
先日”007/ノー・タイム・トゥ・ダイ”(以下NTTD、007略)二回目見てきました。
一回目では、余りにもシリーズの定番を覆す展開と、ファンが激怒しかねないラストに唖然。
細部を見ている余裕がなかったのですが二回目ともなればいろいろと見つけるものですね。
全作”スペクター”に出てくる小ネタを書いたことがありましたが、地上波放映、シリーズ配信解禁、NTTD公開というタイミングでPV数が激増しました(笑)
コチラ
ここではNTTDに出てきた
<過去シリーズへのオマージュ、パロディ>
<クレイグ版シリーズの伏線回収>
<小ネタ>
を分かるだけ書いていきます
その中にはこじつけや思い違いもあるでしょうし、見つけていなかったものもあるでしょう。あくまでも個人的な感想です。
当然ですが
ネタバレ満載です!ので見ていない方はココでスルーして下さい。
まだ上映中ですので、改めて見直す際には参考にして頂けたら幸いです。
○冒頭はマドレーヌがかつてサフィンに母親を殺された時の回想。
このシーンは”スペクター”で語られている。「2階の部屋にいた時、父を狙う殺し屋が忍び込んだ。でも台所の流しの下にベレッタが隠されていた」と語るが、NTTDでもシンクの下にベレッタがかくされていた。
○凍った湖の氷が割れて水中に落ちるマドレーヌ。
”スカイフォール”でのボンドと非常に似たシーン。
○We Have All The Time In The World
意味は「時間はたっぷりある」。”女王陛下の007”でルイ・アームストロングが歌う挿入歌のタイトルであり、ラスト、トレイシーを殺されたボンドが彼女を抱きしめてこのセリフを口にする。
NTTDではアストンマーチンDB5で海沿いの山道を走るボンドとマドレーヌのシーンでボンドがこのセリフを口にする。またBGMでインストVer.が流れる。
また”女王陛下の007”のラストの道に似た道の風景で、ひょっとしたらトレイシーが殺されなかったらこんな風にハネムーンに出掛けたのでないかと考えてしまう。
また、”ゴールデンアイ”でのDB5とフェラーリのカーチェイスシーンの風景にもよく似ている。
○イタリアのマテーレを訪れたボンドは”カジノロワイヤル”で亡くしたヴェスパーの墓を訪れる。
”ユア・アイズ・オンリー”でも冒頭でボンドはトレイシーの墓を訪れている。その直後に敵の襲撃に合うのも同じ。また墓の案内人が情報を漏らしていたのも同様。
○ボンドを襲撃した男の一人は片目が義眼だった。
片目の男と言えば”サンダーボール作戦”のラルゴを連想。共に左目が無い。
○このアストンマーチンDB5は”スカイフォール”で登場して破壊された後、”スペクター”で修理されたもの。
特殊装備は大幅に変更されていて、ウインカー下のマシンガンはヘッドライトのガトリングガンに。
またマキビシ(というか小型爆弾)は当初”ゴールドフィンガー”でも装備されている予定だったがカットされた。”トゥモロー・ネバー・ダイ”のBMWにもマキビシがリヤバンパー下に装備されている。
○ボンドに別れを告げられたマドレーヌは列車に乗り込んだ際にそっと下腹部に触れる。
既に子供を身籠っていた?
○ビリー・アイリッシュの歌う主題歌”ノー・タイム・トゥ・ダイ”
007では映画タイトルと主題歌が同じ場合が殆どでだが、クレイグ版では本作と”スカイフォール”のみで3作は一致しない。
また、ビリー・アイリッシュはシリーズ最年少での起用
始めて聞いた時はえらく暗い曲だと思ったが、映画の流れで聴くと非常にエモーショナルでマッチした曲だと感じた
○タイトルバックでカラフルな丸がいくつも踊るが、これは“ドクター・ノオ”と非常に似ている
○細菌研究所で誘拐される研究員オブルチェフが着ている防護服は”ドクター・ノオ”の防護服そっくり
また細菌兵器が主体となるのも”女王陛下の007”と同じ
○MI6を辞めたボンドはジャマイカで暮らしている。
原作者のイアン・フレミングもジャマイカの別荘で暮らしていた。その別荘は「ゴールデンアイ」という名称
○自宅に帰ったボンドはデレクタドスという名前の葉巻を見つける
”ダイ・アナザー・デイ”でキューバの葉巻工場で合言葉としてこのブランドを口にする。
○ボンドを送ったノーミが長髪のカツラを取るとカーリーヘアなのは”死ぬのは奴らだ”のロージーそっくり
○キューバで落ち合う現地の諜報部員パロマは黒のイブニングドレスを纏っている。
胸元が大胆なドレスだが、”私を愛したスパイ”のアニヤ(トリプルX)のドレスに似ている。

また、新人諜報員であるパロマは「訓練は3週間」というセリフがあるが、これは演じる アナ・デ・アルマスがこの役のためにしたトレーニングの期間。彼女が撮影現場で監督との会話でこのことを口にして監督が気に入り採用した。
○パーティ会場の2階で格闘するボンドが敵と共に落下するのは”慰めの報酬”にソックなシーンあり。
○キューバの通りで背後に写る看板「NIDO」は”007は二度死ぬ”から?(さすがにこじつけだとは思うが監督は日系人だから・・・)
○沈みゆく船で、重傷を負った親友フェリックス・ライターが力尽きて沈んで行く様は”カジノロワイヤル”でのヴェスパーの最期に似ている。
○今までのシリーズでライターは命を落とすことは無かったが”消されたライセンス”では麻薬王の復讐で鮫に両足を食いちぎられている。それ以降、クレイグ版までライターの登場は無い。
○船から何とか脱出したボンドは救命ボートに乗り込むが、そのボートの形状は”007は二度死ぬ”のラストに出てくるボートと同じ。
○ロンドンに帰ったボンドはガレージからアストンマーチンV8をだす。このアストンマーチンは”リビング・デイライツ”で乗ったのと同じ型、同じナンバー(ただし同様の装備があるかは不明)。

ボンドはキューバでも古いランドローバーに乗っているのでクラシックカーの趣味でもあるのかな?
○そのガレージには”スカイフォール”でMの遺品として譲り受けたブルドッグの置物が置いてある。
○MI6でMに合うボンドは胸にビジターのタグを付けているが、Mと口論になり、帰り際にマネペニーに投げ返す。
かつてはマネペニーの部屋に入る際は帽子をコート掛けに投げて入るのが定番だったのでその逆?
○Qの自宅へ押しかけるボンドとマネペニー。玄関には自転車用のヘルメットが掛かっているのでMI6には自転車通勤?

”スペクター”で登庁したばかりのQはメッセンジャーバッグをたすき掛けにしているので自転車通勤か?
○Qは”スペクター”で猫を2匹飼っていると言っていると言っているので猫が登場するが1匹しか映らない(または同じ見た目?)
○部屋には後半に登場するグライダーと思われる設計図が掛けてある。
○ここでQは’彼氏’のために料理の準備をしているがハッキリとLGBTを
表現しているのはシリーズ初。
○Qは漢字がプリントされたエプロンをしている。
○MI6の廊下(?)には先代M役のジュディ・デンチの肖像画が掛けられている。同様に2代目M役のロバート・ブラウンの肖像画もある。
○マドレーヌのクリニックを訪れたサフィンは鉢植えのジギタリスを見て「(ジギタリスの毒で)心臓が止まる」旨の会話をする。
”カジノロワイヤル”ではボンドがジギタリス系の毒薬を飲まされて心臓が止まりかける。
○マドレーヌの自宅を訪れたボンドは娘がいるのに驚く。彼女はボンドとの間に出来た子だが、ボンドの娘が登場するのはシリーズ初。
67年作の”カジノロワイヤル”でもボンドとマタ・ハリとの間に娘がいる設定だが、この映画は番外編のパロディなので除外した方がいいだろう。
○ボンドとマドレーヌはマチルダを連れてマドレーヌの車で逃げるが、その車はトヨタ・ランドクルーザー。ボンドがトヨタのステアリングを握るのは初めて。”007は二度死ぬ”での2000GTが有名だが、ボンドは助手席に乗るだけ。
○追手が乗っている車はランドローバー・ディスカバリー。
ランドローバーは永らくシリーズのスポンサーとして車両提供しているが、そのほとんどが敵側が乗る車。ランドローバーは太っ腹だねw
○横転した車両から這い出し、動けないアッシュの上にボンドは無慈悲に車を落として殺害する。
”ユア・アイズ・オンリー”でも崖から転落しそうな敵の車を無常に突き落とす。
○基地へ向かうボンドをノーミがアストンマーチン・スーパーレッジェーラの助手席に乗せる。ボンドがアストンマーチンの助手席なのも珍しい。
○軍の輸送機に乗り込むボンドとノーミをQが迎えるが、Qはガウンの下にパジャマを着ている。
”スカイフォール”でQはボンドに「PCがあれば紅茶を飲みつつ、パジャマ姿で諜報部員に勝てます」と言っているのでその証明?輸送機においてあるキャビネットにはしっかりティーセットも入っている。
○グライダーに乗り込むボンドとノーミだが操縦はノーミ。
キューバでのスクーター、アストンマーチンも含めて何かとノーミに乗せてもらうのが多い。
○グライダーは海中で潜水艦として機能するが、”私を愛したスパイ”でのロータス・エスプリ”も潜水艦にトランスフォームする。
○サフィンの本拠地である島は日本とロシアが領土問題となっているという設定。
サフィンの日本趣味があるのか、それとも日系人なのか、冒頭では能面も被り、服は作務衣なのか着物っぽいし、石庭や盆栽、畳の部屋、神棚もある。
この畳は東京の西日暮里にある森田畳店の畳が使用されている。
○島の地下で作業する人達の防護服はピンク色。
”ドクター・ノオ”でも作業員の防護服はピンクだった。
○公開前、サフィンは実はドクターノオでは無いかと噂もあったが違った。
ボンドは格闘の上、サフィンの右手をへし折るが、ドクターノオも右手が義手だった。

また、サフィンはボンドに銃で撃たれて絶命するが、ボンドがメインヴィランを銃で撃ち殺すのは非常に稀。多分、”黄金銃を持つ男”のスカラマンガと”私を愛したスパイ”のストロンバーグ位だろう。
○島をミサイル攻撃することになるが、Qが無線で何度も島から脱出するように話す。
”トゥモロー・ネバー・ダイ”での兵器マーケットを巡航ミサイルで攻撃した時にロビンソンが似たことを言っている。
○ラストはシリーズファン驚愕のボンドの死で締めくくられる
ボンドが
(本当に)死ぬのはもちろんシリーズ初。
今までのシリーズは基本ずっと同じ人物だという設定なのでたとえ俳優が替わっても明確な最終回というのは存在しない。賛否ある事だがDクレイグの最後のボンドとして最終回としたことは賞賛したい。
○オープニングと似た道をマドレーヌとマチルダがボンドの遺品であるアストンマーチンで走る。マドレーヌの口から父の事が語られ、その名前は「ボンド、ジェームズ・ボンド」とシリーズ定番のセリフで締めくくられる。
○エンディングはまさかまさかの
ルイ・アームストロングの歌う「We Have All The Time In The World」で締めくくられた。
冒頭のシーンの繰り返しともいえるが、今まで張り詰めていた緊張が解けて一気に涙腺が緩んでしまったw
さて、プロデューサーのマイケル・ウイルソンがカメオ出演するのはシリーズお約束なのだが、今回は見つけられず。”トゥモロー・ネバー・ダイ”(敵組織の幹部役でモニターに大写しになる)や”カジノロワイヤル”(汚職で逮捕される警察署長役)などは分かりやすいのだけど、ちらっとしか出てこないことも多数。
多分、キューバでのパーティの一人だと思うんだけど・・・
確かめにもう一回見ようかなww