2018年秋、
カローラの足回りリフレッシュの為に
御池さんのガレージにて作業中、
終盤に差し掛かったとき、御池さんから
「あれ、何この穴!!のいさん知ってる??」
と言う大きな声が。
覗いた時の衝撃は忘れることは出来ません。
「何か思い当たる節ないですか?」と聞かれたのですが、
確かに思い当たる節がありました。
2006年6月25日私は知人と
奈良から名古屋に出かけておりました。
丸一日遊んで帰り道。
日付が変わる頃、
知人がカローラを運転したいと言うので
運転を交代して国道23号線を走っていたのですが、
私がウトウトしていると
床下からものすごい衝撃と破壊音が。
慌てて車を止めて床下を見るも全く何も見えず正常に見えます。
「大丈夫なのでは?」
という知人の言葉に納得し奈良に帰りました。
6月29日、地元のカローラ奈良のT営業所に
カローラを持ち込み点検をしてもらいましたが
「全然大丈夫です」というお墨付きを貰い、
完全に安心しきっていたのでした。
購入以来、自分でつけていた記録簿に記載がありました。
これがないと正確には思い出せなかったと思います。
オイル交換などで簡単に持ち上げることはあっても
床裏をじっくり見る機会もなく、就職して愛知に住んでからも
ディーラーに定期的に入庫していたし、
まさかこんな事になっているなんて思いもしませんでした。
当時、深夜にロッカー脇から必死に覗いても
この部位は死角になって損傷は分かりません。
まさか床裏がこんな事になっているとは露知らず、
12年間、私は能天気に雨の日も冬の高速道路も走り、
更に山道をアグレッシヴに走り、
週に一回洗車してワックスを掛けて悦に入っていたわけです。
もうね、アホかとバカかと。
寮の駐車場でバンパーをぶつけられて落ち込んだり、
ドアトリムに工具箱が当たって
傷ついて落ち込んだりしましたが、
見えないところでこんな事になってたのです。
御池さんは青息吐息の私に
「まー、これは凹みますよねー」
「ディーラーもこんな亀裂絶対見つけてるんだから
教えてくれよ!って思いますよね」
と気遣ってくれました。
改めて損傷を観察。
恐らくレンガやブロックのような
硬い障害物と接触したのでしょう。
サスメンやE/Gアンダーカバーはすり抜けているので
厚みはさほど大きくないと予想します。

Frフロアで例えば転がるような動きがあり
Frフロアと大きく衝突したのではないでしょうか。
モノコックボディはフロアを薄板で作り、
必要に応じてハット断面のR/Fを通すものです。
メンバーはそれなりの板厚を奢りますが、
フロアに障害物がぶつかれば
一発破壊してしまうのは容易に想像できます。
そして
「12年経った今、このタイミングで穴が見つかるっていうのは
カローラ自身がそろそろ修理して欲しいと思っているのだと思いますよ」
と御池さんの見解を述べてくださいました。
確かにそうだ。
12年前、カローラ奈良でこの損傷を指摘されていたら、
私はカローラに乗り続けていただろうか。
何のツテもコネも無く、学生で週末のアルバイトによって
ギリギリ生活のところでカローラを維持していた自分を思い出しました。
ヴィヴィオの時も、ディーラーでブレーキの修理に
お金がかかると言われて一念発起。
自分で何とかしたという思い出がありましたが、
このレベルの損傷はプロに任さざるを得ず、
もしかすると、カローラを降りていたかも知れないです。
気づかなかったお陰で、
もうダメだと匙を投げずにカローラに乗り続けられた。
そう考えて
とにかく修理することを考えました。
もう12年も乗っているから仮に走行距離の少ないカローラGTが
ポーンと出てきたところで
乗り換えようという気は
もはや起こらないのです。
絶対に直す。そう心に誓いました。
ところで
塗装が削れ、亀裂が入っているものの、
錆は軽微だと思いませんか。
6代目カローラから全面採用された
亜鉛メッキ鋼板の偉大さを
身をもって知ることとなりました。
鉄よりも錆び易い亜鉛を表面にメッキすることで
亜鉛が先に表面が錆びて内部の鉄を守るという
画期的な材料が使われているのです。
メッキ方法は融けた亜鉛にコイルをどぶ漬けする方法、
電気を流してメッキする方法、
上記の電気めっき後に熱処理をして合金化して
鉄と亜鉛を強力に結び付けることで
溶接性・プレス性を向上させる方法があります。
カローラはどれが使われているかは分かりませんが、
凄いぞ亜鉛メッキ鋼板!ありがとう亜鉛メッキ鋼板。
板金塗装はいつもお願いしている
信頼できるお店があるのでそこへ持ち込むことにします。
板金屋さんでは内装を剥がす事が大変な負担になるため、
御池さんにて内装剥がしの作業を実施いただける事になりました。
「自分の車みたいなもんだから楽勝ですよ」との心強いお言葉です。
板金屋さんに持ち込んだ所、150後期ロイツーという
私が理想的に感じる仕様のクラウンに乗っているという
ベテランのおっちゃんがカローラをじっくり見た後、
「叩いて繋いで塗装すれば、ほとんど分からない感じで直るよ、
費用は税抜き5万かかっちゃうけど」
と言うあっさりした診断でしたので、ほっと肩の力が抜けました。
損傷発見以降、雑誌デビューを果たすなどカローラにとって華々しい
平成31年がスタートしたはずでしたが、実は床下が気になって
カローラに乗ろうという気持ちになれませんでした。
無事、夏の賞与もゲットした夏のある日、
RAV4で家に帰宅している途中、オドメーターに目をやると
92、92に!というカローラからのメッセージを受信。
これはイカンと思い、主治医の御池先生、板金屋さんにアポを取りました。
9月1日、タイヤ交換とちょっとした写真撮影以来、
眠っていたカローラを起こしておんぼろガレージへ。
カローラは
A/Cが全然効かないので保冷剤を持参して生命を維持。
御池一家の団欒に水を差すことは心苦しいのですが、作業開始です。
一気に内装を剥がしてしまいます。
Rrシート座面、Frシート、CTRコンソール、
ピラーガーニッシュ、カウルサイドトリム、フットレスト、
シートベルトのラップアウタ、バックル・・・・
いつものように迷いがありませんし、
傷をつけないような正確かつ、無駄のない順番でばらされていきます。
外した部品もキッチリと整理整頓されています。
カーペットが外れました。せっかくなので掃除機を掛けておきました。
フロアーが露になります。損傷箇所は
上から見ても酷い有様でした。
助手席シートのブラケットのすぐ下に穴が開いているではありませんか。
近づいてみると、ぐちゃぐちゃです。もし後席に乗員がいれば
足を怪我していたかも知れないですね。
次にジャッキアップしてマフラーが取り外し易いように一度ねじを緩めます。
パキッと緩めてくださりました。
かさばる内装部品は御池さんのご厚意によって
ガレージにて丁重に保管していただきました。
最後に自走できるようにシートと
シートベルトを取り付けていただき、
夕方になって閉店間際の板金屋さんへ。
初めて内装レスのカローラに乗りましたが、
明らかにクルマの挙動が変化して面白いです。
端的に言い表すと「楽しい」の一言。
軽いと言うことは全てにおいて正義。
普段不満に感じているブレーキの利きも良くなっていました。
ですが、
例の場所に手をかざすと
容赦なく走行風が吹き込んできました。
複雑な思いを抱きながら
板金屋さんにカローラを預けました。
その際の代車が
AE110カローラのXE-Saloonだったのです。
9月2日から修理に入りました。
もどかしく待つこと2週間。
板金屋さんから完成連絡がありました。
引き取りに行くと、綺麗に修復されたカローラが!
支払いを済ませ、社長さんと少々クルマの話をしてから
ワクワクしながら自分のカローラに乗りました。
補修箇所は触るとアンダーコートの柔らかさを感じますが、
パッと見全然分からないクオリティです。大満足。
例の場所に手をかざしても、
もう隙間風は吹かない!
うん、これでようやく再出発できる!なんて思ったのですが、
カローラには
まだ内装が無かったのでした。
そんな訳で御池さんが仕事終わりに
カローラを引き取りに来てくださいました。
代車は宝物の
スプリンターGT。
オート店扱いの車ばかり所有される御池さんの宝物。
背後には同じくオート店扱いのライトエースワゴンが!
嬉しくなって色々な場所(わざわざ行きました)へ行きましたが、
サーキット&通勤使用のスプリンターは速さと快適さが同居する新感覚でした。
足は堅いけど、ちゃんと許容レベルで車高も車検対応。
クイックシフトはコクコクと気持ちよく変速でき、
クラッチもサーキットを意識しながらも軽い。
ブレーキは飛躍的にレベルアップしていて安心して踏める。
E/Gもノーマル+αでパワーもりもり。
運転操作に対してズレなくバシッと反応するリジッドな印象。
オーナーである御池さんの好みに調律されているのです。
こういう明快なクルマを運転させてもらうと、
ノーマル派の私もちょっと羨ましくなってしまいますね。
「お父さん、新種ですね!」そう言わざるを得ない出来栄えでした。
週末にカローラが出来上がったとご連絡をいただき、
引き取りに行って参りました。
おんぼろガレージにたたずむカローラ。
内装に生活感が無く、まるで新車のようにパリっと仕上がりました。
単に内装を組むだけではなく、追加で種々の整備を実施してくれたのです。
クラッチフルードが黒いから交換し、ペダル位置も調整、
マフラーが目立つのでブラックアウト塗装、
バラバラに分解していた純正フロアマットを補修した上に、
エアコンガスが漏れていたので補充までして頂きました。
もう、
オンボロガレージ方面に足を向けて眠れません。
自分の車の様に愛情を持って接して下さるので本当にありがたいです。
(これは私の周囲の皆さんが全員そうなのです)
御池ファミリーに見送られ帰路に着きます。
加速させて高速道路に合流した際、
柄にも無く「ごめんね」とカローラに声を掛けました。
12年間という長きに亘り
あのような損傷に気づいてやれなかった事が
本当に申し訳なかったです。
今回の修復により、大きなマイナスが
ようやくゼロになったでしょうか。
修理から帰ってきた後、
通勤の為に毎日カローラに乗っています。
ついつい車を止めてニヤニヤしています。
内装のせいか少し重くなったような気もしますが、
4A-GEは元気一杯に回りたがります。
インターチェンジのランプウェイを走れば
曲がり重視のアライメントや
新タイヤの効果も感じられるようになりました。
FFなのに何処までも曲がろうとするのは面白いですね。

70km/h~80km/hで車全体が揺すられる現象や
2500rpm近傍で発生するE/Gからのうなり音、
根本修理が必要なA/Cなど課題は複数あるけれど、
今は走らせることが純粋に楽しいと言うことを再度確認しています。
平成元年式のカローラ。令和の時代になり30周年です。
また次の晴れ舞台に向けて
カローラのコンディションを整えたいと思います。
今回も、お世話になった
御池さんファミリーに感謝。
(整備手帳も徐々に更新していきます。)