
昨年の秋(2017年9月~11月)にスロットルのメンテをしました。
ホムペのレポができたのでブログに上げてみました。
8年前の2010年にうちのFCは別のスロットルに交換しています。
(
その時の作業レポはこちら)
その時は綺麗に磨かれたピカピカ仕様のスロットルをヤフオクで入手して交換したわけですが、最近になって負荷がかかった時のアイドルアップ制御がうまくいってないのが気になるのでこの度スロットルをメンテしてみることにした次第です。
補機類(エアフロ、コイル、BACV、燃ポン、スロットルセンサーなどなど)を新品交換してもアイドルアップ制御がイマイチでした。
あとはスロットルそのものがおかしいのではないかと。
例えばバタフライの微妙なスキマがあるとか、見てみようと思っているのはそんなそんな感じのことです。
まずは前回スロットルを交換した際に外していた、元々のスロットルの方をメンテしてみて交換してみました。
久々に引っ張り出してきましたが汚い状態だったのでクリーナー等を使い汚れを落としました。
またスロットルのボア内にある純正のシール剤(スロットルコートのようなもの)も綺麗さっぱり落としました。
他に腐食でボコボコに錆びていたホースニップル部分もパテ等で整形したり、ダッシュポットが当たる部分(黒い樹脂部分)がパックリと割れていたので修正したり。
次にスロットル内部のバタフライ外周にスロットルコートを塗りました。
スロットルコートですが、しっかりと缶を振って混ぜたのちに板の上に適量を出し、別途細い筆を使い塗りました。
WAXが効いていない状態(バタフライが完全に全閉の状態)にし、バタフライの円周上に塗りました。
本来は1つ穴のプライマリー側だけの塗布でもいいのかもしれませんが、セカンダリー側の2つ穴の方にも塗りました。
プライマリー側はダブルスロットルという邪魔者がいないので反対面からも塗っておきました。
そして手でバタフライを開いた状態にして、バタフライの端面(ボアと接触する部分)にも塗りました。
サーモWAXも新品交換。最後にWAKOSのラスペネをあちこちの可動部へ吹いておきました。
これでとりあえずクリニーニング&調整は済みました。
そしてまずは現在使用しているスロットルを取り外します。
スロットル周辺のホース類や固定ボルトなどひと通り外してスロットルをサージタンクごと外しました。
バタフライを開閉してみたり可動部のガタ等を確認してみたり、ひと通り確認してみましたが特別異常はみられませんでした。(まあ私がわからないだけなのでしょうが)
目立つような異常はみられないしアイドルアップ制御の不調はやっぱバタフライの微妙なスキマとか??なのか。。
作業ついでにパージバルブを交換しておきました。以前中村屋へ行った時に交換を勧められたので。
パージバルブはブローバイに関連する部品のようです。
これでスロットル取り付け準備が完了しました。
※スロットルが2つあって呼び方が難しいのでこれ以降の文中では次のように表現しようと思います。
●スロットル(磨):現在まで使っていたスロットル(ピカピカの研磨仕様)
●スロットル(リミ):以前交換時に取り外して保管していたGTリミテッドのスロットル。
スロットルを取り外したサージタンク単体。これに整備した方のスロットル(リミ)を組みつけました。
ガスケットは以前 スロットル(磨)に交換した時に新品にしていたので特に傷んでおらずそのまま使いました。
今までピカピカ同士だったのですが、ガスケットを境にスロットル側が地味な梨地になりました・・・。
そしてサージ&スロットルASSYを取り付け。
ボルトやナットで固定し、ホース類やアクセルワイヤーなどひと通り繋いでいきました。
各部調整したいのでインタークーラーは取り付けずに、以前塩ビパイプで作った直結くんで直結。
そしてエンジン始動! エア抜きもかねてアイドリングさせます。
するとなんとアイドリングが落ち着きません。
落ち着かないというか、派手にハンチングしています。空ぶかしのレーシング状態です。
調整どころではありません。。
何が悪いのか?? 以前使っていた時は特に問題はないスロットルだった。
ホースのつなぎ忘れでもあるのか?? LLCにエアがかんでいてBACVの制御が安定していないとか??
スロットルの裏側まであちこちホース類を調べました。
またスロットルの接合部分などあちこちにパーツクリーナーをかけてみて回転が変わるかどうかなど。
でも結局原因が分かりません。
水温は徐々に上がっていきオートチョークのアイドルアップも少しずつ下がってきてはいますがハンチングは止まりません。
暖機とエア抜きは完了しても改善されません。
いったんエンジンを切って再度始動確認してみましたが、同様にハンチングをくりかえすばかりでした。
「とりあえずスロットルを外そう」と思いエンジン停止。
予定外の展開です(^^;
原因は何なんだろう・・・。
せっかく整備して取り替えたスロットル(リミ)ですが派手なハンチングでまともにアイドリングしないのでスロットル(磨)の方に戻してみることにしました。
ワックスはやスロットルセンサーなど古いやつをとりあえず取り付けました。
もうホース類をあまり外したくないので、スロットルだけ外して交換してみました。
交換作業はスロットルを少し浮かさないと下側のネジをゆるめることができないのでサージタンクの固定ネジも緩めて浮かせた状態でやりました。
そしてエンジン始動!
つい先日まで使っていたスロットル(磨)を元に戻しただけなので、当たり前ですが普通にアイドリングします。
ということは、ハンチングの原因はホース類の抜けや接合部からのエア吸いなどではない。
「スロットル(リミ) その物のせいだ」と断定しました。
そしてまたそのスロットル(磨)を取り外しました。
最初よりは取り外したりする作業も手慣れてきました(笑)
でも何度もやりたくない。ガスケットとかも傷めたくないし。
取り外してから、スロットル(リミ)とスロットル(磨)を見比べてみました。
するとプライマリー側のバタフライの開度がハンチングしたスロットル(リミ)の方が比較的開き気味でした(開きすぎ??)。
ここら辺のことは私はよくわからないのですが、TAS(スロットルアジャストスクリュー)やFAS(ファーストアイドルスクリュー)の調整不良でバタフライが開きすぎていたためにハンチングしまくっていたのだと思います。BACVの範疇も超える調整不良(オーバー)だったのかと。
ハンチングした時にもっとアジャストスクリューを調整してみれば良かったと後で思いました。
おそらくの原因は分かった(ということにした)のですが、またスロットル(リミ)を使って同じことになっては嫌なので
スロットル(磨)の方を整備しなおして使うことにしました。
2つのスロットルのうち、スロットル(磨)を再整備して使うことに決定。
スロットルコート塗布にあたってまずは暖機が完了した状態にするためWAXカムが外れた状態にしました。
これでプライマリー側のバタフライが閉じた状態になります。
またTASでさらに閉じる方向へ調整しておきました。(スロットルコートを塗るため)。
スロットルコートをバタフライの周りにぐるっと塗りました。プライマリーとセカンダリーの計3ヶ所とも塗りました。
塗ったあとにバタフライを開閉させバタフライの側面にも行きわたるようにしました。
そしてプライマリーバタフライの反対側からライトを当ててスキマがないかチェックしながらスキマを見つけてはコートを再塗布しながら作業を進めていきました。
スロットルコート塗布の作業が終わったらスロットルセンサーとワックス、ダッシュポットなど新しい方をスロットル(磨)に組みかえておきました。
ナローレンジとフルレンジの全閉状態の抵抗値が範囲内に入るようにスロットルセンサーの位置調整をしました。
他にWAXの冷間時のカムの位置の調整、WAS(ワックスアジャストスクリュー)の調整やTAS(スロットルアジャストスクリュー)やFASの調整も。
これで自分でできそうなことはやりました。
車両に組み付けてみて どうか? です。
そして整備したスロットル(磨)を取り付けました。各部締め忘れはないかチェック
始動チェックはこれで3回目。
電装品の電源はすべてOFFの状態でエンジン始動!今度こそ! もうやりたくない(笑)
ハンチングせず安定しています。
チョーク機能が働いた時の回転数が1600rpmと少し高いです。(あとで1400rpmぐらいにWAXの調整をしておきました)。
暖機が進むにつれ徐々にアイドル回転数が下がっていきます。
しばらく暖機運転をみまもり、水温も80度を超えサーモが開き、後付け水温計も温度が上がりました。
WAXがリフトしてカムもちゃんと外れていることを確認。
BACVのカプラを外してアイドリング回転数を調整。720rpmぐらいの回転数にセット。
そしてBACVのカプラを元通りにつないでもう少し暖機を続けました。
それからいよいよアイドルアップ制御の学習です。
それぞれの条件で5~10分放置し学習?させる。
・スモールON→ アイドルアップせず
・フォグランプ→ 私のFCはフォグを外しているので関係無し
・ライトON→ シーン・・・。アイドルアップせず(汗)
・ライトを(スモールも)消してエアコンON →900rpmぐらいまで上がり850rpmぐらいで安定。
・エアコンONの状態でライトON→ 800rpmぐらいまで落ちてから850rpmぐらいで安定。
あとはブレーキペダルを連打したりパワステをブニブニと左右に振ったりして負荷をかけた学習?もしておきました。
以前よりはエアコンON時のアイドルアップがきちんと機能するようになった気がします。
しかしこの作業時は涼しい時期ですし、ただ単に停車状態で確認しているにすぎません。
実走行中に信号で停車するときや炎天下の渋滞などでどこまで安定するかどうか。
運転訓練などの過負荷走行後の熱い状態でエアコンを入れてみてどうか。
今まではよくストールしていました。
そしてエンジンを停止してスロットルセンサーの抵抗値を確認。
テスタの抵抗値測定では正常な範囲で問題はなさそうです。
このあとチェックランプで緑色の点灯が調整範囲の真ん中にくるようにスロットルセンサーの調整ネジを回しておきました。
とりあえずOKということで上側のダッシュポットを取り付けておきました。(調整作業中はWAXの状態が見やすいため外していました。)
インタークーラーも元に戻して作業完了です。
結局最初に整備した「スロットル(リミ)」は、手間をかけた割りには使わなかったので残念です。
スロットル(磨)も2回交換作業をしたりしたしなんか遠回りな作業をしてしまった感じですが、スロットル関係の構造等の復習にはなりました。
エンジンを始動し暖機運転も完了させ実走行チェックのため少し走ってきました。
エアコンの温度設定を最低温度の18度にしコンプレッサーが回っている状態でのチェック。
「エンジンが負けずにアイドルアップ状態を維持してくれるかどうか?」
→信号の停車時でもストールしそうにならずに維持してるような気がする。明らかに整備前よりは改善されています。
ただA/CオフでヘッドライトONだけの状態だとアイドルUP制御が働いていないので少し回転が落ちたりして何か弱々しいです。
とりあえず自分でできそうなことはやったので、あとはECUの書き換えで何とかしてもらおう!(笑)
そういえばヘッドライトのみONの時にECUに何か信号が行くのかな??それだけ確認していないです。
もし信号がECUへ行くべきなのにライトONしても行ってないなら、そのラインを疑うべきか。
でもエアコンON時にはライトONでアイドルUP制御の動きをしてる感じだし信号は拾ってるぽい。悩ましい。。
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<最後のオチ?>
いつものことではありますがまたオチがあります(笑)
走行確認は特に問題はないけど、最後にスロットルの別問題で問題が発生しました。
それはエンジン始動時にスロットルが引っかかってアクセルを踏むときに「エイッ!」とペダルに力をいれないと奥まで踏み込めないことです。
車を停車してしばらく経つと、次にアクセルを開ける時にバタフライが固着しています。
その都度「エイッ」とアクセルを踏んでバタフライの固着をとかないといけません。
なんかアクセルワイヤーが伸びそうで心配です。
固着の原因はスロットルコートだと思います。他に考えられません。
3箇所とも全部側面まで塗った状態にしたので。
スロットルコートは完全硬化すればそんなに粘着剤的なものにはならない気がします。
何日か運転してスロットル(バタフライ)を使っていれば馴染んで固着もなくなるだろうと考えていました。
でも何度か乗ってもまた固着している。
おそらくですが原因は2つ考えられます。
①スロットルが暖かいうちは硬化したスロットルコートが少し柔らかくなりスムーズにバタフライが動くが、閉じた状態で少し温度がさがるとそれが再硬化してバタフライを動かなくする。
→その根拠に冷間時にバタフライの固着をといておけば冷間時のままであれば再固着しません。
②スロットルが暖かいうちはスロットルのボア径が若干熱で広がっておりバタフライが固着しない。
→これは勝手な想像です。少しは関係があるかな?って感じです。
このようなことが考えられるので、せっかく丁寧に塗りまくったスロットルコートですが少し剥がすことにしました。
今回スロットルコートを剥がすのはセカンダリー側の2つのバタフライです。
FC3Sの純正状態でもスロットルコートのような最初の気密性確保の電着塗装はプライマリー側だけしかなかったと思うので。
それにプライマリー側のバタフライはTAS(スロットルアジャストスクリュー)によってわずかですが開く方向に調整してあるので固着の心配はないと思います。
もうスロットル自体をサージタンクから取り外す作業はしたくないのでインタークーラーとスロットルアダプタだけ外して剥がし作業をしてみることにしました。
しかし奥を覗いてみてもなかなか確認できません。ダブルスロットルのバタフライが邪魔です。
ターゲットはこのすぐ見えるバタフライの奥にある本来のバタフライ2枚です。
割りばしにティッシュを巻いてテープで固定した大きな綿棒みたいなものを作りました。
それにキャブクリーナーを染み込ませてゴシゴシとボア内面をなぞってスロットルコートを落としていきました。
断面図のマンガで言えばこんな感じです。
セカンダリー側(下側の2つ)のバタフライ周辺のスロットルコートが薄くなるように拭き取る感じで作業しました。
作業時は実際には見えないので奥行きの距離感だけつかんでゴシゴシとやります。
少しずつ取リのぞいてはティッシュを巻き替えて地道に作業していきました。
セカンダリー側スロットルのボア内の上半分。スマホのカメラで接写。
この写真を撮って拡大して状況を見ながら進めました。ボア内の円周上にあるのがスロットルコートです。
作業後の写真です。ピンボケしていますが、剥がす前よりはスロットルコートの層が薄くなっています。
少しはスロットルコートも残っていた方が気密性の確保には役立つし、ほどほどに落としてやめました。
その後ひとっ走りしてみたらまだ少し固着気味になったので、もう少し上記内容の作業をしたところ、もう固着することはなくなりました。
かなり端折って書きましたが、
詳細レポは
本家ホムペにUPしています。
・その1
~ 元々のスロットルをメンテ&スロットルコートを塗布してみた ~
・その2
~ サーモワックスの新品交換 ~
・その3
~ スロットルの取り外し&パージバルブの新品交換 ~
・その4
~ メンテ完了のスロットル組み付け&始動チェック ~
・その5
~ 外したスロットル(磨)を再度取り付け&始動チェック ~
・その6
~ スロットル(磨)を外して再整備&スロットルコートを塗布 ~
・その7
~ スロットル(磨)の再々取り付け&始動チェック ~
・その8
~ 再整備したスロットルの実走チェック&スロットルコート剥がし ~
最後まで手間がかかりましたが、なんとかスロットルの整備が終わりホッとしました。
アイドルアップ制御の不具合に対して改善されているかどうかはハテナ???ですが、改善されていると思いたいです(笑)
今後 経過観察していきたいと思います。
今回スロットルのメンテナンスをするにあたって
事前にアドバイスや参考情報をいただいた
seven-nanaさん、
メロンマンさん。
どうもありがとうございました!
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まだ悩み中のかたはご注文はお早めに(笑)