
こんにちは。
久々の試乗ネタです。
昨日、「話題のクルマ」に試乗してきました。
今回のクルマは…、

スズキ・スイフトスポーツ(ZC33S)です。
話題の新型ということなのと、周りの方が乗っている、ということで、少し気になっていました。
そんな時のこと。勤務先から実家に帰る時に、たまたま道中にある車屋さんに置いてあったのを見て、試乗してみることにしました。
試乗車の簡単なデータは次の通り。
・トランスミッションは6MT
・色はチャンピオンイエロー
・走行距離は370km台
・セーフティパッケージ装着車
・タイヤはコンチネンタル・コンチスポーツコンタクト5(195/45R17)
今回の試乗コースは、
・ディーラーの周り1周
・一部山道、後は一般道
・距離はおよそ4-5km
…といった感じでした。一部通勤路として使用している関係上、分かりやすい条件かもしれません。
(本当は、自分で決めて、100%慣れた道で乗ってみたかったです。)
運転席に座って、ポジション調整をして、試乗スタート。シートの感じは、かなり良かったです(※ZC72S純正シート比)。

…最近の国産車のシートは良くなってきています^^)
ヒップポイントが高いのが気になりましたが、後でローポジションのシートレールを入れてしまえばいい話ですので、欠点として述べるべきではないですね。
走り出して感じたことは、「飛ばしている感じがあまりしない」こと。
4500rpm辺りまで回してみましたが、スムーズに回って、加速もスムーズで…
…あ、80km/h出てる;^^)
…といった感じでした。
それでも、飛ばしてる感じがしませんでした。感覚的に「60km/hかな?」と思った位。
また、乗り心地も硬くなくて、好印象。ZC32Sも乗り心地が良かったのですが、それに少々「重厚感(重さ)」が足されたような感覚、といった印象でした。「楽」でした。

シフトもストロークが短めで、クラッチも軽すぎず、感触が心地よかったです。クラッチの方は何となくですが、以前試乗した「ノートニスモS」よりも軽めだった気がします。シフトストロークはアルトワークスよりも気持ち長めに感じました(アルトワークスのそれが自分の想像以上に短かった、というのもあります…)。シフトの入り方は少々軽めに感じました(シフトノブを重くしてみたい…)。
また、AT仕様も設定されていますので、機会があれば、AT仕様にも乗ってみたいです。
正直、走り味は「楽しい」というより、「楽」という印象が強かったです。それでもって、この速さ…。その性能が200万円(※乗り出し250万円+ナビ代)で手に入ると思うと、これはバーゲンプライスです。コストパフォーマンスの高さは相変わらずでした。
…と結構褒めてきましたが、運転していて「×」と思ったことも言っておきます。
1つめはブレーキ。じんわりと踏んだ時の効きが唐突でした。その他が良かったことを考えると、「惜しい」と感じました。…まぁ、パッドを換えてしまえれば良い話ではありますけどね;^^)
2つめはステアリング。小径なのはいいのですが、下半分の樹脂の装飾部分が×でした。180度以上回す時に、常に片手がその樹脂部分に触れていて、違和感を感じました。できればそこも革にしてほしかったな、と思いました。ステアリングは換えることが難しいパーツ故に(ステアリングスイッチが使用できなくなる+保険料が上がる)、気になってしまいました。
試乗が終わり、撮影タイムに突入。その時に、後席に座ってみましたが、キリルさんが言っていた通り、普通に座れます。後席への乗り降りはSX4並でしたし、後席スペースもSX4並。#3型スイフトは実用性も上がっていました。
(後席関係の条件:運転席のポジションを決めた後で、運転席側の後席に座りました。)
外装に目を向けてみますと、

フェンダーの盛り上がり具合が通常のスイフトと違っているのが分かります。…というより、世界的に見てみると、「(世界仕様ボディがベースの)スイフトスポーツが普通」で、「(国内線用ボディである)普通のスイフトが普通ではない」と言えます。
因みに、普通のスイフトはこんな感じです。↓

(グレード:RS系統)

また、エアロパーツのシボ部分がカーボン調になっていて、「凝ってるな…」と思いました(と同時に、「型屋さん、お疲れ様です」とも思いました)。専用ボディになっている故に、スポーツ用のエアロを普通のスイフトに流用することは何かしら制約が出てくるのではないかと思います。…実際はどうなのかは何とも言えませんが。
余談ですが、スイスポのリアバンパーには、欧州のナンバープレート用と思われる突起がありました。スイフトスポーツが「世界共通仕様」である証拠かな?と思いまして、記載しました。

内装は、赤~黒のグラデーションのパネルが印象に残ります。「スポーツ」を表現するには効果的なものです。しかし、個人的には、「ノートニスモS」程ではありませんが、押しつけがましくて、あまり好きになれませんでした。それ以外は、普通のスイフトと同じです。
最後に、スイフトスポーツ(ZC33S)に対して個人的に思ったことをまとめてみると…、
○
・走りの安定感
・性能に対するコストパフォーマンスの高さ
・後席へのアクセスのしやすさ(※#3スイフト全般に言えること)
・維持費(税金)の説得力(1.4L+970kg。)
△
・ブレーキの初期の効きの唐突感(ブレーキパッドを換えればいい話)
・ヒップポイントの高さ(シートレールを換えればいい話)
×
・内装の演出
・ステアリングの装飾
・トランク開閉用スイッチ用スペースの狭さ(※#3スイフト全般に言えること)
…といった感じでした。
正直、「買い」です。
1.4L+ターボなんて、国産車ではお目にかかれない組み合わせですし、海外ではアバルトがパワートレインの組み合わせ的にライバルになりえます。しかし、「性能に対するコストパフォーマンス」で言うと、スイフトスポーツが高いです。…というより、「よくこの性能を200万円で出してきたな…」と感心してしまいます。これはバーゲンプライスといってもいいと思います。
(内装やキャラクター、といったことを考えると、アバルトが際立っていきますが、新車時で100-200万円程の価格差をどう考えるのか、といったことにもなっていきます。)
また、今回のスイフトスポーツは「1.4Lターボ」で、「車重が970kg(MT車。AT車は990kg)」であるため、重量税や自動車税に対する説得力が高いです。
内装質感もそうですが、走りの質感もいいので、お勧めできます。
×に書いてあったものですが、詳しく書いていきます。
まず、「内装の演出」。前述の通り、パネル類の赤装飾があまり好きではなかったため、普通のスイフトに付いているようなシルバータイプとか、ピアノブラックのパネル等と選べるようにできたらな、と思ってしまいました。ディーラーアクセサリーのガーニッシュ類(※計5万円程)を付けてしまえばいい話なのですが、標準の時点から選択肢に欲しかったかな、と思いました。
次に「ステアリングの装飾」ですが、前述しているため、割愛します。
最後に「トランク開閉用スイッチ用スペースの狭さ」ですが、何となくひっかき傷が付きやすいかな、と思いまして挙げました。

(バレーノも似たようなことが言えまして、展示車はその付近にひっかき傷が見られました。気を遣えば問題ないとは言えますが。)
「買い」なのは間違えが無いですし、お勧めもしたいのですが、個人的には「落ち着いた雰囲気」も選べるようになれば、言うことないです(ZC31Sのリミテッドのような感じのものがベストです)。スポーツ一辺倒のみならず、「涼しさ」もプラスすれば、更に勧めたいなと思います。
(個人的な趣味が入っているのもありますが…。)
個人的に予想される比較検討車は、
・フィットRS
・ノートニスモS
・マーチニスモS
・ヴィッツGR
・86/BRZ
・アバルト500
…あたりかな、と。
フィット、ノート、マーチ、ヴィッツは「価格面」で選んだ場合に出てくる車です。しかし、パワートレインの組み合わせで考えてみると、スイフトスポーツのコストパフォーマンスの高さが伺えます。
…しかし、ノートやマーチはニスモのコンプリートカー、ヴィッツはGazoo Racingのコンプリートカーであることを加味して検討する必要があります。スイフトスポーツの場合、先日受注がスタートした「モンスタースポーツ・コンプリート」を交えて検討することも面白いかと思います。
86/BRZやアバルトは「走り」で考えうる車。性能面ではそちらがライバルになりうると思いますし、モータースポーツの区分分け的に「一緒のクラス」(ジムカーナではPN3、ダートトライアルではPN2、全日本ラリーではJN4)。
また、前述した「モンスタースポーツ・コンプリート・ストリート仕様」の中の最上級仕様「ストリートver.3」は新車の86(GT)と同じ値段。比べる土俵が違うのかもしれませんが、単純に「走る」点を考えていくと、比較対象に挙げてもいいのかもしれません。
アバルトは、中古価格的に引っ掛かりますし、パワートレインで比べるとライバルになりえます。スイフトスポーツと同じ価格ですと、3万km台の個体が狙えたりします(カーセンサー調べ)。実用性と格好と…で考えていく必要がありますが…、好みの問題になってしまいますね;^^)
また、ここでは挙げていませんが、シトロエンDS3も3万km台の個体が選べてしまうため、検討対象に入ってきてしまえますね;^^)
…自分なら、アバルトやDS3、ルーテシアRS(2代目最終型)を比較対象にすると思います。
…と色々書いてきましたが、新型で手に入れられる車で、実用的で、魅力的な車を200万円(※乗り出し250万円)で出してきた事に嬉しさを感じました。この性能で200万円、お買い得ですよ~!!
また、オプションで「運転補助システム」まで付けられますので、スポーツ派のみならず、様々な方にもお勧めできると思います(保険料も割り引きができますし)。
ZC32同様、幅広い世代に受け入れられると思いますし、売れると思います。また、これからのパーツ開発の事を考えると、沢山遊べると思います(タイヤもZC32Sのサイズがそのまま使えてしまえますし)。
何度も言いますが、お世辞抜きに「買い」です!!
キリルさんも言っていましたが、これからスポーツ系車種への乗り換えをご検討の方、印鑑の持参を忘れずにお願いします(笑
これにて新型スイフトスポーツの試乗記を〆ます。
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございましたm(_ _)m
また、新治自動車さん、ありがとうございましたm(_ _)m