていたので特に疑う事もなく受け入れる事にしている。
それに特殊能力のおかげで目の前に出されたものは大抵、見るか匂いを嗅ぐだけで成分や性質がわかってしまうので、そういう面では特に危険性はなかった。

「これを。」
コーヒーを飲み終えると白衣男があらかじめ用意していたメモを差し出した。
メモを読まずにそのまましまい、部屋の中を少し散策するように歩いた。

「毎度毎度すみません。今日はどこにします?」
監視カメラの死角に入って、新一は手話で白衣男にメッセージを送った。

「港の3番埠頭に午後6時で。」
彼もまたカメラの死角に入り、手話で新一に応えた。
重要なやり終えると、通常の会話に戻った。

「今日は検診もないし、特に用はないですからもう帰ってもいいですよ。あっ、薬はなるべくお湯で飲む様にしてくださいね。なるべく体温に近い方が薬の効き目がいいんです。」

「わかりました。ではまた1週間後に。」

「はい、お大事に。」
お互いの澄ました顔と素っ気無い会話は、しっかりと監視カメラと盗聴器が捕らえていたが、真意までは捕らえきれてなかった。
部屋を出た新一を待ち構えていたのは、あの日、自分をはねた男だった。

「やあ真一君。調子はいかがかな?」
右目に単眼鏡をかけた小柄な男は不敵な笑みを浮かべ、少し嫌みな口調で声をかけた。

「相変わらずですよ。急ぐんで失礼します。」
露骨に嫌な態度を取ってその場から立ち去ろうとする新一に、彼は更に嫌みな声をかける。

「おやおや…。そんなに敵意を剥き出しにしなくてもいいんじゃない?疲れない?」
確たる証拠はないのだが、自分をはねたのはコイツだ。死んでも忘れまいと、脳裏に焼き付けた顔だ。コイツに違いない。

「あれは不慮の事故だったのだよ。どうして信じてくれないんだい?」
軽々しい口調に全く説得力がない。無視を決め込んでいる新一に更に話を続ける。

「僕はただ、いい加減誤解を解いてもらいたいだけなんだよ?一応君の担当医の1人でもあるわけだし、仲良くしたいだけなのだよ?どうしてわかってくれないんだい?ボクは本当に悲しいよ。」
お前が悲しもうと知ったこっちゃない。新一が無視を決め込んでいるのには他にもう一つ理由があった。
先ほどの痩せ細った白衣男の鈴木からあまり関わるなと忠告を受けていたからだ。

「何も言ってくれないんだねぇ。鈴木の奴に何か吹き込まれたのかい?まぁ、君たちが何を企んでいるか知らないけど、無駄に時間を使わない事だね。もうすぐ君はまた・・・」
そう言いかけた所で、彼の胸元から電子音が響いた。
胸ポケットから携帯電話を取り出して、何やら話し始めた。用件はすぐ終わったらしく、再び携帯電話を胸ポケットにしまった。

「お呼びがかかってしまいました。もう少し君と話がしたかったのですが・・・、それではまた1週間後に。チャオ、うさぎちゃん。」
そう言うと広い研究所の人ごみに紛れていった。

「ちっ、気に食わない野郎だ。」
そう吐き捨てると、約束の時間まで暇つぶしをするため研究所を後にした。


外に出ると、すっかり太陽は真上に昇っていた。
アスファルトの地面からの照り返しがキツイ。よく「ジリジリ」といった暑さを表現する擬音があるが、本当に聞こえてきそうな勢いで暑い。

「暑い…。」
検査を受ける時は特殊能力を全て解除して、出来るだけ普通の人間の状態に戻る。
この時も例によって彼はいつもの癖で能力解除をしていた。
なので普段言わない事を口走ってしまったというわけだ。
慌てて特殊能力のレベルを上げた。
慌てたのには理由がある。
暑さに対する処置等というのは、自己欲求を満たすだけのものであって、慌てる理由にはならない。
彼が日常生活をするにあたって警戒心を緩めた一瞬の隙が命取りになるからだ。

「それにしても、あの一言は気になるな・・・。」
もうすぐ君はまた・・・
この続きが多少気になるらしい。
しかし、一刻一秒でもあの男の子とを考えたくない新一は思考を切り替えて暇つぶしを何にするかを考える事に専念したのだった。
Posted at 2009/08/19 18:51:48 | コメント(0) | トラックバック(0) | パソコン/インターネット

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