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2022年07月14日

カムの摩耗についてオベンキョ

カムの摩耗についてオベンキョ








少しモチベーションが上がり、チトあやふやだったカムの摩耗についてオベンキョ(笑)。

調べたいことは、カムの摩耗ってアイドリングの時が一番シビアと言われていますがその理論構築であります。(ちょっと大袈裟 笑)
カムの加速度はランプ部(バルブがリフトし始めるところ)が大きいのだが、何でノーズが先に減るのか?なんてことがよく理解できていなかったのですよ。

で、小難しい事になっちゃうと思うので、結論を先に言っちゃいますと・・・・

アイドリングの時がカム(特にノーズ部)にとって一番シビアで摩耗する危険があるのですよ。ランプ部は油の回りも悪くなく、広い面積で荷重を受けるので摩耗は少ない。
(なので、買物の時、室内を冷やしておこうとエンジンを掛けておくなんてダメですねえ。)

では、カムの特性図から
Dr. Rick Roberts of Edelbrock

図はカムのリフト(黒)開閉の速度(赤)加速度(青)を示しとります。
摩耗という切り口で考えますと、摺動するカムフェースとタペット/カムフォロアーの面圧と滑り速さの関係(PVってところか?)になると言え、この特性図で加速度が面圧の力に関係してくると言えます。

つまり、図で加速度が高い部分の摩耗が大きなるはずで、青線のツノの様に立ち上がった部分(カムがバルブを開き始めるランプ(pre cam)部)とノーズ(cam tip)になると考えます。
ノーズ部はカムが最大リフトした図中央で、加速度がマイナスになっとりますので、大きな加速度で動いたバルブにスプリングの反力でブレーキがかかりながら最大リフトまで開いていくという作動状態になるのだと考えます。
(話飛びますが、基本スプリング反力以上にカムの作り出す荷重(バルブを開く力)は大きくならない様に設計しとるワケですねえ。)

という事で、荷重が大きくなる部分→摩耗しやすい部分はランプとノーズという事が理解できたかなあと言うところです。
しかし、ノーズ部分が一番摩耗すると言われるのは何故か?ここがよく分りませんでした。(ランプの発生荷重が大きいし・・・)

そこで電脳図書館を徘徊すると、いい参考レポートが見つかりましたよ。
ドイツUniversity of BayreuthのUnderstanding Friction in Cam–Tappet Contactsというレポートです。これからわかったことは以下という感じです。(アバウトですけど)

Dr. Rick Roberts of Edelbrock

この図は、カムフェース3部位の油膜厚さを回転数で見たものです。
500rpmではランプ(pre cam)とノーズ(cam tip)部が油膜が薄くなっとります。
これが回転数が上がるにつれて油膜が形成されてきて2000rpmではノーズ部分に薄い部分が残るだけという様な状態になるようです。
下半分の図は接触部の圧力を示していて、高回転ほどノーズの圧力が減っていることがわかります。

Dr. Rick Roberts of Edelbrock

この図は、左が回転数による摺動面に入り込む油の速さ(かな?)のグラフ。右が回転数によるカムフェースコンタクト部分の発生荷重です。
左のグラフからはノーズ部(0°)ではオイルは回転が上がるにつれ摺動面に入り込まない状態になり、ランプ部は逆に入り込む速度が回転につれ速くなるということを示しているのだろうという感じ。

右のグラフからは、カムに加わる荷重はランプとノーズでランプが大きく、それぞれ回転数が大きくなると荷重が増える事になると言えます。

そんなこんなで、ここからは私の理解になるのですが・・・

・ランプ部の発生荷重は高いが荷重を受ける面積が広く面圧はノーズと比べ低い。
 また潤滑も良好なので、摩耗はノーズ部分の方がシビアになる。
・ノーズ部分の摩耗は(油膜が形成しにくい)エンジン回転数が低い程多くなる。

というところです。

これらは、全てのエンジンに当てはまることで、ハイリフトカムやバルブスプリング強化なチューンドエンジンは、さらに厳しくなると言えるでしょう。
(なので、俺のエンジンはハイカムでもアイドルは低くできる。なんてやらん方が良いと思います。)
で、話飛んで、ノーズ部の摩耗対策ですが、有機モリブデンやZDDP等の極圧剤が添加されたオイルが良いのだと思います。
また、コスワースのBD系やEAエンジンは、アイドルは2000rpm以上を推奨しとる様ですし、アメリカのカムメーカーも同じ様に言っとりますのでご参考まで。

その他ご参考

トヨタ中研のレポート(こちらの方が年度が早い。さすがです)
https://www.tytlabs.com/japanese/review/rev361pdf/361_039ohmori.pdf

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Posted at 2022/07/14 18:01:27

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この記事へのコメント

2022年7月14日 20:41
まさにコスワースBD系のエンジンを積むスーパーセブンに乗ってます。しかも私のセブンはチューンしてあるし。(^-^;)

流石にアイドリングを2000rpmに設定するのは公道で乗る車にはちょっと無理がありますが、出来るだけアイドリングはしないようにしてますし、走行中は2000rpmを下回らないように常に気をつけています。(^ω^)
コメントへの返答
2022年7月15日 11:40
車を大事にする方でも、エンジンにとってアイドリングは優しいと思っている方が意外に多い様に思いまとめて見ました。
ご近所でもオートバイを磨く間アイドリングさせている方を見てちょっとなあと・・・
公道では1500ぐらいですかねえ?渋滞にはまると2000ではファンが回りっぱなしですね。(我が経験です。 笑)
2022年7月14日 22:37
社外カム(ケントとかパイパーとか)の説明書には
「組付け後は20分くらいは2000rpm以下にはしないように!」
とか記載してありますね。油圧が低いとイカンつうことでしょうね。
こっちは初期摩耗が心配なんでしょうが。
コメントへの返答
2022年7月15日 11:47
そうですね。初期なじみを失敗するとノーズのカジリなんて起こす場合がある様です。
カムノーズ部の潤滑は結構厳しく、油膜が薄い境界潤滑状態になりやすいと言われています。オイルフィルムが薄いのでカムやタペット表面の微細な凸部分が相手の凸に当たってカジリを発生させると言われています。
新品はその凸凹が馴染んでないのでモリブデンオイルをつけてかじらない様にしとりますね。
カム自体には油圧はかかりませんので尚更厳しいというところですね。
2022年7月15日 9:42
う〜 そうなんですね!
油圧・油温・油量だけではない。
とても参考になりました。
コメントへの返答
2022年7月15日 11:51
構造的に厳しいというところですね。なので薄いオイルで長時間のアイドリングなんてやらん方が良いと思うのですがねえ。
オイルも最近は燃費を考え薄くなっていますがカムにとっては厳しいんじゃないかと思います。
有機モリブデン(摩擦熱で分解し無機のモリブデンになる)添加とかのオイルが良いと思います。
2022年7月15日 11:18
アイドリング回転数はオーバーラップ吐きもどしの問題もありますし。
改造ジャンル日本人の思考回路だとラディカルなカムを入れたら独立スロットル化しないとアイドリングしないと考えます(自分だけ?)が、アメリカだとアイドリングが安定する回転数にセットするからサージタンク+シングルスロットルで問題なし(むしろこっちがよい)と言われて納得したことあります。
コメントへの返答
2022年7月15日 12:33
チューニング車を乗りこなす方は、いろんなことを考え対策していく事ができると面白いのでしょうね。ショップ任せではエッジな車にはのれないというところですかね。(笑)
で、気筒独立の方があれこれ吟味できるので楽しいと思いますが、5リッターぐらいのエンジンには細かなところはわからないのかも。
2022年7月15日 15:43
L6の周回用での話でした。日本のLメカはナンバー付きの最高速やドラッグレースの流れできてるのでカムのプロフィールなどもまるっきり違ってました。
コメントへの返答
2022年7月15日 20:32
L系って非対称でインバースフランクみたいなカムだったような?
ロッカーで押す様なメカでしたねえ。
摩耗に関しては噛むのテッペンにくるのは同じだと思いますが、バルブスプリングが硬かった様な印象があります。オイルでカバーしていたのでしょうかね?
2022年7月16日 8:34
アメリカバカカム屋、つまりOHVばかりいじってるとこのL用カムは対称、加減速が急になり、なぜだかロッカーにろう付けしてある超硬チップが先にやられるのが普通でした…超硬じゃないのかも。

日本でもOHCロッカーアームのカムを「急に開いてゆっくり閉じる」と説明するライターたち(太田?…)が居てたくさんの人を惑わせたと思います

オイル供給は初期はパイプをカムシャフトと平行に這わせてピンポイントで摺動部にチュー、L24→28のどこかの時点でカム内部にオイル流してカムローブの低いとこの穴から出てくるに代わっており、前者用のレースカムをL28ヘッドに付けると笑
コメントへの返答
2022年7月16日 9:40
試行錯誤エンジニアリングですかね?モノから教わりLのチューンは発展してきた感じですね。
モノがあるので、落ち着いてデータ取ればカムの特性はわかるし、次が開けると思うのですが・・・
ここら辺が在野のチューナーやライターはちと弱いのかも。
なので、日本では進まないのかなあ?
カムのオイル穴、バイクですねえ。(笑)
オイルに関してもチューンエンジンには辛くなってきているのではと思いますよ。粘度薄いし、触媒の関係で(クラシックな車に)有効な添加剤が少なくなっている今日ではあるのですねえ。

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何シテル?   07/27 10:34
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