本来なら2023年の夏に上映されるべき作品でした。
何を気にしてるのか、日本で上映してくれなくて、ずっと待ってましたよ。
クリストファー・ノーラン監督が務めるとあって、きっとバカを相手にせず、歴史を学んだ人には納得できるようなレベルを求められるような作品を作るのだろうと判ります。
上映時間は180分(予告編は10分)と長編なので、一度はトイレに立つかと。それでも見逃すような事は少ないかもです。
評点3.5と低めですが、ノーチェックで見た上に歴史を知らないと理解ができないからだと思います。
「原爆の父」と呼ばれたオッペンハイマーの苦悩を描いた映画です。
冒頭から淡々と物語は進んでいきます。 日本映画の様にテロップを付けるとか、説明のためのシーンとかありませんので、付いて来れない人はいるでしょう。 知ってる前提で作られてます。
率直に言って見応えのある作品です。
詳細に書くことは難しいのですが、マンハッタン計画に参加して原爆を作り上げていくのがこの映画の主体であり、人間ドラマなのです。
ナチスはヒトラーが自害、日本も東京大空襲で民間人ばかり10万人を殺害で、降伏は時間の問題でありましたが、原爆は落とされてしまいます。
自分は写真集で広島の被害を小学生の頃に見ましたが、彼は映像として、写真として原爆が落とされた後に、その下にいた人達や建物がどうなったのか詳細に見て来たでしょう。 黒焦げになった人が足元に絡んで来るシーンがあります。
物語の終盤には、ソ連が原爆を作り始めます。 彼は物理学者ですので、同じ学者からの嫉妬もあり、彼はソ連に情報を売ったスパイとして告発されてしまいます。 逮捕はされずとも、狭い部屋に押し込められて尋問され、次々に出て来る当時の同僚達が証人として裏切るのです。 共産主義者との関係を疑われたりして、嵌められたわけです。 結果ありきの証人喚問みたいなものです。 その人選も恣意的なものです。
アインシュタインが何度か登場するのですが、彼は米国に亡命したドイツ人です。 彼がその後のキーマン的役割があるのですが・・。
映像はカラーとモノクロを使い分けてます。 カラーが過去。モノクロが現代です。これを覚えておいてください。 第二次世界大戦中でも、同盟国であってもイギリスやソ連のスパイが出入りしているのだと判りますし、描写が一方的だとする批判もありますが、監督らしい作品だなあと。
Posted at 2024/04/02 00:28:02 | |
TV・MOVIE・SATGE‥ | 音楽/映画/テレビ