
久しぶりの ブログ 更新となりますので,今までの分を一気に行ってみます。
今回の栽培では,元々は露地抑制と ハウス 土耕抑制栽培とする予定でしたが,苗を発注してから急遽全て ハウス ロックウール 水耕での抑制栽培に方向転換した為に,準備と定植が完全同時進行となってしまいました。
ですので,ハウス 半分 (2 畝) に 950 本の定植をする計算で進めています。
輝世紀 200 本 ・ PS-2 750 本 台木 : 昇竜 アース 苗
ここからは画像 メイン でその様子を記録していきます。

まず,09 月 01 日に 久留米原種育成会 の 輝世紀 + 昇竜 の苗が届きました。 今回は アース 苗 + ウイルス ガード 苗 ZY を選択しています。 (ベルグアース)


これを,グロダン デルタ ブロック に鉢上げするのですが,最初に注文した デルタ ブロック の穴 サイズ が 27 × 40 でしたので,40 × 45 に拡大作業をしています。 (次からは 40 × 45 穴を注文)


活着までの間に ハウス の整地を行います。
トラクター で全面耕耘後,トラクター の自重で締め込み,その後に振動 プレート で平らに締めました。

次に,畦波 シート を列の分だけ敷き,その上に グロダン EXPERT 2075B1Wx4 を置いていきます。
この時点では防草 シート を敷く予定では無かったので,裸地ですが後に防草 シート を敷いています。

潅水は,Plastro 製の ドリッパ を使用し,4 分岐で 1 スラブ 1 ドリッパ とし,スラブ 2 列配置の列には 1 ライン としました。

誘引紐は,ハウス 天骨から バインダー 紐 (麻紐) を垂らしています。 (三菱農機純正品)
一作前には杖式で全転倒させているので,今回は用心しています。
1 列に 104 本の紐を垂らすのですが,2 列 1 セット 列は倍の 208 本を垂らしています。

給液 ポンプ は,ハツタ YS-680DX としました。 やはり,プランジャー ポンプ でないと。
ドリッパ の開弁圧力は,約 0,9 kg/cm ですので加圧をせずに動噴を約 900 rpm で回しています。
これで,1,0 ~ 2,0 kg/cm 設定可能です。
ドリッパ は,スーパーティブ NDH 11.0 L/H を使用していますので,950 本で 237.5 個使用するとして必要水量は 43 L/min となります。
ハツタ YS-680DX は,900 rpm で 52 L/min となります。
タンク は ダイライト YX-500L としていますが,仮運用です。
液肥用ではないので,後に遮光の為に セキスイ の シルバー + 黒の ツイン マルチ を 2 重に巻いています。

液肥の処方は,当初 ニュートリバント・ドリップ 2 号+ 硝酸石灰 2.5 水塩 を 2 : 1 で使用していましたが,突然に原因不明の カルシウム 不足が出た為,急遽 ニュートリバント・ドリップ 2 号 ベース の 山崎処方 (リン 強化型) に切り替えました。 (単肥調整)
後に,この時に何故かつる割れ病が入ったのが カルシウム 不足症の原因であったように思えます。 {ロックウール ブロック で根本茎 (穂木部) が萎縮する症状がほぼ全てに同時発生し,後に一部の茎が割れてきた}
(ドリップ 2 号 500 倍 : 硝酸石灰 2.5 水塩 250 倍 / 2 : 1 時の me 値 NO3-N : 12.3 NH4-N : 1 P205 : 3.8 K2O : 7.2 Ca : 4.8 MgO : 1.5 EC 3.7 PH 6.1)

山崎処方 で,収穫初期までは絶好調で側枝も凄く勢い良く推移し,本格収穫開始頃に液肥を濃厚液 A/B を先に作っておく仕様に変更し,1 週間経たない間に ホウ 素欠乏症に始まり,多々障害が発生。 一気に側枝が動かなくなり,孫蔓が出なくなってしまう。
それまでは,樹の様子を見ながら毎日液肥を直に合わしていたのですが,ある程度決まったので A/B 液の濃厚液を作って作業時間の短縮を図ったのですが,それが裏目に出てしまいました。
しかも,廃液の EC が 5.5 と異常上昇しています。 (給液は EC 2.5 PH 5.6 ~ 6.1)
この時の廃液 PH は 5.9 でしたので,スラブ 内 PH は問題無さそうでした。
しかし,この濃厚液を作っただけでなぜここまで障害を出す事になってしまったのか。
各成分の溶解濃度は守っていますし,混合で沈殿してしまう組み合わせはしていません。
一つ怠っていたのは,遮光です。
サンコー 樽に濃厚液を合し,蓋無しで 1 週間弱分作り置きしたのですが,今から考えるとこれで 2 ~ 3 日目位から異常が出ていました。
液肥の混合率と,PH ・ EC は毎回合していた時と同じですので,遮光以外に考えられません。
しかも,しばらくは ハウス の施設作業で液肥にかまっている間が無く,2 週間程この方法で給液してしまい… 気づいた時には遅かったようです。
A/B 濃厚液が原因と分かり,慌てて以前通りの毎回調整に変更したのですが,すぐに回復する気配が無かったので,急遽 大塚 A 処方 (きゅうり) に変更。 (大塚 ハウス 1 ・ 2 号使用 EC 2.4)
大塚 A 処方で スラブ 内の液肥が入れ替わるまで 3 日程多量の潅水をし,廃液 EC が 2.5 程になり回復の見通しが経ったので,しばらくしてから初期の ニュートリバント・ドリップ 2 号+ 硝酸石灰 2.5 水塩 を 2 : 1 に戻してみました。
今回は,ニュートリバント・ドリップ 2 号での処方でも目立った障害の発生や進行は無く,大塚 A 処方よりも樹が力強くなっている印象です。
ただ,EC は樹の様子をみて徐々に上げています。 なぜか,EC を 2.0 にすると樹の色が一気に引いてしまい,あらゆる障害が再発するので EC 3.0 以上の管理し強いられています。
現在は,ドリップ 2 号 : 硝酸石灰 を 5 : 4 まで引き上げていますので,EC 4.5 の管理としています。 (10 月 15 日現在)
葉面散布で カバー している面もあるのですが,現在は ニュートリバント・プラス・キューカビット の効果もほぼ確認できない状態なので,単肥の葉面散布で様子を見ています。
硝酸 マグネシウム 1 % 液を葉面散布した際には,果実の艶がかなり良くなりましたので,マグネシウム 不足もありそうですし,カリ 不足症状も出ていますので,この辺を重点的にに見ていく予定です。
地下水位が異常に高い圃場ですので,低気圧が近づくと防草 シート の上まで水浸しになってしまい,多湿と肥料不足で褐斑病から軽いべと病まで出てしまう始末で,弱った樹に薬害覚悟で ストロビー と カンタス を散布しました。
一番困っているのは,モザイク 病に似た症状の株が増えている事で,発生源である アザミウマ 類や アブラムシ 類や コナジラミ 類の発生が見られない中,これは何なのか…
実の症状が モザイク 病と異なり,凸凹 は全く無いのですが,色が非常に浅く,斑になるといったもので,果実は触ると冷たいのが特徴です。
これは,露地栽培時から常に出ているのですが,検索しても同じ症状の病害が見つからないので何なのか不明。
ただ,その実には ハダニ 類が非常に多く見られるので,ハダニ 害だと思っています。 (かなり小さい部類)
ハダニ 害とすると,新葉が モザイク 病に似た症状になるのも頷けます。
一応,アーデント を散布してみたのですが,ピラニカEW も試してみる予定。
いつもは栽培後半に チラホラ 出るだけだったので,無視していたのですが今回は最初から結構出ているので対処が必須となっています。
現在は,孫蔓の発生を促す管理の為,花は後回しに樹の回復に重点を置いているので収量はかなり落ちています。
夜温が 15 ℃ 切る日が 2 日程有ったので,無加温 ハウス としては辛いところ… 隣の棟は 2 重 カーテン と サイド 2 重がありますが,こちらは全て撤去してあるので防寒対策は各部補修のみです。


その防寒対策の一貫として,ハウス の裾張りを張り替えました。
建ててから恐らく 3 回目の張り替えになると思います。 (以前の物は メーカ 不明)
今回は 三菱樹脂 アグリドリーム の [スソピー] としました。 ハウス フィルム と言えば 三菱 でしょう。 屋根は シクスライト クリーン ムテキ L ですし,サイド も 三菱 の物を使っています。
取引の有る資材屋さんではなぜか評判悪かったですが… 耐久性が無いとか言ってましたが,家では実績ありますし,他所のが持たないのですがね。
スリーダイヤ 入の フィルム です。


裾張り張替え中に,サイド の巻き上げ パイプ が腐って折れると言う アクシデント 発生の為,サイド くるくる 共に新品に交換としました。
今回は くるくる 100 です。 以前の くるくる は壊れていなかったのですが,巻き上げ パイプ との繋ぎ部分が腐っていて外れなかったので同時交換としました。 (JA 購入)
この くるくる,平成元年から使用しているので 25 年選手ですが問題無く機能していました。


パイプ も被覆 パイプ で同年数使用していました。 サイド フィルム もまだ 2 回目の交換です。
次回は,再び動噴の話題にしたいと思います。
この日の画像は,絶好調からしばらくしてからの ハウス きゅうり の様子です。