
先日テストしていなかったVictorのバナナプラグをVictor AX-V1でテストしてみました。
バナナプラグは初めて使うのと,そもそもバナナプラグとはどう言う物なのかもあまり知りませんでした。
バナナプラグにはSPコードの接続方法が色々あるのですね… 大まかにはスプリング式とネジ式とハンダ式になるようです
ネジ式の中でも,プラグの横から挿すタイプと後ろから挿すタイプに別れるようで,Victorは後ろから挿すタイプでした。

と,バナナプラグについて調べているとどうもこのVictorのバナナプラグはオーディオテクニカの「AT6302」と同じようです。 (カルダスブランドでも同じ物を発見したので,結局はどこ製なのか不明。)
しかし,オーディオテクニカバージョンは2色なのに対し,Victorバージョンは全体が金メッキなのでまるっきり同じでもないようです。
(オーディオテクニカバージョンでも全体が金メッキの物もあるようです。)
付属品では,オーディオテクニカ製は保護チューブが4個付いているそうですが,Victorバージョンにはありません。
Victorとしては音質劣化の原因となるチューブは付けないのでしょうか。
では早速バナナプラグと直付けとを比較試聴してみたいと思うのですが,ここで問題が。
バナナプラグ対応のAMPは割りと新しい物しかなく,家ではAX-V1とAX-S313位しかありません。
そこで,SPターミナルが真鍮削り出しのAX-V1を選択。
バナナプラグ自体も真鍮製のようなので樹脂のSPターミナルに挿すよりは良さそうです。
AX-V1を使うと言うことで,CDPはXL-V1Aを使用しSPはお馴染みVictor S-3000とします。
と,その前にまずXL-V1Aを整備しておきました。

XL-V1Aは純正のレーザーが全く出力しなくなったので,Victor XL-V313のピックアップを装着してあります。
その交換時にレーザーの調整を適当にしてあったので,今回音質を頼りに微調整としました。
レーザー調整中についでなのでバナナプラグをエージングしておきました。
ではAX-V1に直にSPケーブルを繋ぐ場合と,バナナプラグを付けて繋ぐ場合とを比較試聴してみます。
まずは直繋ぎ。
このセットは以前にも書いていますが,今回はSPケーブルが違いますので低域の量感が増し,高域も中域にシフトしているような印象です。 (Victor ベルデン)
中音が豊かなので,聴きやすいのですがHi-Fiではありません。

対してバナナプラグ接続。
これは意外も意外。 上記状態からSPケーブルを交換したかのように高域が伸び,フィルターを取ったかのように音場も広がり抜けも良くなっています。
ボーカルはセンターになり,バックは部屋に広がり,エネルギーも豊かに出てきます。
ただ,低域は直繋ぎよりかは減っているように感じますが,直繋ぎでは団子になっていた低域が分解されたと表現する方が合っています。
もっと意外なのは,音の変化傾向がより線から単線に変えたのとほぼ同じと言う事。
もちろんSPコードは交換していませんが,直繋ぎではより線らしく低域の柔らかさと中域の広がり感を見せていたのが,バナナプラグを付けるだけで低域は締り中・高域までもしっかりと締まった硬めの音に変化しました。
まさに単線に変えた時の音なのです。
何かの間違いかと思い,数回付け替えてみましたが結果は同じでした。
と言うことは… 単線独特の音は接続部が影響しているのかもしれません。
今回はS-3000がバナナプラグに対応していないので試せませんでしたが,SP側もバナナプラグに対応しているSX-F3やEX-A10セットなどをバナナプラグ接続にすると低域が締まった音になって部屋でも聴けるようになるかもしれませんね。
最近のVictor製品は大体がバナナプラグに対応しているはおかしく思っていたのと,Victor自信もバナナプラグをラインナップしている事に疑問を感じていましたが,これでその理由がなんとなく分かった気がします。
これ,樹脂製のSPターミナルにはもっと効果的かもしれません。
純正製のSPターミナルの場合,SPケーブルを押さえる物は樹脂になりますが,バナナプラグを使用する事で真鍮で固定する事になるので,これはメリットになりますね。
バナナプラグは食わず嫌いで使っていませんでしたが,これだけ変化があると積極的に使ってみるのも面白いかもしれません。
ただ,接点部のクリーニングは徹底しておかないと悪い結果を招きそうです。
SPコードとの相性なども計り知れませんので色々と怖い世界でもありますが,Victor純正のみを使う事で解決するでしょう。 多分。
この日の画像はVictorのバナナプラグです。
(3本中の中央は一度SPターミナルに挿した為,変形しています。)
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Posted at
2011/12/23 05:25:22