こんばんは。
今回は、久々の試乗ネタです(2018年1発目ですね;^^))。
今回試乗した車は…、

VW move up!(4ドア)です。
【注意】
最初にお断りしておきますが、以下の点に注意願います。
1.
いつもの試乗記の如く、超が付くほどの長文となってしまいました。ご了承願いますm(_ _)m
2.
当記事をご覧になりますup!オーナーさんの方々に向けてです。
自分もup!は好きな車の1台です。しかし、仮に当記事でお気を悪くされましたら、誠に申し訳ありませんm(_ _)m。
その代わり、個人的に思った正直な感想を書かせて頂きますm(_ _)m。ご了承願います。
(一般の方の「up!に対する誤解を解きたいな」、という気持ちもあって、書かせて頂きます。)
【プロローグ…というか、いきさつ】
…時は遡ること、「up! GTIの観察」を行った日。
本当は、up! GTIに試乗してみたかった。…しかし、up! GTIは限定600台。故に、試乗車を用意している店舗はそもそも存在しないし、展示車を用意している店舗があるだけでもラッキーと言われていた。
…それなら、「素のup!」を参考として試乗してみて、そこで「up! GTIはどんな感じだろう?」と想像を膨らませてみよう。
…以上が、今回の試乗のいきさつです。
また、「up! GTIの観察(撮影)」が主でしたので、結構バタバタした中での試乗でした(move up!の試乗後、すぐにup! GTIの撮影に移りました)。
【試乗車の簡単なデータ】
…ドタバタした中での試乗でしたので、試乗車の簡単なデータは、以下の通りしか得られませんでした。
・トランスミッションは5速ASG(シングルクラッチ式AT)
・色はキャンディホワイト
・タイヤサイズは175/65R14。銘柄は未確認
・走行距離は未確認
また、写真は、フロントからの写真と、

内装写真の2点のみとなります。ご了承くださいm(_ _)m。
(内装パネルは「ブラックキューブ」。)
ここで内装に触れてみるとします。内装の印象は、「至ってシンプル」の一言に尽きます。ステアリングもウレタンで、オーディオスイッチなどのステアリングスイッチの類も一切なし。エアコンもマニュアルエアコンですが、表示が分かりやすく、直感的に操作できるので、却って好印象でした。このシンプルさは個人的に好みで、up!の魅力の一つでもあると思っております。
因みに、ステアリングの調整方法は、上下方向のチルトのみでした。
シートの方は、パッと見「平板的」に見えますが、座り心地は見た目以上に良く、快適に過ごすことができました。しかし、それは総行程5-6kmの試乗の中での話。中・長距離では印象が変わってくるのかもしれませんので、細かい印象はここでは述べません(…というより、「あまり印象に残っていなかった」というのが正しかったりします…)。その点に関しては、もう少し距離を重ねて検証してみたいです。
(余談ですが、dortさんのデモカーのup!には、RECAROのLX-Fが搭載されていました。個人的にショップさんのup!のデモカーの中では、dortさんのデモカーがシンプルで好きです。)
【今回の試乗コース】
今回の試乗コースは、
・ディーラー付近1周するルート
・距離にして5-6km(Google Maps調べ)
・一般道メイン
・信号は4箇所
・速度帯は最高60km/h程度の市街地速度
・平坦な道が主で、交差点以外は全て緩いカーブ
・1箇所だけ橋の継ぎ目が出ているポイントがある
…といった具合。本当は適度なコーナーがあるルートを通ってみたかったです。
【試乗の模様を…】
シートとドアミラー・ルームミラーを調整して(※ステアリングは、程良い高さであったため、そのままでした)、いざ試乗スタート。
…実は、数年前にマイナーチェンジ前のup!に試乗したことがありまして、「走らせ方」もそれなりに心得ている…つもりでいました。
しかし、エンジン始動の時点でつまづく展開に;^^)
(そういえば、M/C前の時の試乗は、エンジンが掛かっていた状態で渡されていたのだった…。)
up!は、エンジンの掛け方から癖があります。手順は以下の通り。
1.まず、シフトレバーを「N」ポジションにする。
2.ブレーキペダルを踏む
3.キーを思い切り捻る
…実は、「3.」が重要で、国産車のような勢いで捻ると、「ACC」で止まって、エンジンが掛かりません…でした。思い切り捻って、ようやくエンジンが掛かりました。
気を取り直して、試乗がスタートしたのですが…、最初に感じたのが、「操舵感の軽さ」。ステアリングが想像以上に軽く、駐車場内の移動でも軽くビックリしました。これはタイヤ幅の細さに起因するものなのかな、と思いました。しかし、冷静に考えてみると、175幅のタイヤ(スタッドレス)を履いた時のアオ(スイフト)は185タイヤ(サマータイヤ)を履いた時と比べても、操舵感に言う程の差が無かった…。…ということは、低速時の「異様な程の操舵感の軽さ」はup!全体の特徴ということになりそうです。
(※M/C後のhigh up!に試乗していないため、この点に関しては、自分の憶測となります。ご了承願います。)
最初に、ASGを「D」レンジにして走行してみます。アクセルを踏み込んでみて、「変速はこのタイミングかな?」とアクセルを軽く離してみたのですが…、自分が思うよりも数テンポ遅れて変速を行う始末。自分のアクセルの離し具合が足りなかったのか、その原因は定かではありません。
例えるなら、ミッション側が「歯車が合うタイミングは…ここかな?あれ、あれれ…!?」と「迷っているような」感じでした。
…結果、バイパスなのに、速度を乗せるのに時間が掛かってしまいました。そのため、最初の信号(ディーラーさんから出発して約1km)時点で「D」レンジ終了。残りの行程を「M」レンジにて走ることに。
その後の行程は、ディーラーの方と談笑しながらでしたが、快適に終わりました。
「M」レンジにすれば、あとは「クラッチ操作が無いマニュアル」。変速したいタイミングでアクセルを抜く→レバーを動かす→再びアクセルを踏む、という工程でスムーズに変速できれば成功しますし、失敗すれば…(※想像にお任せいたしますm(_ _)m。自分の場合、「シフトショック」なのかな、と…)、といった具合です。
そのため、「D」レンジを含めて、「どうやったらスムーズに走らせられるのか?」という「攻略要素」を見出す楽しさがあります。これは「ATである」と思って乗ってしまうと、痛い目を見ます。「クラッチペダルはないけれど、これはMT」と思えるかどうか。それがup!のASGに対する評価の分かれ目になります。
気になるシフトストロークは、「気持ち長めかもしれないけど、普通」。寧ろ、「M」モードでシフトアップしている時、「ゲート削れそう!!」と思ってしまう位カッツンカッツン当たり…そうに感じました。シフトレバーの操作感は気を遣ってしまいそうな程軽かったです。あと、up!の場合、シフトレバーを押して「+」、引いて「-」なのですが、その「+」と「-」の位置が反対になれば、完璧でした。引いて「+」、押して「-」の方が操作しやすかったです。
エンジンの方は、きちんと3500rpm程まで回せばきちんと走ってくれますし、過不足ありませんでした。エンジン音は…あまり気にしていませんでしたm(_ _)m
低速時に気になったステアリングの操舵感でしたが、「スイフトの時よりも軽いかも…」とは思った以外は、問題なし。ハンドリングも「いたって普通」でした。…本来なら、前述したように、適度なコーナーがあるルートを通ってみて、評価したかったです。
乗り心地も快適でした。橋の継ぎ目が若干上がっていたポイントもきちんと吸収してくれて、ストローク不足を感じることはありませんでした。
…正直言いますと、「いかにスムーズにASG(の「M」モード)を手なずける」かに意識が集中してしまい、他の細かい評価を疎かにしてしまいました…m(_ _)m。その点に関しては、お詫び申し上げますm(_ _)m
【move up!の○△×】
今回のmove up!の試乗に対して、個人的に思ったことをまとめてみると、以下の感じでした。
○
・扱いやすいサイズ
・走りの軽快感
・シンプルでかつ分かりやすい操作系統
・「走る事」と「それ以外」の割り切り
△
・「装備系統の割り切り」をどう捉えるか?
×
・好みがはっきりと分かれるASG
・低速時のステアリングの異様な軽さ
・「+」と「-」のシフトパターン
(1)○な点
個人的には好きな部類の車でした。
シンプルで走りがしっかりしている点がとにかく好印象でした。走りの軽快さや「操ってる感」があるところに魅力を感じました(ASGもその「操ってる感」に一役買っているのかもしれません)。
また、「走ること」に関してはしっかり手間をかけて、「それ以外」に関しては必要最低限、といった割り切りもup!のキャラクターを鮮明にしていて、個人的に○な箇所でした。
その主な例を挙げるとすると、以下の通りでした(本当はもっとあると思われます)。
・リアウィンドゥはパワーウィンドゥはなく、フラップのように後端が数cm空くのみ(展示車の「high up!」にて検証済)
・ドアミラーは手動格納式のみ(※GTIもそうらしいです。)
・ドアトリムはフルカバーではなく、昔の軽自動車のように鉄板のままの所がある
・内装質感は普通。しかし、デザインでカジュアル(個人的に言わせて頂くと、「ポップ」)な感じを演出している(外国車って、そこのデザイン処理が上手だな、と感じます。)
(2)△な点
…しかし、その割り切りを「up!のキャラクター」としてポジティブに捉えるのか、「200万円もする車なのに…」とネガティブに捉えるか、という点がup!に対する評価の分岐点(のひとつ)であると考えています。実際、どう捉えるのかははその人次第です。好きな人は好き。嫌いな人は嫌い。up!はそこがハッキリする車でもあると思います。
(up!のオーナーさん達に対しては失礼を承知で言ってしまいますが、)あくまでup!はVWのボトムレンジ(Aセグメント)を担っている車であり、「シンプルな実用車」であることを頭に入れておく必要があります。そうでないと、「up!に対しての正しい評価ができないのではないのかな?」、と感じます。
言い方を変えれば、(up!の本質とはズレた表現になってしまうとは思いますが、)up!は最新装備が付いていても、どこかアナログ的な感じがする車だと思います。VWの最新の車なのに、とにかくシンプルでちょっと旧い車みたい。高級化していく外国車の中でも、こういった車って珍しいと思いますし、個人的に応援したくなります。
(3)×な点
話を戻しまして、×な点について。
1つ目はASG。自分の場合は、「こんな感じね」と思い、「up!の個性」と考えているため、「○」だと考えています(寧ろ、「攻略要素」に楽しみを見出す方。)。
…しかし、客観的にとらえていきますと、ASGを「ダメなAT」と捉えるか、それとも自分のように「攻略要素を見出すことに楽しみを見つけていくミッション」と捉えるのか。この点もup!に対する評価の分岐点(のひとつ)であると考えています。
ASGのようなシングルクラッチ式ATの基本構造を考えてみると、「クラッチ操作を自動化したMT」。そのため、AT車にあるクリープ現象も存在しませんし、(個人的には)「MTを知らないと乗れない」と思えます。ですので、MTに乗っている方や(NAVI-5のような)「ロボタイズドMT」に乗り慣れている方なら、難なく乗りこなせそうな気がします。(※あくまで「気がする」だけです。)
なので、「up!って、ATなんでしょ?」と思ってかかると、ちょっと痛い目を見ますので、覚悟した方がいいと思います。
…しかし、乗って「ASGってこんなものね…」と思って乗ってしまって、ASGの癖に慣れてしまえれば、それもアリなのかと思います。但し、ATと違って、「坂道発進」が必要なので、その点は注意してくださいね!!
…したがって、up!を検討される際は、事前に必ず試乗をしてみて、ASGが自分に合うのかどうかを確かめることをお勧めいたしします(または、自分のように、「ASGの攻略法」を見出すこともオツかと…)。
※因みに、up!をスムーズに乗ることができれば、スズキのAGS車は楽勝です。
2つ目は、低速時のステアリングの異様な軽さ。これは最後まで拭えませんでした。しかし、普通に走らせている時は、違和感を感じませんでしたので、低速時にそうなるように電動パワステ側で「セッティング」されているような気がします。個人的に「少し重めな操舵感」が好みでしたので、この「軽すぎる操舵感」は苦手というより、ちょっと恐怖感を感じました。
3つ目はシフトパターン。前述のように、引いて(下側が)「+」、押して(上側が)「-」の方が操作しやすかったです。「慣れ」と言われればそれまででしょうけど、「そこを何とか…」と感じました。
【結論・個人的に思った事】
…情報が少なかったため、短くまとめるつもりが、結局長々と書いてしまいました。
結論を述べますと、自分の中では、up!は「好きな車」に入ります。理由は後述していきます。先に、個人的に感じたup!の評価を記していきます。
up!は、「割り切り」を理解しないと付き合えませんし、好き嫌いが分かれやすそうな車であると思いました。正直、自分からは「素朴さと割り切りとキャラクターを理解するのであれば、勧められる。だけど、手放しで万人に勧められる車ではない」と感じました。
そのため、気になる方は現物を見に行って、自分の目で確かめてみて、乗ってみて、「自分の感覚に合うかどうか」を確かめてみてください。
(あと、「up!はどんなポジションに属するのか?」という点も頭に入れて頂くと、更にいいかと思います。)
個人的には、低速のステアリングの操舵感を除けば、運転していて楽しい車でありました。ASGも「いかに手懐けて、スムーズに運転できるのか」を見出していくことが楽しかったです。とにかく、「操ってるな」という感覚が感じられました。
(AT、MTの用意があれば、更に人気が出そうな気がしますが…、お値段どうなってしまうのだろう?という心配があったりもします。仮にお値段据え置きなら間違いなく今よりも売れると思います。しかも、ATは、DSGよりもトルコンATの方が気軽に乗れて、間口が広がると予想されますし、その分商品力も高まると思います。)
最初に書いた、「自分の中では、up!は『好きな車』に入る」という理由について。【○△×】の項で前述したため、繰り返しになってしまいますが、個人的に、up!はVWの最新の車なのに、とにかくシンプルでちょっと旧い車みたいな車の香りを感じました。高級化していく外国車の中でも、こういった車って珍しいと思いますし、個人的に応援したくなります。
このシンプルな潔さ、実は大好きだったりします。これを「シンプル」と感じるのか、「道具的」と感じるのか、それとも「弄りれるポイントがある!!」と感じるのかは人それぞれということで…;^^)
(個人的には、何となく「無印○品」的な印象を抱きました。)
【でも、本当の目的は…】
今回の試乗を通じて、「up! GTIに対する期待」が膨れ上がりました(※実は今回の試乗は、こちらがメインでした)。
素のup!がこれだけ安心して乗れる。そのup!がMTで116ps/1000kg…。これは面白そうだし、GTIの見た目もお洒落。そして、変わらず「シンプル」。up! GTIに対して、自分の心がワクワクしました。
(※因みに、日本には、更にパワフルで、軽量なスイフトスポーツが存在します;^^))
久々に乗ったup!は難しさもありながらも、楽しませて頂きました。それと同時に、GTIに対するワクワクも出てきて、その後に行ったGTIの撮影(カメラの電池の関係上、20分程でした)が楽しかったです。
(※仮に、カメラの電池が残っていましたら、1時間掛かってでも納得するまで撮るつもりでした;^^)ゞ)
以上を持ちまして、move up!の試乗記を〆たいと思います。
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございましたm(_ _)m
最後に、Volkswagen水戸インターさん、撮影と掲載許可のご協力、誠にありがとうございました。