
先日まではVictor AX-V8000の機能の一部等を書いてみましたが,今回はその音質等について触れてみたいと思います。
ただ,一部制約がありまして地デジAAC(2ch)のデコードがほぼ出来ないのでその辺りは省きます。
なぜかAACの5.1chは認識しますが,これも放送によってどうなるか不明。
取り敢えず,Victorで不具合修正ファームが有る事は確認取れましたので,後々更新してもらいたいと思います。
さて,音質ですがまずはCDから… と書きたいのですが,AVアンプらしくCDよりもTV番組やBDソフトを観た感想を。
ソースはSONY PS3(3000)やSONY BDZ-AT700から光で入力しています。
PS3は88.2kHzで出力し,ビットマッピングはOFF(CCコンバータが有る為)。
SPはフロントにVictor S-3000とセンターとサラウンドにはVictor S-M5を使用し,リヤサラウンドにはVictor S-M3を使用。 サブウーファーはVictor SP-PW1000を使用。
ここもVictorのデッキで,といきたいのですがVictor製(ブランドは除く)のBDデッキは無いのでSONYとします。
まずはBSデジの東京JAZZ(2011)をPS3経由で再生してみました。
今まではTA-DA3200ESにHDMIで入力したり,PS3からBRAVIA 40X1にHDMIで入れBRAVIAからアナログ出力でVictor A-X1000に入力して聴いていたので,それとの比較になります。
第一印象は強烈なエネルギー感と低音の力強さと分解性。
ギターの音が前にどんどん出てきて,ドラムは炸裂。 AACでここまで低音や音が入っていたのかと言うレベルで,今までとは全く違ったアプローチで鳴ってきます。
ただ,PS3から光で送り出すとなぜかLPCMになるのでAACデコードはPS3任せです。
(5.1chはAACで出力されます。)
CCコンバータはON/OFFしてみましたが,EX-A10のように声質が大きく変わってしまったりする事もなく,かなり元に忠実な効き方をしてくれています。
なので,ソースによってはCCコンバータの効きがあまり感じられない事もありました。
東京JAZZだけで言いますと,今まではAACの鈍った低音と圧縮音源独特のイヤな音が付いていたのですが,それが一気に無くなったかのようでまるでLPCMです。
こうなると,普通はエネルギーが減るか低音が出なくなるのですが,このアンプはまるで逆でエネルギーの塊のような鳴り方で非常に激しい鳴り方になりますが,繊細なところは繊細に鳴るのでミキサーさんの意図が分かるようなチューニングのようも思います。
この激しさと力強さは同社のAX-S313と共通した部分がありますが,AX-S313は少し粗すぎたようです。 粗いと言うと何か違いますが,AX-S313はアナログで入力された音をエネルギーを減らさずにそのままどんどん増幅していると言った印象なのに対し,AX-V8000は入力された信号の埋もれた部分をも探しだして忠実に増幅していると言う印象です。
「題名の無い音楽会」の5.1chを再生してみると,SONY TA-DA3200ESでは繊細でSPがどこにあるのか分からないようで部屋全体に広がる雰囲気の良い音だったのに対し,AX-V8000ではまるでミキサーの音を聴いているかのような音です。
管楽器の音はしっかりとエネルギーを持って再生され,弦楽器も生き生きとしています。
ある意味ではSONYと正反対の音です。
しかしマルチチャンネルでエネルギーが出だす場合はSPの繋がりが悪くなりがちで,サラウンド用のSPを外したくなるものですが,これはそう言った意味では別次元です。
この事はもう少し後に書きたいと思います。
次に,「スパイダーマン3」のBDをPS3で再生。 音声は日本語にしていたので,5.1ch/ドルビーTrueHDになります。
これも以前はSONY TA-DA3200ESとPS3をHDMIで接続して観ていたのですが,その時には不満も残りました。 センターSPとサブウーファーが鬱陶しく思えたのです…
これも価格帯が違うのと,使用しているSPやサブウーファーがVictor製と言う事を考慮すると比較するのは酷かもしれません。
まず印象的であったはセンターSPの鳴り方の自然さ。
今までのサラウンドアンプではセリフが出るソースの場合はセンターSPだけが浮いたような鳴り方をし,センターSPを色々と変更するも大きな改善は見られませんでした。
そこでDA3200ESではマイクを使った音場補正である程度まで鳴るようになるものだと思っていたのですが,やはりセンターを付けるとこんなものかと思っていました。
しかしAX-V8000では最初センターの設定を忘れたか繋ぎ忘れたのかと思うほど自然な鳴り方をしてくれました。 センターSPはVictor S-M5なので全く期待していなかっただけにこれは尚更衝撃的でした。
そこでセンターSPを外してみると,センターSPの偉大さがよく分かり殆どはセンターに音を引っ張ってもらうような鳴り方になっている事に気付きました。
それでもこのAX-V8000はまるで2chで鳴らしているかのような鳴り方をしてくれるので,殆どサラウンドを意識する事がありません。 (それほど繋がりが良い)
TA-DA3200ESもほぼサラウンドを意識する事は無いと言えましたが,センターとサブウーファーだけはどうしても引っかかっていたのと,全体でエネルギー不足でした。
SPセッティングがほぼ適当でサラウンド用SPは柱に掛けているだけで向きなど全く変更出来ないような条件でも,取扱説明書通りにサウンドレベルメータで全CH 75dbになるよう調整し,各SPからの距離を測って設定するだけでこれほどまでに自然なサラウンドが出来るとは全くもって思いもよりませんでした。
DA3200ESの場合はマイク測定があってこそ鳴っているものだと思っていただけにこれも衝撃的。
実はAX-V8000はこのマイク測定が無い事も購入を迷っていた理由でした。
サラウンドはマイク測定が命だと思っていたのです。
先にも書いたようにサブウーファーも今までは悩みの種でした。
5.1chソースを再生しても,どうしてもサブウーファーの存在が気になっていたのです。
サブウーファーも設定を色々と変えてみましたが,特にスモール設定のサラウンド リヤと繋がってくれないので後ろや横からの低音など皆無状態でした。
しかもTA-DA3200ESではラージ設定のフロントSPの分までもサブウーファーに回すので,小さいサブウーファーではすぐに入力オーバとなってしまい,低音はゴチャゴチャ。
おまけに2ch再生時にもサブウーファーが切れないので,いちいち設定でサブウーファーをOFFにする必要がありました。
Victor AX-V8000の場合,サブウーファーに回す分はスモール設定のSP分と5.1chや7.1chのLFEだけになるようなので,今回のように小さいサブウーファーでも十分でした。
しかも2ch時はフロントSPをラージ設定しておく事でサブウーファーは使わない事になります。
これは非常にありがたい。 SONYも各chの低域をサブウーファーに回し,サラウンドSPに無理させないと言う考えは分からなくも無いですが,ちょっとサブウーファーに無理させすぎな気がします。
素直に低域の出るサラウンドスピーカシステムにすれば良いのでしょうが,狭い部屋でそれはさすがに厳しいです。
と言うよりかは,低域の出し方がSONYとVictorでは全く違うようにも感じました。
これは文章では説明しにくいので省きます。 VictorはVictorらしい低域とだけ…
スパイダーマン3では,ビルにクレーンの吊り下げていたH鋼が当るシーンやクレーンのアームがビルを破壊する辺りの効果音がリアルでいて力強く,低域にも迫力が出ました。
終盤では単管を打ち鳴らすシーンがありますが,その単管を打つ音や響きのリアルさもなかなかのものです。
これほどまでに迫力のある音が出るのでしたら,もっと大型のサブウーファーが欲しくなりますね。
今でも畳を揺する位の低域は再現できていますが,もっと低域にエネルギーを持たせてもいいように思ったのは初めてです。
又々長くなったので,この辺で。
次回はハンディカムで撮った5.1ch映像の試聴感想等を書きたいと思います。
その前にまた違ったAMPが…
この日の画像はAX-V8000に誇らしげに貼りつけられた〈K2 TECHNOLOGY〉バッジです。