大ちゃんラーメンのゴールデンチャーシューをゲットセヨ・・・

ヒトフタヒトナナキミツ・・・

総司令部より突然シークレットCODEが流れてきた。
先週で年内の任務を終えた私は本日より南国のビーチリゾートでバカンスを過ごす予定だったが長官直々の招集によりフライトをキャンセルし指示されたポイントに向かったのである。


リズミカルに流れる街路灯・・・サイドミラーに煌めくテールランプ・・・

東の空がブルーからオレンジに変わると次の司令が入った。


ヤシノキノボレ・・・


R16を南下していたペジョーのハンドルを右に切り帝国軍の特別警戒エリアに向かった。至る所に帝国軍の支配下であることを表すフラッグが掲げられ緊張が走る。

ナイトビジョンで周囲を確認しつつNikon製の70mm砲を構えながら解析画像を司令部に送った。







解析画像と引き換えに次のMissionが送られてきた。


アクアラインヲマモレ・・・


昨日までの南風に替わり強い北風になっていた。これからアクアラインを渡るK財閥様の護衛である。私はアクアラインを見渡せるポイントに向かいその時を待ったのである。地味な任務だが望遠スコープでアクアラインの様子を確認していると赤く染まる富士山が目に入った。緊張感漂う中でホッとする一瞬である。








どうやら無事にアクアラインを通過したらしい。

次のMissionは未だ入っていないのでコーヒーブレイクを兼ねて先程の富士山で緊張を和らげることにした。

いつもは釣人で賑わう埠頭も特別警戒で日頃の喧騒が嘘のように静まり返り打ちつける波音だけが響いていた。







空の色が青みを増したところで南下を続けていたペジョーはキミツ潜入準備に取りかかる。やはりここでも人の姿を見ることが出来ないほどの高度警戒態勢になっていた。







キリトオシススメ・・・

一見順調そうに進められていたキミツ潜入だが、その時、総司令部より緊急入電があり15kmほど南に位置する燈籠坂大師に向かうように指示が入った。どうやら先程アクアラインを渡っていたK財閥様が車列を見失い切通しエリアに迷い込んだらしいのである。

ペジョーをコンフォートからスポーツモードに切り替え急遽切通しエリアに入ると、先程と同じように人の気配はなく時々強まる北風が草木を揺すカサカサという音だけが響いていた。

ペジョーから降り燈籠坂大師への階段付近も捜索したがK財閥様の姿を確認することは出来なかった。










ここで最終司令CODEが入る


トンシオナラベ・・・


マルキュウマルマルジュンビカンリョウ・・・


ペジョーをサイレントモードに切り替え指示されたポイントに潜入すると10頭ほどのゾンビらしき影を発見する。

ゲートマデフタマルマル・・・

潜入ゲートは目前だ。ソローリソローリと歌舞伎役者の如く一歩一歩近付くとゾンビの群れが私の動きを察知し入口に殺到する。
ここで撤退なのか・・・
ポケットの中に忍ばせている甘い手榴弾は8個。
やはり援軍無しでは戦えない。

ギリギリの距離を保ちながら群れを牽制しながら援軍を待っていると


ゴウリユウマデヒトマルマル・・


と長官自らの入電により消えかけていた戦意を取り戻した。


ゾンビの高周波攻撃や時々立ち上る着弾による煙から自分自身を守るためにワークマンプラスで入手したモビルスーツで身を固め凌いでいると・・・轟音とともに援軍が到着した。


援軍を背後にジリジリと距離を詰め10:30の号砲とともにゲートに流れ込み地獄絵図と化したエリア内からゴールデンチャーシュー4つ全てを掴み取りMissionをコンプリートしたのである。





Missionを成し遂げた我々は豚塩チャーシューを方張りながら勝利に歓喜したのである。







今回のMissionは難度の高さから身体中のグリコーゲンが欠乏し、豚塩チャーシューだけでは補うことが出来ず、這いつくばりながら、なかぱんになだれ込んだ。

合言葉を尋ねられ「モカソフト」と声を上げると、カンファレンス用のテーブル席に案内され私達の到着を知っていたのかの如くフローズンエナジーを渡されノーマルモードへ復帰したのである。







エアポートに近付くと皮肉にも私が乗る予定だったビーチリゾート行きのジェット機がペジョーの上をかすめていった。





平和維持のためであれば私のバカンスなど大したことではないと言い聞かせながら、トンシオチャーシュー丼を密造し次の司令を待つのであった。






完