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2022年06月15日 イイね!

2022年式bZ4X感想文

2022年式bZ4X感想文●BEVのハードルを下げる為の刺客

2022年5月、トヨタは純EV(トヨタ流表記ならBEV)のbZ4Xをリース、もしくはサブスクサービスであるKINTO扱いのみで発売した。

bZ4Xは「びーずぃーふぉーえっくす」と読むが、ものまね王座決定戦によく出ていた彼らとの関連性は皆無だ。公式サイトの解説ではbZ = Beyond Zero。 Zeroを超えた価値の創出を目指すという意味、4はミディアム車格を示し、最後の XはボディタイプとしてSUVを示すという。

今後、バリエーション展開が膨らむとCセグハッチバックの「bZ3C」やらラージMPVの「bZ5M」なんかが出るのかも知れない。

最近になってトヨタは顧客が望めばBEVを2030年までに30車種、販売は年350万台を実現できると記者発表をしているが、それまでのトヨタは次世代のパワーソースとして燃料電池に力を注いでいたため比較的BEVに冷淡であるという見方が一般的であった。BEVニーズが高い中国・米国・欧州への対応としてグローバル展開できるBEVの開発が求められていたが、トヨタと言えども1社でスピーディな開発は簡単では無く、スバル・スズキ・ダイハツと手を組んで企画開発を行う旨記者発表が行われている。(特にコンパクトBEVの開発でスズキとダイハツが協力して車を作るなんて10年前では考えられない事態だ)

協業による最初の成果としてbZ4Xは兄弟車のスバルソルテラと共に世の中に現れた。グローバル展開を見据えて今、最も売れ筋であるSUVが急がれることは至極当然の判断と言えるだろう。

乱暴に言えばbZ4XはRAV4(或いはフォレスター)のBEVである。しかしP/Fは一から企画されており、パッと見た感じだと設計的な血縁関係は無さそうに見える。

ボディサイズを比較した。全長と比べてホイールベースが長い。おそらくバッテリーの搭載スペースを優先したかったのだろう。エンジンコンパートメント(と言って良いのか分からないが)が小さくできるメリットもうまく活用したのだろう。



走らせると、蹴っ飛ばされるような加速度とMR-Sのような敏捷性はBEVの特別感を感じさせる。しかもバッテリー消費は、確かにBEVとしては実用レベルに値する航続距離を手に入れており素晴らしい。バッテリーは10年20万キロに亘り70%の容量保証付きだ。この辺りも地道な技術の積み重ねである。

性能面ではNV性能が期待値を下回っている。また実用車としてみれば、決して不便なクルマでは無いが優れているかと言えば残念だが凡作の部類である。

それはBEVゆえのバッテリー配置問題によるパッケージングの稚拙さや、いかにも現実的なドア周りの段差、部品見切りなど数あるトヨタ車の中の一つというレベルでありながら価格は650万円(前後モーターつき4WD)である。

bZ4Xを見ていると、他社のBEVが例えば給電ポートをフロントエンドに設けたり、ガルウィングドアを採用したり、スピードメーターを廃してセンタークラスターの大型ディスプレイで代用したり、電子ミラーを採用したり、見た人がハッとするような飛び道具は見当たらない。内外装が少し派手であること以外は極めて普通のトヨタ車である。

商品性としては350万円クラスのRAV4に多少のアクセサリーを追加したレベルのクルマが650万円だと言うなら、BEVはまだまだ高い。



国からの補助金とかリースやサブスクのみで、とかBEVの背中を押すような施策が必要な現状では今のICE(内燃機関)と肩を並べるレベルで普及するとは考えにくい。だからこそ先行する他社のBEVは商品として何かエッジの効いた特殊な特徴が与えられているのだろう。そういうゲタを履かせてあげないとまだ商品としての競合性が保てないのである。

もしかするとbZ4Xは私達庶民が持つBEVに対する幻想(エコでファンなハイテク満載の未来の乗り物なんだろうなぁ)を「BEVなんてこんなもんですよhahaha」などと言って打ち砕く存在なのかも知れない。BEVが求められているグローバル市場に向けた商品と言いながら、発電方法や電力供給網などを無視して逆上せあがって浮かれている世界中の人たちに向けた痛烈なブラックジョークをかましたんじゃないのか?とさえ思えてくる。

bZ4Xは残念ながらまだ荒削りで商品として皆に納得されるレベルには達していないと感じた。日産のような「もうウチはこれで行く…行くしかないんや!」という決意が感じられない。(だから日産はe-POWERですら電動感覚を大切にしている)

トヨタ自身もそれを分かってリース専用車にしたのでは無いだろうか。実際のトヨタはFCEVもHEVもPHEVもICE車もBEVも全方位で開発できる余力?があるのだから。私が2時間運転した限りでは我が家がファミリーカーをbZ4Xに買い換えようとは思えなかった。RAV4 PHEV+200万円では物足りない。商品レベルとして私が求めるならハリアーHEVの商品力が欲しいし、価格差も補助金で相殺可能なレベル程度は欲しい。しかしそれはまだまだ先のことかも知れない。

全体的なお薦め度は★3つ。BEVに楽しさを求めるなら他車の方が良さそう。日本で乗れるBEVの相対評価だと更に悪く映る。だったらこの時期に発売されるbZ4Xに何を求めたら良いのだろう。私にはあまり相応しいユーザーのイメージがわかない。
Posted at 2022/06/16 00:17:11 | コメント(1) | クルマレビュー

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何シテル?   04/26 21:48
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