
先日届いたVictor AX-V8000ですが,なかなかおもしろいので数回に渡ってインプレを書いてみたいと思います。
まず,このAMPはスーパーA回路と言う情報も記事も無かったのでスーパーAでは無いものと思っていました。 カタログにも当時のHPにも書いていないので…
ところが,実物を見ているとどうもスーパーA回路らしきものが基板裏にぶら下がっています。
そこでよくよくカバー上から基板を見ていると,[ Ultra High Current DYNAMIC SUPER A ]との表記がありました。
SUPER Aとしては時代的にADVANCED SUPER Aかと思っていたのですが,一世代前のDYNAMIC SUPER A系のようです。
しかしなぜこの事をカタログ上でもHP上でも全く触れていないのか不思議。
AX-S313は同カタログでADVANCED SUPER Aを売りにしているので,SUPER A回路を謳う事をやめた訳でもなさそうですので余計に謎です。
そういえば,AX-V1-NもADVANCED SUPER A回路なのにその事は取扱説明書の特徴の片隅に書いてあるだけでしたので,何か不都合でもあるのでしょうか。
代わりに[ インディペンデント パワーサプライ ]を特徴にしています。
これは,パワー部の電源にLch部,Rch部,センターch部の3ブロックに分離してコンデンサとダイオードを配置した回路だそうです。
コンデンサは14個有る石の1個に1本のコンデンサを配置してありますので,14本立っています。 (このコンデンサはJVCブランドのニチコン製)
トランスはアナログオーディオ/デジタル/ビデオと独立していて,デジタルとビデオの電源はON/OFF可能。
トランスは全てEIコアでアナログオーディオ用はJVCブランドで[ HIGH CURRENT/LOW DISTORTION ]との表記あり。
石はサンケン製 2SA1494と2SC3858のペア。
これで各ch150Wのパワーを実現しているそうです。
肝心の音ですが,Victor S-3000に繋いだ最初は非常に鈍った音で張りも無く透明感などまるでない詰まった音でした。
それまでDEUSやVictor A-X1000を繋いでいたので,その影響かAMP自体のエージングかは分かりませんが,数時間後には随分と硬質な音に変化しました。
しかし今度はカチカチの音で,PAアンプのような音です。
さらにエージングを続けていくと,やっとVictorらしい音になってきましたが以前の使用環境が違う為か家で今まで繋いできたAMPと全く違う為かSPもAMPも随分エージングに時間がかかる部類です。
最初のソースはVictor XV-A77と言うAX-V8000がラインナップされていた当時の最高機種であるDVDプレーヤーと光で接続し鳴らしていましたが,さすがに時代が合っている為か今までは繊細なだけでエネルギーが殆ど出なかったXV-A77が強烈なほどのエネルギーを持った音になっています。
XV-A77自体にはK2は入っていないのですが,一応24bit 192kHzDDコンバータは入っていてCDは88.2kHzにアップサンプリングしてくれます。
今回は光でAMPと接続しているので,XV-A77はただの読取装置としての使用です。
しかし,ちょっと音が軽い印象でXL-V1100を聴いていた為か物足りなさを感じた為にXV-A500を出してきてこれを光で接続。
Victor XL-A500は,当時AX-V8000と組み合わせてVictorが試聴会をしていた位なので相性は完璧なはずですし,XL-A500の中身はXL-A77に比べるとオーディオ機器のようです。
デザインも共通しているので,やはりXL-A77よりもXL-A500で組み合わせて使うのが本来の組み合わせなのでしょう。 しかし,XL-A500はこの後廃盤となりXL-A77に変わってしまいます。
XL-A77の後にはXL-A707になり終わります。 XL-A77はAX-V8000よりもAX-D701と組み合わせて使う物のような気もします。
この辺りはまだAMPのエージング中なのでどちらが良いかは分かりませんが,今のところはXL-A500の方が低・中域が太く気持ちよく聴けていますが,XL-A77のような繊細感とスピード感は乏しいようにも思います。
続いてPS3やSONY BDZ-AT700(BDレコ)も光で接続。
ここで問題発生。
BDレコから光でAAC出力した場合,局によってリニアPCMとAACを迷い,AACに固定しても音が出ません。 これが殆どの局で起きるのでBDレコからの出力をリニアPCMにしなくてはなりませんが,これではせっかくのAX-V8000のAACデコードが使えません。
このアンプ,AACデコードに定評があるんです。
そこで調べているとやはりこのAACデコードはバグのようで,アップデートが出ていてVer.4にすると直るとの事。
しかしこれはVictorで配布していないので,修理扱いでVictorに電話すると家に来てアップデートしてくれるとの情報あありました。
どうもCDPとAX-V8000を光で接続し,そのCDPにアップデート用のCDを入れ再生するとアップデートができるそうです。 (入力はCD-Rで,MENUと何らかのキーを同時押ししながら電源コンセントを抜き差しするとアップデートモードに入るそうです。)
CDをデジタルで入力している状態で曲の頭が切れる症状もこれで改善されるそうなので是非アップデートしてもらいたいので,後日Victorに問い合わせてみます。
前のオーナはこの事を知らなかったのか,アップデートしてくれていないようです…
それよりもアップデートが出ているならせめてHPでその告知を出して欲しいものです。
ちょっと長くなったので今回はこの辺で終わります。
音質どうこうはまた後日。
この日の画像は,AX-V8000とXV-A500です。