
本年も残すところ僅かとなりました。
そんな中,恒例の故障 ラッシュ も無く オーディオ の セッティング から電源の見直し等,大幅な変更をしたので書き留めておきます。
タイトル 少しが大げさですが,今回の変更では タイトル に恥じない程,音に相当な変化がありました。
そこで,まずはお詫びを…
ウッドコーン が鳴らないだの (今回はEXA10等は除く),やしきたかじん の 「その時の空」 が全く鳴らない録音だの書いていましたが撤回します。 (ウッドコーン については,SX-WD5 と SP-EXAR3 のみ試聴。)
まず,今回の オーディオ 周り変更に至るきっかけとなったのが,Victor POWER NOISE FILTER AA-NF15 と言う電源機器を導入した為です。
要は電源 ノイズ を無くす為の物で,恐らく Victor AX-1100 時代の物と思われます。
現在では,TASCAM AV-P SERIES が AA-NF15 と非常に似た仕様で,電源極性 チェック 機能付きです。
この AA-NF15 を電源に入れた状態で音出ししたところ,今まで気になっていた部分が一気に解消されたではありませんか。
主に中・低域の スピード 感が増し,低域の解像度が上がったのです。
過去に常時 インバータ UPS 電源を使用していましたが,その時でも取りきれなかった癖が取れたと言う事は,何かあるのでは?と言う事から電源を見直す事から始めました。
まず,AA-NF15 の中身ですが チョーク コイル は UPS でも多く通っておりその効果も確認済みです。 と言うか,UPS の音などこの チョーク コイル の種類と数で決まっているようなものでした。
今回の AA-NF15 も チョーク コイル は入っていますが,加えて サージ フィルター が付いていました。
と言う事は,サージ フィルター が効いていると言う事なので,早速降圧 トランス 2 次側に 富士電機 アレスター CN23211 を入れてみました。
これは,落雷時の ノイズ から インバータ 等を守る為のものですので,今回の目的とは異なりますし,差動電圧も 240 V と一見効果は無さそうですが,物は試しです。
アース 棒も静電噴口で実績のある太く 1 m 程有る物を使用し,8 sq の アース ケーブル で アレスター と接続。 (後に 14 sq の ケーブル に交換) アース 棒の取り出しは 22 sq です。
効果の期待はあまりしていなかったのですが,これが驚く程の結果をもたらしてくれました。
この時の モニター SP は SX-L33 → S-M3 → S-M5 と試していました。
中でも,過去に マトモ に鳴ったことがないと言っても過言ではない S-M5 がかなり意外な一面を見せてくれまして,今までどの SP でも聴いたことのない程 クリア で高解像度で,それでいて凄い馬力と音場を両立した音を出してきたのです。
特に ライヴ 版 LP でその実力を発揮するようで,今までいくら頑張っても絶対に詰まっていて聴けなかった (曇っていた?) 河合奈保子 の ライヴ 盤がまるっきり嘘のように鳴るのです。
まるで最高の ハイレゾ 音源にしたかのように。
それも,過去に一度も鳴らなかった ビクター X-1ⅡE の針で。
その解像度と スピード 感と言ったら衝撃的と言う言葉がふさわしいです。
過去にあった低域が出たとか,抜けが良いとか,情報量がどうのなんて言うのが馬鹿らしく思える程の差と,過去に何度も何度も試しては鳴らせなかった S-M5 から出たその音で全て リセット 状態です。
本気で今まで何を聴いていたんだ? と言う位の差が出ています。
この辺りでちょっと注意しておきたいのが,ここ数ヶ月間気温に関係なく オーディオ の音がどの部屋でも良くなっている傾向があったのです。
和歌山県内の発電所が フル 稼働との情報が入った辺りからの変化なので,大元の電源によるものもかなり大きいと思われますが,今回はそれを加味しても変化は大きいと捉えています。
(おまけに同じ地域内に大きな木材加工工場があり,夜中もほぼ フル 稼働と言う状態なので自宅の電源事情はあまり良くない可能性があります。)
他にも細々とした事が有るのですが,非常に長くなるので省きます。
S-M5 で LP が鳴っただけならまだしも,CD まで全く同じ傾向で鳴られてしまったのですからたまったものではありません。 TV までも普通に聴けてしまいます。 (それ位鳴らなかったのです。)
本当にどこから音出ているのか疑問に思えてなりませんでした。
こんな手強い SP が鳴ったのだから,ウッドコーン も鳴るのでは? と言う疑問から,今回の ブログ タイトル の内容に入ります。
SX-WD5 ,これも以前から随分と色々やってもその音が変わる事が無く,外で鳴らしたり,ハウス に AX-V8000 と共に持って行って鳴らしたり,部屋を変えたりしたのですがその基本は頑なに変化せず,これはこの SP の癖なのだと半ば思い込んでいました。
SX-WD5 がどう鳴らないかと言うと,まずは低域がもたつくと言うか,解像度がまるで無くぼわぼわと常に同じ音が付き纏い,バスレフ ポート の音も気になって仕方ない状態です。
硬い音など微塵も出ず,ドラム などは全く鳴りませんでした。
それに加え,広域も トゥイータ が鳴っていないのでは?と言う程出ない事も多々有り,出てもこれが限界?と言う位寂しい状態でした。
このような報告は,他所でも見受けられますが,中には音が硬すぎると言う意見や,低域が出ないと言うものまで有り,よほど鳴らす環境に左右される SP なのだ。位には思っていました。
しかし,S-M5 が鳴った今となっては話は変わります。
これならきっと SX-WD5 も鳴るはず!と 鳴らしてみたところ… 確かに全体の バランス は過去最高ではありますが,低域の癖は以前と同じ。 全体の馬力も感じられない良く言えば優しい音。
しかし,ビクター の SP で有る以上こんな ハズ は絶対に無い! と今回の件で確信し,SX-WD5 との戦いが再び始まります。
大体,S-M5 では 河合奈保子 の ライヴ LP が バッチリ 鳴るのに,S-3000 ではこの時点でも低音がもこもこになって高域も全く出なかったのです。 そんな事あるはずがありません。
つまり,S-3000 も鳴らせていないのです。 なら,SX-WD5 も鳴らせていないだけなのです。
結局,この低域問題は呆気無く解決してしまうのです…
なんと,降圧 トランス の台がほぼ全ての原因でした。
それまで,古い木製の TV 台に置いていたのですが,これと トランス 自体の共振音が出ていたようです。
対策として,一つ 90 kg 程ある U 字溝を ベース として立てて置き,その上に 12 cm コンクリートブロック を橋渡しとし,その上に ホームセンター で一番安い コンクリート ブロック の破片のような物を 4 角に配置。
ここに トランス を置く事で,低・中域が素晴らしく改善されました。
色々省略して書いていますが,この配置が決まるまで結構大変でした。
仕上げに,トランス ケース と トランス 自体の間に フェルト を挟み,トランス 自体から φ 14 で アレスター に アース を取る事で中域と音場の大幅改善となりました。
トランス ケース 自体からも,別に アレスター に アース を取る事で,更に中域を落ち着かせる事ができます。
AA-NF15 からの アース も共通にしています。
(アレスター は一点 アース が原則。 アース 面の塗装は丁寧に剥がす。)
とにかく,振動による共振音が モロ に SX-WD5 の音を濁しているようです。
と言うか,物凄く電源変化に敏感です。 トランス を置いている台の配置を変えるだけで,癖が コロコロ 変わるので ベスト を探すのに苦労しました。
最後に,部屋の都合上 SX-WD5 は S-3000 の上に置かざるを得ないので,その共振音が又厄介になってきました。
最初は,コンクリート ブロック の破片と フェルト で何とか抑えていたのですが,電源事情が良くなるに連れてそれでは耐えられなくなってきたのです。
そこで,S-3000 を置いている台の変更です。
今までは,S-3000 を農業用 コンテナ の上に木を クロス させたものの上置いていたのですが,どうもそれでは耐えられなくなってきたようです。
一応,この辺りは過去に色々試した結果,コンテナ が一番 クセ が無く低域の減少も見られなかったのですが,今となっては コンテナ が鳴いてしまっているようです。
そこで,過去にも試していた コンクリート ブロック を積む方法に変更しようと思ったのですが,過去に失敗しているのと,何かで ビクター の方が コンクリート ブロック の積み方は難しく,その習得にはかなり時間がかかったと書かれていたのを思い出し,少し調べていると JVC の マスタリング エンジニア である 小鐵 徹 さんの マスタリング ルーム にある JBL 4331A を乗せている台がまさに コンクリート ブロック ではありませんか。
これを見ると,標準的な 12 cm ブロック を積み上げているのではない事が分かり,異種の コンクリート ブロック を重ねる事が必要なようです。
画像だけでは,コンクリートブロック の種類が判断しにくいのですが,ベース に 19 cm ヨコスミ を使っているように見えるのですが,側面も平らなので違うかもしれません。
その ベース の上に基本型の 12 cm 位の コンクリート ブロック を積んでいるのが分かり,これに似せた積み方を試して見ることとしました。
そこで,今回用意したのが 15 cm ヨコスミ と 10 cm キホン と 6 cm キホン その他です。
最初は元の高さである,36 cm にしようと,ベース 15 cm ヨコスミ に 6 cm キホン を積んだのですが,S-3000 を乗せて音出ししたところ,中域が共振してしまい,妙な音になってしまったので,ベース のみにして置いたところ,箱鳴きが酷くなってしまい…
ベース の上に 10 cm キホン を置き,そこに S-3000 を置いたところ バランス が取れました。
まだ少し中域に癖が出る感じがあるので,12 cm の方が良いかもしれません。
何れにしても,ブロック は奥が深そうです。 一からこの積み方を見出すのはちょっとしんどいです。
実際には,床の材質と SP によって最適な ブロック の積み方を見つけなければならないでしょう。
この上に SX-WD5 を置く前に,S-3000 で ターンテーブル が ハウリング しないかを確認します。
QL-V1 で,畳直置きですと AMP の レベル を上げると当たり前のように ハウリング が起きます。
次に,6 cm キホン コンクリート ブロック を 2 枚置き,ターンテーブル を乗せます。
AX-V5500 と QL-V1 と X-1ⅡE で 「LIVE・ 河合奈保子」 が 0 db 位まで何とか持ちこたえていますが,少し ハウ っています。
次は省略して,6 cm キホン の上に ブロック 破片を 4 個置き,その上に ターンテーブル を置きます。
左右 SP のちょうど間位ですと,+ 8 db も全く ハウ らなくなりました。
ブロック を重ね合わせる事によって,共振点が変化しているせいでしょう。
そして,色々試した結果としてこの積み方が最も低域に エネルギー を持ったまま解像度が上がり,高域も伸びる事が分かったのです。
これを先に書いた トランス の台にも適用し,同じ効果を得ています。
BD レコ にもこの台を適用したところ,今まで低域の解像度など無いに等しかったのが,一気に高解像度で元気な音になり,圧縮音源にしては高域も伸びるようになりましたので,結構効果的なようです。
CDP は,都合 6 cm キホン のみを下に敷きましたが,畳直置きに比べるとまだ残っていた低域の癖が取れ,非常に元気で解像度の高い音となりました。
メタルラック の上でも同じ積み方を試したところ,畳の上とほぼ同じ効果が得られたので,下地にあまり関係なく効果がでそうです。
さて,SX-WD5 ですが S-3000 の上に戻り,色々試した結果,S-3000 の上で横置き (T.W 内向き) すると定位が良く,高域も飛んでくるようになることが判明。
今までは絶対横置きしては ダメ だったのですが,土台がしっかりすると変わるものですね。
S-3000 との間には何も入れない方が良かったです。
肝心の,SX-WD5 に付き纏っていた低域の癖ですが,嘘のように消えています。
それどころか,ドラム の アタック 音や シンバル の音,バスドラ の音も団子にならずに出てくるんです。
バスレフ ポート の音なんて全く気になりません。
あれだけ出なかった高域ですが,こちらも嘘のように キツイ 音までも出てきます。
まさか,ウッドコーン で LIVE 物を全開で気持よく聴けるとは夢にも思っていませんでした。
LIVE はやっぱり ハード で繊細で音場感が出ないと面白く無いですからね。
ギター も弦の音だけではなく,胴の響きも表現されますし,弾いいた時の硬い音も出ます。
と言うか,そんな次元ではないです。 とにかく,心地良い音です。
ウッドコーン の何が良いか?
今までは正直全く分かりませんでした。
紙の音がしない。 金属の音もしない。 理屈ではそれくらい…
でもそれなら,わざわざ作る必要も無い気がします。
これは言葉に出来ない何か,ノリ の良い音楽を奏でてくれるんですね。
独特の音場感と言うと語弊がありますし… でも音場は気づかない レベル で広がっています。
いかにも音場が広い! いかにも音が良い! これでもか! と言った音でなく,かと言って漂うようなおとなしいゆったりとした音でもなく,その中間です。
比べて,S-M5 はこれでもか! と言う音と,高級感有る音場感とが同時に出る変な SP です。
とにかく,やたら音場が広いのに音は向かってきますし,刺さってきます。
すごく面白く,泣きたくなるほど良く鳴ります。
低音も想像以上に出ます。 自分で走り回る位鳴ります。
でも,ウッドコーン に比べると何かが足りません。
今回の セッティング 中,これが ウッドコーン の音なのかな?と思うような音が出ていた事もありました。
それは,中域が厚く濃厚で独特な音でした。 非常に気持よく聴ける音ではありましたが,それはどこかに存在した共振の音だったようです。
この SX-WD5 は,追い詰めれば追い詰める程に癖が無くなっていきます。
逆に物凄く鳴らしにくいです。 多分,今まで経験した中で一番鳴らしにくいです。
でも鳴った時は清々しいです。 良い意味で気持ち良いです。
もし,SX-WD5 に変な癖が出ているようでしたら,それはどこかしらの環境が原因です。
今回の試聴環境は…
AMP : Victor AX-V5500
CDP1 : Victor XL-V501 (電源改造)
CDP2 : Victor XL-R2010
DVDP : Victor XV-A77
BDレコ : SONY BDR-AT700 (改)
ターンテーブル : Victor QL-V1
SP ケーブル : SX-L33 付属品
バナナプラグ : JVC AP-SC100
降圧トランス : トヨデン 3KVA オートトランス
最後に…
冒頭にも書きましたが,以前から散々鳴らないと言っていた たかじん の [その時の空] と xrcd24 版 [ジェントル・ソウツ] ですが,今回の見直しで全く鳴らせていなかった事が分かりました。
特に鳴らなかった [その時の空] は,SX-WD5 で常に聴きながら セッティング していましたが非常に豪快な録音です。
かなりかっこ良く勢い良く作ってあるのですが,ちょっと凄すぎて今まで鳴らせませんでした。
ヘッドホン でも,店頭のどの機器でも家と同じ音だったので完全に諦めていましたが,全くの見当違いでした。
約 100 人の子供 コーラス は音像は上方に部屋一杯に広がり,たかじん の声はど真ん中に定位となります。
曲の始まりは,自然 エコー がしっかりと出ており,少しすると エコー が少し抑えられます。
低域が物凄く篭りがちでしたが,バスドラ の音で勢い付けていると判明しました。
決して低域の解像度の低い低 レベル な録音ではありません。
音場は壮大で,xrcd24 に近いものがあります。
この CD が鳴らない事には始まらないと言う事を実感させられました。
続いて,xrcd24 版 [ジェントル・ソウツ] ですが,これは S-3000 での感想です。
非常に馬力のある マスタリング で,元よりもかなり勢い付けているようです。
ドラム の音は SP が壊れるのかと思う程で,アタック 音など カチカチ です。
全開で鳴らしている時に S-3000 の前に行くと耳が壊れるかと思いました。
こんな思いしたのは初めてです。 耳元で ドラム 叩かれたかのよう…
とにかく,音に攻撃されているかのように豪快な音作りでした。
けっして,カチカチ だけの音ではありませんし,ピーキー でもありません。
ただただ豪快です。 これは SX-WD5 ではちょっと無理。
やっぱり JBL D130 などの 38 cm で聴かないと!と思わせてくれました。
これも今までは ヤワヤワ しくて,抜けなど無くて…
miwa 武道館 LIVE BD も,一度見て鳴らなかったので封印していましたが,今回 SX-WD5 で見違えるように鳴っています。
アニサマ も,ドラム の音が出ていないように聴こえていましたが,しっかりと ライヴ してました。
声もしっかり録れています。 これもなかなか手強かったんです。
この日現在で分かっている事は以上です。
これからまだまだ進展があると思います。
むしろ,これは初まりです。
平成 26 年 1 月 1 日 一部機種名等を訂正。
(SX-M3 → S-M3 ・ SX-M5 → S-M5)
平成 26 年 1 月 12 日
降圧 トランス を センター の 1KVA 複巻に変更。
降圧 トランス 1 次 / 2 次側電源 ノイズ フィルタ 等,産業用部品で構成見直し。
アース の取り回し全見直し。 ビクター 製以外の ノイズ フィルター への アース 撤去。
デジタル 機器 / アナログ 機器用に降圧 トランス を分ける。
平成 26 年 1 月 13 日
アレスタ 含む アース を全て外す。
ノーマルノイズ 除去目的で,X コンデンサ を降圧 トランス 1 次側と 2 次側 コンセント 部に入れる。