
さて,先日はKW4 氏の棚落ち EN07 DOHC エンジン の ヘッド を分解していましたが,今回は リベンジ として,正常だった EN07 エンジン の ヘッド を開けてみる事に。
この エンジン は,KW4 氏の以前の愛車である,シルバー の C 型 RX-R KK4 に載せたままとなっていました。
そして,この エンジン は KW4 氏の初代愛車である,黒 の C 型 RX-R KK4 が エンジン ブロー ( コンロッド が シリンダ を突き破る。足出 ) の為に載せ替え用にと某 オークション にて中古購入したもので,届いた時点では ウォータ ポンプ 焼き付きで止まっていました。
そこで,この ウォータ ポンプ と タイミングベルト を元 黒 RX-R に乗っていた エンジン のものと交換し,載せ替えとしていました。
O/H も点検もせずに取り付けた エンジン でしたが,調子は非常によかったのでそのまま ブースト 1.0 kg/㎠ かけ,同時に ECU を RX-RA の裏 ROM モード として使用していました。
現在この エンジン の総走行距離は,KW4 氏曰く 14 ~ 15 万km だそうです。
黒 RX-R は エンジン 載せ替え後,数ヶ月で単独事故にて全損。 ( 黒 RX-R は約 1 年間使用 )
エンジン は生きていたので,降ろして保管していたそうです。 この次に,白 Van KW4 に乗り換えて
今の H/N に至ります。
Van も数年間乗り,家の近くで転落事故。 サンバー でなんとか引っ張り上げたものの,右 ロワアーム を曲げてしまった為に自走不能に。
しかし,とりあえず動けないと困るので,サンバー で勢いを付けて ロワアーム を引っ張り応急処置をしたところ,偶然にも真っ直ぐ走るようになり… しばらくそのまま使ってました。
( この事故直後の電話でのやりとりがあまりにも面白く… 伝説です。 )
事故後,フレーム の曲がった Van を直すよりも再び RX-R に乗りたいと言うことで,格安の シルバー RX-R KK4 を購入。
しかしこれも購入後約 3 ヶ月 で エンジン ブロー ( 棚落ち ) 購入時で 14 万km 程走ってあったのですが,前 オーナ は相当手を入れて修理をしていたようでした。
これは距離が距離だけに,ブースト アップ はせずに使用していたのですが,山で遊ぶには厳しかったようです。
この ブロー も年末で,エンジン 乗せ替えは KW4 氏が一人ですると言うこととし,大晦日に乗せ替えまではなんとか出来たようでしたが,エンジン がかからないと夜に呼び出され… 点検しにいくも寒くて作業にならないので年明けにしてと言って帰宅。
この時乗せた エンジン は 黒 RX-R から降ろしてあった正常 エンジン です。
年越しを動かない愛車の中で過ごした KW4 氏でした。
シルバー RX-R も エンジン 乗せ替え後,これまた数ヶ月で事故により全損。
この RX-R は Angel Beats! 仕様の痛車でしたが,この事故当日はなんと Angel Beats! の最終回日。 みんな消えて行く中,Angel Beats! 仕様の RX-R は消えはしませんでしたが亡くなりました。
( これ,KW4 氏に言われて気づきました。 )
車が無くなって,その上に次の車を買う予算も無いとの事で,白 Van KW4 を復活させる事に。
庭に四点馬付きで置いておいたところ,歪んでいた ボディ が直っていた?との事で,色々と部品を取り付け直して車検を受けられるようにしました。
その後,しばらくはこの Van で走っていたのですが,高速の合流時に一定速まで加速できないようになってきたとの事で,ヘッドガスケット を交換したのですが,直らず再び RX-R に乗り換えると言い出し,自分は止めるも KW4 氏は 黒 の E 型 RX-R KK4 を購入していました。
この E 型 RX-R は走行 5 万km 台でしたので,過去最高額となったにも関わらず,最初から 2 速の シンクロ が死んでいて走行中に全く入らない状態。
なんとか中古 ミッション を無料で送ってもらうも,乗せ替え代は出ず。
エンジン は バルブクリアランス の開きすぎと思われる打音が盛大に出ていました。
今回はこの 黒 E 型 RX-Rの 4 番 バルブ 欠けと思われる圧縮抜けに見舞われた次第です。
今回の仕様は,RX-SS クランク プーリ → 同経 アルミ クランク プーリ の交換で,ブースト は 約 0.8 kg/㎠ となっていました。 ECU は ノーマル です。
いずれにしても,エンジン は O/H していません。
VIVIO の持病とも言われる ノック センサー も交換していません。
D 型 RX-R は燃料 フィルタ を新品に交換しています。
と言うことで,本題に入ります。
今回分解した エンジン は先にも書いた通り,約 15 万km 一度も O/H せずに使用している中古購入 エンジン です。 届いた時点では,ウォータ ポンプ が ロック していたものです。
現時点で異常は見られず,異音等も無かった エンジン です。
最後に シルバー の RX-R 搭載状態で 90.4 PS を記録しています。 ( ノーマル ブースト ECU RX-RA 裏 モード )
この エンジン を乗せると,約半年で全損事故しています。 ( 2 台 )
最初の事故から約 2 年休眠し,次の事故から約 2 年休眠しているので,計 4 ~ 5 年間動いていない期間があります。 ( 動いていた期間は計 1 年程… )
使用期間内では,ブースト 1.0 kg/㎠ RX-RA 裏 ROM モード ECU を付けて山で 10000 rpm まで回しています。
初代の 黒 RX-R C 型 に R2 用 STI Genome マフラー 使用で過去最高の良い音でした。
なぜか,シルバー RX-R C 型 では初代 黒 RX-R と同じ排気音が出ずに困ったものです。
では分解編です。 ( エンジン ヘッド )
まずは,KW4 氏が ヘッド を降ろしているところです。

ヘッド が降りました。 直後の シリンダ 部です。
4 番 シリンダ に錆びが見られました。
ピストン TOP を清掃後の画像です。
外した部品群。
ヘッド ガスケット 点検。
一部に抜けかけの症状が出ています。

ヘッド 点検。 ( 燃焼室 )
各気筒の燃焼室点検。
全ての気筒に クラック を確認。 2 と 3 番で,2 本の クラック を確認。


画像一覧は…
エンジン
シリンダ編 ヘッド編
ここで,KW4 氏の見解。 ( 書いておいて欲しいと言われたので。 )
R2 の STI Genome マフラー を付けても甲高く,高出力 NA のような乾き整った KA---N と言う音にならない場合,排気音がどうしても整わない場合,排気音が小さい場合は,エンジン ヘッド に クラック が入っているか,ヘッドガスケット が抜けている可能性が高いです。
もしくは,バルブ の当たりが均等で無い場合が考えられます。
正常な場合は,F1 に近いような非常に乾き整った音になります。 高音すぎて,トンネル では耳を塞ぎたくなります…
高回転時,車内にはほとんど排気音が入ってきません。
通過音を外で聞いていても,前側では排気音が聞こえず,過ぎ去り際から PA---N~… と言う音に切り替わります。 ( 前側では キィーーーン )
燃料系の環境は常に整え,ノック センサ を定期交換し,ヘッド ガスケット も定期交換するべきだと思います。
予備の エンジン ヘッド は常に持っておき,定期的に分解点検し,クラック を発見する度に交換するようにしましょう。
スバル の場合,ヘッド をしっかり メンテ しますと,必ず腰下が痛みます。
メタル も 全て定期交換し,編摩耗と傷には十分注意します。
スバル では良く言われていますが,低回転域で高い ギア を選択してはいけません。
特に坂を登っている時には エンジン に負荷をかけない ギア を選び,なるべく加給しないようにします。 ( ブロー する時はだいたい同じ坂の同じ地点との事 )
高速道路では当たり前ですが法定速度を守りましょう。 速度 メータ 刻みが限界と思いましょう。
エンジン ヘッド を組み立てる場合,カム キャップ の位置決めができない構造なので,神業が必要かと思います。
ヘッド は開ける度に念のために面研しましょう。 元々 ヘッドガスケット の当たりが悪いので…
昔から ヘッド ガスケット 抜けの点検に使われる方法で,冷めている時に ラジエータ キャップ を開け,暖気終了後に 2000 ~ 4000 rpm まで エンジン 回転を上げて冷却水に エア が混ざってこない事を確認します。
この時,レーシング をしたり,回転を上げた時点で ボコボコ と気泡が出てきた時点で ヘッドガスケット が抜けている事が分かります。
冷却水に オイル が浮いている場合は,重傷です。 スパーク プラグ に クーラント の色が付いている場合は,冷却水を燃やしていますので,ヘッドガスケット を交換します。
この点検を実施する場合,必ず 冷却水が冷めている事を確認し,ラジエータ キャップ を開け,エンジン 始動時と エンジン 回転を上げる時は ラジエータ キャップ 部から離れてください。
場合によっては,冷却水が噴水のように吹き出します。
{ 水平対向 エンジン ( スバル ) でこの点検を実施すると負けますので,しない方が良いです。 }
長くなりましたが,点検しない方が良い事って多いです。 知らぬが… なんたらで,知らない方が幸せです。
そう言う意味では,分解しないで リビルト に乗せ替えてしまう方が良いかもしれません。
クラック の入った ヘッド は基本破棄ですが,この クラック を修理してくれる内燃機関屋さんもあるようです。
燃費でもだいたい エンジン の調子がわかりますが,EMPI 車の場合はまず燃料系を新品相当にする事をおすすめします。
これでも燃費が改善されない場合は,エンジン ヘッド 周りに何かしら不具合を抱えていますので,ヘッド を降ろして点検します。
だいたいの場合は,バルブ 摺り合わせで解決しますが,その時点で バルブ シート が正常に圧入されているかをまず点検します。
( EK23 であり得ない程斜めに圧入されていた経験があります。 )
VIVIO RX-R KK4 で特別な チューニング 等をしている場合を除き 10 km/L を切る場合は明らかに異常です。
KW4 氏曰く,普通に乗っている分には 14 km/L は常にいくそうです。
VIVIO Van KW4 でも,ノーマル ですと 15 km/L 以上はいくようです。
サンバー KT6 フルタイム でも ヘッド O/H 後は ジェット 拡大しているにも関わらず常時 15 km/L でした。 ( ヘッド O/H 前は,4 ~ 7 km/L )
今回は本当に長くなりました…
読みにくくて申し訳ありません。。。 ついでに KW4 氏の車歴も記録として纏めてみました。
にしても,エンジン って分解すると組みたくなくなりますね。 組んでも次壊れるの分かると嫌になりますからね。
いまのところ,SOHC の EN07 には大きな欠点は見つかっていません。
KW4 氏も VIVIO に乗るなら,Van しか無いか… と言っています。
RX-R を乗るのにもう一つ方法があるかと。 加給しなければ良いと思います。
デチューン すれば少し長く乗れるかもです。 ミッション は知りませんが…
EK23 よりある意味 マシ なのかもしれませんね。
この日の画像は,KW4 氏が エンジン ヘッド を降ろしているところです。