
今日まで,日立 ビートウォッシュ MAW-D7UP を修理しながら丸12年,本年で13年目の使用を続けてきましたが,給水弁のエラーが頻発し,だましだまし給水弁の内部部品を交換や組み換えを行いながら使用してきましたが,たまたま中古(新古)で出物の洗濯機が見つかったため,急遽買い替えの運びとなりました。
今回購入したのは,PANASONIC NA-FW10K1 と言う,洗濯乾燥機の10kgモデルとなります。 前回も前々回も7kgモデルであったのですが,どうしても入り切らない事が多く,特にビートウォッシュは高さが無いので入らない気がすると言われていました。
そこで,10kgか12kgかとは思っていた際に,ハードオフに立ち寄ったら眼の前にパナの10kg洗いが2台置いてあり,いつも通り適当に見ていると結構綺麗だし,付属品は完備だし,何かおかしいなと思いよくよく点検すると,2台とも水を通した形跡が無い事が判明。 どうやら,どこかの展示品の引き上げ品なようです。(もう一台は乾燥無しで一昨年前のモデル)
その時はそのまま帰宅し,翌日に母に話すと見に行きたいし,良いなら欲しいと言う事でもう一度見に行くと言うか,買いに行く事になり,そのまま店舗でキャラバンを借りて家まで持ち帰りました。
価格的にも中古の価格であった事と,送料も要らずに一応保証も3ヶ月付きで未使用品を購入できたのはラッキーでした。
このモデルは,2022年06月発売モデルでしたから,2~3年前モデルにはなるものの,次のモデルでもほぼ何も変わっていなかった事や,現行では縦型に乾燥付きモデルがラインナップから消えている事からも,これで全く問題ないでしょう。
何よりも,もぅ残された選択肢はパナ機しか無かったのですから。
日立機の修理を断念した理由は,メイン基板の供給が数年前に止まっている事,給水弁が1万円弱もする事,よく壊れるファンが3万程した事なども勿論あるのですが,何よりも使い勝手が悪く,最悪なのは三菱で経験した事のなかった夏のカビ臭で,夏季は2回程次亜塩素酸カリウムを投入して槽洗浄していました。
そして,これを続けるとギアユニットのシールが傷んでしまい,モータアッセン交換となる運びです。
うちでは定番でしたが,乾燥機能がエラーで使用できなくなっており,直さなくて良いとのことでそのまま放置していましたが,サーミスタの交換も結構手間そうでした。 この乾燥も厄介者で,アイロンでも伸びない程のシワになると大不評でしたので,修理しなくなったのです。
整備している側としても,ハーネスやホースの取り回しが非常にややこしく,ハーネスコネクタも大量に一部の箇所に防音材と防湿シートでぐるぐる巻きにして縛り付けているので,何かしら裏側の修理の際はそこを全ハーネス解いてしまわないといけなかったり,給水弁を取る為に上蓋を上げないといけなかったり,とにかく整備性がひたすら悪い印象です。
この事からも,日立は選択肢から外す事に決めていました。 操作性や日常メンテ性は多少改善しているようですが悪い点を補えるような点は見られなかったです。
今回の機種も不満は出るでしょうが,それでも良いと思える点があれば良いのですが,どうだろうと思いながらも,ほぼ下調べ無く決めたので,実際に使って,整備しながら様子を見ていきたいと思います。
では早速整備性がどんな物かと,部品の構成等をざっくり点検としました。
※背面パネル自体は排水ホースの向きを変える為に開ける事になっています。
パネルを開けるとすぐにメイン基盤が見える親切設計。
三菱は前面だったので,こちらの方がちょっと面倒ではありますが,固定方法からするとこちらが有利とも。
洗濯機の底面に貼り付けてファン冷却していた日立よりかは遥かに良心的。
肝心の底部部品へのハーネス取り回しも見てみたのですが,最近のパナ機はメンテンス性が良くなっているようで,途中に変なコネクタ等は無く,自動車ハーネスのような考え方で配線されているのが印象的でした。
ハーネス固定も針金で縛っただけや,テープで巻いただけのようなものではなく,本体とハーネス両方に養生し,そこに結束バンドを巻くという仕様でした。
ずっとみていくと,基盤のコンデンサは全てニッケミとはいかず,台湾ブランドのコンデンサが散らばるも,電源部はニッケミ KMQ 105℃仕様となっていたり,2個のリレーはオムロン,他の2個は中国ブランドSANYOUのリレーが使用されていました。 基盤素材はガラエポ基盤と思われます。
ハーネスはSWCC・SHOWAの物がつかわれており,電源ケーブルは富士電線の2mmと,拘りを感じます。 2022年以降で国産の電源ケーブルを採用していたのはパナ機だけであったと記憶があります。
電源ケーブルをケチると言うことは,あちこちにコストダウンが広がっていると取れるので,最近では最重要視するようにしています。 事実,家電各社はできる限り細い線に変更したり,ノーブランド品であったりと結構色々見かけます。
この機種の電源部で,EMIフィルタが入っている事に驚いたのですが,Wi-Fiを内蔵している為に自己ノイズ防止なのか,そもそもインバータは一次電源にEMIフィルタが必要であるのは常識なので入れているのかは不明ですが,三菱も日立でも見かけませんでした。(通常の基盤実装は除く)
他のハーネスにも,わざわざ面倒なトロイダルコアを巻いていたり,アースにもトロイダルコアをふんだんに使用していましたが,これは初めて見るタイプです。 製造工程でも面倒なトロイダルコアをよくこれだけ使ったなと関心します。
高級オーディオや,FA機器や業務用ではよく見かける対策ですが,通常家電ではここまでしないです。
コネクタも少し良い物を使用しているように思います。
洗濯機って,この辺の電機周りが超超適当な事が多く,安物コネクタをビニール袋に入れて,ハーネスごとビニールテープで縛り込んで湿度対策としてるのが通常で,中には白帽子の圧着で止めているので,修理に圧着ペンチが必要になったり,振動でコネクタが砕けたり,錆びたりと大変なのですが,この辺は綺麗に纏まっています。
日立も最初は綺麗に見えたののですが,嫌な所は全て角の奥に隠されていたのでがっかりしましたが,これはメインハーネスが全部見えた状態なのでこれが全てでしょう。
画像左横の黒いダクトは,乾燥用の戻り口で,水冷除湿型特有のものです。
ここ(ダクト横のホース)ら水を下に落としながら空気を吸うので,ゴミが上に来にくいといいのですが。
操作パネルに移ると,これはちょっと自由度が低いと感じました。
シンプルにする為か,設定幅が大雑把で,せっかくスマホアプリで接続できるのに,アプリ側でも同じ事しかできないのはかなり残念。
アプリで細かく設定を作って登録できれば尚良しです。
過去の機種では,蓋を開けた状態で操作パネルが操作できたようですが,最近の機種ではそれができなく改悪されています。
洗剤自動投入の為,自動計量からの水量を確認してから洗剤を入れる事が無いからだとは思いますが,粉洗剤派としては水量確認が出来ないのはどしたものかと。 取説を確認すると,やはり毎回蓋を閉めてからスタートを押し,自動計量が終わったら再び蓋を開ける事になるようです。
日立も三菱も蓋を開けたままに計量が開始されたので,この辺は早速かなり不便です。
アプリで操作できるのも良いのですが,遠隔ボタンを押すと蓋がロックされ,本体操作は出来なくなります。 サーバー経由の通信なので仕方ないのでしょうが,もうちょっとどうにかならないのかと思います。
細かい操作系は慣れなのでしょうが,簡単にしようとする余り,直感的に分かりにくい仕様が多い印象です。 操作していく順番が行ったり来たりする導線が,特にややこしくしています。
アプリでの操作はまぁまぁ良いので,やはり大型のタッチパネルでも付けてくれた方が分かりやすいのかもしれません。
デザイン的にも,トップ蓋までは綺麗に出来ているのに,中蓋は野暮ったい印象で手抜き感が漂っています。
自動投入の口が小さいのも難点。 全体が引き出てこないのは工夫なので良いのですが,位置的にちょっと端すぎるのと,何の入れ口なのかがかなり分かりにくいので,入れ間違いが考えられます。 色分けや大きさを変えるなど,現行は随分改善さたようですが,全体が引き出てくるようになってしまっているのは残念。
ただ,投入タンクが槽内にあるのは好印象。
外の奥に有るモデルも多いので,あれは入れに行くスペースや見えないと言う最大の問題点があり,もしこぼしたら大惨事です。 槽内ならば,見えない事は無いし,こぼしても槽内なので勝手に洗えてしまうので問題ないでしょう。
ただ,せっかくの自動投入なのに,最低レベルセンサが無いので,残量が無くとも警告が出せないのはちょっといただけない。 自動投入には是非欲しい機能と思うも,ドラム式には残量センサが有る様子。
アプリで洗濯の工程が通知で飛んでくるのは,遠隔関係なく同アカウントで同時ログインしている全てのスマホやタブレットに来るので,これはかなり便利。
通知の設定も細かく出来るのが良い一方で,本体の終了音を変更できないのは淋しい。 日立はメロディを変更できたのに,パナはバックブザーのような音を消すくらいしかできない。 この辺,パナらしくないなと感じました。
運転音はどっしりしているだけに静かなもので,洗濯時はほぼ分からないものの,ススギと脱水はそれなりに音がします。 特に脱水はもうちょっと静かでもいいかな。 乾燥はブロー音が結構強力に聞こえて頼もしい感じではあります。 実際乾燥は少量でのテストですが分厚い物でも均等にふわふわに乾いていました。 後はシワになりやすい系がどうなるか。
電気代も気になるので,電力メータで測ってみました。
少し前に日立機も無負荷で測っていたので,ほぼ同条件を作って測ってみました。 (水量:中 51L 洗い:11分 すすぎ:2回 脱水:12分以上)
結果:0.04kWh (手動設定実負荷時:0.07kWh)
同時に無負荷標準乾燥のみ30分を測定。
結果:0.61kWh
7kgから10kg洗いに変わった事による差を確認しておきたかったのですが,全く問題なさそうです。
とりあえず,再び10年以上動いてくれる事を願って終わりにします。