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ノイマイヤーのブログ一覧

2012年11月25日 イイね!

2012年式スイフトRS×スポーツ比較+2012年式フォレスター+2012年式オーリスRS感想文

2021年10月10日リンク追加修正



2012年式スイフトRS×スポーツ比較感想文


「2012年の初代ヴィッツRSとユーロスポーツエディション」

知人がスイフトの乗り比べができるディーラーを見つけてくださいまして行って参りました。スイスポといえば昔は謎の高回転型1500ccエンジンを積んだ軽自動車だったわけですけれども・・・

二代目スイフトにFMCしてから急に本格スポーツハッチに目覚めてしまい?気づいたらスズキのスポーツマインドを牽引する存在になりました。二代目スイフトのスポーツは一度試乗しましたが、かっちりしたいい良い車でした。

・・・で本題。3代目スイフトのスポーツも正統派のスポーツハッチな訳ですが、RSというグレードが追加されました。なんでも欧州仕向けのチューニングの足回りを5MTでサクッといただける仕様なのだとか。



これ、まさしく初代ヴィッツのUユーロスポーツエディションじゃないですか。試乗させていただいたときの感想もまさしくそれ。

ノーマル系の乗り心地を維持したまましっかり感が追加されている感じ。ブレーキやエンジン動力性能に過剰な演出がまったくないナチュラルでプレーンな乗り味。しかも、外装もあくまで上品でセンスがいいです。MTとしても乗りやすく、ストレスが溜まることはまったくありません。1200ccならMTで十分走れます。

高齢者でMTしか乗れない、と仰る方にもお勧めですし、プジョー207スタイルとかルノールーテシアのMTのようなフツーの欧州車にグッと来るような方にもお勧めです。こんなクルマは昔は色んなメーカーが出していたんですが・・・・。

・・・で次に乗ったのがスイフトスポーツ。



あの黄色で6速MT。迫力十分な外装部品とスポーツシート。

RSとは明確に性格が異なります。乗り心地もそこそこハードで乳児を乗せるのには向いていないかも。しかし、幼児なら問題なし、という感じ。

コーナリングも痛快の一言。加速はエンジン音がチューニングされていてその気になれます。ターボじゃないけど、高回転NAの味わいは捨てがたい至宝。こいつはまさにエンジンが上等な初代ヴィッツのRSじゃないか!と思います。いや、専用エンジンが与えられていてトヨタ流に言えばGTというべきか。

競合する他社製品は並みのエンジンにMT乗っけてエアロと黒内装つけて「若者向けのスポーツグレードですよ」と言っていますが、スイフトスポーツは本物のスポーツハッチバックです。目指したのは先代ポロGTIとかルーテシアRS(クラスは違うが)の様な方向性でしょうね。運転が好きな人にはたまらない選択肢になることでしょう。ハッキリ言ってライバル不在。価格も税抜きで160万円というのも、スズキの価格設定で言えば高いですが、内容は充実。値引きもあるそうですから、かなり幸せになれそうです。これの5万円安でノーマル系の外装が選べたら
「派手な車に乗って煽られたくない」という隠れスイスポファンが喜びそうなのですが。



●2012年式フォレスター感想文


「すごく頑張った」



怒られそうですが、安定のかっこ悪さです(すいません)。個人的な好みですが先代フォレスターが「スバルどうしちゃったの?」というほどカッコ良かったので、心配していました。先代でせっかくオーバーハングを削って軽快感を出したのに、なぜそんな重たいオーバーハングにしたんだ・・・・。SUV的な力強さ・・・・?いや、今の世界の潮流は「汗臭くないSUV」のはずなのに・・・・。現行レガシィから「いかつい顔」で展開してきているのでフォレスターもそれに倣ったのでしょうか?

セールス的には好調だった先代フォレスター。先代のモデルチェンジのときに思い切ってRAV4やエクストレイルのようなSUVルックにしたのはマーケティング的には正解だったと思います。

車高の低い運動性の高いSUVというコンセプトでは、AWDのSUVに乗りたいマジョリティに訴えかけることができませんし、その精神はXVに受け継がれているといってよいでしょう。(フォレスターはかっこ悪いけど、XVはすごくカッコよく仕上がりましたね)

かっこ悪い連発で申し訳ないですが、クルマは乗ってナンボ。試乗車をチェックします。

新型フォレスターも最近の流行にあわせてDLO(デイライトオープニング)をSUSモールで光らせています。特にすごいのは最上級のXTは全周ぐるっとSUSモール。それ以外のグレードはベルトモール(下側)のみという構成に分けていることです。カローラアクシオ(XとG)やヴィッツ(一般グレードジュエラ)のようにベルトモールのみ光らせたり、黒くするのは簡単ですが、下側のみ光る仕様と全周光らせる仕様を共存させるのは従来のドアフレーム構造では無理なのでたとえばG/Nが取り付けられるヒドゥンタイプのドアフレームにするなど対策が必要です。廉価グレードを安く見せないスバル、加飾に目が行くとは確実に腕を上げております。ただQTRガラスのつなぎ部は苦心した跡がありますね。

ターボ車を良く見るとシトロエンDS3みたいなバンパー形状をしています。なんとディーラーオプションで縦スリットが光るそうな・・・・・これDS3や・・・。アルミも・・・・国産で流行り始めましたねぇ、黒塗装アルミ。そういえばヘッドライトもメルセデスのCクラスばりのラインが入っております。新型フォレスターものすごく魅せることに気を使っていることがわかります。

乗り込むと、広々とした室内空間が広がっています。ボデーサイズがゆったりしているのだから、それも当たり前といえば当たり前。室内も先代と比べてグッと上質になっています。I/Pアッパーがソフトパッドって・・・・クラス凌駕しすぎwww

コストダウンのために観光バスの空調噴出し口を流用していたvivio(これはむしろかっこいいが)を知る私には泣けてきます。スバルは、本当に世界のメーカーを相手にプレミアムな車を作ろうとしているのだと気づかされます。

むかし、ある評論家の人が「スバルはBMWになるべきだ」と言っていました。その評論家は「レガシィみたいなすごいクルマを掘っ立て小屋みたいなディーラーで売ってはイカン」「綺麗なディーラーでそこそこの付加価値をつけて売るべきだ」と言ってました。今まさにそれですよ。それをやろうとしている。ま、トヨタと戦っても廉価モデルで勝てるわけがない。ボクサーエンジンを残すにはいい戦略です。

さて、NAモデルに試乗させてもらってきました。ステアリングの中心位置と着座中心位置がちょっとずれていて気持ち悪いですが、シンメトリカルAWDの安定感はさすがの一言です。当日は雨でしたが、アイサイトもしっかり作動。山道も本当に安定していて滑るようなそぶりがありません。飛ばさなくても分かる安心感はスバルならでは。CVTも極力違和感を消すようになっており、擬似変速が組み込まれています。エンジンは2リッターNAですが、出だしの力強さが立派。踏みこむとさすがにCVTですが、CVT嫌いの人にも一度乗って進化を確認してみて欲しいですね。停止後にエンジン停止するアイドルストップ装置もスバルらしくて素晴らしいです。

まとめると、フォレスターは昔のスバル車と同じく、乗ればその違いが一目瞭然のすごいクルマでした。昔と比べて商品性もグッと上がっていて海外ではしっかり数を稼げるのではないでしょうか?国内も、希少なMT設定も相まって一定の支持が得られそうです。(ハイパワーのDITも良いけれどボクサーディーゼルもMT有で是非売って欲しいです。)

個人的に買うなら2.0iLのMT車ですね。(ボード用にシートヒーターとルーフラックをつけます)



●2012年式オーリスRS感想文


「次にかかっている」



聞くところによると、あのテレビCM(2012年注、女性のように美しい男性モデルが出演)、全国のモンペからものすごいクレームが来たらしいですよ。

Sports Hatch Backというキャッチコピー。VWゴルフGTIのGTI is back.を連想してしまった人は多いかも。要するに、「スポーツハッチが帰ってきた!」と「スポーツハッチバックだよ」というダブルミーニングになっているわけですね。

「ちょっといいですか?」
「ずっといいですよ、新COROLLA」
という1995年のキャッチコピーを思い出したのは私だけかも。

昔はVWゴルフ対抗馬としてデビューしたカローラFXが祖先。先代ではプラットフォームも一新、車名もオーリスにして3ナンバーサイズ拡大。ライバルとの本格的な戦いを期待したものですが、蓋を開けてみれば日本国内の販売台数でVWゴルフに惨敗する始末。欧州市場でも・・・・ね。

こんどこそ!と意気込んで発売されたのが二代目オーリス。先代は「平和的で丸っこいフレンドリーな意匠」だったのですが、カッコよさを目指すべく全高を下げ、デザインコンシャスなクルマに仕立て直した。

うーん、先代インプレ○サ?アク○ラ?みたいなテイストになってしまったが、
ようするにCセグメントハッチバックの流行に沿ったスタイリングになった。オーバーハングを延ばしてスタイリングのために使ったとトヨタはコメントしているが、ヘッドライトが車両先端に追いやられている。伸びやかさが強調されるよりも、歩行者保護要件でフード高さが高く、地獄のミサワの描くキャラクターのようだ。カウルを下げたかったのだと思うが、プラットフォーム上難しかったのだろう。ヒップポイントの高めが流行っていた時代のプラットフォームだから、
ヒップポイントを上げることは出来ても下げることは想定していなかったのだろう。さらに、ワイパー見栄えも加わるから、カウルやフードが低くならない。今あるリソーセスで背の低いハッチバックを作ると、どうしてもチグハグになってしまうのだろう。

欧州車の加飾トレンドを追いかけてピアノブラックのバンパーとメッキモールを新採用している。これも、欧州のライバルと比べると取って着けた感がひどい。そこだけが浮いてしまっているのだ。頑張ったけど、この意匠にはマッチしてない。これならシボありの素地で勝負した方がよかったのではないか?

細かい部分ではホイールハウスのフランジを短くしてRrタイヤを外に出して踏ん張り感を出すといった努力もしている。・・・しかしながら、どうにも野暮ったさがぬぐえない。

内装はオーソドックスだが、何故か絶壁インパネ。助手席前のオーナメントを交換できるようにしてマイナーチェンジやグレードマネージメントに生かそうとしているのは分かるけど、指で押すとペラペラ。I/Pアッパー(ソフト化達成)とドアトリムもつなげるために面の整合性が取れてない。Frピラーガーニッシュを植毛にして頑張ったのに、そういう努力を活かせていない。内装のトヨタじゃなかったのか?とがっかりしてしまう。

こんな風に書くとトヨタの人に怒られそうだ。「欧州のトレンドに沿った加飾をつけたじゃないか」「法規や内規で厳しい中、血反吐を吐きながら出図に間に合わせたじゃないか」「車内試験ではライバルよりも良いんだ」

いや、まったくその通りだと思う。しかし、冷徹にVWゴルフ、フォードフォーカス、現代i30と並べてどうしても見劣りするように見える。プレミアムと自認するゴルフに負けるのはいいとしてトヨタの欧州戦略車のオーリスが同じようなキャラクターの現代i30に対してすら見劣りすることに危機感を感じている。

内外装に対しては厳しいことを書いてしまったが、実際に運転してみると進化を感じる。やっぱりクルマは乗ってみるまではわからない。

試乗したのはMTのRS Sパッケージ。MTがあるというだけで素晴らしいが、先代もMT自体はあった。今回もスポーツエンジンではないにしろ専用エンジンを積み、リアサスにダブルウィッシュボーンを採用した(欧州仕向けのキャリーオーバー)。かねてからトヨタのMT車をスポイルさせていた電子制御スロットルの味付けが改良されていました。従来モデルと比べてグッと運転しやすくなりました。

ギア比はローギアード化して変速するという作業を楽しめるようなセッティングにしてあります。発進、加速、定常、減速、停止、などの基本的なシチュエーションで破綻することはありません。一般的なユーザが数年ぶりにオーリスRSを購入し、日常生活で使用する中でもMTらしいドライビングの楽しみが享受できるような乗り味になっています。

エンジンはあくまでも一般のエンジンなので回すと音質がよくないし、パワフルでもありませんのでスポーツと言われるとうーん、ってなります。
足回りも攻めたわけではないですが、堅めでしっかり感があり、それでいて不快なレベルではありません。ステアリングもEPSながら、まずまずのレベル。

ブレーキは欧州車風味のガッツリタイプです。国産車に乗りなれたユーザーは効きの強さにびっくりするでしょうね。高速道路ではかなり恩恵があると思います。

こうして考えると、オーリスは走りという面でグッとレベルアップしたことがわかります。スタイリングや内装の質感はいまいちだけど、乗ってみるとなるほどなと思います。(それでもVWを超えたとは思えませんが)

価格はゴルフの再廉価が249万円。オーリスは1800CVTが221万円、MTのRSが225万円。装備レベルは同等で価格がかなり近いところまで迫っている分、高級感やスタイリングの整合性でオーリスの負け度合いが強調されてしまいます。内部事情はさておきお客さんから見たら値段が同じ位なのに高級感とか乗った感じが全然違うのは納得できないでしょうね。

トヨタとしても、誰が見てもVWを越える車を作ってみたかったのではないかと思う。VWよりもカッコよくて、高級感があって、走りも楽しいオーリスにしたかったと思う。ところが、今回は走りの面に進化が認められるものの、凌駕はしていないと感じた。

しかし、新聞報道によるとトヨタはプラットフォームを新設しようとしているらしい。新しいプラットフォームはエンジンを低く配置し、運動性能とカッコよさを両立するものらしい。

数年間、歯を食いしばってきたエンジニアの方々にはお疲れ様の気持ちで一杯だが、新プラットフォームで開発されるはずの次のオーリスこそが本命である、と期待しています。今はマイナーチェンジでもう少しブラッシュアップしてつなぐしかないかなと。

今は頑張り時なのかもしれませんね。



Posted at 2012/11/25 10:33:32 | コメント(7) | トラックバック(0) | 新車 | 日記
2012年11月22日 イイね!

2012年式セレナSハイブリッド+2012年式N ONE感想文

2021年10月10日リンク追加修正

お久しぶりです。
職場がブラック過ぎてROMってました。
来年の3月くらいまでは黒光りしてると思います。

仕事を忘れて、最近乗った車のことを書きます。


●2012年式セレナSハイブリッド感想文


「松茸御飯の素(松茸エキス入り)」



従来のコンベンショナルな乗用車のエンジンコンパートメント内にお化けオルタネーターを突っ込んで回生能力をUPさせて、時々は動力としてモーターとして使っちゃえばいいんじゃないか?そういう思想は昔からありましたし、サターンは実用化したものの、すでにお蔵入りになっています。

あらゆる試乗レポートを読んでも「HVだと思ってはいけない」との注意書きだらけでむしろ乗りたくなってしまいました。

エスティマハイブリッドやフリードハイブリッドには乗ったことがありましたが、このタイプ(マイクロハイブリッド)はセレナSハイブリッドが初めてです。

エンジンをかけて営業氏の説明を受けます。「ハイブリッドとして機能しているときは液晶表示にS-HYBRIDと表示されます」とのこと。

市街地を普通に走るといわゆる一般的なガソリン車。信号待ちでアイドルストップをしてくれますが、この時に例の表示が点灯。発進すると、たちどころにエンジンがかかり普通に加速。ついぞ走行中に件の表示が点灯することはありませんでした。アイドルストップしただけの15分間。

試乗レポートの忠告は正しかったのだ!その割りには誇らしげな原価のかかったエンブレムが3箇所に追加してます。

私が19歳だったら「こんなクルマをハイブリッドとして宣伝するとはけしからん」とプンスカだったと思います(笑)

しかし、まったくクルマに興味が沸かない方からすれば、ハイブリッドと誇らしげに書いてあるクルマが238万円から買えれば、間違いなくお買い得でしょう。実質的にはただのアイドリングストップ車でも、他の本格ハイブリッドよりも価格が安く、ちょっと前のエコカー減税だって免税になるというのなら、何ら損失は無い訳です。

しかも、「○○さん、ハイブリッドカーを買ったらしいわよ、エコね」とご近所でも評判になること間違いなしと言う特典つき。お客さんも馬鹿じゃない。騙されたフリをしているという側面もあるのではないでしょうか?

(2021年追記)
トヨタ式ハイブリッドこそがハイブリッドだという印象が今よりも強かった2012年頃、日産のSハイブリッドはニセモノ感にあふれていましたが、法的には正式なハイブリッドであり、最小限の投資で減税効果を勝ち取るインテリジェントな作戦でした。当時、トヨタもホンダもこのクラスにハイブリッドを持たず、セレナはクラス初のハイブリッドを実現した点もアピール効果抜群でした。2018年には本格的なシリーズハイブリッドであるセレナe-Powerしましたが、今度はハイブリッドと呼ばず、「電気自動車の新しいカタチ」を名乗りました。カツオのようにちゃっかりした社風は健在なのです。





●2012年式N-ONE感想文


「乗り込む瞬間にクラスを感じる」



ホンダが快進撃を続ける軽自動車Nシリーズの第3弾。

N-BOXや N-BOX+ではカバーできない「セダン」派の皆さんへ送る一台。
セダンとは言いながらも全高が1600mmを超えるハイトな軽。スタイリングに対しては批判も多いと思いますが、各社、ああいう意匠のクルマを提案している中でホンダもそりゃやるでしょー、と思う。

かわいらしいスタイリングでプレミアムを謳うMINIのビジネスモデル。これを軽に展開したのがN-ONEというわけですね。プレミアムらしく、スマホみたいなピアノブラックの外装意匠。しかも、デカールで装飾することも容易でまさにスマホ。走りにアキレス腱を持つ軽のためにターボ仕様をグレードに関わらず選べるようにしたのは英断です。かつてマイルドチャージやMターボといっていたジャンルですね。N-BOX+のターボに乗った印象ではかなり活発なエンジンで動力性能に不満が出ることは無いと思います。安全性が・・・という向きのためにも横滑り防止装置を装備、サイドエアバッグもグレードによっては標準。なかなか頑張ったなぁと思います。

ディーラーで展示車を見てきました。ものすごく個人的な感想でホンダの人に申し訳ないのだけれど、プレミアム軽、と言うコンセプトに対してちょっと期待してディーラーに行ったんです。しかし、実際はドアハンドルを握った瞬間に萎えてしまったのです。私の身に何が起こったのか!

メッキ処理されたお金のかかったドアハンドルなのですが、触った感じがぺらっぺら・・・・。コレばっかりはしょうがない・・・。軽には全幅に対して規制があるし、あんまり立派なドアハンドルにしちゃうと、肝心の室内が狭くなってしまう。幅方向の寸法が厳しい軽自動車にとってドアハンドルごときに寸法を使うなんて愚の骨頂といえます。

しかし、しかしですよ!人間の手の感覚というのを侮ってはいけない。厚みの少ないドアハンドルの断面係数の小ささ(引っ張るとたわみ感がある)は残酷にもこのクルマの立ち位置を軽自動車という枠に縛るのです。難しいなぁと思う。こいつのためにわざわざ専用にドアハンドルを起こすのもカネかかるし。でも、見栄えとか感触が悪いからってイメージに沿うように新規にドアハンドルを起こした新車だってありますよ。

個人的な想いとしてはお客さんが手で触る部分はそれくらい気を使ったっていいと思います。

プレミアムブランドと呼ばれている車は、そういうしょーもないところにお金をかけます。AUDI TTに友達が乗っていますが、何故か開閉式のオーディオカバー(そもそもそんな不要な部品)がアルミダイキャスト製。触るとひんやりしていて独特の重量感が高級感につながっているのです。

もちろん、N-ONEは軽自動車だしある程度安い価格で提供しなくてはいけないモデルなので本気でプレミアムな方向には進めなかったことは重々承知しているつもりです。でも、もしN BOX開発時にこのことに気づいて握り感を精査して検討していれば・・・・。マイナーチェンジで金型起こせ!みたいなあほな事は思いませんが、残念に思うと共にクルマ作りの難しさを垣間見た気がいたしました。

この文章を書きながら、スバル360開発記に買いてあったエピソードを思い出しました。(うろ覚えなのでスバリストからの厳しい指摘は受け付けません。ニュアンスで感じて下さい。)

ステアリングホイールの設計者が上司に木で作ったモデルを持って来ました。設計者は言います。「ギリギリまで軽くしました」

上司は机からナイフを取り出し、彼の作ったステアリングを丁寧に削り始めました。どんどん削って上司の机は木屑だらけ。その木屑を集めて秤に載せると「ほら、まだこんだけ軽くできた」と言いました。涙ぐましい軽量化への努力です。

この話には続きがあります。

自信作のステアリングを削られた部下は、出図の際はステアリングの裏側に米粒のような突起を多数つけておきました。「細いステアリングでは運転に不安感が出ます。引っ掛かりを良くしておきました」という理屈。単に軽くするだけではペラペラの車になってしまう。

少しでも、些細な形状でもこだわってより良いものにしようとする設計魂を感じるエピソードです。ま、実際は難しいけどね。

このN-ONE、好調らしいですけれど、モデル末期のFITのお客さんを共食いしているらしい。来年フルモデルチェンジするらしいFITですが、グローバルコンパクト(リッターカー)とドメスティックサブコンパクト(軽)の顧客の奪い合いが本格化しそうですね。

(2021年追記)
N ONEを一目見てBMW-MINIの二匹目のドジョウを狙った企画のように見えました。N360のエクステリアデザインを現代版にしたようなヘリテージカーの一種なのですが、軽自動車という制約上ドアハンドルの握りの頼りなさは今でもよく覚えています。MINIはモデルチェンジを繰り返して肥大化の一途を辿りついに禁じ手の5ドアまでデビューさせてしまいましたし、残された3ドアも何だか随分と変わってしまいました。N-ONEが偉いのは、販売面で大ヒットはせず、放置されたかに見えたのですが2020年にFMCされ、しかも見た目はほとんど変えてこなかったのです。N-ONEの魅力であるスタイルを不用意にいじらず堅持する生き様は素晴らしいと思います。





取り留めの無い文章ですいませんでした。
Posted at 2012/11/22 21:16:02 | コメント(1) | トラックバック(0) | 新車 | 日記

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