
SATA ケーブル でのトラブルに数回泣かされているので,今回は3種類のSATA ケーブルを少し取り上げてみます。
SATA ケーブル にはラッチ付きとそうでない物とありますが,どちらにしてもコネクタは刺してもグラグラな物が多くてとても高速通信できるとは思えません。
線はシールドしているようですが,肝心のコネクタでは何も対策されていない上に,接点はUSBの物よりチャチクてとても安定して接触するとは思えないです。
USBでもコネク部はシールドされていますよね…
そして,実際にSATA ケーブルの接触不良でHDDを認識しなかったり,光学ドライブを認識していない事が多々ありました。
まだ認識しないだけなら分かりやすくて良いのですが,接触不安定な場合はそのまま起動してしまうんです。
しかし,BootRacer 等で起動時間を毎回チェックしていると起動時間が正常時の1.5~2倍になっている事があります。
これは一概にSATAケーブルによるものと決めつけられませんが,経験上 SATA の接点を TR-30 (磁気処理スクアラン) で清掃するだけで直っています。
そして,SATA の接点清掃に使った不織布(カメラのレンズ拭き用)には黒い何かが必ずと言って良いほど付いています。
メモリの接点にも言える事ですが,接点で何かが起きている事は間違いないでしょう。
リレーの接点も,ON/OFF繰り返すと黒くなって接触不良になる事がありますが,それと同じでしょう。
こうならない為にも金メッキしているはずなんですが,最近の金メッキは曇っていて金かどうかも怪しいものが多いですし,SATA は機器側は金メッキされている場合が多いですが,ケーブルのコネクタ側にはほぼ金メッキされていませんね。
せめてLANコネクタ位の安定性を持たせて欲しかったです。
そこで,SATA ケーブルの高級品は無いのかと探してみたのですが,オーディオ屋さんが興味を持っていない分野な為か SATA ケーブルの高品質版をなかなか見つける事ができませんでした。
LANケーブルは最近オーディオマニアの間で少し認知されてきたようで,ベルデンのLANケーブルなんてのも結構売れているようです。 中には 1M 10万円超えのLANケーブルやオーディオ用NASも…
しかし,PCを使うのであれば中の線も変えないと意味ないような気がしますがね。
まだPC用電源にオーディオグレードは見たことないので,この辺りはまだ商売にならないのでしょう。
オーディオ用PCは100万円位のを見た事ありますが,何が高いのか不明。
と,これを書きながらもう一度 オーディオ用SATAケーブルを探していると… ありました。
WireDream「INDRA」 高品質SATAケーブル 40cmストレート
販売価格 24,800 円
純銀97%+純金3%の線材を使用した高品質SATAケーブル だそうです。いかにもオーディオ用。
1つあると言う事は,まだまだ有るはずですがキリがないので…
もうちょっと安くて線ではなくて コネクタ 部を特徴にた物は無いものかな? と探していたところ,SilverStoneにありました。
これは前にも書いていますが,SilverStoneのSATAケーブルはラッチ無しでラッチ付きよりも振動で抜けにくいのが特徴です。
ラッチ付きは機器側を傷めるので,ラッチ無しにしているとの事です。
線の構造も写真で公開されているので,試してみる事にしました。
規格は SATA3 (26AWG) で,金メッキ有りです。
次に,ASRock のマザーを買ったらおまけで付いていた SATA ケーブルです。
G41MH/USB3.0 R2.0 には,よく見かける赤い 180°SATA2 ケーブル (28AWG) が 2本付属していました。
しかし,コネクタ部は背が低く樹脂も硬い物が付いていてコネクタにはしっかりと刺さります。
金メッキは無し。
X79 EXTREME9 には,SATA3 ケーブル で黒い UHF の 200Ωフィーダ線を平らにしたような線が付いています。 その為か,コネクタも縦に長いものが付いています。
これには,180°と 90°の SATA ケーブル (26AWG) が 3本ずつ計6本付属していました。
こちらは金メッキ有り。
これ以外の手持ち SATA ケーブル は,サンワサプライの物等で,どれも接触不良を起こした事がある物なので比較対象から外しました。 (他は SATA2 30AWG 金メッキ無しばかり)
今回は,DiskMarkX64 と HD Tune Pro でベンチ測定してみました。
特に HD Tune Pro での比較が分かりやすいと思います。
今回使用したPC構成
マザー : ASRock G41MH/USB3.0 R2.0
CPU : Intel Xeon X3220 2.4GHZ (3.0GHz OC)
メモリ : Transcend DDR3 1333 2GB ×2
HDD : Seagate ST3500630AS
まずは,DiskMarkX64 でのベンチ測定。

予想はしていましたが,誤差程度の差です。
では,HD Tune Pro での結果です。
画像の配置が DiskMarkX64 の時と変わっています。
こちらでは少し癖が変わっているようにも取れます。
3本のケーブルでOSの起動時間を3回づつ取ってみたのですが,変化はありませんでした。
では何が一番変わるのか? やっぱり音が変わります。
この中では,赤いケーブルが一番悪くて今ひとつパッとしない音。
これだけ聞いていると,気にならないのですが聞き比べるとその差は歴然。
SATA3とSATA2と規格に差があるので,この辺りが音にも影響しているのかもしれません。
線の太さも,線側の接点の形状も変わっているのでSATA3のケーブルの方が安定性に少しは期待できます。 少しは… 少なくとも,SATA2の物よりは接点が張り出しているので。
今回はテストの為,各 SATA ケーブル の接点清掃はしませんでしたが,普段は使用前に必ず TR-30 で接点清掃するようにしています。
新品でも接点の汚れはありますで,それを拭き取り,ブロアーでゴミを飛ばしてペンライトで確認してから使用します。
これでも接触不良が出るのですから… そろそろSATAのコネクタやめません?
ついでなので,SilverStone CP08 CP07 の特徴でもある抜け止めを SilverStone のHPで紹介されているような方法でテストしてみました。
これは,SATAケーブルを3.5inc HDDに刺し,SATAケーブルを手で持ってHDDを吊るし,軽く振ると言うもの。
さすがに新品のケーブルでそれは勿体無いので,線を持たずにコネクタ部を持って実験してみました。
HDDは死んだシーゲートを使用。 比較の為に今回テストした3本のSATAケーブルと,サンワのSATAケーブルでもテスト。
結果,一番抜けにくかったSATAケーブルは,X79 EXTREME9 に付属していたラッチ付きのSATAケーブルでした。
次位に SilverStone CP07が来ますが,これは注意が必要。
ラッチ無しで抜けない構造と謳っていますが,これは内側で引っ掛けている樹脂の爪部に少し特徴がある程度(コネクタ自体もしっかりとしている)なので,数回抜き差しすると抜け止めが弱くなるようです。
又,真っ直ぐに引っ張ると軽く抜ける事があります。 しかし,振るとなかなか抜けません。
これを2回ほど繰り返すと,抜け止めがかなり緩くなってしまいました。
次に,サンワのラッチ付きですが,縦方向には強いものの横に振ると片側づつ引っ掛けが外れてしまいました。
この事で,HDD側のコネクタの一部を破壊してしまったので,SilverStone側の言い分も確かにあるようです。
最後に,ASRock のマザーに付いていた赤いケーブルですが,HDDに刺して吊るしてから振る時点で落下しました。
この事から,SilverStone CP07はラッチ無しではかなり健闘したようです。
今回数種類の SATAケーブル を試しましたが,HDDに刺してもコネクタ部が揺れない物は一つもありませんでした。
全て奥まで刺さっているのにグラグラと動きます。
マザーボード側のコネクタは周りに支えてもらえるのでこのような事は少ないですが,肝心なHDDや光学ドライブ側はどうもダメですね。
この日の画像は,今回テストした代表の SATAケーブル です。