
VictorのSX-F3は以前にも紹介していたと思って見返していたのですが,オーディオネタではまともに取り上げていなかったようです。
SX-F3はそれなりに有名ですし,当時の長岡氏の評価も高かった事から中古相場もそれなりのものとなっていますが,あくまでシステムコンポ用のSPです。
当時のV1(HMV)シリーズの一つ下に当たるFシリーズの一つなのですが,2本で8万円とSX-500に迫る価格だったようです。
当時の長岡氏の記事を見ても,分解は不可となっていますが実際にはウーファーユニットの金属リングを下から外す事で分解可能です。 この時,ホットメルトを剥がす事になるので一応分解不可です。
このSPのマグネットの種類は非公開だったようなのですが,アルニコで無いことは確かです。
キャビネットは,ウオルナットの無垢材でコーンは14.5cm英クルトミュラー社製。
トゥイーターは2.5cmシルクソフトドーム。

中音が豊かで高域が繊細と言う世間の評価ですが,家ではフェライトの音が付きまとっている感じでしたが,低音の出方が独特でスパイダーサスペンションと言う事もありなかなか手強いSPである事は分かっていましたが,どうしても鳴らないままでした。
このように鳴らないSPはゴロゴロありますが…
しかし,これらは全てシステムの粗や悪い点が全て出ていただけのようです。
このSPの鳴り方は先日も書いた通り,Victor S-3000と同じ傾向なのですが,それはAMPに左右されているようです。
先日はAX-V1で鳴らしていましたが,例えばAX-S313で鳴らすと全域でエネルギーのある音色になります。
ただ,高域のエネルギー感はどうしても弱いです。 ドラムのアタック音など,中低域のエネルギー感はS-3000と似たものがありますが,トランペットやシンバルの強さはS-3000と比べると相当印象が変わります。
一般的にはゆったりとした穏やかな音色と言わていますが,GENTLE THOUGHTSを豪快に鳴らす事も鬼太鼓座のようなジャンルも見かけ以上に鳴ります。
特に鬼太鼓座の大太鼓は,畳を揺さぶる程のエネルギーを持って再生してくれます。
それでいて,バチが太鼓の皮に当たる時の音や,笛や三味線の音も繊細に再現してくれます。
全ての太鼓を演奏されるシーンでも低音が濁ってダブついてしまうような事も少ないです。
スケールによる限界と入力による限界はありますが,このクラスではなかなかのものだと思います。
ただ,このSPの足が3本スパイクなので,太鼓を聴いているとSPが勝手に動いてしまう事があります。
太鼓を聴いているときに分かったのですが,大入力時にウーファーユニットが何かに当たっているような音がしていました。
ウーファーユニットを手で動かしても音がしないので,ボイスコイルでない事は確かです。
そこでウーファーユニットを外し,音出しをしながら確認するとスパイダーサスペンションの外側の一部が外れている事が判明。

このスパイダーサスペンションは硬質なので,振動でウーファーユニットのフレームを叩いていたようです。
接着剤を使っての修正しか方法が無いので,瞬間接着剤の耐衝撃用を使用してスパイダーサスペンションを接着してみました。
一応成功したのですが,予想していた通り片側の音色が少し変わってしまい… 少し高域が出にくくなった印象です。
片側だけ分解した為かと思い,もう片方も分解して組み立て直してみましたがやはり少し高域が違います。
それでも,今までよりもステレオ感が良くなっていたのでスパイダーサスペンションが外れていた事の方が悪影響を与えていたようです。
いずれにしても,SX-F3もまだまだ鳴る可能性があります。
DA3200ESとPS3で鳴らした時にこれが限界かと思っていましたが,飛んだ勘違いだったようです。
やはりVictorのSPで鳴らない方がおかしいく,それは鳴らせていないだけのようです。
変な癖や,キツさ,固有音がする場合はシステムが悪いと言う事でよさそうです。
そこで次回はSX-100を試してみたいと思います。
これは家ではFE83よりも強敵とみています。
この日の画像は,SX-F3のトゥイーター部です。
SX-F3の分解時の画像は…
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Posted at
2011/11/30 03:17:24