今朝、荷物が届きました。
すぐに中身を確認。
出て来たもの…。
書いてあるものですぐわかった人もいるかもしれませんが。
中身はこちら。
カメラ。
カメラと言ってもいまのデジカメではありません。
もう40年も前のフィルムカメラです。
しかも、ニコンユーザーでありながら何故にミノルタなのか?
この旧ロゴがすごく好き。て、それはどうでも良い話か。
実はカメラに興味を持ち始めた中学生の頃、親父が使ってたのがこのminolta XEというカメラ。
その頃写真を撮るのが趣味だった親父は凄く大事にしててそうそう貸してくれなかったのですが、極稀に貸してくれる事がありました。
そのとき使った感触が今も忘れられなく思い、先日ヤフオクを見てたら何点か出品されてるのを見つけました。
ただ、もう40年も経ってるのでなかなか良い個体が無いのが現状。
ひどいカビまるけだったりまともに作動しなかったりするのが当たり前のものがほとんどで、ほとんどジャンク品扱いのもの。
その中で、比較的きれいなこの個体を発見。
一応完動品とはなっててカビもなく見た感じ的には相当きれい。
ただ、裏蓋内のモルトの劣化はありとのこと。こればかりは仕方ないですが。
そんなことでどうしても手に入れたくなった。
結局ラッキーにも、送料も入れると1万ほどで落とせて無事今日届いたのでした。
さて、そんなこのminolta XEですがなんと言ってもこのフィルムの巻き上げのしっとりしたしなやかな感触が凄くよくてそれが中坊の頃凄く印象に残ってたわけですが、何十年ぶりかに触ったその巻き上げのしなやかさは昔の記憶を思い起こしてくれました。
この感覚はBBで330iを乗ってそのエンジンの滑らかさに驚いたのとよく似てるかも。
昔はよくこの巻き上げの感触や巻き上げ角などが機種の比較要素として雑誌の記事に取り上げられてました。
でも、その当時のカメラはどれもこのXEのようなしなやかな巻き上げ感は無かったと思います。
そもそも、もう中坊の頃はどのカメラもモードラ(モータードライブ)使って連写するのが主流になり始めてきてたので、そこまで拘らなかったのかもしれません。
もう中坊の頃にはこのXEはなく、後継機にXDという機種が出されてたのですが、ボディは一回り小さくなってワインダー(モードラと同じで自動巻き上げで切る装置ですがコマ速度が遅く2コマ/秒程度)が取り付けられるようになりましたが、XEの巻き上げの感触はそのまま受け継がれてた記憶があります。
実は今回、XDも入札しようと思ってた。
当時はやっぱり格好を気にするというか、やっぱりモータドライブ付けて連写が出来る方がカッコいいと思ってたので、当時はX-700が凄く欲しかったのですが、その後買ったのはAFの走りとなったα-7000
親父が勝手に決めて買ってきやがった(笑)
で、後に友人のニコンと交換するのですがその話はまた後日。
ちょっと話が外れましたが、このXEの巻き上げ感のほかに気に入ってるのが、このシンプルさ。
軍艦部と言われるこのカメラ上部のダイヤル等の配置。
右側端から巻き上げレバー(一緒に付いてるのは多重露光レバー)、レリーズボタン、シャッターダイヤル
左側にはフィルムの巻き戻しクランクとASA(ISO)感度と露出補正ダイヤル
これだけ。
このシンプルさこそカメラの基本なんですよね。
他に何か必用?
要らないでしょう。
露出決めてピント合わせてシャッター切るだけですから。
理想のレイアウトです。
かの、ライカはこのXEをもとにあるカメラを開発したとも聞いた事があります。
そのぐらい完成度の高いカメラだったそうです。
それともう一つ。
それがこのファインダーの表示。
今はもう全部デジタル表示が当たり前の時代ですが、フィルム時代ももう液晶デジタルやLEDでデジタル表示するものが増えて来てた時代でした('82 '83頃)F3なんかは決して見やすいとはお世辞にも言えない液晶デジタル表示だった。個人的主観ですが。
ちょうどクルマもデジパネが出始めた頃だったかな?
当時はそれがトレンドでカッコよかったけど、でも見やすさ(読みやすさ)はやっぱりこの針(追針式)でした。
これは後に使うニコンも。そのあたりはまた後日。
やっぱりこのシンプルなアナログ感が今となってはものすごくいいと感じます。
どう見るかといいますと、ファインダー上部(この場合125)に設定したシャッタスピードが表示され左の針をそれにあわせて絞りで調整するというもの。125の隣の白い部分はレンズの絞りが表示されます。
次にバッテリー。
今はもうニッケル水素電池が主流になってますが、当時のカメラはととんどがボタン電池。
ボディの底にLR (もしくはSR)44タイプを2個入れるのがスタンダードでした。
機種によっては4LRといって4つ分が一つになったタイプの電池を使用するばありもありましたが、これがほとんどだったとおもいます。
キャノンが4LRタイプだったと思います。
でも、中には電池を入れなくても全速度シャッター切れるツワモノカメラもありました。
露出計のみバッテリーを使ってシャッターはメカニカル作動させるというもので、万が一バッテリーがなくなっても感で露出決めるか単体メーター使うかで撮れたので仕事には必ず1台はバッグに入ってました。
もちろんニコンです。
で、ボディにもともと入ってたのですが、新しく買って来て入れ替えました。
たった190円
今はバッテリーでも2万とかするおかしな時代になんと経済的な事か(笑)
でも、電池室みたらやっぱり液漏れしてた痕がありました。
まぁ削ってきれいにすれば通電するので問題無しです。
この横についてるレバーがバッテリーチェッカー
赤ランプが点灯するようになってます。
さて、そんなことでいったい何年ぶりなんだろう?
手巻きでフィルムを装填してみました。
もうフィルム最後の方は全部オートローディングになってしまったので、このフィルムを手巻きで装填すると言う儀式が便利と引き換えにメーカーに奪われる事になり、F3からF4Sに換えた時は寂しく感じたのですが再びこの儀式をする事に歓びを感じる昭和のオッサンです。
巻き取りスプールにフィルムのベロ先を差し込んでちょっとずつ巻き上げて蓋を閉める。
この差し込み具合が悪いと抜けちゃってて、巻き取られず延々から写ししてしまうという失敗もまたフィルム時代ならでは(笑)
まぁ仕事でそれやらかしたら大変でしたけど(汗)
フィルムカウンターの上には巻き取りインジケーターも装備されてます。
1枚目
36枚(終了)
やっぱりモードラやワインダー使わず手巻きで1枚ずつ巻き上げてシャッター切るこの感触。
これをもうすっかり最近忘れちゃってて、闇雲に連写するいやそうでもないけどでもそうなって来ちゃってる今のデジタルカメラに少々嫌気を感じて来てたのに、再びこの写真を撮る歓びを思い出してかなり感激しています。
今の時代でこの1枚ずつシャッターを切ってなんてことしてたらとても仕事になりません。
なので現在のデジタルカメラを否定するつもりは毛頭ありませんが、自分にはもう仕事としてしか頭になくなってしまって、休みの日は触りたくなってしまって来てます。正直好きじゃない。
高画素で高感度、見えない物まで撮れるそんなデジカメはほんとにすばらしい。
もはや動画のようなコマ速度の連写。
記録するには絶対必要。
写ってるし、あとからある程度補正出来ちゃうし、トリミングも出来ちゃう。
でも、ほんとはもっとじっくり構図を決めて露出決めてピンと合わせてゆっくりシャッターを切りたい。
それこそが写真の醍醐味だった。はず。
忘れかけてた、いや忘れてた。
だからもうカメラも嫌いになって仕事としてしか写真も撮りたくなくなってしまってる自分がいた。
でも、またこうして撮る歓びがきた。
行詰った時、もう一度原点回帰するのもいいのかもしれません。
忘れかけてた、忘れてたもの取り戻せます。
それが仕事にも活かせるかもしれないし。
でも、今のデジカメはすこぶる高性能ですが、全く魅力を感じません。
準備をする以外は触りたくもないほど。
軽量化というコストカットによる異常な小型化による安っぽさ(国内産以外)や素材から手に伝わる質感全てにおいて魅力ない。
仕事だから使ってるっていう感じ。
D500なんてほんとがっかりしたもんね(笑)
ちゃんと国内で生産して欲しかったわ。
でも、40年前の本当のカメラを目の前にした今、バッグに入れずにずっとデスクの上に置いて眺めて触ってたい。
この「カメラ」っていう感じは視覚的にも触覚的にももちろんフィルムという記録媒体においても今のデジタルにはない味わい深さがあります。
クルマで言うならケンメリの時代にあてはまるかな。
そんな中坊の頃のほんとにカメラが好きで写真を撮る事が好きで仕方なかった頃、50手前になって再び得る事が出来ました。
で、レンズはどうなん?
って思われますよね。
昨晩、親父に電話して聞いたところ今も大事にXEも持っててレンズも当時のまま全部残ってると。
ほぼ使ってない(目が耄碌してもう無理と20年ぐらい前に言ってた)ので、じゃあオレ使うわ。と。これは目論見通り(笑)
でもズームレンズじゃなく単玉のみ欲しいかな。
なかでも一番気になってる58mm/1.2というすごくいい玉を持ってるので、それと広角系1本(たしか24mm)をいただいてこようかと。
来月また帰るのでそのときですが。
でも、おそらくもう使わんから全部持ってけって言うかも。
そしたらボディも2台になっちゃうな。
親父のはブラックボディだからいいか。
問題は電池入れっ放しにしてて液漏れしてないかどうかだな。
あとレンズもカビてなきゃいいけど。
昨日の電話ではカビてないとは言ってたけどそこも果たしてどうだか。
そんなこんなで、これぞカメラっていうお手本的な40年前のカメラですが、撮る楽しみを再び味わいたいと思います。
巻き上げてシャッターを切るこの感触、このメカニカルな音。たまらん!(笑)
早くレンズ付けて撮りたい。
そして、今週中にはまた…!?
つづく…。