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2022年08月18日 イイね!

2021年式 N-WGNカスタムLターボ感想文

2021年式 N-WGNカスタムLターボ感想文●還暦を迎えた父の新しいお供
父が昨年にDEデミオの代替で購入したN-WGNと1ヶ月生活を共にしたので記録の為感想文として残す。

父は中古のDEデミオに乗っていたが、ある年の正月に妹夫婦が当時所有していたN BOX+を運転した際に「軽のターボでも全然走る」と感銘を受けて節税の為に買い換えたのが今回取り上げるN-WGNである。

購入時は中古のN ONEや先代N-WGNの物件を探していたが、2019年にFMCされたN-WGNが良かったので私が新車を買う様に勧めた。父は還暦を迎え、まだまだ元気だし頭もしっかりしてるが、かつてより良い意味で運転も穏やかになってきた。

免許を返納するほど衰えていないが、万が一の時に加害者になって欲しくない、だからせめて父にサポカーを選んで欲しかった。2019年にデビューしたN-WGNは普通車と比較しても遜色の無い先進安全装備が全車標準装備である点が売りだ。

私が住む愛知や妹が住む千葉にもN-WGNで行くなど活用しているが、家を空ける仕事が増え、忙しくなって乗らない期間が増えるため、頼まれて預かることにした。

●ホンダの軽ハイトワゴンを振り返る
前回のスズキワゴンRの感想文で軽ハイトワゴンのパイオニアがライフステップバンであること、軽ハイトワゴンの市場を確立したのは1993年の初代ワゴンRであることに触れた。

ワゴンRから遅れること4年、1997年にライフが発売された。これはトゥデイのコンポーネントを使って背高スタイルを実現したもので、明らかにワゴンRの発売後から大慌てで開発した事が分かる。そこからわずか1年5ヶ月で新規格へ移行し、1998年に2代目ライフへ進化し、FMCを繰り返しながら、2014年まで生産された。

2011年に思い切ってタントが属するスーパーハイトに投入した新ブランドN BOXが爆発的ヒットを記録。NシリーズとしてN360をモチーフにしたファッショナブルなN ONE(2012年)のあと、ハイトワゴンの上級ダウンサイジング派に向けたN-WGN(2013年)がデビューした。

N BOXに対してヒンジドアを採用した分、他で贅沢をするようなN-WGNだったが個人的には外装デザインがいかにも大きく立派に見せようという意欲が強く、もっとシンプルで良いのになと常々感じていた。自らが発明したハイトワゴンで再びプレゼンスを拡大したいという想いとは裏腹に肩に力が入りすぎた印象もあった。

●ヘリテージで自信を取り戻した新型N-WGN
2019年にFMCを受けたN-WGNは、ホンダのお家芸とも言えるヘリテージ頼りのステップバン・ルックとなった。困ったときのヘリテージ頼みというのはお先真っ暗の自動車業界では今後益々増えていくと思われる。結局、N BOX以外は困ったときのN360、ビートであり、ライフステップバンなのである。



新型は“N for you”をテーマに生活のパートナー、New simpleという方向性で開発が進められたという。見た目はステップバン風だが、迫力を持たせる方向性から脱却し、優しいエクステリアデザインを
採用したことは個人的に歓迎だ。一足早くデビューしたN BOXのコンポーネントを流用し、先代で見られたナトリウム封入バルブのようなN-WGN独自のメカニズムは減ったものの、パッケージングに関わる部分はスライドドアを辞めた分だけ?充実しているのが特徴だ。

例えば、アクセル・ペダルをブレーキ両ペダルを幅方向に外出しして着座姿勢を整え、ステアリング調整機構にはテレスコが備わった。或いはブレーキペダルにリンク機構を追加して足の軌跡とペダルの操作方向のズレを減らすなど地味な部分にも手が入っている。

それどころかドアオープニングにシーム溶接(残念ながらコーナー部は未実施)、高級輸入車の様にルーフモールを廃してレーザー溶接でルーフとサイドストラクチャを接合するなどコスト最優先のメーカーでは考えにくいアイテムが採用されている。これらはホンダの軽がほんの少しだけプレミアムな立ち位置を維持できている秘訣なのだろう。



軽ハイトワゴンとしてのユーティリティも先代からの美点を引き着いでいる。後ずさり量が大きめのバックドアを開ければ驚くほどローディングハイトの低いラゲージが出現し、ショッピングカートの高さに合わせたデッキボードは積み下ろしをし易くするなどホンダらしいこだわりが見られる。

●まとめ
発売数ヶ月前からティーザーサイトでアピールを続けていた2019年、EPBの不具合に起因するトラブルに見舞われることとなる。そこで一旦は問題が解決したとしながらも、後にリコールを発表。出足をくじかれてしまった。

原価の縛りが厳しい軽自動車に先進安全装備を織り込むという難しい開発の背後で、信頼に足るサプライヤーなのか?ブラックボックス化された近年のコンポーネントに対する技術力が問われた様に思う。

下記は、軽ハイトワゴンの販売台数をまとめたものだ。参考扱いのN BOXと比べると、軽ハイトワゴンの凋落がショッキングだが、それでもクラス2位を争う程度には健闘している。



実車と生活を共にして感じたのは、N-WGNがA・Bセグの登録車と戦える実力を持っていると言うことだ。

パッケージング面では、すでに正しさが証明されている背高パッケージがもたらす居住性に加え、デッキボードやシートスライドの恩恵でラゲージの使い勝手が良い。内装の質感もBセグの中間的なグレードと戦うなら十分競争力がある。

走らせた感触はBセグの凡作は十分に食える。市街地メインのセカンドカーという立ち位置なら役割を果たせるし、高速道路の追い越し車線をリードすることさえ可能だ。既にターボエンジンの圧倒的なパワーとCVTのマッチングは良好で十分実用レベルだ。

先進安全装備は新車を検討するなら積極的に選びたい装備であり、あるか否かの差は大きい部分だ。だからこそ、N-WGNは選ばれる理由がある。一方で、その制御は洗練からはほど遠く、手を添えていても変なトルクをかけてくるし、線形に合わせて一度曲がり始めても、操舵しすぎて戻してを繰り返して収まらない事もあった。

N-WGNからは開発者のコダワリが伝わってきた。軽自動車が持つフットワークの軽さと、Bセグ並みには使える空間はまさにクラスレスだが、ここに先進安全装備と活発な走りが加わった。休日の遠出だった半径100km圏内なら十分にこなしてくれる。(私の父は500km以上走らせているが…)

一方で今までミドルクラスのセダンあたりに乗っていた方がN-WGNへダウンサイジングすると満足感は目減りするだろう。それは内装の質感や走りの面だけで無く、真夏のA/Cの効き具合、ちょっとした乗り心地の堅さなどまだまだ改善の余地が残るからだ。

先進安全装備が標準で備わる一方で、防眩ミラーやアジャスタブルシートベルトアンカーなど普通車の当たり前とも言える安全装備が未だに採用されていないのは「軽ですから(テヘペロ)」では済まない領域にN-WGN自体が片足を突っ込んでいることは自覚すべきだ。(普通車も装備を落とし始めているのが気になるが)

価格を考えればN-WGNはかつての小型車レベルの支払総額になる。「もはやハイテク装備満載ですから」といいつつ、普通車に及ばない部分は「軽ですから大目に見て欲しい」という矛盾を持っている。

庶民の足に徹して日常生活圏内の移動で十分な性能を与えつつ、安価に仕上げる軽自動車の方向性は必要だから維持して欲しい。だが、N-WGNの様に軽でちょっと贅沢したい車は、完全に登録車に負けない内容にして軽の可能性を広げて欲しいと思っている。

軽としてみれば星4つ。普通車という目線なら星3つ。



●おまけ
秋にはマイナーチェンジモデルが出る様だ。7月頃に社外テストの新型に遭遇。(写真は妻が撮影)



バッヂ類をカモフラージュしつつもホイールデザインの違いなどはすぐ分かる。運転していたのはモノトーンの服装でまとめたお洒落な若いお兄さんだった。恐らく高い評価スキルを持った専門職の方だったのだろう。

暑い中お疲れ様です。現行の良さを失わないマイナーチェンジにして下さい。
Posted at 2022/08/19 00:17:04 | コメント(0) | クルマレビュー

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