
予定していたツーリングが悪天候で中止となったが、後泊で予定していた野沢温泉の旅館が好条件で予約出来ていたので私にとって空白地帯となっているR117十日町から野沢温泉エリアを塗り潰す白地図ロードに切替えることにした。
9/22(日)台風14号から変わった低気圧の影響で絶望的な天気予報ではあったが屋内施設の見学と外湯巡りとグルメ中心でプランニングをしていたので予定通り自宅を3:30出発。深夜割引の恩恵を受けて途中のSAで仮眠、そして始発列車が駅に滑り込むタイミングで湯檜曽駅に到着した。
本命は隣駅の土合駅ではあるが湯檜曽駅も類似したトンネル構造の駅となっているので寄ってみることにした。
遅めの始発列車は乗客ゼロ。天候不良で行楽客がいないためであろうか・・・
駅に入ると100メートルほどの地下道を通って上りホームに出る。
土合駅は日本一のモグラ駅と呼ばれているが、湯檜曽駅は階段が無いので気軽に行けるミニモグラ駅とでも呼べば良いのであろうか・・・
さて暗闇に目も慣れたところで本命の土合駅に向かうことにする。
日頃からテニスで足腰を鍛えているので多少の階段ではへこたれない自信もあり、みん友さん達が到達出来なかった最深部まで降りることにした。
あれ?いきなり地上?
間違って上りホームに来てしまった💦
引き返して下りホームに向かう。
地下道を左に曲がり橋を渡ると、そこには多くのチャレンジャーの心を折ってきた心臓破りの階段が現れた。
雨水が流れる音と私の靴の音がトンネル内で反響する。
湿度が高く階段が濡れていたので慎重に一歩一歩踏みしめながら最深部のホームに降り立つと、霧が立ち込めておりキングスクロス0番乗場の様な幻想的なホームが現れた。
ヒンヤリする空気が東京方面から微かに動くが霧を消し去る程の流れではない。
昨日までの暑さであれば、このホームまで降り立った事を良かったと言える自信はあるが、今日は季節のダイヤルが一気に動き半袖で来てしまった事を悔やんでいる。
そして振り返り見上げると絶望と言える景色が待ち構えているのである。
いや待てよ。次の普通列車を待って湯沢で折り返せば先程間違った地上の上りホームに戻れるのではないか?
かつて特急街道であった上越線も今や2時間に1本のローカル線並のダイヤとなっており列車で上りホームに戻るのは2時間後となってしまう事が分かった。絶望で重ね塗りされた十字架を背負いながら階段を登ることにした。
もし地上迄のエスカレーターがあって1000ペリカだったとしても、きっと乗ってしまうだろう。
そんなことを考えながら登り続けると降りる際には気付かなかったがベンチに気付く。所々に現れるベンチの意味がこのとき分かったのである。
486段の階段を登りきると、ドンヨリとした空ではあったが妙に清々しく感じられた。
プジョーに乗り込み次の目的地に向かう。水上インターから高速に乗り関越トンネルで新潟県に入る。
次に訪れたのはインスタで見つけた毛渡沢橋梁である。未だに読み方は分からないがレンガ造りの橋桁と鉄筋コンクリートの橋桁が並ぶ不思議な光景に国鉄時代の面影を感じた。
撮影を続けると土合駅で地上に出るための第二プランの普通列車が通過していった。
第二プランの普通列車に乗らなかったことで得をした気分になり意気揚々と次の目的地に向かった。未だこの後の絶望を知らずに・・・
続いて以前から行ってみたかった清津峡に向かう。
魚沼スカイラインの案内看板を通り過ぎるとやけに目立つ黄色い看板が目に入る。
少し前にみん友さんに今回の計画を話した際に清津峡予約しておいたらとアドバイスを頂いていたが、トンネル如きに予約なぞ必要なんか?深く考えずにいた。
「本日は予約購入方限定営業」
絶望・・・
道路脇に何か所も看板を置いてあり、これも日本ならではのオモテナシなのではと、入場ゲートで断られることより遥かにダメージは軽く・・・と思うことにしよう。
Uターンし先ほど通り過ぎた魚沼スカイラインから津南の景色を眺めながら十日町方面に向かうことにした。
今日のランチは十日町の蕎麦ビュッフェの予定だ。ランチには未だ早いが連休で行列必至の店だから早目に向かうことにしよう。
2車線の快走路に入り300メートルほど進むと1車線に狭まり更に300メートルを進むとススキの生い茂る0.8車線道路になってしまった。
絶望・・・
魚沼スカイラインと名付けた奴出て来いや〜と心の中で叫びながらバックギアに入れ来た道を戻るのであった。
何とか蕎麦の郷Abuzakaに到着。最速の証のポールポジションをゲットしウェイティングボードを探す。私に続いて来た訪問者と未だウェイティングボード出てないねと話していると雨が強くなってきたので車内で待機することにした。
朝早かったせいか直ぐに寝落ちしてしまった。
外が騒がしくなり目を覚ますと開店時間5分前。ウェイティングボードに書いていないのは勿論だが既に30名以上の行列が出来ていた。
絶望・・・
1番札だったのは私ではないか。
もしかしたら2番目に来た人が私のためにウェイティングボードの1番札を空けてくれているのでは?と期待しつつボードを見ると隙間なく名前で埋まっていた。
2番目の人に視線で訴えかけるとスタッフに私が1番札である事を説明してくれて幻の1番札を貰うことが出きた。(脅迫ではナイゾ)
着席と同時に「へぎ蕎麦」と声高らかに宣言しビュッフェコーナーの天ぷらや煮物を取りに行った。
ビュッフェコーナーの天ぷらや煮物など全てがハイクオリティで1890円というリーズナブルな価格とは思えない。数々の苦難を乗り越えて今日この店に入れたことに感謝したい。
このまま野沢温泉に向かって13つの外湯巡りに勤しむか?
それともどこか立ち寄るか?
グーグルマップで登録スポットの確認をしていると、インスタで見つけた車を撮影出来る絶景ポイントを見つけた。
「空の展望台マウンテンパーク」に立ち寄ることにした。
左側はスキー場の斜面となっており、スケールの大きい景色が見られるのではないか?と期待が上がる。
元々細い道であったが登るに連れてススキが生い茂りプジョーの両サイドのセンサーが警告音を発した。
絶望・・・
こういう日もあるさ〜♪
チェックインには早いが野沢温泉に向かった。
岡本太郎デザインの「湯」が私を温かく迎えてくれる。
野沢温泉の外湯巡りの準備として中央バスターミナル前の観光案内所で集印帳を購入。10個集めると岡本太郎デザインのタオルが貰えるのだ。
今回は野沢温泉中心地の大湯前にある常盤屋旅館に陣を取った。
ホテル前のポールポジションに車を置かせて頂きシャインマスカットで入村の乾杯をした。酒のあては名物の温泉饅頭である。
浴衣に着替えいざ参らん、外湯巡りの旅へ
マンホールを見ると絶望の淵から叫んだあの声が聞こえてきた。
「ふなき〜ぃ〜ぅぅぅ〜」
長くなったので、続きは後編へ